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“3本足の怪鳥”に隠された秘密を「月刊ムー」編集長が解説!

「ArcheAge」アップデート実装記念で記者会見を開催

4月26日 実装予定

 ゲームオンは、Windows用MMORPG「ArcheAge」において、アップデート「蒼翼の咆哮」を4月26日に実装する。

 「蒼翼の咆哮」は、新レイドボスとなる雷神「リーウー」が登場する最新アップデート。「リーウー」は3本足を持つ巨大な鳥で、プレーヤー自身も空を飛ぶ空中戦が展開されるという。

【ArcheAge公式:ArcheAge3.0「蒼翼の咆哮」PV】

 今回、このアップデートを記念して、とある記者会見がゲームオン社屋にて開催された。記者会見で待ち受けていたのは、ゲームオン「ArcheAge」日本運営プロデューサーの石元一輝氏と、月刊ムー編集部の三上丈晴編集長。どうやら「リーウー」が“3本足の鳥”であるということから、3本足の鳥に関する伝説を三上編集長が語ってくれるという主旨らしい……。

ゲームオン「ArcheAge」日本運営プロデューサーの石元一輝氏
月刊ムー編集部の三上丈晴編集長
「リーウー」が飛翔する姿

怪奇! 3本足のカラス「ヤタガラス」の伝説!

「リーウー」の資料の一部。3本足を持つ巨大な鳥だ
本文とは関係ないがこちらが月刊ムーの最新号

 日本で3本足の鳥といえば、「ヤタガラス(八咫烏)」が最も有名だろう。ヤタガラスが日本の神話の中にはじめて登場するのは、「古事記」や「日本書紀」で描かれている神武天皇が現在の宮崎県に位置する日向を出発し、大和を征服して大和朝廷を開くまでを記した説話「神武東征」の中となる。

 神武天皇は現在の紀伊半島にある熊野まで迂回してから大和を目指すこととなるが、道中の山が険しい道程であり、道に迷ってしまう。そこへさっそうと現われたのが巨大なカラス「八咫烏」で、このカラスが道案内をすることで最後の戦いに勝利し、大和朝廷を開くこととなる。なお「咫」は長さの単位のことで、「八咫烏」自体は八咫あるカラスという意味になる。

 またカラスは、かねてより東アジア全域で霊鳥として扱われており、中国の書物「山海経」や中国の思想書「淮南子」には「金烏(きんう)」、または「三足烏(さんそくう)」と呼ばれる3本足のカラスが登場する。このカラスは太陽の中に住んでおり、1日に1回、背中に太陽を乗せて天空を回るという。

 そもそもなぜ足が3本なのかというと、これは陰陽思想に関連しており、数字の中での陰と陽から来ているのではと三上氏は話した。数字では偶数が陰、奇数が陽であり、太陽の中に住んでいるカラスの足が3本なのはこのためで、そうした3本足のカラスの伝説が日本に伝わり、建国神話の中に取り込まれたのが八咫烏なのでは、とした。

驚愕! 「八咫烏」伝説は秘密組織の存在を表わしていた!

訥々と八咫烏に関する伝説を語る三上氏と、話に耳を傾ける石元氏

 また八咫烏は、伝説だけの存在ではない。現代に通ずる話として、三上氏は、先の神武天皇の逸話に出てきた八咫烏の実態は、京都の下鴨神社の祭神でもある賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)であり、その子孫が賀茂氏として天皇に仕え、それが陰陽師となっていったとした。

 古代朝廷の祭祀を執り行なう一族は鴨族と呼ばれているが、その中には賀茂氏のほかに忌部氏もおり、その忌部氏の祖の1人に天日鷲神(あめのひわしのかみ)がいる。天日鷲神は、日本神話において猿田彦命(さるたひこのかみ)と置き換えて語られることもあり、この猿田彦命は鼻が大きく、顔が赤く、天狗の原型とされている。

 そしてこの天狗の配下にいるのが、鳥の頭をした烏天狗であり、この烏天狗の別名が八咫烏なのだという。また鞍馬天狗の伝説が残る鞍馬は京都の北に位置し、一帯は鴨族の領域となっている。この逸話も、天狗と八咫烏の結びつきを意味している。

 つまり、天狗や八咫烏といった存在は単なる伝説ではなく、修験者としての筆頭とその部下という一組織=鴨族の関係性が伝説化したものと捉えることができる。なおこうした鴨族は「八咫烏」と呼ばれる秘密組織を今もなお形成しており、陰陽道の裏に位置する秘術「迦波羅(かばら)」を駆使し、陰陽道や祭祀を裏で取り仕切っているのだと、三上氏から説明された。

愕然! 「リーウー」設定背景を石元氏が説明

石元氏の手により、「リーウー」の姿を目撃した三上氏。残念ながら伝承上の姿とは一致しなかったようだ

 さて、ここで石元氏が「リーウー」に関する説明を始めた。筆者自身この時思い出したのだが、そもそもこれは「ArcheAge」のアップデート情報のための会見だったのだ。

 「リーウー」は、クラーケンやレッドドラゴンに続く大型のレイドモンスターであり、プレーヤーは専用の翼を付けて空中戦を展開していくこととなる。

 「リーウー」はもともとの飼い主が敵に倒されており、それ以来主を探し続けているという設定。1度その敵に返り討ちにあってから2,000年ほどが経過しており、再び力をつけてきたが、その力が暴走し、大陸を1つ崩壊させてしまったという。

 戦闘の規模は50人程度を想定してバランスが調整されており、倒せば相応の報酬がある。会場では実際にゲーム上で動く「リーウー」が公開され、三上氏もその姿を目撃したが、「ドラゴンみたいですね」と一言。そして長い尾を確認すると、「始祖鳥を思い出しました。学名もArchaeopteryx(アーキオプテリクス)ですし、本作のタイトルのイメージに近いですね」とした。

 「リーウー」もそもそもの名前は「三足鳥」であり、三上氏が解説してくれた数々の伝説にルーツがあるようだが、残念ながら専門家の同意は得られなかったようだ。三上氏が語った伝説は間近で聞いていても鬼気迫るものがあったが、信じるか信じないかはあなた次第である。

 なお今回の記者会見に関連して、「ArcheAge」と「月刊ムー」のコラボ特設サイトが公開されている。「リーウー」と対峙することになった際は、今回語られた伝説を思い出しながら戦ってみてはいかがだろうか。