ニュース

日本ファルコム、「イースVIII」の新システム「スタイルチェンジ」などを発表

3種類の武器を使い分けるダーナを近藤氏がデモプレイ

1月19日~1月24日開催

会場:台北世貿一館

みっしぃと近藤季洋氏
会場はファンで満員

 1月22日、Taipei Game Show 2017のSIETブースでは、日本ファルコムのステージが行なわれた。ステージには、日本ファルコムのマスコットキャラクター、みっしぃと代表取締役でプロデューサーの近藤季洋氏が現われ、集まった台湾のファンにゲームを紹介した。

 近藤氏は3年ぶりの参加。「3年前に比べてプレイステーションのステージも豪華になっていて、盛り上がってると思いました」と会場の感想を述べた。この3年間の間に、台湾では「イース セルセタの樹海」、「英雄伝説 空の軌跡 FC Evolution」、「英雄伝説 閃の軌跡」、「英雄伝説 閃の軌跡II」の4本が繁体字版として発売されている。

 近藤氏は「これだけのタイトルがリリースできたのは、台湾の方たちの応援があったからです」と会場に集まっている人たちに感謝の言葉を贈りつつも、「3年前には、皆さんと直接顔を合わせる機会がありませんでしたが、この3年間の間に、いろいろな会場でゲームを紹介させていただいたりと、色々なことをやってきた。この3年間は僕たちにとっても、非常に密度の濃い3年間でした」と台湾市場への参入にかかった苦労ものぞかせた。

 そんな近藤氏は、繁体字版の最新タイトルとして、プレイステーション 4版「東京ザナドゥeX+」と、日本では5月25日に発売が予定されているPS4版「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」を紹介した。

PS4版「東京ザナドゥeX+」繁体字版は3月30日にPS Vita版と同時発売

3月30日に、PS4用「東京ザナドゥeX+」とVita用「東京ザナドゥ」が同時発売する

 「東京ザナドゥeX+」については、35年間ファンタジーしか作ってこなかった日本ファルコムが、そのノウハウを詰め込んだまったく新しいIPとして開発した挑戦的なタイトルだと解説。ゲームのシステムや登場人物を紹介した後は、舞台となっている立川市の風景が、ゲーム内でどのように表現されているかをスライドで解説した。

 日本ファルコム本社は立川市にあるため、「この赤いアーチの隣にはモノレールがあって、僕が毎日使っています」と、地元民ならではの話も飛び出していた。司会の女性が「ファルコム本社はゲーム内には出ていないのですか?」と質問すると、近藤氏は苦笑いしつつ「スタッフは登場させようとしていたようですが、それはちょっとやめてくれ……ということで」と語っていた。

 「東京ザナドゥeX+」の繁体字版は、3月30日に、Vita用「東京ザナドゥ」と同時に発売される。限定版も同時に発売の予定だ。

【東京ザナドゥeX+】

PS4版「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」は新システム「スタイルチェンジ」を解説

日本と同じ5月25日に繁体字版が発売

 続いて紹介されたのはPS4版「イースVIII -Lacrimosa of DANA-(以下、イースVIII)」。昨年8月11日に発売されたPS Vita版に続いての繁体中文化で、PS4版で新しく追加されるバトルシステムなどについて、近藤氏がデモプレイを交えつつ解説した。

 昨年8月11日に、PS Vita版の繁体字版が発売済みの「イースVIII -Lacrimosa of DANA-(以下、イースVIII)」については、PS4でどこか変わるかを中心に、新しくなるゲームシステムなどを紹介した。

 「イースVIII」は、無人島に漂着した冒険者アドル・クリスティンと、蒼い髪の謎の少女、ダーナを切り替えつつ操作するダブル主人公のアクションRPG。漂着した場所に作った村を発展させつつ、アドルの夢の中に現れる少女ダーナの謎に迫っていく。

 PS4版「イースVIII」では、地面を覆う草のボリュームや光の表現など、グラフィックスが大幅に強化される。

 また、PS Vita版にあった、セイレン島の獣たちが、漂流者たちの拠点となっている漂流村に襲撃を仕掛けてくる「迎撃戦」システムが進化する。PS4版では迎撃するだけではなく、追撃して敵の本拠地を叩く「制圧戦」という新しい要素が追加される。

 PS Vita版では、アドル編がメインだったが、PS4版ではダーナ編がかなりパワーアップされている。PS Vitaのダーナは弧を描く2本の剣を使った攻撃しかできなかったが、PS4版では「スタイルチェンジ」という新要素によって、巨大な槌を持つパワータイプのスタイルと、2本のナイフを持つスピードタイプのスタイルに瞬時に変更することができるようになっている。

