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傑作の全てをさらに進化させた!「Titanfall 2」クリエイターインタビュー

9月15日~18日 開催

会場:幕張メッセ

入場料:
一般前売券 1,000円(税込)
一般当日券 1,200円(税込)
小学生以下無料
EAの流通パートナーであるセガのブースで行なわれたステージイベントの模様
作品の出来栄えを語るRespawn EntertainmentのCOO、Dusty Welch氏
シングルプレイではタイタンとパイロットの友情を描く

 この9~10月はエレクトロニック・アーツの新作ラッシュが控えているが、10月28日に発売される「Titanfall 2」はFPSファンにとって特に注目の1本だ。TGS 2016では、本作の開発を行なうRespawn EntertainmentのCOO、Dusty Welch氏と、アートディレクターのJoel Emslie氏が来日。両氏が出演したイベントの模様とインタビューを通じて、「Titanfall 2」の特徴と魅力をお届けしよう。

 2014年にマルチプレイ専用FPSとして発売された初代「Titanfall」は世界で1,000万本以上の売り上げを記録し、アクロバティックでスピーディなパイロットのアクションと、大迫力の巨大ロボット「タイタン」を駆使したバトルがゲーマーからの熱烈な支持を得た。そして今回発売される「Titanfall 2」は、新たにシングルプレイキャンペーンを搭載するだけでなく、ゲームプレイ面でほぼ全面的な改修が施され、より奥深く迫力あるゲームに進化しているようだ。

 会場で行なわれたステージイベントではWelch氏とEmslie氏の両氏が登壇し、ゲームの紹介を行なった。そこでアートディレクターのEmslie氏は「本作の開発には日本のアニメや漫画からのたくさんのインスピレーションを得ています」と、ロボット通ぶりをアピール。直接聞いたところでは、Emslie氏は特に士郎正宗氏の作風から大きな影響を受けているのだという。

 特に本作のシングルプレイキャンペーンでは、偶発的に相棒の関係となったパイロットとタイタンの間に育まれていく友情や信頼関係を、極めてドラマチックに描くものになっているという。マシーンであるタイタンをヒューマニズムたっぷりに描くという作風は、まさに日本的なテイストを感じるところだ。COOのWelch氏は「驚きと、とても感動的な展開が待っています」と、シナリオの出来映えにも自信たっぷりなコメントを披露した。

【Titanfall 2 Official Single Player Gameplay Trailer】
巨大な剣で接近戦を仕掛けるRonin
ステージ上にてマルチプレイの模様が披露
グラップリングフックを使った高速立体機動

 本作では6種類の個性的なタイタンが新たに登場するが、その中でも日本のユーザーに向けてイチオシとしているのが巨大な剣を装備した「Ronin」だ。Welch氏はこれについてコメントを求められたところ、「Roninに持たせる剣は普通ではいけないなと思い、他のタイタンを一瞬で切り伏せるほどの強力な武器にしました。そしてとても素早く強烈に、単独でも戦線を突破できるような恐ろしい侍のようなロボットに仕上げました」と、非常にユニークで強力な機体であることを強調している。本作が発売されたらぜひ真っ先に使ってみたいものだ。

 トークセッションの後にはFPS伝道師のBRZRK氏を案内役に、トップゲーマー12人による6対6マッチの模様が披露された。2チームにわかれ、敵を倒すことで得られる賞金をマップ中央近くの基地に持ち帰ることでチームスコアを得られるというモードで、スピーディな戦いが展開する。パイロットは前作同様に二段ジャンプやウォールランを使って素早く立体機動を行えるが、今作で追加されたグラップリングフックによりさらに機動性が増している。

 やがてタイタンの召喚が可能になりはじめると、パイロットの機動性を活かした戦いの本質が見えてくる。敵タイタンの上に飛び乗ってバッテリーパックを引き抜き、手榴弾を放り込んで破壊するというアクションは前作から踏襲されているが、今作では奪ったバッテリーパックを味方のタイタンに装着して回復させる、あるいは敵パイロットが取り付くのを防ぐために味方タイタンの背中に乗って防衛するといった協力アクションが可能になっているのだ。

