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デル、13インチノートで“VR Ready”!「New ALIENWARE 13」などを発表
求めやすい価格のゲーミングノートPC「New Inspiron 15」も登場
2017年1月20日 20:36
デルは2017年1月20日、VRに対応する13インチゲーミングノートPCである「New ALIENWARE 13」、有機ELパネルを搭載する「New ALIENWARE 13 OLED」、普及価格帯のゲーミングノートPC「New Inspiron 15 ゲーミング」を発表した。
発表会では同社のコンシューマー向け製品マーケティング担当でバイスプレジデントのレイモンド・ワー氏、エクスペリエンスデザイングループにてコマーシャルクライアントおよびコンシューマー・パフォーマンス・インダストリアルデザインを担当するバイスプレジデントのマイケル・エリス・スミス氏が登壇。それぞれの製品について概要を紹介した。
13インチから17インチまですべてがVR ReadyになったALIENWAREシリーズ
「(ALIENWAREは)地球上でベストなゲーミングPC」と語るワー氏。15インチと17インチについてはすでに投入済みだが、今回新たに13インチの「ALIENWARE」が加わることになる。13インチでも、その特徴的なデザインとDNAはしっかりと受け継がれている。
ALIENWARE 17/15/13については、背面部が飛び出しているのが特徴。ここに冷却ファンを配置することで、中の熱を素早く追い出すことが可能となっている。「ゲームをしている最中には、いかに熱を逃がすかが重要。ゲームに集中しているときにPCが落ちては困る。そういうときでもベストなパフォーマンスを出したいというのがゲーマーの願い」(ワー氏)。
なお、「ALIENWARE 13」については「Nキーロールオーバー」に対応している。このため、1分間で180ものコマンドを出すことができるという。またパフォーマンスを最適化するために、キーにはセンサーが配置されている。キーストロークは2.2ミリ。「ゲーマーが求める理想の形だ」とワー氏。「『ALIENWARE』と言えば特殊なライティング。ゾーンに分けることで『ALIENWARE』ならではのプレイを味わうことができる」とも。
今回発表された「ALIENWARE 13」は、当然のことながらCPUは最新となる第7世代のCore i7、Core i5を搭載している。GPUはPascalアーキテクチャのGeForce GTX 1060または1050を搭載することが可能だ。また、同時発表された「New ALIENWARE 15」および「New ALIENWARE 17」では4Kの解像度でゲームができる。
またVRだが、プレーヤーには負担がかかるプレイとなるため、目が疲れないようにレイテンシは極力抑えたいところ。デルでは、こういった解決策としてOculus RiftとHTC Viveの2社を協力会社としているという。「専任のエンジニアを設けて、この2機種について検証するチームを立ち上げている。安心してVRを楽しむために、アプリケーションが『ALIENWARE』で動くということを保証している」(ワー氏)。
そしてもう1つ、今回の「New ALIENWARE 13」には、「有機ELパネルを搭載するモデルとなる『New ALIENWARE 13 OLED』が用意されていることにも注目してほしい」とワー氏。このモデルはタッチスクリーンにも対応する。解像度は2,560×1,440ピクセルのQHDサイズだ。レスポンスは1ミリ秒とのこと。「ゲーマーからは喉から手が出るほど欲しいと言われている製品」と語るワー氏だが、なかなか生産が追いつかなくて供給不足になっているそうだ。
ここでワー氏は「New ALIENWARE 17」に搭載されている「Tobii」について言及。アイトラッキングが可能で、視線により標的を狙うといったこともできる。「ゲーマーにとって大事なことにいち早く対応する。絶対に負けたくないとミリ秒でも稼いで攻撃をしかける場合には、トビーは大きな差別化要素になる」と語るワー氏。
