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【セガフェス】「龍が如く」のオリジナルドラマが登場! 11月30日より配信開始

「龍が如く6 命の詩。」の未公開シーンも紹介

11月18日~19日 開催

会場:ベルサール秋葉原(地下1階、1階、2階)

「龍が如く6 命の詩。」の尾道シーンを紹介

MCはタレントの椿姫彩菜さんと「龍が如く」シリーズ総合監督の名越稔洋氏

 11月19日~20日の期間で開催された「セガフェス」。このステージイベントとして、毎月放送されている「セガなま ~セガゲームクリエイター名越稔洋の生で乾杯~」の出張版が開催された。まず登場したのは、MCを努める椿姫彩菜さんと、「龍が如く」シリーズ総合監督の名越稔洋氏だ。いつもはお酒が少し入った形での放送だが、今日はお預け。お茶での乾杯でスタートした。

 セガフェスの感想を聞かれて名越氏は「やろうというのは前からあったのですが、いつ、どういう形でというのはなかなか難しい。セガグループとしてたくさんの会社があって、いろいろな活動をしているということをもっと知ってほしいなというのが趣旨にあるんです。今回どれくらい伝わったかは、我々も勉強しながら、第2回、第3回ともっともっと楽しめるフェスティバルにしたいというところです」とコメント。

サーバーからグラスに注ぐ。ただし今日はお茶
そして乾杯からスタート

 なお今回の「セガなま」は、「龍が如く情報局スペシャル」という位置づけ。そこで先月に引き続き「龍が如く6 命の詩。」のシーン紹介へ移る。先月は神室町を紹介したとのことで、今回は尾道のシーンを中心にデモプレイが行なわれた。デモをするのは本作のディレクターである阪本寛之氏だ。

 まず映されたのは尾道の仁涯町のはずれ、海を望める所。「実際に行かれた方は、その再現率にびっくりする」と阪本氏。「海と向こうの岸との距離感が短く、風光明媚な田舎町。うまく山と海が凝縮したような」とも。

 本作ではスマートフォンを持つ桐生に、人助けなどのメッセージが入ることになるが、そこからミニミッションが発生する。リアルタイムな時間を大事にしたいと名越氏は考えているとのことで、トラブルミッションがリアルタイムに起こっていく。こうしたミッションだが、中には凶悪な爆弾魔や放火魔といった、過激なものも発生するとのこと。

本作ディレクターの阪本寛之氏(右)
ほぼ尾道の風景を再現した街並み
尾道では桐生一馬は珍しく上着を脱いでいる形
山側を望む
今回桐生はスマホデビューしている。SNSにメッセージが入る
「タフネスZZ」を買ってきてほしいという依頼
タフネスZZを購入
品物を渡して依頼終了

 なお今回は、商店などに入ってもローディングは発生せず、シームレスな形でストーリーが進んでいく。このため、町の中でもハシゴを登ったり、屋根伝いに歩けたりする。ちなみにお店の中でもケンカ騒ぎは起こせるそうだが、その場合はお店が使えなくなってしまう。しかし、しばらく経つとまた使えるようになるそうだ。「いろいろと探索していただいて、その先に見にミッションが発生することもあるので探してみてほしいですね」(阪本氏)。

ハシゴを登る桐生
屋根を飛び歩くことも可能

 ここでちょっとしたサブストーリーも紹介された。なお今回はフルボイスなので、システムメッセージで会話されていた部分もすべてにボイスが入っている。そこら辺にいる町の人ひとりひとりにすべてボイスが用意されているそうだ。

 紹介されたサブストーリーは、桐生がゆるキャラに関わっていくというもの。まずはゆるキャラの頭を見つけるところから始まる。バイトが逃げ出して捨てていったものだと伝えられる桐生。しかもこのあとそのキャラクターが登場するイベントがあり、背の高く、がたいがいい人を探さねばならないという。そう。桐生がゆるキャラになりきるのだ。そしてゆるキャラに変身する桐生。「よろしくミチー」というかけ声も、あの渋い声でしゃべってくれるので、かなりおかしい感じ。これには場内も沸いた。

