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いよいよ発売! 「プレイステーション 4 Pro」の実力をいち早く体験
対応タイトルの最新状況をチェック。「グランツーリスモ SPORT」など最新タイトルで違いも
2016年11月10日 13:00
11月10日にいよいよ発売となる「プレイステーション 4 Pro(CUH-7000シリーズ)」。「PS4 Pro」(CUH-7000シリーズ)は、現行のPS4と完全な互換性を保ちつつ、CPU、GPUなどシステムアーキテクチャの性能強化により、高精細な4K解像度の映像出力や、フレームレートの向上による滑らかなゲームプレイを実現する新型だ。
その発売に先駆け、いくつかのタイトルでの“PS4 Proへの対応状況とその効果”を体験できるメディア向けの内覧会が、ソニー・インタラクティブエンタテインメントにて行なわれた。
今回、PS4 Proでプレイできたタイトルは以下のようになっている。
・「inFAMOUS First Light」
・「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」
・「コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア」
・「グランツーリスモ SPORT」
また、PlayStation VR用タイトルからは、
・「Farpoint(仮)」
のPS4 Pro対応バージョンがプレイができた。
このうち、「inFAMOUS First Light」と「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」については、9月に行なわれた東京ゲームショウ2016でのPS4 Proデモンストレーションでも4K/HDRディスプレイでの魅力をお伝えしたが、今回はゲーム内にPS4 Pro向けの設定やHDR対応のオプション項目などが実装されており、そちらも試しつつのプレイとなっている。タイトルによってオプション項目の実装内容や対応が異なって いるのだが、そのあたりについてもお伝えしていこう。
なお、この日は、前回のデモンストレーション同様に、4K/HDR対応のテレビ・ソニー「BRAVIA KJ-55X9300D」が使用されていた。
「inFAMOUS First Light」 ― 「解像度の向上」or「フレームレートの向上」が選べる!
4K解像度によって広い都市の光景が、より遠くまで細かく見えるようになり、さらに明暗部のコントラストをより豊かに表現できるハイダイナミックレンジ(HDR)によって、主人公フェッチの“ネオン”の光の鮮やかさが圧倒的に高まる「inFAMOUS First Light」。PS4 Proと4K/HDRテレビの組み合わせの力がわかりやすいタイトルだ。
今回のポイントは、オプションに「パフォーマンス」という項目が入り、PS4 Proならではの性能を「解像度の向上」に使うのか、「フレームレートの向上」に使うのか選べるようになっていたこと。
この項目を切り替えると、画面への出力解像度自体は4Kから変わらないのだが、内部解像度が変わるようだ。切り替えた直後からオプション画面のフォントに変化が見られ、「解像度の向上」ではフォントの斜めラインもキレイに見えていたものが、「フレームレートの向上」にすると斜めラインにジャギ感が少し出てくる。
ゲーム中の変化はというと、「フレームレートの向上」による滑らかさ向上が好印象だ。解像度の低下自体は、実のところフォント類はわかりやすいのだが、ゲーム中にはそれほど目立つ印象はない。一方で「フレームレートの向上」はカメラ操作の滑らかさなどの手触りに、わかりやすく違いが出ていた。例えば、高い場所に登って遠くまで表示されているような負荷の高いシチュエーションでカメラ操作をすると、フレームレートの差がさらにはっきりと感じられる。
アクション系のゲームでは、このフレームレート向上は嬉しい。プレイそのものの気持ち良さにも繋がってくるところで、これは4K/HDR対応のディスプレイでなくともPS4 Proの恩恵が感じられるポイントとも言える。
フレームレートという項目もあり、「30フレーム」か「無制限」に設定できる。無制限の詳細については答えられないということだったのだが、基本的には“ディスプレイが対応している最高値を出す”という、言葉通りのものと受け取っていいようだ。
このほか、HDRのON/OFFもオプション項目として追加された。これはもう対応しているディスプレイをお使いならば、ONにしない手はない。明暗部のコントラスト幅が広がることで、光源の美しさ、そしてライティングが影響するゲーム中のほぼ全て、総じて画面全体の色味が、圧倒的に美しくなる。ON/OFFを何度か切り替えて比較すると、HDRオフの見慣れた画面は色がかなり薄いようにすら思えてきてしまう。
「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」 ― 2016年の最高峰のグラフィックスがより自然さを増す
