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新作アクションRPG「追憶の青」第2回CBT体験レポート

多彩なアクションと育成要素が深い意欲作! その気になるプレイフィールとは?

9月下旬 配信予定

 グリーのWright Flyer Studiosが現在開発中のAndroid/iOS用新作アクションRPG「追憶の青」。イメージイラストに天野喜孝氏、シナリオに「テイルズ」シリーズなどで知られる田中豪氏、松元弘毅氏、音楽に「オウガバトル」シリーズなどで知られる岩田匡治氏といった豪華クリエイター陣を起用している注目作だ。

 今回は、本作の第2回クローズドベータテスト(以下、CBT)に参加することができたので、本作の特徴的な部分として、バトルとキャラクター周りを中心にそのプレイフィールをお届けしていきたい。

【【追憶の青】『運命の幕開け』】

「追憶の青」とはどんなゲーム?

主人公のフリオ。争いを止めるべく師・オズマの後を追い出発するが……

 「追憶の青」は、主人公である「フリオ」と彼の一族、そしてそこにまつわる人々のさまざまな思惑を描いた横スクロールタイプのアクションRPGだ。ストーリーは上記掲載のPVにも描かれている通り、ゲーム冒頭から重厚さをうかがわせ、自然とゲームの世界観に引きこまれていく。

 ゲームにはストーリーに沿ったクエストがいくつも用意されており、それを順にクリアすることで物語を追っていく形だ。このクエスト部分がアクションRPGパートとなっており、プレーヤーは好みのキャラクターを使ってクリア条件の達成を目指す。

 メインのアクション部分はかなり力が入った作りで、各キャラクターは2Dで制作されていながら、多彩なアクションを行なうことが可能。また、そんなキャラクターの成長要素にはプレーヤーが能力値を任意に上げられる「アビリティボード」システムが採用され、奥の深い育成も味わえる。

 さらに、本作はシングルプレイのみならず、オンラインを介したマルチプレイにも対応。難易度の高いクエストは、オンラインで仲間を募り、多人数で出撃することが可能となっているなど、楽しめる要素は多い。以下では、そんな本作の注目ポイントについて解説していこう。

クエストをクリアすると新たなクエストが出現する。NORMALランククリア時は、同じクエストのHARDランクに挑戦することも可能だ
連続攻撃やスキル発動、ステップによる回避などアクションの種類は豊富
「アビリティボード」では、特定のアイテムを消費しながら任意の能力値を上げていくことができる

意外にイケる! 「スマホ縦持ち」の横スクロールアクション

 本作は横スクロールのアクションRPGではあるが、スマートフォンを横持ちではなく縦持ちでプレイする形になっているのが特徴の1つ。基本的に画面の上半分はプレーヤーキャラクターが移動するフィールドが表示されており、下半分に各種UIが配置されている。

 この方式だと可視範囲を犠牲にしているようにも見えるが、ピンチイン/アウトの操作である程度のズームイン/アウトが可能となっており、これを利用したおかげでプレイ中に不便を感じるような事態にはならなかった。

 むしろ、この表示方式を採用したことで、キャラクターの各種操作を下半分にある大きな空きスペースを使って行なうことができ、プレーヤーの指でキャラクターが見えなくなることもなくスムーズにプレイができたのが好印象だ。

 また、縦持ちプレイの場合は片手が使えれば一応の操作ができるので、普段スマートフォンを使うのと同じ感覚で手軽にゲームができるのもうれしいところ。たとえば電車でのプレイもそうで、よほど混みあっているなどがない限りは、どこでも気軽に楽しむことができそうだ。

街でもクエスト中でも、画面の上半分がキャラクターの表示スペース、画面の下半分はUIという表示形式で統一されている

1人でも多人数でも楽しめるバトルコンテンツ「クエスト」

初めてプレイするクエストはソロ専用のNORMALランク。それをクリアするとHARDランクが選べるようになる
第1章クエスト4をクリアすると助っ人機能が解放される。これは他のプレーヤーのキャラクターを1人連れていけるもので、プレーヤーと一緒に戦ってくれる

 クエストでは、本作のメインコンテンツたるバトルを楽しむことができる。クエストに参加する際にはスタミナのようなポイント消費は一切不要となっていて、自分がプレイしたいクエストを何度でも遊ぶことが可能という親切設計だ。

