ニュース

「NBA 2K18」、シニアプロデューサーインタビュー

MMO空間「ネイバーフッド」など、新要素の魅力に迫る

9月19日 発売予定

【スタンダード エディション】

価格:7,000円(税別、パッケージ版)

価格:6,300円(税別、DL版)

【レジェンド エディション】

価格:9,900円(税別、パッケージ版)

価格:8,910円(税別、DL版)

【レジェンド エディション ゴールド】

価格:14,900円(税別、パッケージ版)

価格:13,410円(税別、DL版)

CEROレーティング:A(全年齢対象)

※価格情報はPS4版

 世界的な人気を誇る2Kのバスケットボールゲーム「NBA 2K18」。今回は本作のシニアプロデューサーを務めるエリック・ベニッシュ氏が来日しプレゼンテーションを行なった。ゲームの内容や概要は別稿の記事を参照して欲しい。

 「NBA 2K18」の大きな目玉要素となるのが「ネイバーフッド」だ。ここはMMORPGのような空間で、プレーヤーはこのフィールドで他のプレーヤーと出会い、一緒に様々なことができる。ショップで服を買ったり、タトゥーを彫ったり、友達とミニゲームを遊んだり、「NBA 2K18」の対戦を楽しむといったこともできるのだ。

 インタビューではこのネイバーフッドを中心に、新しくなった「NBA 2K18」の魅力や機能を質問してみた。

目玉のMMO空間「ネイバーフッド」、ファン同士のより濃い交流が可能に

 最初に質問したのは「NBA 2K18」の選手表現である。前作もかなりキャラクターがリアルで表現としてかなりのものだと感じたが、今作はさらにブラッシュアップされている。髪型や顔の表情、肌の質感はもちろん、肘のしわや服やシューズの素材感など、「まだ向上する余地があったのか」と改めて驚かされた。

「NBA 2K18」のシニアプロデューサーを務めるエリック・ベニッシュ氏
前作とのグラフィックスの違い。体型の描写もアップしている
MMO空間ネイバーフッド
これがマイルーム。個人用のバスケットコートまで完備
靴や服、タトゥー、髪型など非常に細かくカスタマイズできる

 そのことをベニッシュ氏に伝えると、「『17』で我々も“究極だ”と思ったんだが、『NBA 2K18』と比べるとその向上ぶりには私達自身も驚かされた。このグラフィックスはもちろん選手達ももう見ていて、彼らの反応はとても良かったよ」と答えた。「NBA2K」シリーズのデータ収録日は選手達の特別なイベントとしてもうすっかり定着していて、この日のために髪型を整えたり気合いを入れて収録を行なう選手も多いという。

 エバン・フォーニエという選手は前作に比べて、本作のモデリングに大満足だったとのこと。デイミアン・リラード選手も「自分と本当に近くなったね」とコメントを寄せている。これらの感想は選手達のTwitter等でも発信されているという。

 目玉のネイバーフッドに話題を移したい。オープンワールドであり、他のプレーヤー達と空間を共有できるシステムを実装した意図に関して、ベニッシュ氏は「1人でプレイするゲーム」というこれまでのシリーズの“壁”を打ち破りたかったと語った。

 ネイバーフッドではプロ選手となり活躍する「MyCAREER」モードの、自分の分身であるキャラクターで参加する。今作ではMMO空間で自分のスタイルや、カスタマイズした姿を友人と見せ合うことができるし、皆でストリートバスケをやったりミニゲームを楽しめるし、各プレーヤーのこだわりの“マイルーム”を訪問でき、そこから「NBA2K」をプレイすることも可能だ。

 これらは、「MyCAREERモードを友人ともプレイしたい」というユーザーからの意見に、開発側から「こういうやり方はどうだろう」という形で提示したものだ。友人のキャラクターはプロ選手として成長を目指す“自分のキャラクター”の友人としてゲームに登場することになる。友人と一緒に高みを目指すことができる、ということを楽しんで欲しいとベニッシュ氏は語った。

 1つのネイバーフッドには7~8のゾーンで構成されているが、全部で数百人が世界を共有できている。プレーヤーの視界、という意味では80人くらいがその場を共有できるとのこと。もちろんMMORPG同様チャンネル構造にもなっていて、人が多くなればチャンネルが増える。

 ネイバーフッドのプレイは開発側では「友人とのプレイ」を想定しており、MMORPGのような積極的に知らない人と出会ったり、繋がりを誘うといった仕掛けは考えていないという。ただし、チームシステムなどコミュニティシステムも用意するとのこと。ちなみに「NBA2K」シリーズは女性プレーヤーも獲得している。プレーヤーキャラクターは男性だが女性プレーヤーもいるかもしれない、とのことだ。

