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来年で20周年!「電車でGO!」がアーケードに帰ってきた!
スマホアプリ、雑誌、おもちゃなどとのコラボも発表
2016年8月8日 21:59
稼働開始20周年を記念して最新作が登場
2017年には稼働開始以来20周年を迎えるタイトーの「電車でGO!」シリーズ。その最新作の発表会が8月8日に都内の会場で開催された。
最新作のプラットフォームはアーケード版で登場。ゲームはCGで構成されているが、今回の「電車でGO!」ではグループ会社であるスクウェア・エニックスのヴィシュアルワークス部も関わっており、かなりリアルなCGでプレイできるのが特徴だ。ロケテストは年内、稼働開始は来年春を予定している。
発表会冒頭で、タイトーの代表取締役社長である石井光一氏は、「新しい『電車でGO!』は出ないのか?」という問い合わせがたくさん来ていることを紹介しながら、「あたかも実写であるかのような最新のCG技術を用いて、今の世の中に必要である、新しい『電車でGO!』になる」と挨拶。
引き続き登壇したジェイアール東日本企画の常務取締役である筑波伸夫氏は、自身も「電車でGO!」のファンであることを披露しつつ、「今回は運転士体験という新しい企画と聞いている。かつて『電車でGO!名人』と言われた松本隆氏にも伝えたところ、『新しい製品に対しても挑戦したい』という話があった。『電車でGO!』はおじいちゃん、お父さん、お子さんの3世代で遊ぶことができるゲームなのではないか。ゲームを通して鉄道を愛するファンが増えてほしい」と期待を述べた。
開発を担当した川島氏よりプレゼンテーション
そして次に、タイトーのコンテンツ開発部長である川島健太郎氏より、本作の概要についての紹介が行なわれた。川島氏は、「元々は“電車運転シミュレーター”として登場したが、今回はとらえ直して、新しく“運転士体験ゲーム”へと生まれ変わらせようと開発をしている」と語る。そして今回の筐体はかなり大きく、実際の車両が3メートル程度あるのに対して、筐体の幅は2メートル60センチあり、ほぼ実際の電車と同じようなサイズ。「ホンダのフィットやトヨタのヴィッツを並べるとほぼ同じ大きさ」(川島氏)とのこと。
内部だが、正面に55インチのモニター、その左右に43インチのモニターが並び、奥には20インチのタッチパネルがあるという、全4画面構成。グラフィックスだが、ミドルウェアとして「Unreal Engine 4」が使われているほか、先ほども述べたとおり、スクウェア・エニックスのヴィジュアルワークス部が監修をしている。「リアルで迫真の運転士体験ができるグラフィックになっている」(川島氏)という。
そして本作の見所としては、これまでは路線の運転などが筐体に紐付いてのプレイであったが、今回はミッション制にする、と川島氏。その内容について川島氏は「例えば雪の日に、センター試験の当日で、受験生がセンター試験を受けに電車を待っているという状況で、きっちりと時間通りに受験生を送り届ける、といった感じ」なのだという。「東京スカイツリーの前を電車が通るときに、観光客の方が乗っていたら、少し速度を落とすことで観光客の方に喜んでいただくとか。今までのように単に路線の上を電車を走らせるだけでなく、ストーリー性を盛り込んでいくようなミッションを用意したい。それで、日々の日常を支える運転士の仕事を実際に体感していただきたい」(川島氏)。
また、今回は山手線の運転からスタートするが、新しい車両はオンラインアップデートにより追加が可能であるという。
また今回は、本作に合わせてさまざまなコラボレーションが行なわれる。まず1つはスマートフォンアプリのゲーム「連結!電車でGO!」の配信(iOS/Android版)だ。これについて今回は「電車がモチーフのパズルゲームであることしか明かされなかった。ただしアーケード版との連動が予定されているという。このほか、カワダの「nanoGauge」、ジョルダンの「乗換案内」、雑誌「鉄道ファン」とのコラボレーションも予定されていることも紹介された。
本作に携わる方からも挨拶
続いて、ビジュアル監修を行なったスクウェア・エニックスのヴィジュアルワークス部 チーフ・クリエイティブディレクターである生守一行氏が挨拶。生守氏は「リアルさを再現するだけでなく、色や彩度などを微妙に調整し、きれいさを目指した画面作りをした」と語る。「鉄道ファンはもちろんのこと、親子でも楽しめるものを目指して制作しているので楽しみに待っていて欲しい」(生守氏)。
