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【ランキング発表!】年末年始に遊びたいPCゲームアンケート、第2位は「Battlefield 1」

約100年前、第一次世界大戦を映像と物語の両面でリアルに描くFPS

発売中(10月21日発売)

価格:
8,424円(STANDARD EDITION)
10,584円(DELUXE EDITION)
15,768円(Ultimate Edition)

 今年11月に弊誌にて実施したアンケート企画「オレが年末年始に遊びたいPCゲームはこれだ! 大アンケート!!」。多数の新作ラッシュの中で、GAME Watchの読者が選んだタイトルをランク順に紹介していく。

【特別アンケート】オレが年末年始に遊びたいPCゲームはこれだ! 大アンケート!!

 アンケート上位5タイトルを実際にプレイし、各タイトルをご紹介しながらお伝えする。使用するPCは、ゲーミングPCブランド「LEVEL∞」シリーズを展開するパソコン工房様にご協力いただき、最新のゲーミングPCでテストプレイを実施した。今時のゲーミングPCで、最新タイトルたちがどこまで快適にプレイできるのかも合わせてご覧いただこうと思う。

第2位は、第一次世界大戦を舞台にしたミリタリーFPSシリーズ最新作!

「Battlefield 1」

 今回ご紹介するのは、アンケートで82票を集めて第2位にランクインした、「Battlefield 1(バトルフィールド 1)」だ。ミリタリー系FPS「Battlefield」シリーズの最新作で、PCゲーマーには説明不要と言っていい定番タイトルだけに、2位の獲得も納得だ。10月21日に発売され、既に2カ月ほどが経過しているものの、年末年始はマルチプレイを遊び倒したいというプレーヤーも多いだろう。

 「Battlefield」シリーズをよく知らないという人もいると思うので、改めてご紹介しよう。本作は「Battlefield」シリーズの1作目、ではない。初代は2002年に発売された「Battlefield 1942」で、第二次世界大戦を描く作品。その後の続編では、ベトナム戦争や現代戦、近未来など舞台が変わってきた。そして本作は第一次世界大戦がモチーフなので、「Battlefield 1」と名付けられたわけだ。

 第一次世界大戦は、世界大戦とは言うものの、欧州での戦いが中心だった。日本には比較的影響が小さかったため、詳細はあまり知らないという人も多いだろう。その歴史的背景はさておき、技術の進歩により戦いが近代化した戦争でもあった。それまでの戦争で主役だった騎兵は、銃器の高性能化による弾幕射撃に屈した。また戦車や航空機の本格的な実戦投入も始まったが、まだ完成度は低く、現代ほど強力な兵器にはなり得ていなかった。

 そういった歴史的背景はゲームにも反映されている。主役はライフル銃を構える歩兵で、塹壕を使って弾幕を避けながら敵と戦う。またフィールドには機関銃や大砲などの備え付けの兵器があり、初期型の戦車や航空機にも乗れる。……と説明すると現代とあまり違わないように感じられるが、戦車は複数の機関銃が車体の左右や後ろにまで搭載されていたりして、現代とは違うコンセプトで作られたものだというのがわかる。

 本作には、第一次世界大戦の最中を戦うキャンペーンモードを搭載。最初はどこかの戦場で戦う歩兵を操作するが、敵にやられてしまう。するとシーンが変わって別人へプレーヤーキャラクターが移り、また歩兵で戦う。自分が操作してやられると、その歩兵の名前と生まれた年、そして死んだ年が表示される。そんな戦場が次々と映し出されては、自ら操作するキャラクターが死んでいく。これらはプロローグだが、第一次世界大戦とはこういうものだったのだ、とプレーヤーに語り掛けてくる。

 それが終わるといよいよ本編。最初はいきなり、イギリスの戦車を操縦することになる。ひし形の独特なフォルム(今見れば、だが)を有する戦車は、ドイツ軍の塹壕を乗り越え、機関銃をものともせずに進み、歩兵を蹴散らしていく。さらにはドイツ軍の戦車と遭遇し、戦車戦まで繰り広げることになる。リアリティのあるグラフィックスと相まって、近代的戦争の始まりの時代を感じられる。

 戦車などの兵器はマルチプレイにおいても登場する。この時代の戦車は、戦車同士が戦うためというよりは、歩兵のライフル銃や機関銃の弾幕射撃を無力化し、敵の塹壕を踏み越えるようにして突破していくのが仕事。そのため車体のあちこちに対歩兵用の機銃があり、複数のプレーヤーが同時に戦車に乗り込んで、機銃1つ1つを担当する。

 一方的に敵を撃てる戦車は強力に見えるが、走行速度は歩兵と大差なく、敵の歩兵が投げるグレネードでもダメージを受けてしまう。また大砲や敵戦車の砲撃にも当然ダメージをもらう。さらに戦車の機関銃は、自分が受け持つ方向にしか撃てず、左側面の銃を担当していると、右側面からの敵には何ら対処できない。鉄壁の防御とは言えず、戦車が撃破されれば、乗組員全員がまとめて撃破される。やはりこの時代はまだ戦いの行方を決めるほどの兵器ではなく、新兵器だけあって欠陥も多いのだ。

