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VRの最先端を集約、グリー国内最大級のVR会議「第2回Japan VR Summit」開催
ハードからコンテンツまで、横断的に網羅(ブースレポート編)
2016年11月16日 16:46
グリーは11月16日、日本のVR市場の拡大を目的に大型VRカンファレンス「Japan VR Summit 2(JVRS)」を一般社団法人VRコンソーシアムと共同で開催した。VR関係のキーマンを集めたカンファレンスと、ハードウェアからコンテンツ関連まで各社ブース出展で体験も可能な構成となっている。
第1回は5月に開催されたが、約半年で第2回目の開催となり、業界からVRへの関心の高まりを感じさせる。会場にはHTC ViveやOculus RiftといったPCプラットフォームのハイエンド機を中心に、中国のヘッドマウントディスプレイとコントローラーで構成された一体型VRマシン「Pico neo」などの最新型機も展示されていた。またマウスコンピューターやサードウェーブデジノスといったハードメーカーも出展しており、VR時代のPCをアピールしていた。
今回のイベントは業界向けだが、その熱気を感じていただきたい。なお、各種カンファレンスについては別項にて詳しくお伝えする。
複数プレーヤーで協力して遊ぶ脱出ゲーム「エニグマスフィア~透明球の謎」
サードウェーブデジノスは、同社のVR Readyマシン「Gamemaster GI Viveセットモデル」を出展。日本よむネコ Yomune.coが制作中のOculus Rift用VR脱出ゲーム「エニグマスフィア~透明球の謎」を体験することができた。
体験できた「エニグマスフィア」は、2人で同じ空間を探索しながら協力して謎を解き脱出する。各所に設置されたスフィアと呼ばれる透明な球体を破壊していくのだが、2人で協力しなければスフィアを発見できなかったりゲーム的にもかなり楽しめた。
「エニグマスフィア」では、ステージに配置されたハンマーを拾いスフィアを破壊していくのだが、この“ハンマーを持つ”という“手触り感”を大事にしているという。今回ブースでは、12月に発売予定のコントローラー「Oculus Touch」を使用しての体験プレイができ、“つかむ”といった表現に優れている「Oculus Touch」でのプレイは新鮮だった。
ハンマーに近づきトリガーを引くことによってハンマーをつかみ、トリガーを離すとハンマーを落とすことができる。ハンマーを拾い振りかざして投げる行動中にレバーを離せばハンマーを投げることもできる。このように直感的に操作でき、VRとも非常にマッチングした操作性を体感できる。
また、VRのコンテンツは現状ではその場にいる「感覚」を大切にした体験型コンテンツが多いが、「エニグマスフィア」は協力して遊ぶゲームとしての完成度も高く、楽しめるゲームに仕上がりつつある。
出展されている「Gamemaster GI Viveセットモデル」は、CPUにCore-i7 6700、GPUにGeForce GTX 1080を採用したハイエンドモデル。パワフルな性能で、「エニグマスフィア」のようなネットワーク環境も含め高度な処理能力を必要とするコンテンツでも難なくプレイできた。
「マウスコンピューター」ブースではコロプラのVR格闘ゲーム「STEEL COMBAT」を体験
「マウスコンピューター」のブースでは、GeForce GTX 1060を搭載した「NEXTGEAR-NOTE i5530」とOculus ReftでコロプラのVR格闘ゲーム「STEEL COMBAT」を体験することができた。
「STEEL COMBAT」は円形のコロシアムの真ん中にプレーヤーがおり、ロボットを操作して相手のロボットを倒していく対戦格闘。プレーヤーをグルリと囲んだ円形のフィールドであるため、操作するロボットが移動するのに合わせて後ろを向くように視点を移動することが必要となり、そういった所がVRらしさとなる。
なお、「NEXTGEAR-NOTE i5530」はGeForce GTX 1060を搭載することでかなりコスト削減を実現しており、149,800円(税別)とVR ReadyのノートPCとしてはコストパフォーマンスの高いPCとなっている。
現在流通しているVRゲームであれば難なく動作するということで、そういった意味ではハイエンドのPCゲームでもそれなりのパフォーマンスを実現できることになる。そういった意味で会場でも注目を集めていたようだ。
「PD トウキョウ」が、プレーヤーがゲーム世界に入ることができる「CIRCLE of SAVIORS」を出展
「PD トウキョウ」ブースでは、HTC Viveを使用したVRゲーム「CIRCLE of SAVIORS」を展示。盾と剣を持ち、盾で攻撃を防ぎながらタイミングを見てゴブリンをはじき飛ばしていく。あまり敵の位置が遠いと剣の攻撃範囲から外れるため、攻撃を防いだタイミングで近づいた敵に攻撃を加えたほうがいいかもしれない。ただ、プレーヤーの周囲360度から敵がわいて出るため、かなり忙しい。
そしてラストには、見上げるほどの巨大なトロールのようなモンスターが登場。全身を使った攻撃を加えてくるので、避けながら手と顔にある赤水晶を破壊していく。
今回は用意されたグリーンバックの中でプレイすることで、映像に自分自身と敵キャラクターが合成された映像をリアルタイムに生成。外のディスプレイにもプレーヤーがゲーム世界に入り込んでいる様を見ることができる。
「Rez Infinite」ブースではSynesthesia Suit再び!
Enhance Games、Rhizomatiks、Keio Media Disignによる「Rez Infinite」ブースでは、東京ゲームショウ2016にも出展され注目を集めた、PlayStation VRと「Synesthesia Suit」による「Rez Infinite」体験が可能となっていた。
「Rez Infinite」の通常プレイでも音と映像の親和性により気持ちの良いプレイが可能だが、PS VRでプレイするとさらに没入感とプレイ感が増していく。さらにさらに感覚にダイレクトに訴えかけてくる「Synesthesia Suit」を着用すると完全に音と一体化できるため、究極の「Rez Infinite」のゲーム体験が可能となる。
なかなか体験できる場がないのは仕方がないことだが、定例的に体感できる場ができると良いだろう。もちろんそういった場の提供が進むためには、VRの認知度向上などが求められる。
オールインワンのVRシステム「Pico neo」
中国のBeijing Pico TechnologyによるVRシステム「Pico neo」を出展。「Pico neo」は、2KのAMOLEDスクリーン、ハイエンド光学レンズ、センサーユニット、Dive多次元没入型VRシステムを搭載。オールインワンのVRシステムとなっている。
ヘッドマウントディスプレイとコントローラーをコードで接続。コントローラーにはCPUが搭載されており、ここでゲームをプレイすることもできる。会場では「バーチャコップ」シリーズのようなアーケードタイプのシューティングゲームをプレイすることができた。手軽にこういったゲームを楽しむことができるのが「Pico neo」の特徴だ。
「Pico neo」は中国ではすでに発売されているが、日本円に換算すると約7万程度だという。日本での発売も検討されており、2017年を予定している。