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より洗練され、プレイしやすく! 「DETROIT BECOME HUMAN」
彼はいかにして少女を救うか? 「コナー篇」をプレイ!
2017年6月16日 16:49
そのリアルなグラフィックス表現と深いテーマ、緻密で力の入ったキャラクター描写で熱心なファンを集めるQuantic Dreamの最新作が「DETROIT BECOME HUMAN」だ。すでに発表されているように複数の“アンドロイド”を使ってテーマを描いてく。今回ムービーでは、人類に反逆を決意するマーカスの存在が明らかになった。
本作は物語の“最適な方法”を模索していくアドベンチャーゲームである。今回のE3会場ではアンドロイドの犯罪捜査官である「コナー」のパートがプレイできるバージョンが出展されていた。……そう、2016年のE3と同じなのだ。ストーリーや大まかな展開はすでにムービーでも公開されている。しかし、インターフェイス、ゲームメカニクスが大きく変化していたので、プレイレポートをしていきたい。
ゲームシステムとインターフェイス、Quantic Dreamの“弱点”はまさにここにある。美しいグラフィックス、緻密なキャラクター描写を実現しているからこそかもしれないが、ゲームとしてプレイしずらかったり、わかりにくい部分があったのだ。しかし開発者達は「ゲームだからこそ語れる物語」を追求し続けている。そしてその表現手法もしっかりと進化していることが今回確認できた。
コナーはアンドロイドの製造元サイバーライフから送り込まれた“交渉人”だ。彼はデトロイトのダウンタウンのビルの屋上で少女を人質に取っているアンドロイドを止めるために事件現場を訪れた。
ゲームではコナーとなって捜査を行なっていく。ビルの屋上で、アンドロイドを子守に使うという裕福な家庭だ。しかしそのアンドロイドが“反逆”をした。それはなぜなのだろうか。コナーはアンドロイドが、屋外のプールのある庭で少女を人質に取っているという非常に緊迫した場面に現われる。警官がアンドロイドを包囲している状況だ。すでに何人かの警官も撃たれており、少女の命は風前の灯火であり、次の瞬間にもアンドロイドが暴走しそうだ。
キャラクターは左スティックで操作、何か触れるオブジェクトがあると右スティックを操作することでコナーがアクションをする。床に落ちたものを調べるにはまずしゃがむようにスティックを下に動かしてから右にスティックを回す、という感じだ。タブレット機器を操作するときは、タッチパッドをスワイプしたりする。
コナーは犯人の名前すら知らない。いたずらに犯人の前に出ても交渉にすらならないのだ。プレーヤーは犯人が激高する時間までに現場を調べ有益な情報を集めねばならない。家の中には様々なインタラクト可能なオブジェクトがある。少女が使っていたタブレットを使うことでアンドロイドが「デビット」であるというように、情報が集まっていく。そうすると「調査率」というゲージが上がっていく。
コナーは卓越した操作能力を持たされている。倒れた死体からデータを収集し、倒れる前の姿や、撃った犯人の状態などを再現できるのだ。これにより被害者が落としたものや、犯人の状態、直前に何が起こったかを再現し、例えばコナーは銃を持っていないが、警官が落とした銃を拾うなど、その後に大きく関係していくものもある。……しかし足りない、初見プレイではどこに何があるか手探りだし、犯人の暴走のタイミングもわからない。操作を中断しデビットの前に進まざるを得なくなる。
名前を呼ぶとデビットの「反抗心」が下がる。「銃を持っているんだろう!」といわれ、目の前で銃を捨てるのもデビットの心を落ち着かせた。しかしここからが交渉の本格化である。デビットはいつ暴発してもおかしくなく、コナーであるプレーヤーは彼がなぜ暴走したのか想像もつかない。その場でデビットに対し正直に言うか、挑発するかというようなとっさの判断をしていくしかない。
選択肢は無数にあるはずだ。もっと情報を得ていたら違うやり方があったかもしれない。会話をしている内に選択肢が減ってしまったのは何かまずいことをしたからだろうか? 実はこのとき左スティックでじりじりと前身もできる。しかしそれが犯人を暴発させてしまったら? 結局筆者のプレイではデビットは少女と共にビルから飛び降りようとし、コナーは少女を助けることができるものの、デビットと一緒にビルから落ちてしまう。満足げな顔で落ちていくコナーの横で「ミッション成功」の文字が出た。
しかし、やはりコレが“成功”とは思えない。もっと良い方法、良いやり方、ゲームとしても奥深い駆け引きができたはずである。もっともっとやりこみたい、そう思わせるデモプレイだった。本作の発売日はまだ未定だが、本当に発売が待ち遠しい。