 ただ、そういう欠陥があるからこそ、ゲームのバランスとしては面白いものになっている。伝書鳩が情報伝達に使われるような時代で、主役はライフル銃を持つ歩兵。戦場のあちこちには塹壕があり、敵はどこに潜んでいるのかもわからない。最近の親切なFPSに慣れていると、敵がどこにいたのかもわからないうちに倒されてしまう。実にアナログだが、それだけに個人の能力と、味方と阿吽の呼吸で連携できる目的意識が重要になる。

 マルチプレイも「コンクエスト」という独特なルールを搭載。敵味方が攻撃側と防衛側に分かれ、防衛側が守る陣地を攻撃側が1つずつ攻略していく。攻撃側は決められた数の人員を失う前に防衛側の陣地を攻め落としていく。陣地の奪取に成功すれば、防衛側は後退し、次の防衛線の攻防が始まる。これを繰り返して、防衛側が最終ラインを守り切れるかを争う。第一次世界大戦を現実化したようなリアルな多人数戦は、ストーリーなどなくともゲーム世界に引き込まれるような迫力がある。

 ゲームの外の歴史の話が多くなってしまったが、筆者が強調したいのはまさにそこだ。第一次世界大戦に興味を持ち、学ぶきっかけになるという意味でも、本作は魅力的である。およそ100年前、世界で何が起き、どんな戦いが繰り広げられたのかを、今、最もリアルに伝えてくれるコンテンツと言えるだろう。

 より詳細なレビュー記事もあるので、こちらも合わせてご覧いただきたい。

「Battlefield」シリーズの最新作にして、初めて第一次世界大戦を描く。現代とは似て非なる100年前の戦場をリアルに追体験する

最高画質の美麗な映像ながら、比較的軽めの処理で楽しめる

Lev-C111-LCi7-VNR [Windows 10 Home]

 今回パソコン工房よりお借りしたPCは、「LEVEL∞」シリーズのデスクトップPCの中では最もコンパクトな「C-Class」。小さくとも惜しみなくハイエンドパーツが組み込まれたモデルとなっている。スペックは下記のとおり。

【Lev-C111-LCi7-VNR [Windows 10 Home]】

スペック
OSWindows 10 Home 64bit
CPUCore i7-6700K
GPUNVIDIA GeForce GTX 1080(8GB)
メモリ16GB DDR4(DDR4-2133 8GB×2)
SSD500GB
HDD2TB
電源500W(80PLUS SILVER)
価格204,746円(税込)
(カスタムモデル)

 「C-Class」の最新モデルでは、本体前面にある「AIR VENT」と呼ばれる丸い空気口を、3Dプリンターで出力したカスタムパーツに付け替えられるという、斬新な機能も用意された。性能、サイズに加えて外見にもこだわりたい人向けの1台となっている。詳しくは僚誌PC Watchのレビュー記事をご覧いただきたい。

ゲーム内のビデオ設定で、「グラフィックのクオリティー」を最高に設定。DirectX 12をオンにする

 「Battlefield 1」のテストプレイにおいては、フルHD(1,920×1,080ドット)のディスプレイ解像度で、ゲーム内の設定項目の中で「グラフィックのクオリティー」の項目を「最高」に設定した。これで画質設定はすべて最高のものが自動的に選ばれる。また本作はDirectX 12を選択できるので、こちらもオンにした(オフにするとDirectX 11が使用される)。なおフレームレートの限界値を見るため、垂直同期はオフにした。

 プレイ中のフレームレートを確認したところ、通常のシーンでは100~120fps程度。激しいバトルシーンなどではやや落ちるが、それでも80fpsを割るシーンはほぼなかった。フルHD・60fpsは完璧に維持されており、プレイ感は極めて快適だ。動作にも全く問題は見られず、終始安定動作していた。

 本作はグラフィックスの美しさも売りの1つであり、DirectX 12に対応していることからも、グラフィックス処理はかなり重めではないかと想像していた。しかし実際は最新タイトルにしては控えめな負荷になっている。もしかすると、今時はフルHDで画質を上げるよりも、4K(3,840×2,160ドット)などのより高い解像度での動作に向いた方がいいという判断かもしれない。

 フルHDでのプレイであれば、GeForce GTX 1070など下位のGPUに変更しても最高画質でのプレイはできそうだ。より高い解像度にチャレンジするなら、4Kでの最高画質はGeForce GTX 1080でも厳しい。ある程度は画質を落とす覚悟が必要だ。またハイリフレッシュレートのゲーミングモニターで遊びたい場合も、120Hzで安定して出力したいのであれば、GeForce GTX 1080でも少し画質を落とす必要がある。

 ゲーマー的に言えば、FPSなのだからハイリフレッシュレートのモニターを使いたいところ。ただ、楽しむためのゲームとして見るならば、フルHD・60fpsの一般的なモニターでも満足できると思う。本作は映像表現が上手で、フルHDでもそれ以上の精細さを感じさせてくれる。高い解像度で映像の表現レベルを落とすよりも、DirectX 12の最高画質でプレイすることをお勧めしておく。

美しいグラフィックスの割には負荷は軽め。フルHD・60fpsでいいならGeForce GTX 1080は少々オーバースペックなので、GPUをワンランク下げても大丈夫だろう