 各クエストでは、設定されたクリア条件の達成を目指す。難易度がNORMALランクなら1人、HARDランク以上ならオンラインを介して最大3人のプレーヤーによるマルチプレイで挑むことができ、クエストクリア後は難易度に応じた報酬を獲得する、という流れだ。

 プレーヤー1人でクエストに挑む際には最大3人のキャラクターをパーティに編成できるが、バトルで戦うのはそのうちの1キャラクターだけ。残りの2キャラクターについては、プレーヤーが現在使用しているキャラクターと交代させることで使用が可能になる。

 なお、各キャラクターにはそれぞれ「ジョブ」が設定されていて、得意とする戦い方が異なる。ジョブには、HPと防御力が高い守備特化型の「ナイト」、攻撃と会心が高い攻撃特化型の「ファイター」、遠距離攻撃が得意な「マジシャン」、回復や補助魔法による支援が得意な「プリースト」の4種類が存在。

 このジョブを踏まえたうえでパーティを組んでいくことになるのだが、ソロプレイ時は操作できるキャラクターが1人だけになるので、支援などの組み合わせを考えるよりは、単体で強いジョブを選ぶ方がクエストをクリアしやすそうな印象を受けた。

 同時に複数のキャラクターが参戦するマルチプレイ時はともかくとして、ソロプレイであれば1キャラクターをプレーヤーが操作し、残り2キャラクターはCPUに操作させる、といった方式だとソロプレイでも共闘している感覚があってゲームが楽しめそうな気もするが、少なくとも現時点ではそういった仕様ではない。これはゲームバランスの兼ね合いなどが影響しているのか、あるいはマルチプレイを重視した結果というところなのだろうか。

 ただし、1日1回だけ挑戦できる「塔」というコンテンツはパーティに組み入れたキャラクターが全員同時に出撃し、そのうち1体をプレーヤーが操作して残りはCPUが操作する、という内容だったので技術的に無理があるというわけではなさそうだ。このあたりは今後の展開に期待したいところである。

オンラインでマルチプレイに挑戦。1人では勝てない敵も、3人いるとかなりラクに戦える
パーティ編成はマルチプレイ時には重要だが、ソロプレイ時には敵との属性の相性や戦いやすさを考える程度でもよさそう
「塔」では他のプレーヤーのパーティデータと3対3のバトルが楽しめる。盛り上がるが1日1回限定なのが残念

スマホゲームらしからぬ豊富なアクション! 爽快感もあるが難易度は高め?

アクションゲームとしては申し分のない動作の数々。ストレスなく操作できるようになるためにはある程度の慣れが必要
スキルはボタンをタップするだけなので簡単に発動可能だ。ただし使用の際には一定量のMPを消費する

 スマートフォンのアクションゲームは、コンソール機と比較するとその操作系統が特殊なこともあり、どうしてもアクション内容がシンプルにまとまる傾向になりがちだ。しかし、本作はアクション部分にもかなり力を入れた、意欲的な作りになっている。

 まず移動系アクションとしては、歩行、走行、ジャンプ、回避ステップの4種類がある。押した場所から短い距離をスワイプしたのち、画面をタップしたままにすれば歩行だし、その距離が長ければ走行になる。また、ジャンプはV字フリックで行ない、回避ステップは任意の方向にフリックする、といった具合だ。

 一方、攻撃系のアクションは画面のタップ操作のみに設定されている。通常の攻撃は繰り返しタップすることで連続攻撃が繰り出せるほか、画面を押したままにすれば溜め攻撃、ジャンプ中にタップすればジャンプ攻撃を行なうことも可能。さらに、画面左下にあるスキルボタンをタップすると、それぞれのボタンに対応したスキルも発動させることができる。

 ちなみに、本作のスキルはMP消費により発動させられるが、そのMPの回復方法は敵に通常攻撃を当てること。つまり、通常攻撃→スキル発動といった流れが自然に行なえるような仕組みになっている。さらに、スキルを何度も敵に当てていくと「魔石解放ゲージ」が蓄積され、これが最大までたまれば「魔石解放」が発動可能。