ゆるキャラの頭を見つける桐生
どうやら「小野ミチオくん」というゆるキャラらしい
バイトが逃げ出したとのこと
このあとイベントがあるため、ゆるキャラになる人を探しているそうだが……
見事にゆるキャラになりきった桐生
変なポーズまで取らされる

 そしてイベントが開催されるが、しばらくすると因縁を付けてくるチンピラが登場する。子どもの前に立って戦う桐生。ゆるキャラのままなので、何かこれもおかしい……。もちろんあっさりと勝つのだが、「ヤンキーの小物感がいい」と椿姫さん。名越氏は「小さいネタかもしれないけど、舞台が変わったことで、毛色が違うものをずいぶんと入れられるようになったのは面白いと思いますね」と語る。

そしてイベント開始。子どもたちが集まっている
しかしそこにチンピラが乱入
ゆるキャラだけど桐生なので強い
もちろん勝利する

 なお今回から、自動販売機で飲み物を買える。お酒も売っており、酒を飲むとヒートが上がりやすくなるとのこと。またカメラも使えるので、様々な場所で撮影することが可能だ。人に向けると、中には振り向いてポーズを取ってくれる場合もあるという。反応は細かく作られており、神室町と仁涯町では異なるようだ。

自動販売機でジュースなどを買うことができる。「?缶」という謎な飲み物も
歩きながら飲み物を飲む。?缶には体力がいきなり0になるものもあり、そのときは桐生がいきなりのたうち回るとか
実際の尾道と同じに、俳句が書かれている碑もある
写真を撮ることも可能。このように自撮りもできるほか、フィルターも変えられるとのこと

 次に紹介されたのは野球。これはラブストーリーと絡んでいて、弱小チームの「瀬戸内ウォーリアーズ」の監督兼選手が桐生。スタメンを入れ替えることができたりとその内容は本格的。実際には「野球つく」のように自動的にシミュレーションが行なわれて進行するのだが、ここだという勝負ポイントでは桐生が打席に入り、相手の球を打つということもできる。「自分のチームとしては弱いので、最初は負けていって、そのうちに強くなっていくという流れ」(阪本氏)とのこと。進行は早送りもできるので、結構サクサクと進む感じだ。「こういうやり応えのあるプレイスポットもじっくりと作っているので、是非楽しんでいただきたい」と語る阪本氏。

 「ちょっとしたばかげたようなミッションもあると、最後盛り上がって感動するシーンがより深くなる。ゲームは経験して話を進めていくものだから、ばかげた思い出なども積み上げていくと感動したりする。これも不思議なゲームならではの感動。逆に振っといた方が気持ち的には盛り上がるんじゃないかと思います」(名越氏)。

監督兼選手の桐生の出番だ
この画面で打順などを変更できる
試合進行の画面
チャンスになると自分でバットを振って結果を残せる
デモプレイではホームランとなる
体験版の配信が決定

 なお本作だが、体験版を11月29日に配信することも紹介された。第1章の途中までプレイが可能であるほか、セーブデータは製品版へ引き継ぐことができるという。

 デモプレイの最後に阪本氏は「発売まで1カ月を切って、プレイできるまでは秒読みという段階ですが、お試し版はセーブデータが引き継げるので、発売前に落としていただいて、1章の途中までは製品版とまったく同じものが遊べますので、5からの物語の続きの部分であったりとか、確認できる期間なので、おさらいしていただいて。経験値やお金も貯められるので、発売まで暖めて、製品版を楽しんでほしい」と語った。

そして「龍が如く 魂の詩。」を発表

 引き続き発表されたのは、オリジナルドラマとなる「龍が如く 魂の詩。」。この配信とオリジナルDVD化について紹介された。完全オリジナルストーリーで展開される。11月30日から、ゲオチャンネルにて独占配信開始。2017年1月11日からはゲオでの独占レンタル開始となる。

 「以前、三池崇史監督での映画化されたが、本編をモチーフとした何かはほしいねというのはあった。しかし我々はゲームを作るのが本業だし、やる以上はちゃんとしたものが作りたかった。こだわってこだわって、こだわるだけにお断りしていた部分もあったが、今回はやれる、ということでトライした」と名越氏。

