ニュース
【特別企画】「英雄クロニクル」幾多の歴史を紡ぎ続けて5周年!
『英雄クロニクル』が宿すロールプレイの魅力を実演レポート!
2016年8月26日 12:00
【第2回】自作したキャラクターになりきって楽しんでみよう
満5周年を迎えるWebシミュレーションRPG「英雄クロニクル」の独自の魅力を、TRPGファンの目線から切り取ってみようという特集企画の第2弾。今回は、「クエスト」や「遠征」といったゲームの基本システムを軸に、「英雄クロニクル」が内包するTRPG的な面白さに迫っていきたい。
なお、本特集のような遊びかたは、様々なプレイスタイルを許容する「英雄クロニクル」の一側面にすぎない。ロールプレイ(≒なりきりプレイ)抜きでも何ら問題なくゲームを楽しむことはできるので、これから始める方もご安心を!
【連載バックナンバー】
ヴァルトリエ帝国見聞録
魔導専門学院を卒業すると、アシュラータはまず帝都に向かった。
帝都に行けば見識を広げられるし、何より魔導技術についてより多くのことを学べるはずだ。道中、アシュラナータはヴァルトリエ帝国についての講義を思い出す――。
【イズベルガ先生】「ヴァルトリエ帝国はブリアティルト北方にある国よ。皇帝エリュシオン・ヨハネス・アーテルムが即位してから急速に魔導科学の発展が進み、他の四大国に負けないくらいの力をつけたわ。あらゆる分野で才覚を持った個人が重用されるようになり、若くても出世の機会は公平にあるの。アシュラナータくんにもきっとチャンスが待っているわ!」
本意ではなかったものの、戦略魔術師の卵として優秀な成績を修めたアシュラナータは、学院からいくつかの雇用先の紹介状も受け取っていた。
【アシュラナータ】(僕は技師になって、魔導科学の発展に尽くしたかったのだけどな……)
[注釈]
ちなみにこの舞台設定は、当連載における“アシュラナータ”のキャラクターのオリジナル設定です。こういったユーザー独自の世界観を使ったオリジナル設定も許されているのが「英雄クロニクル」の楽しめる点です!
【解説「所属陣営の選択とキャラ設定への反映」】
「英雄クロニクル」では、ブリアティルト大陸に存在する5つの国(陣営)のいずれかに所属し、各シーズンが終わるまでに自陣営を勝利させることが大きな目的となります。そのために各プレーヤー(キャラクター)は各々の部隊を率いて他陣営へ「遠征」を行ない、勝利を重ねていくことを目指します。
5つの陣営は国勢、地理、重要人物、市井の様子などそれぞれカラーが異なり、ストーリーや冒険の雰囲気を盛り上げてくれます。そして、それらの設定をうまく利用して自分のキャラクターに深みを持たせることができます。
キャラクターに設定を反映させるコツは、設定の行間を読んで「見えない背景」をこちらで想像してしまうこと。たとえば、今回の“アシュラナータ”というキャラクターでは、「魔導専門学院」や「戦略魔術師」といった設定がそうです。「魔導科学が発展し、実力のある個人を重視している」というヴァルトリエ帝国の設定から、魔導科学を専門に教えている機関があってもおかしくないだろう、と想像しました。
個人的に、「魔導科学」というキーワードには心ときめくものがあります。スチームパンクのイメージもありますし、王道の西洋ファンタジーとはまた違った匂いを感じます(油の臭いのイメージですね)。ゲーム中に表示される、ヴァルトリエ帝国のある種退廃的なビジュアルも好みで、その雰囲気はキャラクターの属性(闇)や、そこから連想した「自覚していないけど後ろ向きな性格」という設定にも反映されています。
帝都にて
アシュラナータは帝都の酒場にいた。
ここには帝都に着いたばかりの旅人や、一時的に滞在中の冒険者たちが多く集まる。自然、帝都内外の噂も多く入ってくる情報収集の場となっているのだ。
【酒場の客A】「おい、噂では黒水晶が暴走したらしいって話だ。最近頻発してる地震や猛吹雪はそのせいらしいぞ」
【酒場の客B】「物騒な話だな……」
ほんの少しだけアルコールが入ったミルクティーにちびちび口をつけながら、周囲の会話に聞き耳を立てる。決して話の輪に入ることなく、ひたすら耳をそばだてている姿は、いかにも後ろ向きな性格のアシュラナータらしい……。
【解説「『クエスト』は設定の宝庫!」】
