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【スマホアプリ今日の1本】「ブレイジング オデッセイ」gumi作品が当たり続き!
絵作りやストーリー、全体構成に上手さを感じるファンタジーRPG
2016年10月7日 00:00
「ブレイジング オデッセイ」の3大ポイント
・暖かみのある2Dイラストが醸し出す“ワクワク感”
・何度でも挑戦できるクエストでパーティ強化を図れる
・パーティ全員で猛攻撃を仕掛ける「ブレイジングラッシュ」がバトルのキモ
「誰ガ為のアルケミスト」や「シノビナイトメア」を配信しているgumiが配信する、懐かしいファンタジックな雰囲気が漂うRPG「ブレイジング オデッセイ」。人気のスマホアプリを数多く配信してきたgumiの作品だけあってユーザー評価も高く、本作も注目作となっている。
物語の舞台は、闇の神ナトラと争った光の神ラティオが眠りについたあと。神々の手で創られたラーズワールドは、ヒト(人間)によって統治されていた。そして、ヒトは長い戦いの歴史のなかで、過去の英雄や古の魔物を呼び出す召魂術を発見。その力を武力として用いたゴルド帝国が中央大陸を支配するなか、主人公の若者は失われた記憶を求めて各地を冒険することになる。
本作をプレイして最初に感じたのが、2Dのイラストを採用したビジュアル作りに起因する“ワクワク感”だ。どこかスーパーファミコン世代のドット絵にも通じるような暖かみがあり、3DCGにはない世界の広がりのようなものを感じさせている。
また、オープニングからゲーム序盤へと続く一連の流れもうまい。オープニングでは、巨大な魔竜の“ニグレド”がゴルドの帝都へ向かう飛空船を襲撃。そのときの戦闘で主人公は飛空船の外へ投げ出され、記憶を失ってしまう。そして何とか一命を取りとめた主人公は、魔竜の災害に苦しめられている人々を救うため、1度は敗れたニグレドと再び対峙する……と、ストーリー展開が明快でわかりやすい。
さらに、チュートリアルを「記憶を失った主人公に、周囲の人々がこの世界のことを教えてあげる」という体で物語に組み込んでいるのも◎。ゲームシステムの説明が自然な形で行なわれるので、プレーヤーが「チュートリアルを見せられている感」を受けずにすむ。本作の世界観を壊さずに(むしろ物語に引き込みつつ)システムをプレーヤーに理解させるあたり、gumiのゲーム作りのセンスがうかがえると言えよう。
物語は章仕立てになっており、各章では複数のクエストに挑戦できる。クエストは見下ろし視点でフィールドを探索し、出口までたどり着いたり、アイテムを探したり、ボス敵を倒したりなど、それぞれに設定された条件を満たせばクリアだ。ストーリーを進めるだけならメインクエストだけクリアしていけばいいが、フリークエストやサブクエストでは武器や装飾品の素材となるアイテムを入手可能。また、各クエストで特徴的なアイテムである“特産品”をすべて手に入れると、コンプリートボーナスとしてガチャなどに使用できるアイテム「神輝石」を得られる。メインクエスト以外は何度でも挑戦できるので、レベルアップや素材集めに最適だ。
クエスト中に敵シンボルと接触するとバトルへ突入。バトルは2D画面で行なわれるターン制で、「招魂術」によって呼び出した英雄や魔物(=招魂獣)が敵と戦う。画面下に表示されているアクションゲージを消費して通常攻撃やバトルスキルをくり出し、ゲージが尽きると敵のターンへと移行する。
スマートフォンのゲームアプリとしてはオーソドックスな部類に入るが、バトルで敵を攻撃すると、画面左上にある円に青色のゲージがたまっていく。ゲージが満タンまで溜まると、必殺技の「ブレイジングラッシュ」を発動可能に。発動後はアクションゲージが虹色に変化し、一定時間アクションゲージを消費せずに攻撃を連発できるため、一気に大ダメージを与えることが可能だ。
正直、ゲーム序盤は敵が弱く、一部のボスをのぞいてバトルスキルもブレイジングラッシュもまったく使用しなくても戦える。が、ゲームが進んでいくにつれて敵の強さもアップ。また、クエスト中は何度も敵と戦うことになるため、どのバトルでゲージをためて、どのバトルで放出するのかを考える必要が出てくる。バトルスキルやブレイジングラッシュを無計画に使っていると思わぬ苦戦を強いられてしまうが、逆にうまく活用できれば実力差のある強敵とも互角に戦える。このあたりの駆け引きも、本作のおもしろさの1つとなっている。
ストーリーもバトルも実によく考えられており、サクサク進めるシステムもいい。全体的な印象として、初心者から上級者まで幅広い層が楽しめる良質なRPGに仕上がっているように感じた。なかでも、ファミコンやスーパーファミコン時代のRPGを愛している人には、とくにオススメだ。人間たちに加え、ハネビトやケモノビトといった亜人種が街を歩き回り、モンスターが地上を徘徊するラーズワールドを思う存分に楽しんでほしい。