 このときは、使用キャラクター独自の強力な攻撃を放つことも可能だ。ボス戦などにおいて通常攻撃→スキルと連続して当てていき、トドメに魔石解放までつなげられたときはかなり爽快で、ここが本作のバトルの醍醐味であるとも言える。

 一方で、行なえる操作が多いことによる弊害もあった。例えば、本作のバトルでは敵の攻撃を回避しながら攻撃を当てていく、という行動が要求されるシーンも多いのだが、すばやく走行や回避ステップを入力したつもりでも入力の甘さで歩行になったり、想定した位置へとステップせず攻撃を受けてしまう、といった状況は少なからずあった。また、スキルには発動保証のようなものがないため、ここぞという場面でスキルを使っても敵の攻撃にさえぎられることがあり、これにもストレスが感じられた。

 入力については慣れの部分もあるかもしれないが、スキルの発動時に関しては、無敵時間が設けられれば爽快感はかなり増してくるのではないだろうか。このあたりもゲームバランスに大きく影響が出る要素なので軽々に変更すべきではないが、プレイフィール向上の一環としてぜひ検討いただきたい部分ではある。

スキルを敵に当てていくと、魔石解放ゲージがたまっていく。このゲージは時間経過で減少していくので注意
魔石解放を発動すると、敵に大ダメージを与えられる。チャンスがあればすかさず使っていきたい
ボスキャラクターの攻撃範囲は地面に赤い帯で可視化されている。落ち着いて見極め、移動や回避ステップなどでやりすごそう

「アビリティボード」を使ってキャラクターを強化

 本作のキャラクターは、レベルアップによる成長に加えて「能力解放」というシステムによって成長していく。これは「アビリティボード」と呼ばれる、能力値が配置されたボード上から任意の能力値を上げていくもので、同じキャラクターでもプレーヤーの育成方針によって異なるタイプのキャラクターとして強化されていくことになる。

 アビリティボード上にある能力を解放するには特定のアイテムが必要になるが、これらはクエストをクリアすることで入手可能。ただし、上げられる能力にはレベル制限があるほか、手に入れたアイテムによってどの能力が解放できるかも決まっているため、むやみに上げていくことはできない。

 どの能力を集中的に上げていくかを考えるのが楽しい反面、必要なアイテムが揃わないといつまでもステータスを上げられないといった部分もあるシステムだが、少なくともゲーム序盤に関してはクエストをクリアしていれば必要な数のアイテムがさほど時間をかけずに揃えられた。このあたりは、他のRPGのレベル上げと同じ感覚で楽しんでいきたい部分だ。

アビリティボードはキャラクターごとに形が異なる。そのキャラクターの特徴を最大限生かせるように育成したいところ
能力解放用のアイテムはイベントクエストを利用することで目的のものを大量に入手しやすい

キャラクター&武具はガチャから入手!

 武器や防具、装飾品といった武具に関しては、「ゴールド」によって強化が可能。さらに、最大レベルに達した武具は進化させてレアリティを高めることもできる。加えて、装備するキャラクターと武具の属性が一致するとパラメータにボーナスが付与されるといった特典が用意されている。

 なお、第2回CBTに参加したかぎりでは、キャラクターならびに武具の入手はゲーム内に用意されたガチャがメインだった。ガチャ利用時はダイヤ(課金通貨)が必要ではあるが、積極的に強化や進化を行ないたいのであれば、ガチャの利用は必須と言えそうだ。とくに属性を揃えることを考えだすと、ガチャにはかなりお世話になるかもしれない。

 ちなみに、筆者はゲーム内でログインボーナスやミッション(特定の条件を満たすと報酬がもらえる小クエスト)達成という形でダイヤを獲得したが、それによってキャラクターガチャの11連を1回、武具ガチャの11連を1回利用でき、それだけで序盤を戦う分には十分な戦力を揃えることができた。お試しとしては申し分なし、といったところだろうか。

 なお、「追憶の青」の正式サービスについては9月下旬を予定しているとのこと。現在は事前登録も実施中なので、興味がある方はぜひ公式サイトもチェックしてほしい。

ガチャでキャラクターを獲得。レアリティが高いキャラクターほど強力な傾向にあるようだ
武器や防具はクエストでもときおり入手できるが、強力なものを求めるのであればやはりガチャがベスト