 ここでゲストとして、本作監督の江口カン氏が登場した。トレーラーの上映のあと本作について聞かれた名越氏は、「桐生一馬という主人公はこのドラマには出てきません。だけど桐生一馬という名前は出てきます。神室町も出てきます。龍が如くというゲームも出てきます。なぜそういうことになったのかは見ていただければ納得できる」とコメント。

ドラマ化されるタイトルは「龍が如く 魂の詩。」
監督を務める江口カン氏(右)
トレーラーのシーン

 初めて名越氏に会ったときの印象を聞かれて江口氏は「初めてお会いするときに遅刻をしてしまった。名護氏さんの部屋に入るとき、殺されるんじゃないかと足が震えた(笑)」と語る。「クリエイティブをされている有名な監督で、コマーシャルとかも取られていて名前も拝聴していたので。その前に『龍が如く』の映像コンテンツをもう1回という提案があったとき、ちゃんとしたものがやりたい。納得できて楽しめるものをと考えたときに、脚本のアイディアがあったり、監督の話があったり。バンバンNGだったんです。今年の夏ぐらいには、この話はなくなるなという感じだった。最後に江口さんの話が出て、江口組が携わるという中でどうするか、と進めていたらいいじゃないかと。是非お願いできればという」と名越氏。実はまだ撮影が終わっておらず、このイベントのあとも撮影に戻るそうだ。

 ドラマと映画の世界観について聞かれた江口氏は「名作のドラマということで、桐生一馬は出てこないんですが、彼に憧れる男の子の話。『6』の舞台でもある尾道で過ごしていた子が神室町に行って、ヤクザの世界に入っていくという。青春ものなんですが。ゲームと一緒に観ていただくと(うれしい)」とコメント。「ドラマの中で桐生一馬とすれ違ったんじゃないかという雰囲気もあると僕は思っていて、両方見ていただくと尾道や神室町や桐生一馬を、いろんな角度から感じてもらえるのでは」(江口氏)。

 配信とDVDでの作品展開となったことについては、「配信は新しいメディアだし、アメリカでは映画館以上に盛り上がっている。そんな中で、地上波と違って表現に制限がないので、結構思い切ったことができる。見応えのある、例えば残虐なシーンも本格的になっている」と江口氏。

 本作は、尾道からやってきたワルたちの成り上がりと破滅のストーリーになると江口氏。「あとは友情が強くて、それがもう泣けちゃうんですが」(江口氏)。「破滅といっても、どこまでが破滅と呼ぶのか。かなり深い話になっています」と語る名越氏。

 ここでメインキャストの4名が登場した。

本作のストーリー
出演する俳優陣。左から福山翔大さん、葉山奨之さん、矢本悠馬さん、手塚真生さん

 「ゲームが題材ですが、桐生一馬にあこがれを持っていて大好きすぎる人なので、現場も熱くなってますし、出演者の仲もいいですし。あとはアクションがすごいので、毎日筋肉痛になって。30対1とかゲームの感覚です」と語るのは葉山奨之さん。

 矢本悠馬さんは「僕は元々、男の人には男らしくいてほしいというのがあって。『龍が如く』の世界観は好きでして。その世界には入れたのは役者としてうれしいことで。今回は桐生一馬さんみたいに伝説的に強いわけではなく弱い3人がもがきながら生きていくみたいな。どのシーンも全力で熱いシーンになっているので、楽しめると思います」と語る。葉山さんはゲームをプレイしながら撮影に臨んでいたそうで、「あのゲームをやっているとケンカに強くなったように思いながら撮影してました(笑)」。

 福山翔大さんは「原作に出てくる面々はみんな屈強で渋くて大好きなんですが、代わりに3人でやっていくとなったときに、若者の勢いや疾走感が現場でも出ているので、毎日撮影が楽しいですし、勢いが画面に出るかなと思って撮影しています」と語る。手塚真生さんは「3人を見守る役なので、そこに自分の気持ちも重ねて。あと、朝から晩までみんなで撮影しているので、全員の気持ちがこもっていて、それが出ていると思います」とコメント。

