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LJL 2017 Spring Split、怒涛の3連勝でRampageが2連覇を達成!
選手とふれあえるLJL出場6チームのブースが人気、優勝インタビューをお届け
2017年4月1日 22:20
「League of Legends(以下LoL)」のプロリーグ「League of Legends Japan League」(以下LJL)、春季シーズンSpring Splitの決勝戦「LJL 2017 Spring Split Final」が4月1日に実施された。会場は東京ビッグサイト・西4ホール。
2017年シーズンの前半として1~3月の期間に実施された春季リーグの勝者を決める公式戦の最終試合。この試合を制したチームは、4月から5月にかけてブラジル・サンパウロで行なわれる世界大会「Mid-Season Invitational」(MSI)への参加権が与えられる。
今シーズンにおいて決勝に進出したチームは「Rampage」(以下RPG)と「DetonatioN FocusMe」(DFM)。2016年8月に行なわれたSummer Splitと同じ組み合わせであり、日本における公式プロリーグの開幕以前より続く強豪チーム同士の対決となる。
昨シーズンではRPGが勝負を制して念願の初優勝を飾っており、今回、2連覇を目指す。対するDFMは昨年の雪辱を果たせるかに注目が集まっていた。
ルールは3勝先取のBO5(Best Of 5)だが、結果からいえば3-0でRPGのストレート勝ちとなった。今シーズンの緒戦ではDFMに敗北し、好調な滑り出しとは言えなかったRPGだったが、その後は着実に勝数を積み上げ、ついに2連覇を勝ち取った形だ。
結果だけを見ればRPGの圧勝のように感じられるかもしれないが、実際の試合は、どちらが勝ってもおかしくない、ハイレベルで緊張感が続く戦いだった。3試合とも試合終盤までRPGが流れを掴んでいたものの、集団戦の展開いかんでは、いつ趨勢がひっくり返されてもおかしくはなく、キル数も拮抗し、ゴールド差もそう大きく開いていなかった。日本代表レベルの試合では、そもそも両チームとも極めてミスが少ない。
この均衡が崩れるきっかけは複数回の集団戦の結果生じるものだが、その一連の流れは決して“なし崩し”ではなく、いかに自分たちがミスをせず、かつ相手のミスを誘発し、Carryを潰すかという、まさにチーム力、連携力のぶつかり合いである。これは高度な操作技術と、迅速で正確なコミュニケーションがあってこそ実現できるレベルの戦いであり、筆者には4月末より開催される国際大会での活躍が楽しみになるほど完成度の高いプレイングであるように感じられた。
記事執筆時点では準備中となっているが、この日の試合の模様はLJL公式の特設サイトでタイムシフト視聴することができる。
憧れのプロ選手と会えるチームブースを設置
会場となった東京ビッグサイト西4ホールには、ファンアートの展示コーナーと、決勝に出場した2チームへの応援メッセージを書き込むボードが用意されたほか、公式試合としては初めての試みとして、決勝に進出しなかったチームを含む6チームのブースが用意された。ブースでは、各チームが用意しているグッズ類を販売するほか、選手たちも参加し、ファンと交流することもできた。
LJLでは今シーズンより全チームの試合をストリーミング専用のスタジオで生中継しており、日頃ストリーミングで目にしている憧れの選手に会えるということで、試合を控えた各チームのブースはたくさんのファンでごった返した。それぞれのブースではグッズにサインをしたり、ファンと記念写真を撮る選手たちの姿が見られた。
2016年年夏季に引き続いて2連覇を達成したRPGに、短時間ではあるが話を聞く機会をいただいた(以下敬称略)。
――今回、勝つためにチームとして心がけたことはありますか。
YutoriMoyasi選手: 自分にできることをしっかりとやる、ミスをしない、ということを徹底しました。これは練習段階からずっとコーチに言われてきたことで、自分に負けないことを常に意識してきました。
――昨年のSummer Splitに続きLJL2連覇となりましたが、その秘訣は何でしょうか。
Dara: 今回のメンバーは普段から人間関係も良好だし、試合中にもとても良いコミュニケーションが取れていました。連覇できるにいたった秘訣は、これに尽きると思います。
――決勝戦では3連勝で一気に勝負を決めることができましたが、今日の試合では、どの段階でその流れを作れたと感じましたか。
Evi: やはり1試合目だと思います。全部予想通りの流れでした。
Tussle: バンピックの段階から、僕らが家で考えていた通りの流れでしたね。
Dara: バンピックもそうですが、僕ら自身のコンディションも最高でした。
Ramune: 一番大きかったのは、1試合目に勝って勢いがつけられたことでしょうね。2戦目は正直かなりやられた部分もあったのですが、チームのみんなと立て直して、勝つことができました。僕自身は、2戦目から勝つ確信が持てたかな。
Evi: あとは、1戦目にレッドサイド(自陣がマップ右上側)で勝てたのも大きいと思います。僕らはブルーサイド(自陣がマップ左下側)よりもレッドサイドの方が勝率が低いので、1戦目で勝てたのは、その後の流れを作る上で重要な要因になりました。
――今回の試合で、これはまずいぞ、流れを持っていかれそうだぞ、と感じたシーンはありますか。
YutoriMoyasi: こちらが優位な場合でも、相手のカウンターを受けて、僕たちがやりたいことをやらせてもらえない状況に陥って、このままだとズルズルいってしまうとまずいな、と感じたタイミングはありました。
Evi: Baronを取られかけていた場面ですね。今日の試合でも何度かありましたが、その全てのシーンで、「相手のペースに引き込まれたらまずい」という危機感がありました。
――今回参加したメンバーの中でMVPを決めるとすれば?
Evi: やっぱりTussleかな? ……いや、でも正直、"みんな"だと思います。特別誰がということはなくて、全員が良いプレイをしたからこそ、この結果を勝ち取れたと考えています。
――
LJL優勝の興奮冷めやらぬテンションのRPGメンバーに話を聞いた限りでは、チームプレイの基礎、コミュニケーションによる連携を最も重視している印象を受けた。
選手たち個人は元々きわめて高い実力を持ったプレーヤーであるが、5人1組のチームとして動いたときに、彼らが本来持っている実力を出し切れるとは限らない。連携して最良の効果を得るためには、誰が何を目的としてどのように動くかを全員が瞬時に把握しなければならないが、チームを一朝一夕でそこまで持っていけるわけもなく、長きに渡ってチームで動く経験が必要だろう。
そのひとつの要因が、Dara選手が口にした「良好な関係性」なのだろう。
ベースとなる実力と折れないメンタル、そしてコミュニケーションを密にすることで優れた連携を生み出すトレーニングは、DFMのみならずすべてのプロチームが取り組んでいることのはず。月並みな言い方になるが、今回はRPGチームとしての総合力で勝った結果、勝利を掴むことができたと考えるべきだろう。晴れて2連覇を達成し、日本代表となったRPGのMSIでの活躍に期待したい。
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