「クエスト」では、様々な依頼を個別に受注して達成することで報酬を得ることができます。クエストのジャンルには遠征、部隊、ギルド、陣営、シーズン、チュートリアル、トレーニングなどがあり、それぞれで自分の所属陣営に則したストーリーを楽しんだり、ゲームをプレイする上でのヒントを学んだりできます。
クエストでは、「英雄クロニクル」の世界観を存分に体験できます。ストーリーで語られる舞台背景から何気ないNPCのひと言まで、大小の設定を自分のキャラクター設定やロールプレイに活かすことができるでしょう。
たとえば、某クエストに出てくる看板娘さんは地味目ですが筆者好みのキャラクターで(笑)、勝手に脳内で設定が組まれていきました。アシュラナータは能力値が極振りで、防御力は皆無です(前回設定を参照)。部隊を率いて遠征に出ると、勝利はすれど自分だけ先に倒されてしまい経験値を得られないことがよくありました。そこで、「なんで自分だけやられてしまうんだ!」といつも嘆いてはこの看板娘さんに慰められている……といった設定なども浮かぶわけです(笑)。
童顔剣士との出会い
アシュラナータは今日もひとり酒場で考え込んでいた。帝都に着いて約ひと月、いくつかの伝手を頼りに彼なりに動いてはみたものの、いまだ思うような道は開けそうになかった。
【アシュラナータ】(望もうと望まざると、やはり自分は魔術師として戦場に立つことに向いているらしい。魔導技師になるという夢はあきらめていないが、まずは今できることからやっていくしかないか……)
そんなことを思いながらグラスを傾けていると、アシュラナータは見知らぬ青年剣士に声をかけられた。目力のあるブルーの眼と、明るい声色。その表情には活力がみなぎっており、ひと目で自分とは正反対のタイプだとわかる。童顔ではあるが、自分よりやや年上のようだ。
【ヤシュミナ】「君は新人?」
【アシュラナータ】「あ、はい、そうです」
【ヤシュミナ】「難しい顔して、何か困り事かい?」
【アシュラナータ】「戦場に出るためにまず何から始めたらいいのか、そもそも自分に何ができるのかを考えていて……」
【ヤシュミナ】「だったら、まずは俺を雇ってみないか? 俺は世界の現勢について調べ、記録するために旅しているヤシュミナという者だ。しばらくこの国を拠点に動いている」
【アシュラナータ】「は、はあ……。少し考えさせてくださ……」
【ヤシュミナ】「よし決まった!! さあさあ、まずは乾杯!」
【解説「傭兵の雇用と部隊編成」】
「英雄クロニクル」では他のプレーヤーのキャラクターを傭兵として雇用し、行動部隊(パーティー)を編成します。かなりの熟練者でない限り、自キャラのみで戦い抜くのはとても無謀な行為。何を置いても、必要なのは頼れる仲間! です。
傭兵は、キャラクターのレベルやコスト、雇用価格など様々な条件を設定して自陣営の中から探すことができます。TRPG的な感覚で遊ぶならば、そのような機能面だけでなく、(他プレーヤーによって創造された)キャラ設定や、自分がゲーム内でどのようなロールプレイをしてみたいのか、といったポイントから傭兵を選択するのも面白いでしょう。
また、傭兵を雇うたびにそのキャラクターとの「絆」ポイントが累積付与され、いっしょに戦う際に能力値の補正強化が行なわれます。
傭兵として雇われると、キャラには「絆」ポイントが付与されます。これは雇われている部隊数と同数になりますので、この「絆」ポイントが高いと、戦いが有利になります。つまり、たくさんの部隊に雇われているキャラクターほど強くなります。こういった理由から、気に入ったキャラクターと交流を広めて深めていくほど有利なのです。
筆者は“コンビもの”のキャラ設定が好きで、今回は「魔術師と戦士のバディもの」という定番の(?)ロールプレイも楽しんでみました。アシュラナータとヤシュミナ氏のツーマンセル部隊がそれで、(自分よりもレベルが高い)先輩キャラクターがいろいろ教えてくれる、というイメージです。
もちろん、実際にそういったロールプレイが楽しめるかどうかは相手プレーヤーの都合もあります。が、「英雄クロニクル」では、無理なくロールプレイが楽しめる環境が、ベテランの方々を中心としたプレーヤー側の成熟度も含めて、かなり整っていると感じました。
ロールプレイ初挑戦の方でも、照れずにキャラクターになり切って発言すれば、きっと包容力のある仲間たちが返事を返してくれますよ!