 こういったチームプレイ要素の強化も本作における重要なポイントのひとつ。引き続き、本作の開発を行なったWelch氏、Emslie氏へのインタビューをお伝えしよう。

【Titanfall 2 Official Multiplayer Gameplay Trailer】

8月のテックテストを経て、システムとゲームプレイ面でさらに進化

インタビューに答えていただいたDusty Welch氏(右)とJoel Emslie氏(左)

Dusty Welch氏:Respawn EntertainmentのCOO(最高業務執行責任者)のDusty Welchです。本作の開発では主にユーザーリサーチを通じて、前作のどういった部分をプレーヤーの皆さんが気に入ってくれていたのか、そして本作においてどのような変更を加えるべきかを考えて開発チームを手助けしていく仕事をしてきました。特に今回、私にとって大きな仕事となったのはシングルプレイモードの開発でした。前作ではこの部分が欠けていましたので、その必要性を開発チームに伝え、充分な品質に仕上げることに注力してきました。

Joel Emslie氏:アートディレクターのJoel Emslieです。本作においてはアートワークのすべてをしっかり仕上げることを担当してきました。特に、新しいデザインを導入しつつも前作との連続性を維持するところに注意を払いつつプロジェクトを進めてきました。

Dusty Welch氏:彼は控えめに話していますけれども、実際は「Titanfall 2」のアートやフィーリングの部分を全て担当していますので、プレーヤーの皆さんが本作から受ける印象はほとんどJoelの仕事なんですよ。

─── 8月にはテックテストを実施されましたが、その反応はいかがでしたか?

Dusty Welch氏:はい、いくつかの点で得るものがありました。テックテストの主目的はローンチに向けてサーバーやバックエンドシステムの動作を確認することでしたが、全部で12個の問題を発見して改善することができました。とても良くいったと思います。サーバーの反応性や負荷への耐性を高めるという部分ですね。

─── ゲームプレイ部分の改善は行なわれましたか?

Joel Emslie氏:はい、テックテストを通じてゲームプレイについてのフィードバックも得ることができましたので、2週間のテスト実施中のうちに多くの改善をすることができました。

Dusty Welch氏:ユーザーの皆さんの声を聴くことはとても大事なことだと思っています。例えば私達は内部に150人から200人のテストプレイヤーを抱えてテストを行なっているのですが、100万人単位の方がプレイする状況をシミュレートすることはできません。ですから実際にプレイしていただくと、それまでわからなかったたくさんの点についてご指摘を受けることができます。それを通じてタイタンメーターやウォールランなどたくさんの要素を調整してきました。

─── 10月28日の発売時にはテックテスト時点のものよりもさらに進化した「Titanfall 2」を見られるというわけですね。

Dusty Welch氏:そうですね。もともとテックテストで公開したコンテンツは、ゲーム全体から見れば本当にごく一部でしかありません。発売時にはさらにゲームプレイ面のリファインが行われたものをお見せできますし、マルチプレイ全体の要素をお楽しみにただけるようになります。もちろん、シングルプレイモードもです。

Joel Emslie氏:それから、テックテストのバージョンでは最終的なオーディオの仕上げや、カスタマイズ要素など、たくさんの部分がまだ仕上がっていませんでした。製品版ではそういった面でもさらに洗練されたものをお楽しみいただけると思います。

─── 先日発表されましたPlayStation 4 Proについてはどのような印象をお持ちですか?

Dusty Welch氏:非常にパワフルで素晴らしいプラットフォームだと思っています。我々としても非常に関心がありますので、ゲームのローンチに向けてPS4 Proのパワーを活かすため試行錯誤をしているところです。60fpsのスムーズなゲームプレイを保証することが第一であるため、4Kについてはまだ決定していませんが、PS4 Proでも「Titanfall 2」を完全に楽しんでいただけるよう進めているところです。

Joel Emslie氏:我々のエンジンにはアダプティブ・レゾリューションの機能があり、60fpsを確保するために自動的に解像度を調整できますので、PS4 Proでは通常のPS4よりも高い品質で描画できる可能性は高いですね。

通常のPS4でも60fps動作を保証する本作。PS4 Proならさらに高詳細な映像で快適なプレイができるかも?

