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本日発売! 「エニグマスフィア ~透明球の謎~」先行プレイレポート

Oculus Touch対応、2人協力プレイが盛り上がるVR脱出ゲーム

12月6日発売

1980円(税込)

「エニグマスフィア ~透明球の謎~」
体験模様。Oculus Touchで2人同時プレイを試せた

 インディーゲームデベロッパーのよむネコは、12月6日にOculus Touch対応VR脱出ゲーム「エニグマスフィア ~透明球の謎~」をOculus Storeで発売する。価格は1,980円(税込)。これに先立つ12月5日、プレス向けの先行体験会にて本作の感触を確かめることができたのでお伝えしよう。

 本作「エニグマスフィア ~透明球の謎~」は、VR特化型インキュベーションプログラム Tokyo VR Startupsの第1期プロジェクトとして2015年末に開発がスタート。よむネコ代表の新清士氏、ゲームプログラマーの田端秀輝氏らによる少数精鋭のチームで開発が進められ、Oculus Touchのローンチタイトルとしていよいよ発売される。

 本作はOculus Touchならではのハンドコントロールを使った脱出パズルで、各所に配置されたスフィア(透明球)を方法を問わず全て破壊すればクリアというステージクリア方式のゲームだ。幾何学的で清潔なイメージのステージ構造は「Portal」シリーズに近い雰囲気もあり、各所に配置されたギミックが好奇心をそそる。激しい動きは必要なく、VR酔いの心配もないゲーム内容でもあり、遊び手を問わない作風だ。

【ENIGMA SPHERE - Gameplay Trailer】

Oculus Touchの直感操作でスフィアを破壊するVR脱出パズル

Oculus Touchでハンマーを掴み、腕を伸ばして透明球を破壊する
序盤のステージはこんな感じ。むき出しのスフィアを叩いて割ればクリア
スイッチを操作して先に進む場面も

 操作は非常にシンプル。Oculus Touchのトリガーを引くと“掴む”操作となり、スフィアを破壊するハンマーなどのオブジェクトを自在に操れる。親指部分のボタンを押すと狙った場所にテレポートが可能で、これを使ってステージ内を自在に移動しながら全スフィアの破壊というパズルを解いていく仕組みとなる。方向転換はヘッドトラッキングとスティック操作の組み合わせとなり、ルームスケール/着座どちらのスタイルでもプレイ可能だ。

 エイリアン施設に侵入したプレーヤーが置かれた状況や、解くべきパズルのヒントは、ステージ間で流れる音声演出から読み解くことができる。今回プレイしたバージョンでは英語音声となっていたが、日本語音声版も用意しているとのことだ。なおチュートリアルモードは日本語音声によるガイドだったので、今回のバージョンがちょっと特殊な構成だったのかもしれない。

 スフィアを破壊するのは簡単だ。手にハンマーを持ち、スフィアの目の前に移動すれば、あとはハンマーをスフィアに振り下ろすだけ。あるいは、ハンマーを投げつけてもいい。パリーンと小気味よい効果音とともに、スフィアは粉々に砕け落ちる。ハンマーは規定の出現ポイントに繰り返し出現するので、外してしまっても問題ない。序盤のステージであれば、むき出しのスフィアをそのまま壊していくだけなので簡単だ。全てのスフィアを破壊するとゲートが開き、明るく光るエイリアンのエネルギー・コアが現れる。これに手を突っ込むことで暴走させ、ステージクリアとなる塩梅だ。

 序盤は簡単なものの、ステージが進むごとにギミックが増え、パズルゲームの趣が強くなっていく。例えばスライド式のスイッチに連動した扉を使ったパズルでは、右に引っ張るとスフィアAがむき出しになり、左に引っ張るとスフィアBがむき出しになるといったものや、複数のスイッチを正しい組み合わせで動かすことで、特定のスフィアを破壊可能になるといった仕掛けが次々に登場。片手を使ってスイッチを操作しながら、連動するギミックの様子を観察しつつ、正解を見つけながらスフィアの破壊を進めていく感じだ。

ステージが進むとスイッチ操作やハンマー投げを組み合わせた謎解きが随所に仕込まれ、だんだん手強い内容に

会場では2人で声をかけながらプレイすることができた。オンラインでも協力プレイができる
協力してクリア後、ハイタッチ。Oculus Touchのジェスチャー機能で言外のコミュニケーションも取りやすい

 ここで楽しさを倍増させるのが、本作で推奨となる2人協力プレイだ。本作に当初収録される全20ステージは1人プレイでも全て解くことは可能となっているものの、スイッチとギミックの関係を読み解いたり、思わぬ死角にあるスフィアを発見したりといった部分は2人プレイのほうがずっと楽しい。ステージの半分づつを手分けして攻略しつつ、難しい部分ではお互いに知恵を出し合いながら解決していく。指差しやハイタッチなど、Oculus Touchならではのハンドジェスチャーを交えたコミュニケーションも可能なので、従来のゲームに比べて協力プレイの密度がぐっと高まっている印象だ。