 これらのスタイルは単に武器を使い分けるというだけではなく、槌を持っている時には風の強い場所で吹き飛ばされにくくなったり、ナイフを持っている時には光の加護で寒い場所で体力の減少を防いだりといった特殊な効果を発揮する。

 また、PS Vita版ではショップが使えなかったが、PS4版からはダーナ編でもショップを使うことができるようになる。近藤氏は実機プレイで、実際にダーナのスタイルを切り替えながら敵と戦うデモプレイを披露。攻撃や移動のスピードは落ちるがパワフルなスタイルや、金色の光に包まれながら高速移動するナイフのスタイルを戦闘中にも頻繁に切り替えつつ敵を倒してみせた。

 発売日については、日本と同じ5月25日と発表。会場から大きな歓声が沸いた。近藤氏は「イースシリーズは1本ごとに完結していますので、これが初めてという人も楽しめると思います」とアピールした。

 さらに、これで終わりかと人がほどけ始めたイベント終了直前に、シリーズ最新作で、日本では秋発売が予定されている「閃の軌跡III」のロゴがサプライズで登場し、会場は再び沸いた。近藤氏は「まだ発売日は言えないんです」と謝りつつ、「必ず出したいと思いますので、応援してください」と繁体中文版への意欲を語った。

【ダーナのスタイルチェンジ】
スタイルチェンジは戦闘中いつでも可能
両手に曲刀を持つスタンダードなスタイル
巨大な槌を持つパワータイプ
ナイフの2刀流で戦うスピードタイプ

【英雄伝説 閃の軌跡III】
ステージの最後にサプライズ的に表示された

近藤氏に各シリーズの今後の予定や見どころを聴く

 ステージ終了後には、別室で近藤氏に対するメディアインタビューが行なわれた。台湾メディアがメインのものなので、台湾のサービスに関する質問が多いが、台湾のファンやメディアが日本のコンテンツに何を求めているのか垣間見ることができるので、ぜひ読んでみて欲しい。

――イースをオープンワールドにする予定はありませんか?

近藤氏: 日本でも非常にたくさん聞かれる質問です。それは未定です。ただ、「イース」ユーザーからの要望は多いので、今後新作を作っていくときに考えていきたいと思います。

――「閃の軌跡III」には、前作、前々作のデータを引き継ぐことはできますか?

近藤氏: プラットフォームがPS4に変わるので、今のところ検討中です。PS Vita版やPS3版を遊んでくれていた方のために、なんらかの特典をつけられないかチーム内で話し合っているところです。

――「イースVIII」のPS Vita版では、アップデートの配信が日本語版より遅れました。PS4版はほぼ同時期に発売するということですが、アップデートの時期もほぼ同時期になるのでしょうか?

近藤氏: その辺りの予定は、まだきっちりしたものができていません。なるべくタイムラグのないようにしていきたいと思っています。

――PS Vita版「東京ザナドゥ」とは違うシナリオはどういったものですか?

近藤氏: メインストーリーの基本的な部分は変わっていません。物語は章仕立てになっていますが、その章の間にPS Vita版では描かれなかったエピソ―ドが描かれることになります。ユーザーの皆さんから、空と祐騎や、志緒と美月などについて、非常に仲が良かったので、もっとイベントが見たかったという声をいただきました。そういう声にお応えして、サブイベントが配置されています。もう1つの大きな追加は、エンディング後に描かれる後日談です。ストーリーは夏で終わるのですが、PS Vita版のエンディングが終わった後に、事件を振り返っている時、ある大きな敵が現れます。それと対峙するために洸たちが活動を再開します。それが大きな目玉といってもいいかと思います。

――「英雄伝説 暁の軌跡」に登場するキャラクターが、本編にも影響を与える可能性がありますか? あるいは、本編にも登場することがありますか?

近藤氏: 今のところ予定はありませんが、今後、ユーザーさんの反応をみて、考えるかもしれないです。

――「暁の軌跡」は先日日本でPS Vita版がローンチされたと思います。アジアでの配信予定は?

近藤氏: 「暁の軌跡」を開発しているのは台湾のUSERJOYさんですので、アジアでも展開したいと思っています。もともと軌跡シリーズの本編でやろうとしていたけれど、世界が広がりすぎて描けないところがでてきたんです。そういう本編では描けない地域を「暁の軌跡」で描くということをコンセプトにしていますので、「軌跡」シリーズの一画として、アジアの人たちにも楽しんでいただきたいと思っています。

――今年は「イース」シリーズの30周年になりますが、「イースVIII」のPS4版以外に特別な予定はありますか?

近藤氏: 今年の6月ごろに30周年を迎える予定ですので、その近辺でイベントをやるとか、あとはゲーム内でも何かできないか、いま社内で話し合っているところです。