引き続いてスミス氏からデザイン関係についてのプレゼンテーションが行なわれた。「私自身も個人的には『ALIENWARE』のデザインが好きなので、本領と言ったところ」と語るスミス氏。ティーンエイジャーの子どもが2人いるそうだが、いろいろなデルの仕事の話をしても関心を持ってくれないそうだが、「ALIENWARE」についてはすぐに飛びつくそうだ。「それだけのスター製品を扱えると言うことで、会話のきっかけになっている」(スミス氏)。
「これまでもベストな製品を送り出してきたが、それをさらによいものにしていくためにデザイン上の工夫もしてきた」とスミス氏。グラフィックスの性能を上げたり、薄型化を図るたびに、筐体のデザインをさらに改良を加える必要があったのだという。「デザインチームでも何千、何万というデザイン画を描き、その中で選ばれたのが写真に描かれているスケッチだとのこと。「ヒンジ・フォワード」と呼ばれている、ヒンジを背面ではなく側面に付けることで、画面が押し出されるような感じになるもの。キーボードがまるで浮いているような感覚を味わえる。
エアフローについては徹底的に考えられているという。まず空気を取り込んで冷やし、熱せられた空気を出すという作業が必要となるが、効率的に輩出できるように設計。内部のエアフローも、CPUやGPUを上手く冷やすため、冷却効率が高められている。
そしてライティングについても特徴的な「ALIENWARE」。「『ALIENWARE』がこの分野では先行している」と語るスミス氏だが、「New ALIENWARE」シリーズでも、サイドとバックの部分が合わさるようなイメージで作られており、タッチパッドを含めて「横から見ても美しいライティング」となっている。キーボードについても薄型軽量化を図っているが、快適にプレイできるとスミス氏。
また「ALIENWARE」で使える「ALIENFX」も3.0になるとのことで、まだ詳細は公開されなかったが、新しくなることが紹介視された。
求めやすい価格のゲーミングノートPC「New Inspiron 15ゲーミング」
そして再びワー氏が登場し、ここからは「New Inspiron 15」ゲーミングについての紹介となった。
「『New Inspiron 15』ゲーミングは直感的に迷わず買うことができる製品だ」とワー氏。「ALIENWARE」がプロゲーマー、ハードコアのゲーマー向けだが、「New Inspiron 15ゲーミング」が狙うのは、新しい層のユーザーに向けたPC。「ゲーミング愛好者というか、ハードコアまでいかないがゲームを楽しむ人。あまり投資をしないが、ゲームを快適に楽しみたいと思う層がターゲット」(ワー氏)。日本での価格も11万円程度からとなる。
筐体だが、「New ALIENWARE」と同様にヒンジ・フォワードを採用。専用のファンが2つ用意されているのも似ている。スピーカーは前面に用意されているので、音が前に出てくるように聞こえ、躍動感を味わえるようになっているという。GPUもGeForce GTX 1050Tiを搭載し、CPUは第7世代のCore i7、Core i5となっている。「ゲームを本格的に始めたいなら迷わずにすぐに購入できる、それだけのインパクトがある」(ワー氏)。
そしてデザイン面でのプレゼンテーションは、改めてスミス氏が登壇して行われた。「新しいフォームファクターの中で、いかに新しいデザインを提案するかがポイントだった」とスミス氏。
デザインを考えるに当たってはいろいろなところにインスピレーションを求めたそうだが、その中で自動車業界にインスピレーションを負うことが多かったのだそうだ。「クルマというと馬力があってパフォーマンスが出る。でもエレガンスなデザイン。これを両立したクルマが増えていることに着目した」(スミス氏)。天板については押し出し成形が採用され、ゲーミングといった雰囲気を出した。また排気口が後ろに飛び出しているので、その2点を両輪にしてデザインが詰められていった。
デザインについては、ただあるだけなのに躍動感がある、質感があることが重要視された。カラーについては赤と黒の2色展開となるが、「赤は大胆に自己表現に富むイメージ。黒は力強さ、洗練されたスマートさが表現できる」(スミス氏)。
なお、この夏に上映される「スパイダーマン Home Coming」の製作に協力しているそうで、映画の中でInspironが登場するとのこと。「楽しみにしてほしい」とスミス氏は語った。