 実際の撮影シーンだが「結構激しいグロいシーンもある。血糊も使うので、毎回といっていいほど血糊を浴びてる。なかなか血糊が落ちないんですよ。自分の私物を触るのが怖い」と葉山さん。血が出ないシーンはないほど、どこかしらけがをしているとか。

 矢本さんは「監督が1番熱いので、毎日死ぬんじゃないかというくらい作品にエネルギーを持って行かれる」と語る。矢本さんと福山さんは自分の身長より高い役となっていて、12センチくらい靴をかさ上げをしているそうだ。「ヒール履いている状態でアクションをしていて、ふくらはぎがきつすぎる」(矢本さん)。あとは「衣装が薄着でめちゃめちゃ寒い」と漏らす葉山さん。福山さんはドラマのあるシーンで小指がなくなるそうだが、そのシーンの撮影が大変で、カメラにばれないかと思って苦戦しながら芝居をしているそうだ。

 手塚さんはさらわれるシーンがあるという。「そのときは痛みがなかったんですが、家に帰ったらちょっと痛いなと(笑)。あとはヒールを履いて、常に美しくいなければという気持ちがあったので、それがきついといえばきつい。でもみんなに比べれば優雅に暮らしてます(笑)」(手塚さん)。

 江口氏は撮影がめちゃくちゃ楽しいのだと語る。「楽しすぎて皆さんに一生懸命にやってもらって。そうすると日々睡眠時間がなくなって、役者さんとスタッフの眠そうな顔が辛い。スイマセン。それくらい魂を込めてます」(江口氏)。なお、ドラマには名越氏もちょい役で登場するそうだ。「出てみて監督のこだわりはわかりました」と名越氏。

 なお今回の主題歌「HORIZON」を歌うのは湘南乃風であることも発表され、RED RICEさんとSHOCK EYEさんからもビデオメッセージが届く。名越氏と飲みに行ったときにこの話を聞かされ、「やります!」と言ったものの、制作期間が2週間しかなかったという。「緊張感ある中で、スピード感を持って作り上げたとRED RICEさん。「きれい事だけじゃ語れない内容になっている」。シングルは2017年1月18日に発売される。

主題歌を務めるのは湘南乃風
RED RICEさんとSHOCK EYEさんからもコメント

 そしてイベントの最後に出演者からコメントが寄せられた。

「トレーラーも見たばっかりで、本編はもちろん見ていないので、皆さんも楽しみに、私たちも楽しみに。まだ撮影も残っていますので頑張りたいと思います」(手塚さん)。

「若いキャストだからできることに挑戦している作品だと思います。エネルギーを感じ取ってもらえればと思います」(福山さん)。

「任侠ものが苦手な人もいると思いますけど、この作品は任侠プラス青春みたいな形で別のジャンルになっているので、僕ら全員どのシーンも出し切っているので、何かしら感じてもらえると思います」(矢本さん)。

「今も絶賛撮影中ですが、みんな一致団結して頑張ってます。格好いいものだけじゃなくて感動もするし、泣けるし笑えるし、いろいろな感覚を味わえる作品になっているので楽しみにしてください」(葉山さん)。

「『龍が如く』という名前をいただいている以上、半端なものはできないなと役者、スタッフ一同魂を込めて作っています。原作同様お茶目な、笑えるところもあり、必ず男泣きさせられると思います。ファンの方々と同じ『龍が如く』が好きな人たちが一生懸命ヤクザの世界に入って突っ走る話です。共感して、最後は感動してもらえると思いますのでお願いします」(江口氏)。

「ラッシュの前半だけは見させていただいて。つないだだけでもしびれる内容になっていたので期待できると思うし。どういう人で、どういう系統のジャンルにするのかは作品によって決めなければならないのは常なんですけど。今回は青春というキーワードもあったり、グロいとか、いろいろと結びつかないキーワードもあったと思うんです。そんなことあるの? と思われた方もいるかもしれませんが、それがきちんとパズルのピースになって一つの作品に入っていますし。それができたのも監督がさっき言ったように、配信というのはある意味基準が一番緩いんで。我々がやりたかった生のものが見られるのは配信なので。DVDになると基準が違うので、配信とは異なるかもしれない。配信から見てもらえると伝わると思いますので、よろしくお願いします」(名越氏)。