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「BLACK SQUAD」、特別マッチで「占領」と「暗殺」モードを披露
DetonatioN Gaming対SCARZで、「作り込まれたマップ」の優秀さを目撃!
2016年10月9日 02:29
NHN ハンゲームが近日サービス開始を予定しているWindows用オンラインFPS「BLACK SQUAD」。10月8日に開催されたプレスカンファレンスではクローズドβテストの日程が発表されたが、この発表後、NHN ハンゲームではプロチーム「DetonatioN Gaming」と「SCARZ」による特別マッチが開催された。
この特別マッチでは、「BLACK SQUAD」の3つのモード「爆破」、「占領」、「暗殺」を使用し、先に2勝した方が勝利というもの。「DetonatioN Gaming」と「SCARZ」はプレスカンファレンスにて“最強広報チーム”として紹介されており、この特別マッチで真の最強広報チームが決められることとなる。
両者の対戦の行方も気になるところだが、この対戦では先行体験ではプレイできなかった「占領」と「暗殺」というモードを見ることができた。この2つのモードを間近で見ることで「BLACK SQUAD」の魅力がより具体的にわかってきたので、こちらの内容も交えながら以下で対戦の様子をご紹介していきたい。
特徴的なルールを持つ「暗殺」が視聴者として面白かった!
今回の対戦に先立って、両チームのメンバーは韓国サーバーに接続して本作を練習できたそう。試合前にはその時にメンバーが感じた本作の魅力を述べる時間があったのだが、特に「マップの作り込み」と、そこから派生する「組み立てられる戦略の多さ」が魅力だという意見が多く挙がっていた。
NHN ハンゲーム「BLACK SQUAD」運営プロデューサーの久東謙太氏がプレスカンファレンスで述べていたように、本作はスタンダードなオンラインFPSの基礎をしっかりと押さえており、開発メンバーの長年のノウハウがあるが故に「シンプルだが戦略性が高い」と思わせることに成功しているのだと思われる。
これは対戦モードの作り方として、マップがモードの内容に則しているかどうかを精査しているからなのだという。そのため、1つのマップで多くのモードがプレイできるのではなく、各モードに専用のマップが用意されているイメージとなっている。将来的に、あるモードのために用意されているマップが他のモードに対応することも可能性としては否定しないが、その際も公平さや戦略性などはしっかり見ていくとしている。
最初に対戦することとなったのは先行体験でもプレイできた「爆破」モード。マップは美術館のような場所の「コレクション」で、左右非対称マップだが攻撃側、防御側で優劣がないように作られており、マップ中央の見通しの効く廊下や、2階を含む入り組んだ構造を上手く使いながらプレイする必要がある。試合では双方ともすでにマップに振られた番号で仲間に合図を送るなど一定の戦略を確立していたが、一進一退の攻防が続いた結果、エイムと連携で勝ったDetonatioN Gamingが勝利した。
続くモードは「占領」。使用されたマップは中央に目標地点が1つがある「フェイク」で、目標地点の隣に2階建ての建物がある特徴を持つ。ルールは目標地点を占領することで味方チームにポイントを加算し、一定数のポイントを稼いだ方が勝利というもの。リスポーンがあるほか、このモードではスキルの使用が可能のため、「爆破」とは打って変わってグレネードランチャーがドカンドカン飛び交う激しいプレイ画面となった。
本作の中ではカジュアルに位置づけられるスキルありのモードをプロチームがどうこなしていくかが見どころだったが、最終的に力強い印象を残したのはセントリーガンの存在だ。セントリーガンは「援護兵」が扱えるレベル3のスキルで、設置すれば自動で近づく敵を迎撃してくれる。
試合の中盤ではDetonatioN Gamingが長い時間目標地点を占領していたのだが、一瞬のスキをついて奪い返したSCARZが相次いで占領地付近にセントリーガンを設置。しっかり相手がグレネードでも吹き飛ばしにくい場所に設置してたため、単純に敵を狙う銃口を増やしたような形となって、以降DetonatioN Gamingを占領地点に近づけさせない戦いを進めることができた。「セントリーガン強え……」とDetonatioN Gamingが思わずこぼすほど強力に戦略がハマったようで、SCARZの勝利となり、勝負は最終戦に持ち込まれることとなった。
そして最後のモードが「暗殺」。この「暗殺」では攻守が存在するが、ゲームのフェーズが3段階に変化するかなり特殊なルールで進められる。マップは「ドロップゾーン」で、このモードの最大の特徴はマップの中央に「VIP」がいること。攻撃側はこのVIPを暗殺し、その後にやってくるヘリ降下地点から脱出すれば勝利。防御側は暗殺を阻止するか、ヘリで逃げられる前に敵を全滅させれば勝利となる。
変わっているのは、VIP周辺のマップにはVIPを囲うように赤外線センサーが張り巡らされていること。攻撃側がこれに触れるとサイレンが鳴り響き、VIP周辺に敵が侵入したことが防御チームに知らされる。
攻撃側がVIPを暗殺するためには、かならずこの赤外線センサーを突破しなければならず、また赤外線センサー突破後は一定時間以内にVIPを倒さないと脱出してしまうため、ここに最初の駆け引きが生まれている。
さらに攻撃側はVIP暗殺後、脱出ポイントに到達することも勝利条件となっているので、最後まで気が抜けない。攻撃側はやることが多くて大変だが、1人でも脱出ポイントにたどり着けば勝利となるため、1対多となっても最後まで勝利の可能性が多く残されているルールとなっている。
一方の防御側は制限時間2分30秒の経過、VIPの脱出、敵の殲滅が勝利条件。赤外線センサー関係なく自由にマップを動けるので、VIPを守る動きのみにとらわれず、積極的に敵の殲滅へと展開することも可能だ。
……というかなり複雑なルールなのだが、センサー突破前の序盤、突破後の中盤、VIP暗殺後の終盤と試合の流れがはっきり区切られているので、視聴者としては見やすいのが面白い。
まず試合の動きとして「いつ赤外線センサーを突破するか」は重要であり、攻撃側の選手が赤外線センサーの目の前で突破のタイミングを伺っているとこちらもドキドキするし、VIPは暗殺したが1人しか残っていないなどとなれば、一発逆転があるかどうかにやはり期待してしまう。そんな期待も、防御側の堅実な逃走経路のシャットアウトに打ち砕かれたりして、それはそれで見応えがある。
今回の試合で最大に盛り上がったのは、DetonatioN GamingのMelofovia選手が攻撃時、1対4と圧倒的不利になる状況の場面。Melofovia選手は怯むことなく赤外線センサーを突破してVIPとそれを守っていた相手を1人倒すと、脱出地点付近まで一気にダッシュ。残り3人が慌てて脱出を防ぎに追ってきたのを逆に待ち構える格好で、1人ずつ確実に落とし、見事に4人抜きで逆転勝利をものにした。
こうした接戦をものにしていったDetonatioN Gamingが最終的に勝利し、勝負の軍配はDetonatioN Gamingに上がったが、「BLACK SQUAD」の「作り込まれたマップ」のポテンシャルの高さを大いに感じる重要な試合になったと言える。
決して長いとは言えないだろう練習時間で熱戦を演じるまで仕上げてきた両チームももちろん素晴らしいが、今回の試合を通じてCBTやその先の正式サービス、さらには大会までもが楽しみになった。CBTは応募者が全員プレイできるものとなっているので、気になる方はぜひ応募してみるといいだろう。