 ステージが進みゲーム全体の中盤に近づいてくると、見上げるような立体構造や、殺人ビームによる進路妨害といった新たなギミックが登場し、さらにスフィア破壊のパズルは手強いものになっていく。2人プレイであればスイッチの操作を分担したり、スフィアの破壊に必要なハンマーを投げて渡すといった協力も可能なため、こういった難しいステージもスイスイと解くことができて気持ちがいい。

 本作はこのように協力プレイ志向の強いゲーム性のため、本作ではオンラインマルチプレイ機能を標準で搭載している。ルームを作ってランダムマッチングで世界中の誰かとプレイするか、Oculusソーシャル機能を通じてフレンドを招待してプレイすることが可能だ。ボイスチャット機能については現時点で未対応だったが、既に実装は終えており、ローンチ翌週の更新にて対応予定とのこと。自然な協力を促すゲーム性となっているだけに、「できるだけ2人プレイで楽しんで欲しい」と開発者も語っている。

先のステージに進んでいくとギミックは複雑になり、協力プレイの価値も高まっていく。要所ではボス戦もあり、スフィアから放たれるビームを避けながら破壊していかないといけない。2人プレイでは互いに競い合ってプレイする部分も出てくるため、なかなかスリリングだ。

ローンチ後の課題は遊びの幅の拡充。他プラットフォームへの展開も検討中

よむネコ代表の新清士氏
開発チームは現在8名。VR専門のインキュベーション施設「Future Tech Hub」に入居している

 体験プレイに際してよむネコ代表の新清士氏にお話を伺うこともできたので、本作についての追加情報をいくつかお届けしておこう。

 Tokyo VR Startupsの1期生として1年間にわたった本作の開発について、新氏は開口一番「いやぁ本当に大変でした」と苦労話を漏らした。特に大変だったというのはデバッグやパフォーマンス改善のためのプレイテスト。開発の途中ではHTC Vive/Oculus Riftといった機器毎に固有の問題が発生するほか、両機に共通する推奨環境で常時90fpsというパフォーマンスをいかなる状況でも達成しなければならないということで、テストと調整に非常に多くの労力を要したという。

 特にVR作品ということで、プレイテスト中はHMDを装着することになる。このため気になった点を即座にメモするということができず効率が悪くなってしまうため、メモを取る担当を別に用意し、さらにマルチプレイのゲームであるため2人同時でのテストを行なうということで、結局は常に3人体制でプレイテストを行なっていたというから、小規模チームとしてはここがかなり負担の大きい部分になったようだ。

 「Unreal Engineのようなゲームエンジンのおかげでマップを作ったりとかっていうのは比較的簡単にできるようになりましたが、最後の20%を詰める、ゲームとして完成させるために発生する膨大な手間というのは変わっていない、むしろより高い完成度を求められるぶんだけ大変になった部分もあります」と新氏。まずはOculus Touchローンチに間に合わせることをトッププライオリティとして開発を進めてきただけに、その後の展開についてはまだまだやりたいことを残しているという。

 本作はもうひとつのPC用VRシステムであるHTC Vive版の開発も完了しており、セガとの共同で11月19日から12月18日まで「梅田ジョイポリス」にてロケーションテストを行なっている。Vive版についてはSteamでの配信も予定しており、年内もしくは来年頭までのリリースを目標に準備を進めているという。

 また今後のアップデート予定としては、上述したようにOculus Rift版におけるボイスチャットへの対応、およびOculus Touchのローンチに合わせてOculusプラットフォームに追加されるアバターカスタマイズ機能「Oculus Avatars」のゲーム内への導入を計画中だ。

 また新氏は、本作における最も楽しいプレイ形態である2人同時プレイの魅力をさらに増すためのコンテンツ拡張を考えている。ひとつは、2プレイ時にステージ内でより多くのスフィアを破壊したほうが勝ちとなるスコアアタックモードの実装を予定している。また、2人協力でしか解けないような協力必須型ステージの追加も検討している。こういった追加要素がどういった形で配信されるかは未定だが、パズル系ゲームはリプレイ性が命となるだけに、遊びの幅を広げ続ける施策は継続的に必要になることは間違いない。

 まずはPC向けハイエンドで高品質のVR体験を提供しつつ、その後はPlayStation VRやGoogle Daydreamといった他のプラットフォームへの展開も考えたいという新氏。Oculus Touch対応の貴重な国産タイトルとして世に問われる「エニグマスフィア ~水晶球の謎~」。小規模デベロッパーによるVRゲームのグローバル配信の先行事例として、今後多くのデベロッパーの参考になるにちがいない。まずはOculus Storeでの成功を期待したいところだ。