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メガネメーカーが挑む! 人の状態を読み取る「JINS MEME」を使ったゲーム実況プレイ動画コンテストを開催
プレイ時の集中力や心の変化を記録して表示。動画の参照数で競う
2017年7月15日 12:00
ジンズは7月14日、東京・秋葉原にあるe-Sports Square AKIHABARAにて、人の状態を読み取るシステム「JINS MEME」を通じて取得される「集中度」のデータを活用したゲーム実況プレイ動画コンテストに関する説明会を開催した。会場には抽選で選ばれた50人が来場し、コンテストの参加方法などについてレクチャーを受けた。
今回のコンテストは7月21日~8月21日の期間で開催され、JINS MEMEを装着した状態で録画した実況プレイ動画をニコニコ動画かYouTubeにアップ。その参照数で勝ち負けを競うというもの。1位には賞金20万円とJINS MEMEが贈られるほか、2位には10万円、3位には5万円の賞金が授与される。
ここでJINS MEMEの仕組みについて説明しておこう。JINS MEMEは、目の瞬きと上下左右、その斜め方向と合わせて8方向の視線移動を「眼電位」で計測。今の人の状態(緊張しているか? など)を計るというものだ。JINS MEMEの鼻の所に三点式の眼電位センサーがあるほか、耳にかかっている部分には、加速度と角速度を測定する6軸センサーを内蔵。これらのデバイスに基づくデータで、人の状態を読み取ることが可能だ。データはスマートフォンアプリとBluetoothでやりとりして記録することができる。
今回の測定に使用されるアプリは「JINS MEME OFFICE」。これは仕事や勉強、読書など、日常生活の中で1つの作業に没頭したいときに、自身の集中度をリアルタイムで可視化してくれる集中度計測アプリだ。これを使って、ゲーム中の集中度、リラックス度、姿勢の変化を測定するというわけだ。
コンテストのルールだが、期間中はJINS MEMEをかけてプレイすることと、投稿は1か月に6回以上行なうこと、1つのゲームを実況プレイして、ニコニコ動画かYouTubeにアップし、1か月で完結させることが求められる。アップする動画だが、ゲームのジャンルはどれでもOK(ただし18禁などはNG)。投稿動画は編集すること、1つの動画は最長で30分であること、という制限が設けられている。
会場ではゲストとして登場したゲーム実況グループ「いい大人達」のタイチョーさんが登場。「青鬼」というフリーのホラーゲームをテストプレイしてくれた。
「このゲーム実は初見」と語るタイチョーさん。あまり落ち着いていないで、態勢もよくない感じだ。「データまで出て、さらし者じゃないですか」とタイチョーさん。
そしてプレイを開始。落ち着きも集中度もなかなか上がらない。いろいろなところを動き回るが、ドアが開かなかったりとうまくいかない。するといきなり青鬼が! やられてしまってあっけなくゲームオーバー。しかし「鬼が出てきたときの方が落ち着きが上がってますね」。どうやらモンスター慣れしているのでは、という分析だ。その後も集中量が下がるものの、プレイは黙々と進行。そして部屋の鍵を手に入れる。鬼が出てきた! さっき誰かがいたタンスに駆け込むと……鬼から逃げることができた。「まあこの環境では集中できませんね」とタイチョーさん。そのあたりは無理もないところだったろう。
実際のゲーム実況コンテストが始まったあとにはどのようなゲームが投稿されるのだろうか?
とにかく面白いことをやってJINS MEMEを広めていきたい
会場では同社のJINS MEMEグループ e-Sportsソリューションズ担当の渡辺寛紀氏に話を聞くことができたので、インタビューをお届けしよう。
――今回のプロジェクトはどのような発想から生まれたのですか?