引き続き、本作のアライアンスカンパニーからも挨拶が続く。まずカワダのオリジナル事業本部 事業部長である高橋宏行氏は、「『nanoblock』を動かしてみたいという考えがあり、それで2014年3月に実現したのがNゲージサイズの『nanoGauge』。よりこれを深めるために、鉄道のプロフェッショナルとコラボレーションできないかと考えていたところ、昨年今回の話を頂戴し、一緒にやらせてくださいと即答した」と語る。「アナログのブロックで作る『電車でGO!』。これで何ができるか。私どもも来年春に向けていろいろな企画を考えているので期待してほしい」(高橋氏)。
ジョルダンの代表取締役社長である佐藤俊和氏は「タイトーさんとの間で、新しい、スマートフォンとの連携を考えている。来年の今頃は『電車でGO!』が大人気になっていることを願う」とコメント。
雑誌「鉄道ファン」を発行する交友社の代表取締役社長である山田修平氏は、13年前に発行された2003年3月の表4にタイトーが広告を出したとき、「電GO!ファン」というタイトルを入れて掲載されたことに言及。その当時の鉄道趣味界では評判になったのだという。山田氏は「これがあって以来、鉄道関連のゲームが発売されるたびにお手伝いをさせていただいた」と前置きしながら、「今回の新製品については、鉄道ファンだけでなくゲーマーの方にも、喜び、感動、驚きを味わっていただけるのではないか。私どももできるだけ協力して、多くの方々に『電車でGO!』を知っていただきたい」と語った。
質疑応答でも情報が続々と
最後に質疑応答の時間に登壇者として登場したのは川島氏だ。本作のVR対応について聞かれて川島氏は、「すでにこの筐体が十分にリアリティのあるものであると思っているので、まずはこれでリアリティを出してお客様に体験していただきたい」とコメント。また筐体にNFCのようなカードリーダーが付いていることについて尋ねられると、「ここには『NESICA』と書かれていて、当社の運営するカードのマークが入っている。ただし開発の中では、電子マネーにゆくゆくは対応していきたいと思っている」とした。
アプリとの連動については「ブロックを題材にしているので、なんとなくブロックは作っていくんじゃないかなと。ブロックは何かしらアプリと連動すると……。これ以上は言えませんので近いうちに続報を(待って欲しい)」と語った。
なお、発表会場に置かれていた筐体の画面に、タイトーのサウンドチームである「ZUNTATA」のロゴが表示されていることについては「基本的に100%ZUNTATAが担当することになるが、『電車で電車で…』といった歌は今回はないかなと」と川島氏。
そしてプレイする際の価格の質問については「一般論として話すと、我々はアーケードゲームで、100円を入れて3分なり5分遊ぶというプレイスタイルが、本当にそれでいいのかという問題意識を持っている」と川島氏。「たとえば、定期券のようなものがあって、それを買うと1か月間フリープレイができるとか、100円以外にお客様からお金を頂戴することはできないかと、開発の中で検討している。決済システムとして電子マネーは向いているのではないかと思っていて、まだはっきりとしたことは伝えられないが、料金体系としては、より柔軟なものを検討している」(川島氏)。
ところで筐体の右上に「クハ40-400」と書かれていることについては、開発チームの方からコメント。これについては、「4代目の筐体なので40、筐体の制作バージョンとして4つめなので400」なのだそうだ。ロケテスト時には番号がどうなっているのか気になるところだろう。
また川島氏によると、試作機の段階では左側の扉が閉じられているが、量産機では開いているようにしたいとのこと。「配置によっては左を開けて右をふさぐようにもできるし、両方開けてもよいと思っている。密閉感の中でプレイしたいというお客様もいると思うが、子どもは駆け込んでくると思うんですよ。ですので例えば両方空けて置いて、ご家族が遊んでいる方向けに、横に補助椅子を置くというオペレーションも想定している」とのことだ。
「ここまで大きいと電車のアトラクション。アミューズメント施設だけでなく、道の駅とか、本当は駅の中に置きたいと考えている。ショッピングセンターでこれだけをボンと置いておても魅力的なものになるだろう」(川島氏)。