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【東京おもちゃショー2017】これぞおもちゃショー! 輸入玩具、低価格おもちゃ、パイプ型ブロック……様々なメーカーの玩具への取り組み
2017年6月3日 18:11
大きなメーカーや最先端の玩具に目を奪われがちだが、「おもちゃ屋」に置いてある商品はそれだけではない。小さな向上が作ったアイディア玩具だったり、どこか異質な外国のおもちゃだったり、低価格のオリジナルヒーローグッズなど、おもちゃ屋は本当に宝石箱のように様々な魅力的な商品に溢れている。
おもちゃショーもそうなのだ。異国のセンスが強い輸入玩具や、スーパーやコンビニで置いてある低価格玩具、小規模だが定番の玩具をずっと売り続けているメーカーや、ユニークな新進メーカーなど様々なメーカーが出展している。彼らは企業パートナーを見つけるために出展しているので、一般公開日ににはブースを撤去しているところも多い。本稿では玩具に様々なアプローチを行なうメーカーを取り上げていきたい。
おもちゃショーなど玩具の「商談会」をめぐってると改めて筆者は「おもちゃ」が好きなんだと気づかされる。最先端で派手な商品に目を奪われがちだが、本稿では会場を回り気になったメーカーに話を聞いてみた。今回は出会えなかったが、機会があればゴムの蛇や恐竜だけを作ってるメーカーや、凧の専門店など、おもちゃにずっと取り組んでいるメーカーなどにも話を聞いてみたいと思う。
低価格帯玩具のONOEMAN、工場のアイディアも取り入れクオリティの高さも追求
ONOEMANはスーパーやコンビニなどでも流通している、低価格帯玩具を取り扱うメーカーだ。500円~1,000円くらいという価格帯をメインのゾーンとして商品を展開している。シャボン玉やおままごと玩具、時計型玩具やオリジナルヒーローなど誰もがふとした機会で親や祖父母にねだり、買ってもらった記憶があるのではないだろうか。
しかし実際に商品をチェックしてみるとその“現代的”なクオリティに驚かされる。昨今のヒットは「きかんしゃトーマス」の動力などを積んでいない手転がしの玩具だが、500円という価格の中で、造形も塗り分けもしっかりしており、コレクションしたくなる品質を大事にしているそうだ。
ヒーロー玩具もカッコイイし、筆者の頃は動かなかった時計のおもちゃは500円なのにちゃんとデジタル時計として機能している。野菜のおままごと玩具も造形や切り口もきちんとしているし、塗装まで施されている。商品はONOEMAN側が企画をして工場がそれを実現するというのが基本だが、工場側も技術を磨きアイディアを練って「こういう商品作れるんだけど、どう?」と提案してくることも多いとのこと。改めてチェックすると、その質の高さに驚かされてしまった。
30分で自転車に乗れる! アイディアバイクのビタミンファクトリー
「わずか30分で自転車デビュー」というインパクトのあるキャッチフレーズを前面に出していたのがビタミンファクトリー。元々はひねりながら前進するスケートボード「ブレイブボード」を展開していたメーカーだが、「へんしんバイク」という自転車デビューができる玩具が大きなヒットとなり、この教室を全国で展開、一般公開日でも教室を開催するという。
「へんしんバイク」は動力のな自転車型玩具「ストライダー」に近い形状の玩具から、チェーンとペダルの「動力ユニット」を接続することで自転車へと“変身”する商品。まず動力のない状態で遊ぶことで子供に腰でバランスを取り、補助輪がなくても2輪で走る感覚を覚えさせる。ブレーキもついてるので、止まり方もここで覚えられる。
そしてそれで走って遊べる、バランスを取る感覚がわかったら、動力ユニットをつけ、ペダルで恋で前進する感覚を学ぶ。教室ではこれを30分のカリキュラムとして実施しているという。多くの子が、親が、「自転車デビュー」には思い出があるだろう。現代はこのようなアプローチもあるのだ。
パイプメーカーの新たな挑戦、パイプブロック「チューブロック」
会場でちょっと特別な雰囲気を放っていたのが、「チューブロック」というブロック玩具。商品名がそのまま社名となっているが、このメーカーはベンカングループという、水道管からパイプラインなどあらゆる配管を繋ぐ“配管継手”の老舗の開発メーカーだという。
その技術を活かして作ったブロック玩具「チューブロック」は、大小様々なパイプに共通のジョイントをつけて拡張遊びを可能にしている。パイプ型なため形成できるモデルには少しクセがあるが、それがそのまま独特の味になる。特にプラント工場のようなパイプで形成された建物を再現するのにはうってつけだ。
楽器やロボット、動物、建物など様々な組み方を考え、その方法を提示した設計図と部品を同梱したキットを販売している。工場を作れる「プラントセット」も販売している。他のブロックと組み合わせたり、プラモデルに活用するのも楽しいかもしれない。
コンクリートミキサーの玩具? ユニークな大型商品が楽しいベラルーシのポリシエ
AKIRAという玩具メーカーが輸入代理店を務める「ポリシエ」は、東ヨーロッパの国ベラルーシの玩具メーカーである。人気なおもちゃは子供がまたがって遊ぶ乗用おもちゃだが、ちょっと日本人センスとは異なる“味”が独特の魅力を放っているのだ。
丸太を運ぶ大型トラックや、巨大なタンクを持つコンクリートミキサーをちょっとだけ丸く、しかし充分ごつく重厚な造形で再現し手転がしの玩具としている。工事現場でコンクリートを混ぜ合わせるタンクまで玩具化している“無骨”なセンスが楽しい。原色を組み合わせるセンスもちょっと違い、「世界には色んな人がいるなあ」と感心させられる。
女児向けおままごとセットもオーブンまで兼ね備えた欧米型のシステムキッチンで、こちらも大迫力なのだ。全体的に「でかくてごつい」のだが、もちろん安全基準は満たしているし、この独特の面白さは、「子供のおもちゃとしてこの異国風もありではないか」と思わせる。独特だからこそ強く子供の心を惹きつけそうな魅力的な商品は、強く印象に残った。