 ネイバーフッドで購入できるアイテムは「VC」というゲーム内仮想通貨が必要で、VCはゲーム内で稼げるだけでなく、課金ポイントとして購入も可能だ。VCを多く使えば様々なアバターアイテムを購入できるが、それらは見た目の楽しさはプラスしてくれるが、ゲームを有利にしたり、キャラクターを強くしたりはしないという。ゲーム内ではプレーヤーランクが上がると乗ることができる「自転車」というアイテムはあるが、課金ポイントによる乗り物などはないという。

 面白い要素としては「Tシャツ」がある。ゲーム内ではプレーヤーが様々なデザインを組み合わせることでオリジナルTシャツを作ることができる。このシャツのデザインで、他のプレーヤーから高評価を一定数受けることで、シャツがゲーム内のショップで販売され、多くのプレーヤーが着ることができるという。

 もちろんデザインが採用されたからといって、売り上げがプレーヤーに入るということはないが、プレーヤー自身がデザインしたTシャツを多くの人が着るという名誉を得ることができる。

 ネイバーフッドに関してベニッシュ氏のお気に入りは「レコーディングスタジオ」ここでは楽曲のカスタマイズができ、DJブースでカスタマイズした曲を流せるという。もちろん友人とここで楽しむことができるとのことだ。現在アップデートの予定などはないが、拡張性も期待できるコンテンツである。

PS4 proの4K環境にも対応、リアルなラフィックスをより美しく楽しめる

 その他の要素としては「選手のAI」について質問をしてみた。「NBA 2K18」ではプレーヤーの傾向をAIが覚えて、対策をしてくる。また、優秀な選手は他の選手が彼に任せ他の人は手助けには行かないが、ディフェンスが苦手な選手には他の選手がフォローするように自動的に動くなど、まるで本物の試合のように選手達が動く。状況判断の巧みさが、本作の大きなセールスポイントだが、しかしそうなるとAIが完璧になりすぎて、プレーヤーが太刀打ちできなくなってしまうのではないか、という疑問があった。

リアルさを感じさせるAIはユーザーのプレイを学びさらに成長していく
Nintendo Switch版は屋外でもプレイ可能だ

 ベニッシュ氏はこの問いに関して「これまで同様、難易度設定でプレーヤーの腕に対応していく」と答えた。ゲームの難易度によってプレーヤーは自分の腕に合わせたゲームを楽しむことができる。難易度を上げることで歯ごたえのあるゲームプレイが楽しめるというわけだ。そしてAIはチーム全体の動きだけでなく、選手それぞれの個性に応じたアレンジもされている。慎重な選手や、反則も辞さない選手など、全体のAIとして成長しながらも、各選手の個性も重視されているという。

 「NBA 2K18」は、9月8日よりネイバーフッドなどいくつかのゲームが楽しめる体験版を配信していく。これは「NBA 2K17」から始めたサービスで非常に好評だった。何より購入を考えているユーザーに勧めるのに効果的だったとのこと。「NBA 2K18」でも同様の効果を期待しているとのことだ。

 各機種版の質問もしてみた。Nintendo Switch版はコントローラを持ち出しての屋外でのプレイも可能である。この場合ネイバーフッド以外は、オフラインでのプレイが可能だ。さらにコントローラを2人のプレーヤーがそれぞれ持って対戦プレイも楽しめる。

 他機種と遜色ないグラフィックスを実現させるなど、Nintendo Switch版は力を入れて開発したとのことだ。ちなみに、PS4やXbox Oneなどもオンライン環境でも同じようにプレイできる。また、PS4 Proの4K環境にも対応している。こちらでは、ネイティブ4Kで60fpsのプレイが可能になっている。Xbox One Xへの対応も今後改めてアナウンスされるとのことだ。

 ベニッシュ氏はユーザーへのメッセージとして、「スポーツゲームとして、ベストなものができたと思います。ぜひ遊んでいただいて、感想をお寄せ下さい」と語った。

 今回の「MMOへの進化」というのはとても面白く感じた。NBAが好きで、英語も覚えたい、という人ならば、勇気を出してコミュニティに参加する、というのもアリだと思う。ファン同士の交流がゲームを通じて実現するというのは面白い。本シリーズは日本のバスケットボール雑誌も取り上げる作品であり、日本のコミュニティでグループ結成、という動きもあるかもしれない。ファンの交流に注目したい作品だ。