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PlayStation VitaライクなAndroid端末「摩奇i7」が正式発表

Androidゲームに“最高のゲーム体験”を提供。価格は約3万円より

7月27~30日開催

会場:Shanghai New International Expo Center

 Snail Gamesは7月28日、ChinaJoy会場において記者会見を行ない、ゲームプレイに特化したAndroid端末「摩奇i7」を正式発表した。中国で8月中旬発売予定で価格は1,799元(約29,600円)。カラーはシルバーとゴールドの2色展開。海外展開については香港のみ確定しており、その他の国や地域については未定となっている。

ChinaJoyで初お披露目となった「摩奇i7」
Snail Gamesのブースで展示されていた未知のゲームコンソール
PS Vitaのような感覚でAndroidゲームが楽しめる。ボタンは独自デザインが採用されている

 Snail Gamesブースに取材に訪れた際、最初に目についたのが、試遊台に使用していた未知の携帯型ゲーム機だ。PlayStation Vitaの現行モデルより一回り大きい6インチフルHD液晶を採用しており、アナログスティックやボタン配置など、PS Vitaの強い影響が感じられる。

 触った印象は悪くなく、サイズも大きすぎず小さすぎず、薄すぎず厚すぎず、携帯ゲーム端末としてちょうど良い。現在中国で急速に増えているスマートフォン向けのオンラインゲームを快適にプレイするソリューションとして、確実に一定の需要があると感じられた。

 スタッフに興味本位でこの端末の製造元を尋ねたところ、自社で作っているというから驚いた。Snail Gamesは、MVNOビジネスを手がけるSnail Mobileや、深センでハードの開発を手がける開発子会社が存在し、ゲーム開発のみならず、スマートフォン向けのトータルソリューションを提供するメーカーとなっている。

 そもそも開発経緯は、携帯電話の発展系であるスマートフォンが、ゲームプレイに最適化されたデザインになっていないため、ゲーマーに最高のゲーム体験を提供するために設計したという。また、特に中国では、ノンブランドも含めた無数のAndroid端末が存在し、ゲームが動作しない端末も多い。そこで常に快適に遊べる環境を提供するために、ハードを一から設計して提供することにしたという。

 驚いたのは、「摩奇i7」は初のコンソールではなく、実は7代目ということで、i7はインテルCPUから持ってきたわけではなく、7世代目のモデルである事を意味していると言う。スタッフによれば過去の端末は、スペック、操作性、デザインなどに問題があり、必ずしも市場に受け入れられたわけではないようだが、ユーザーからのフィードバックを受け、あらゆる問題点を解決した決定版が「摩奇 i7」と言うことになる。

【摩奇i7】
正面
背面にはSnailと「摩奇i7」のロゴが描かれている
上部。L、Rボタンに加え、電源とボリュームスイッチがある
下部。ヘッドフォン接続端子とUSB Type-Cが用意されている
普通に起動するとスマートフォンとして使える
カラーバリエーションはシルバーとゴールドの2色展開

7台目となる「摩奇i7」
「摩奇i7」が備える機能
6インチIPS液晶は、ゲームパッド搭載のため100%視界を遮らない
価格リスト。既存ユーザーは安くなる

 決定版を謳うだけあってスペックは非常に豪華だ。フルHD表示に対応した6インチのIPS液晶、10コアのCPU、64GBメモリ、5800mAhのバッテリー、2つのアナログスティック、1つのデジタルパッド、6つの物理ボタン、3Dオーディオ、Android 7.1など、ゲームを快適に遊ぶために必要なテクノロジーがこれでもかとばかりに詰め込まれている。

 特に印象的なのは、6インチのIPS液晶だ。iPhone 7の4.7インチ、PS Vitaの5インチよりさらに1まわり大きく、解像度もフルHD(1,920×1,080)を確保し、迫力のある大画面でゲームがプレイできる。

 過去に問題とされてきたデザインや操作性についても改善が図られ、デザインは奇を衒わずシンプルな内容となった。アナログスティックと物理ボタンにより、バーチャルパッドより操作しやすくなり、タッチパネルの応答性も向上しているため、物理パッドとバーチャルパッドの両方を使った操作も可能だという。そのほか、急速充電に対応したバッテリーは交換可能で、SIMは2枚刺しが可能、ボタンには500万回の耐久性を確保するなど、中国市場らしい使い勝手にこだわったゲームコンソールになっている。

 会場では、現在中国でもっとも人気集めているというTencentのスマホ向けMOBAタイトル「王者栄光」を、パッドとマクロ機能を使って操作し、バーチャルパッドのみより遙かに遊びやすいことをアピール。アプリストアは、Snail Games独自のストアをプリインストールしているが、他社のアプリストアも排除せず、ユーザーが自由にインストールして使うことができるようだ。

 質疑応答では、ストレージの小ささや、類似製品が数多く存在すること、VRへの非対応についてなど、どちらかというとネガティブな質問が多かったが、Snail Games副総裁の王盛氏は、「2011年から代を重ねており、iPhoneのように爆発的に売れるハードではないことはわかっている。こういったハードを求めているゲームファンに向けてコツコツ売っていきたい」と回答し、ストレージサイズやVR未対応については、ゲーマーが求めやすい価格のレンジを踏まえた結果の判断だという。

 「摩奇i7」は、7月28日より中国で100元(約1,650円)で予約を開始し、8月中旬より発売を開始する。新規ユーザーは予約の100元を差し引いた1,699元(約28,000円)、既存ユーザーは100元オフの1,599元(約26,000円)。日本展開については、日本の技適を通る見込みが立っていないため、まったく未定ということだが、チャンスがあれば展開したいと言うことだった。

【「王者栄光」をプレイ】
独自機能のマクロを使って「王者栄光」をプレイ。強力なマクロ機能は、日本では敬遠されがちだが、こちらでは必須とされる