重厚なシングルプレイモード、全面調整されたマルチプレイモード。DLCやイベントの計画も

日本のロボットに大きな影響を受けたというJoel Emslie氏。今作の新タイタンにも日本風のものが登場する
「Half-Life」が例えに出されたが、この公式ショットのキャラは「HL2」のバーニーに似てるかも(関係ないとは思うが)

─── 前作のファンにとって、「Titanfall 2」で特に期待してもらいたいのはどういった点ですか?

Dusty Welch氏:やはりシングルプレーヤーモードを搭載したことだと思います。本作のシングルプレイモードは「Half-Life」のように奥深いストーリーとアクションを楽しめるものになっています。ビデオゲームではなかなか体験できないような精神的なつながりを、タイタン「BT-7274」との間に育んでいくことが大きなテーマとなっています。

─── シングルプレイはストーリー重視のものになるということですね。

Dusty Welch氏:ストーリーはプレーヤーのとった行動によって変化していきます。傭兵団に命を狙われ、追われているという状況でストーリーが進展していくわけですが、その中で特に重要な要素となっているのが、タイタンとの関係性を深めて、彼の信頼を得るためにどのような行動を取っていくか、という部分です。そして素晴らしいエンディングが待っていますよ。

─── マルチプレイについての改善の方向性、というのはどういったものだったのでしょうか?

Dusty Welch氏:マルチプレイモードについては、全体的なバランシングを施しましした。前作では常に怒涛のような感じで大味な部分もあったかと思いますが、本作では全体的によりスムーズで洗練された体験を得られるようになりました。特に「Titanfall 2」のゲームプレイはより段階的に学習しやすい内容になったと思います。そのおかげで、初心者にとっても遊びやすくなり、さらにマスターすることでより奥深く遊べるようになりました。

Joel Emslie氏:新要素としてはまず6種類のタイタンですね。ユーザーの皆さんの声に答えて、タイタンやパイロット、武器のカスタマイズ機能もより強化しました。前作にはなかった奥深い昇進システムですね。タイタン、パイロット、武器なをツリー状に発展させていくことができます。ゲームプレイに劣らず、ビジュアル的にも非常に奥深いものになっていますよ。

Dusty Welch氏:「Titanfall」ではメカと立体戦闘という全く新しいものを提供しました。他のゲームでは全くなかったウォールランニングによる流動的なアクションもですね。「Titanfall 2」ではそれらの要素を再統合して、より学びやすく、繰り返して遊びたくなるような、より楽しいものに仕上げました。

Joel Emslie氏:私の印象だと、「Titanfall」のゲーム性はどちらかというと一匹狼的でしたが、「Titalfall 2」はよりチームベースの内容になっています。例としてはタイタンのバッテリーシステムですね。敵のタイタンから奪ったバッテリーを味方のタイタンに使えるようになったことで、1機で3機の的に対抗することもできるよう、戦いの内容が変化しています。

─── 「Titanfall」では複数のDLCでゲームそのものも進化し、より充実したゲームになっていった記憶があります。「Titanfall 2」でも継続的な追加コンテンツの配信予定はありますか?

Dusty Welch氏:はい、良いDLCを提供できるよう、チーム全体で取り組んでいるところです。

Joel Emslie氏:まさに今やっています(笑)。「Titanfall」で良い評価を得たDLCのような取り組みを続けていきたいと考えていまして、新マップや新ゲームモードをプレーヤーの皆さんに無料で届けられることを願っています。ローンチ後には継続的なDLCの提供と同時に、ゲーム本体の継続的な改善といった取り組みを並行して続けていく予定です。また、週末にクールなイベントを行なうようなことも考えていますよ。

Dusty Welch氏:それから、皆さんが本作に収録されないと思っている“アルファベットのAで始まるもの”がDLCで提供されるかもしれません。

─── 最後に、日本のファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。

Joel Emslie氏:私を含むRespawn Entertainmentの多くのスタッフにとって、日本はジャイアントロボットのゴールドスタンダードです。ですので、日本のファンの皆さんに私達のゲームやタイタンのデザインを気に入ってもらえることを本当に願っています。

Dusty Welch氏:個人的には「Titanfall GO」をやりたいですね(笑)。それは冗談として、私達としても「Titanfall 2」を多くの皆様に楽しんでただけることを願っています。

スクリーンショット