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「グランブルーファンタジー」、オーケストラコンサート東京公演レポート

植松伸夫氏、成田勤氏登場で“王道ファンタジー”を改めて実感

8月12日 開催

場所:Bunkamuraオーチャードホール

 Cygamesは、Android/iOS/Chrome用RPG「グランブルーファンタジー」のオーケストラコンサート「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA-SORA NO KANADE-」東京公演を8月12日に開催した。

 「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA-SORA NO KANADE-」は、「グランブルーファンタジー」内で使用されている楽曲をフルオーケストラ編成で演奏するコンサートライブ。公演は東京、福岡、大阪、仙台、札幌の5都市での開催となり、その皮切りが東京公演となった。今回は取材ができた8月12日、東京の昼公演の様子をお伝えしていく。

現在渋谷は「グランブルーファンタジー」が広告ジャック中。Bunkamuraの隣、東急百貨店本店でもプロモーションが行なわれている
ディスプレイには「グラブル」フィギュアが陳列。間近で見ると出来の良さがよくわかる
こちらは会場内。キャラが映しだされたデジタルサイネージが展示されている(左)ほか、お姉さんたちとの記念撮影(右)も可能

 公演は、栗田博文氏指揮による東京フィルハーモニー交響楽団によって演奏された。演奏楽曲はTVCMでも流れていた「メインテーマ」に始まり、「大星晶獣との戦い」、「フレイメル島~太古の工廠~」と続いていく。この日のセットリストは以下のとおり。

セットリスト

【第1部】
メインテーマ
大星晶獣との戦い
フレイメル島~太古の工廠~
ルーマシー群島~神秘の森~
コロッサス・マグナ
始まりの風
天に散りし覇者との邂逅
シュヴァリエ・マグナ

【第2部】
遥かなる旅路、天翔ける戦線
歴史の分水嶺
悲壮
リヴァイアサン・マグナ
アウギュステ列島~白沫の瀑布~

【アンコール】
バトル1&2メドレー
ロボミ

公演の最初に挨拶を行なった「グランブルーファンタジー」プロデューサーの春田康一氏
植松伸夫氏(右)と成田勤氏(中央)。演奏の合間にコメントを行なった
演奏は東京フィルハーモニー交響楽団。指揮は栗田博文氏が務めた

 楽曲の合間には楽曲群の作曲者である植松伸夫氏、成田勤氏が登場して楽曲に対するコメントを述べていった。「グランブルーファンタジー」のオーケストラコンサート自体は昨年の東京ゲームショウ 2015で実現しているが、その時は周囲からも絶えず音楽が鳴り響いている環境であり、楽器にマイクを付けての演奏だったため、公演後に「できれば生でやりたいね」と本作プロデューサーの春田康一氏と話していたという。

 それが約1年で実現したこととなるが、1つのゲームタイトルでオーケストラコンサートを実施するのは、植松氏自身が関わったタイトル群のなかでも異例のスピードだそうだ。

 なお成田氏は、自身も「グラブル」のヘビーユーザーであるそうで、朝7時から深夜0時まで開催される対戦イベント「決戦!星の古戦場」があるときには、6時に起きてイベント開始に備えているそうで、プレイしながら自身が作曲した楽曲のイメージが変化していくこともあるのだという。

 コンサートを通して印象的だったのは、植松氏が自身の作曲した楽曲に対して、「自分らしい曲」というコメントを繰り返したこと。このコメントはゲーム序盤で聴くことのできる爽やかな曲「始まりの風」やパーティ全滅時に流れる「悲壮」で述べており、これを踏まえた上で演奏を聞くと、日本の「王道ファンタジー」の楽曲イメージが植松伸夫氏によって形作られていったことが改めて理解できる。

 そんな植松楽曲は成田氏にも多大なる影響を与えており、植松氏、そして
植松チルドレンとも言うべき成田氏の2人が「グラブル」楽曲群を形作っているのは非常に興味深い。演奏では「グラブル」が描き出す壮大さを感じることができたほか、「グラブル」が目指す世界観がコンサートを通してさらに理解できたのが良かった。

 ちなみにコンサートチケットには各会場限定のキャラが付いており、キャラは会場で受け取れる(東京会場は「ナーヴェ」)。限定キャラを受け取るとフェイトエピソードがプレイ可能なのだが、ここに成田氏が「ナリタ」、植松氏が「ノビヨ」として登場し、それぞれがボイスも務める特別仕様となっている。

 ストーリーは、ノビヨが音楽監督兼名誉指揮者を務める「スカイフィルハーモニー交響楽団」の創立100周年コンサートを巡るもの。成田氏と植松氏の渾身の演技も含めて、コンサート参加者はぜひプレイしていただきたい。