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【スマホアプリ今日の1本】「ストリートファイターIV チャンピオンエディション」
シリーズおなじみのキャラ25人が集結!スマートフォンで遊ぶ格ゲーの仕上がりはいかに
2017年7月22日 12:00
「ストリートファイターIV チャンピオンエディション」の3大ポイント
・歴代シリーズおなじみの25+6キャラクターが勢ぞろい
・アーケードを彷彿とさせるマルチ機能「乱入待ち受け」
・コマンド不要!ボタン1つで必殺技が出せる「カンタン必殺技」
カプコンが7月12日に配信を開始したiOS用アプリ「ストリートファイターIV チャンピオンエディション(「ストIV CE」)」は、2012年に配信された「ストリートファイターIV VOLT -Battle Protocol-」をベースにしつつ、新キャラクターの追加や画面解像度の向上、ボタンコンフィグの充実など、さまざまな改良を施した作品だ。
「ストリートファイター」シリーズに限らず、格闘ゲームはアーケードやコンシューマが中心であり、スマートフォン向けというとあくまでもスピンオフという位置づけから抜け出せていない。コントローラーを自由に選択できない操作面の問題、あるいは通信環境の影響で対戦を気軽にできない問題などがあるからだろう。
そんな問題と向き合ってきたからなのだろうか、今回の「ストIV CE」ではよりカジュアルに、気軽に楽しめる格闘ゲームへと成長を遂げている。本稿では、ゲームに実際に触れてみてのプレイフィールを紹介する。
カンタン必殺技で誰でも遊べる仕上がりに
前述のとおり、スマートフォン向けのシリーズとしては「ストリートファイターIV VOLT」以来約5年ぶりとなる本作。まずは前作と比較しての変更点や、進化したポイントを紹介していこう。
もっとも大きいのは新キャラクターとして「いぶき」、「ダッドリー」、「ポイズン」の3人が追加された点だろう。いずれも過去の「ストリートファイター」シリーズに登場してはいるが、慣れ親しんだキャラクターを操作できるというだけでも既存のファンには大きな追加要素と言えるだろう。また今後のバージョンアップで新たな格闘家6人が追加されることもアナウンスされている。追加時期は不明だが、長く楽しめる仕掛けが用意されているのも嬉しいポイントだ。
操作は画面上に表示されるヴィジュアルパッドとボタンで行なう。これについてはアーケードコントローラーを使用できるコンシューマとの大きな違いであり、過去の作品をプレイした人はどうしても戸惑いを覚えるところだと思う。とはいえ、実際にアプリを触ってみると操作感覚はとても良い印象を受ける。指を滑らせるだけの操作と技入力の相性は良く、“なんとなく”の操作で技を連続で繰り出せるため爽快感も十分にある。斜め入力が入る波動拳などでは、特に恩恵を感じられるだろう。
とはいえ慣れないうちは思い通りに技が出せなかったり、自分の指でスティックやボタンを隠してしまう影響で、普通ならありえないミスをしてしまうケースもあるだろう。筆者もその1人だ。そんなときにおすすめしたいのが、オプションで選択できる「カンタン必殺技」である。これをオンにすれば、ただでさえ簡略化されたコマンドがさらにシンプルなものになる。例えば波動拳だと、スティックを4分の1回転させてからPボタンを押す、という流れだが、「カンタン必殺技」をONにするとSPボタンを押すだけで発動する。ここまで簡単になると「練習する格ゲーの醍醐味が薄れる」と感じる人もいるかと思うが、スマートフォン向けらしく、徹底的にカジュアルにして間口を広げているのは評価できる。
さらにもうひとつ、「コマンドコンフィグ」を行うことによって、スティックやボタンの位置を細かく調整することも可能だ。ボタンのサイズや透明度も変更できるので、「ボタンのせいで画面が見づらい」という人でも遊びやすくカスタマイズできる。
ソロプレイ、バトルはともにシンプルな作り
本作に搭載されているモードは大きく分けて2種類。ソロでCPUと戦う「ソロプレイ」と、オンラインを介して世界中のプレーヤーと戦える「バトル」がある。ソロプレイでは全7キャラクターに勝利するまでの総タイムを競うアーケードモード、体力の続く限り戦い続けるエンドレスモードが用意されている。中でもアーケードモードは、「ストリートファイター」シリーズでももっともポピュラーな遊び方と言っていいだろう。挑戦する前に難易度の変更や、前述の「カンタン必殺技」のON/OFFなども設定できるので、自身の実力を図るのにも最適だ。
また「乱入待ち受け」という設定もあり、これをONにしておくとソロプレイの合間に他プレーヤーが対戦を申し込んでくる。「ストリートファイター」らしさ溢れる機能だが、1人でじっくり楽しんでいる最中に乱入されないよう、プレイ前に設定を確認しておくのも大切だ。
また格闘ゲームではおなじみのトレーニングモードや、それを発展させたチャレンジモードも搭載されている。チャレンジモードは、指定された技を連続で繰り出すことに挑戦するというもの。成功させるためには流れるように異なる技を出す必要があり、操作に慣れるまでは苦戦を強いられるだろう。逆に言えば、特定の技を練習するにはこれ以上ないモードでもある。
一方の「バトル」にはランクマッチとフリーマッチという2通りの楽しみ方が用意されている。ランクマッチはそれまでの対戦成績に応じてレーティングが設定され、近い実力のプレーヤー同士が対戦を行うことになる。フリーマッチは実力差も関係なく、自由に対戦相手が選ばれる。
過去にリリースされた作品のアッパーバージョンのため、個性が光るというより地に足の着いた、安心して楽しめるゲームと言ったほうが正しいだろう。記事の中でも触れたとおりやはり操作はある程度の慣れが必要で、シリーズ作品をやりこんだ人ほど戸惑うこともあるかもしれないが、「カンタン必殺技」の存在のほか細かな「コマンドコンフィグ」も可能なため、カジュアルに楽しみたい作品である。
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