背中を預けられる仲間
草原の彼方に敵の小隊が見える──。
【ヤシュミナ】「そう緊張するなって、リラックスしていこう!」
【アシュラナータ】「そうですね、リラックス、リラックス……」
【ヤシュミナ】「まだ固いなあ……そんな調子じゃ他の仲間たちにまで緊張や不安が伝染してしまうぞ!」
敵陣に接近していく。アシュラナータの部隊にはヤシュミナの他にも数名の傭兵が新たに加わっていた。
彼らを率いて初の戦場であった。
【アシュラナータ】「勇気と知略を駆使して、生き残れ!」
アシュラナータの号令が響く。
敵の部隊はこちらよりも格上かもしれない。戦況を把握しながら、慎重に仲間に指示を出す。
仲間を信じて、戦場を進む。
【解説「『遠征』を制する者はすべてを制す」】
「英雄クロニクル」のメインアクションともいえる他陣営の攻略、それが「遠征」です。遠征は、あらかじめ自部隊から編制した「遠征チーム」を率いて任意の他陣営の拠点に攻め込み、その攻略を目指します。攻め込まれた側は、同じく事前に編成した「拠点チーム」がNPC部隊となり、自動的に防衛に当たることになります。
遠征は、キャラクターの成長・能力強化につながるゲーム的なキモであると同時に、ゲームシステム上でロールプレイが活かされる最大の見せ場でもあります。各キャラクター(ユニット)の能力の行使は当然のこと、条件ごとに設定した台詞をキャラクターに言わせたり、アップロードした自前の画像をカットイン表示させたりして、キャラクターの戦いぶりを演出することができます。
それらの演出は自分のキャラクターが傭兵として雇われたときも発生するため、他のプレーヤーに自分のキャラクターの個性を伝える手段にもなります。
アシュラナータの決め台詞は「勇気と知略を駆使して、生き残れ!」です。彼は後ろ向きなので、「勝利しろ!」と言うよりも、まずは「生き残ること」を優先する……的なロールプレイをやりたかったのですね。これは筆者の性格の反映もあるかもしれません(笑)。
なお、遠征の実行時には「行動ポイント」が消費されます。行動ポイントは2時間で1ポイント回復し、「遠征」のほかに「探索」や「訓練」、「ダンジョン」等の行動メニューの実行に使用。アイテムの探索や経験値の獲得、装備品の修理などを行なうことで部隊を強化・整備し、より手強い遠征に備えることができます。
他のプレーヤーと共にロールプレイが楽しめる!
「英雄クロニクル」では、個性あるキャラクターを自分で作り込むことができます。それは他のプレイキャラクターにとっての傭兵となり、雇われた先でNPCとして活躍します。NPCなので自分が直接ロールプレイをするわけではありませんが、自分のキャラクターを他プレーヤーに知ってもらうことで、よりキャラクターの存在感が増し、「英雄クロニクル」世界の拡大・充実をもたらします。
また、そうして創作されたキャラクターたちの中には、公式のイラストコンテストをはじめ、ゲームの枠から飛び出して存在感を獲得しているキャラクターも見受けられます。次回はその辺りも含めて、「英雄クロニクル」におけるTRPG的な楽しさを見ていきたいと思います。
【天の声:教えて「英雄クロニクル」の中の人!】
英雄クロニクルで作られたキャラクター達は、膨大な特殊能力やスキルの組み合わせから作成されているため、おそらく1人として同じ能力のキャラクターは存在しません。また、それぞれのキャラクターが持つ設定や背景が加わる事により、それぞれのキャラクターは全て唯一の存在となります。
ですので自分の部隊に必要な戦力を持つ傭兵を探していると、能力的な選択だけでも迷ってしまう事もありますが、そのキャラクター性や設定などをついつい読み込んでいる内に、恐ろしい時間泥棒となってしまう事も多々あります。
ですがそれゆえに雇い入れたキャラクター達は、単なるユニットではなく、1人のキャラクターとして記憶に残るはずです。
記事冒頭に「自陣営を勝利させること」が目的とあり、それはゲーム的に正しいのですが、このゲームの真の勝利とは何かといえば、それは「あなたのキャラクターが誰かの記憶に残る事」であると言えます。
英雄クロニクルをプレイして頂ける際には、ぜひその勝利を目指して頂ければと思います。
[注釈]
アシュラナータの部隊は、本連載記事の為に用意した部隊となります。連載終了時に削除する予定となっております。また、本部隊への掲示板を含むコンタクトを行なった場合、画像を修正を行ったうえで、本連載に掲載される場合がある事をご了承ください。
©SUCCESS 2011 All RIGHTS RESERVED.