渡辺氏 元々JINS MEMEはフィットネスなどの公式のアプリがあります。「OFFICE」は働き方改革ですとか、生産性を上げるために作られたんですね。原宿でJINSの旗艦店が、期間限定でついこの間まで営業していたんですが、いろいろなお客様が来て手に取っていただき、アプリにも触れてみたとき、ちょっと触れづらいというところがあって。
ずっと思っていたんですが、人間は食べることと寝ること、面白いことはなくならないというのがあって。硬いアプリだからといって硬い使い方をするのではなく、面白いことに振った方がみんなの理解も増えるだろうし。僕らは全然お金になると思っていなくて。まずは面白いということを作ろうよ、ということが社内でも意見として出てきまして。
私はゲームやエンターテイメントが大好きでしたし、e-Sportsが市場としても熱くなっている時期です。2020年にはオリンピックもあります。それに向かって、インフラとして自分たちが何ができるかと考えたときに、こういうライトなところから、こんな面白いことがあるよということをお伝えして、皆さんからもアイディアが欲しかった、というところです。それで今回、これに着手しました。
――渡辺さんが手を上げて始められたんですか?
渡辺氏 2年前から言ってました。このメガネは元々ターゲットが“意識高い系”ですが、そのまま受け入れられているかというと、確かに受け入れられてはいるんですが、うちはファミリーブランドですので、もっと広い、多くの人たちに眼鏡をかけてもらいたい。そんな中でこの商品を出しても、なかなか受け入れられていないことが、もしかしたらあったかもしれない。そんな中で「だからこそ、面白いこと、ゲームだろ!」と。
僕が今1番やりたいことですが、ギャルゲー作りたいんですよ(笑)。1日かけて、自分と一緒にスマホのUIの中の女の子が付いてきてくれて、会話ができるのはありますけど、1日の生活データをそのまま当てはめて、それに対して返ってきたことでコミュニケーションを促したり、ストーリーが分岐したり。そういうゲームがあったら面白そうだよね、と。1番最初の着想はそこだったんです。
――VRとからめてもおもしろそうですよね
渡辺氏 絶対面白いと思いますね。仮想空間の中で、拡張現実のARとしては、JINS MEMEはどちらかというとAR的なものなので、入れて作ってあげたら、もっと臨場感があるでしょうね。自分のステータスが伴うので、よりリアルなものになると思います。そこにいるように見えるだけでなく、そもそも自分のステータスがあるものだから、そこにいるのではなく、自分がその空間の中に入って何かやっている。その時のステータスがこれですと。もっと親和性があると思いますね。
ただ、業界の人間でもない自分たちが、いきなりゲームを作れるとは思っていませんので。ナレッジもノウハウもありませんから、いきなりそこをやることはないですね。元々日本はゲーム・アニメ大国です。しかしe-Sportsだけは弱い。ただ元気なタイトルを持っている会社さんはたくさんある。ちょっとでもサポートをさせてもらうのが、いろいろな意味を含めて、よいのかなと思っています。
――ほかにもe-Sports大会のサポートなどは計画されているのですか
渡辺氏 大きな声ではまだ言えないんですが、すでに一緒にやらないかと言っていただいている会社さんもあります。そういう所も含めて、今年中にもっといろいろな動きがあります。それを見てさらに、面白いことがやれる企業さんや個人の方が出てきてくれればいいなと思います。
――今回はどのような反響がありますかね
渡辺氏 反響も多ければよくて、低ければ悪いということではないと思っています。もっと反響を出したければ、この10倍、20倍の人を集めて、もっと大きくやってもよかったわけです。でも本当に面白いか面白くないかわからないものを、はなからたくさん集めてトップダウン式でやっていくのは、一般的なビジネスではいいかもしれませんが、これがゲームである以上、僕はルール違反なのじゃないかと思っています。それは嫌なんですね。
まずはこんなものがあるよと、それを本当にやってみたいという少数の方を集めて、それが人の目に止まるところに出してくれて、それを再生してくれたという事実だけあれば、まずはそれでいいと思っています。お金を頂かなくてもいいんで。元々お金を求めてやっているわけではない。面白い立ちポイントをMEMEで作れればいいなと思っています。お金とかはずっとずっと後でいい。ほんとにやりたいならクローズドにして、CMやうちの商談を濃くしてやってもいいんですよ。でもそれはかっこ悪いんで。そんなことをしたくない。普通にまずは、皆さんに楽しんでもらいたい、それだけです。
――ありがとうございました