「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」には、オプション画面のメニューに「HDR有効」のON/OFF項目が加わった。
「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」は今年5月に発売された、まだまだ新しいタイトルであり、元々からして最高峰のグラフィックスを誇るタイトル。開発会社であるNaughty Dogがカリッカリに仕上げたグラフィックスだけに、4K解像度とHDRの恩恵は、実はパッと見はそんなに目立たない。
見所としてはTGS2016のデモンストレーションでも伝えたように、太陽などの光源とそこから距離の近い空の色味、雲の表現、そして大地の色味やディテール、影になっている箇所のグラデーションの自然さなどだ。
方向性として、“もともとキレイだったグラフィックスに自然さが増す”というところがあり、劇的な変化ではないので最初は目立たないように感じる。だが、細かなところを見ていくと、あらゆる箇所の表現がより自然に、リアルになっているのがわかる……というところだ。
ちなみに今回も屋外の明るいシーンだったのだが、遺跡や洞窟の内部などの松明を持って進むシーンなどだと、より4K/HDRの効果が感じられるのかもしれない。
「コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア」 ― 4K出力のみの違いでも印象はガラッと変わる
「コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア」では都市部が地平の果てまで続き、港には船舶やヨットが、上空には艦隊が並んでいるというシーンだったのだが、こうした遠くまで描写されているシーンだと解像度の違いが強く出てくる。近くにあるもののディテールがより細かく見えるようになるのはもちろんとして、遠くに小さく表示されているものの形も、4K解像度であればわかる。
遠くのビルに、ビル名とおぼしき文字が書かれていたのだが、これがフルHDだと「何かの文字だな、ビルの名前かな?」と感じた程度で特に注目もしなかったのだが、PS4 Proでの4K解像度だとはっきり読み取れるし、文字列に目と意識が向くところもあった。このように解像度が高まることで画面から伝わるものやそのディテールから読み取れる情報量に差が出てくるところもあるだろう。
「グランツーリスモ SPORT」 ― HDRへのサポートが、全ての質感を変える
2017年発売予定として開発中の「グランツーリスモ SPORT」。
開発中のタイトルということもあり、「グランツーリスモ SPORT」では車体の色をはじめ、ゲーム内の色表現をHDRをサポートする形で作成しているという。既存タイトルよりも本格的に最適化しているというわけで、その効果は非常に大きかった。
HDRオフの状態でも4K解像度による十分に高精細なグラフィックスが楽しめるのだが、HDRをオンにすると“質感”が大幅に高まる。特に車体の金属的な色味や質感の向上は大きく、ボディが反射する光の表現も増している。また、空の青さ、そこから降り注ぐ光と、それに照らされるコースの姿など、あらゆるものの質感が高まる。
HDRがオンの状態は“グラフィックスがもう一歩先へと進んだ、本当の世界”のように思えるものがあり、オフの画面は見劣りしてしまう(あくまで比較してしまうと……なのだが)。
4K/HDRを本格的に活かした、新世代のタイトルとなりそうだ。
「Farpoint(仮)」 ― PS VRも変わる! よりくっきり、高精細な“別世界”へ
バーチャルリアリティ(VR)システム PlayStation VR(PS VR)のタイトルを、より高い解像度や安定したフレームレートで楽しめるのもPS4 Proの魅力だ。
今回試した「Farpoint(仮)」は、未知の惑星にある断崖絶壁が続く荒れ地のような場所を銃を手に進んでいくというもので、アナログスティックで自在に移動ができ、1エリアが広く、遥か彼方まで広がる遠景の光景もあるタイトル。グラフィックスで視界を覆うVRタイトルということもあり、スペックが大いに求められる。
PS4 Proで本作をプレイすると、まず“遠くまでくっきりと見える”ことに気がつく。標準PS4でもかなり意識されているとは思うがフレームレートも高めで安定している感があるし、風で舞う砂埃や、地中から飛び出すモンスターの起こす土煙などもチラつく感じがなく自然になる。多少、網膜感はあるものの、岩肌のテクスチャなども精細になっていて“未知の惑星にいる臨場感”がより自然に楽しめるようになる。
なにより、グラフィックスの向上とフレームレートの安定感が高まることで、いわゆる“VR酔い”になるのを抑えてくれるところもある。遠景まで映る負荷の高いシーンを自分の操作で移動するタイプのゲームなので、描画がスムーズかどうかは体験に大きく関わっていく。もちろん標準PS4でも十分に楽しめるタイトルに仕上がることは間違いないと思うが、できればPS4 Proでプレイしたい……! となる、タイトルだ。