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「Resident Evil 7 Biohazard」がPlayStation VRにフル対応!
SIEカンファレンスで披露されたPS VR関連トピック詳報
2016年6月15日 18:44
SIEは現地時間の6月13日に開催したプレスカンファレンスの中で、プレイステーション 4のVRシステムとして注目されるPlayStation VR(以下『PS VR』)の発売日を正式に10月13日と発表した。価格は44,980円。年内に50タイトル以上の対応ゲームを発売することも約束された。
これに続くプレゼンテーションではPS VRに対応する新たな5種のコンテンツも紹介された。実に強力なラインナップとなる内訳は「バイオハザード」、「ファイナルファンタジー」、「Star Wars」、「BATMAN」といった大人気IPの勢揃い。気鋭のVR-FPSとなる「FARPOINT」にも注目だ。
「Resident Evil 7 Biohazard」
今回披露されたPS VR対応コンテンツの中でも特に目玉となったのが、2017年1月26日発売予定の「Resident Evil 7 Biohazard(邦題:バイオハザード7 レジデント イービル)」が、PS VRにフル対応することだ。フル対応というのは、一部のシーンだけでなく本編の全てがPS VRで遊べるという意味。フルプライスに値するVRタイトルとして、「バイオ」シリーズの20周年を飾る格好だ。
カンファレンスのアフターパーティで本作を実際に試すことができたのだが、PS VRとホラーの圧倒的な相性の良さを深く確認する結果となった。
今回のデモで披露されたのは、本編の一部であろう、とある廃屋から脱出を目指すというシーン。舞台となる廃屋は昨年のE3とTGSでカプコンが披露したホラーVRデモ「KITCHEN」に関連があるらしく、薄汚れた台所の間取りに強いデジャヴが感じられる。室内を探索し、使えそうな道具をインベントリに加えながら、出口に近づいていく。不気味かつゆったりとしたゲームテンポは、「バイオ」シリーズの基本に忠実だ。しかし、その全てがPS VRで視界いっぱいに広がることで、別次元の体験となる。
眼前に広がる屋内の風景は極端に不気味でグロテスク。腐臭漂う台所では至る所でウジが這いまわり、鍋の蓋をあけると大量のゴキブリが這い出てプレーヤーの手にまとわりつく。生理的嫌悪を催す演出のオンパレード。そんなものがテレビの向こう側ではなく、目の前で、実際のスケールで見えてしまうのだ。助けて!
ゲームの操作は通常通りDUALSHOCK 4コントローラーで行なう。多くのVRコンテンツにありがちなテレポート移動ではなくスティック操作でなめらかに移動するタイプだ。ややVR酔いが心配にはなっているが、プレイ上の自由度は圧倒的に広がっているし、だからこそ、本編の全てがVRでもプレイ可能になっているのだろう。
ゲームの流れとしては、とある地点で手に入るビデオテープで回想シーンを見ることができ、それによって脱出のヒントが得られる仕組み。そうして先に進むもうとしたところに、突如何かの気配が忍び寄る。どこからともなく聞こえるミシミシという音。反応して振り向いても、そこにあるのはただの暗闇……。プレーヤーをびっくりさせるのではなく、じわじわと正気を削り取っていくような演出だ。こういった演出の威力は、PS VRの広大な視野角と没入感で何倍にも増幅される。
10分ほどの試遊でも、精神的にクタクタになるほど消耗させられる結果となった。これほどの密度感で本編の全てを遊べてしまうというのは本当にすごいことだ。PS VRによって作品の魅力が最大限に引き出される、屈指の注目タイトルになることは間違いない。
「Final Fantasy XV: VR Experience」
9月30日発売予定の「ファイナルファンタジーXV」にPS VR用のモードが登場する。今回紹介されたのは、ノクトたち仲間の1人であるプロンプトの視点となって銃を撃ち、ベヒーモスと戦うシーンだ。本編の中でも特にVR的においしいところを遊ぶ、アトラクション制の強い内容になっている。
操作に使うのはPlayStation Move。Moveを銃に見立て、体感操作でベヒーモスを撃つ、撃つ。ベヒーモスの攻撃を受けそうになったら高速移動(実質的にテレポート)を発動し、背後に回り込んで撃つ。近接戦闘を繰り広げる味方と攻撃のタイミングを合わせ、ダウンを取ったらさらにチャンス。表示される照準点に合わせ、弱点に連打を叩き込む。
という感じで、本編のバトルシーンをPS VRならではの視点で楽しめるのがこのコンテンツの特徴だ。これのみでゲーム製品として配信するというよりも、本編に追加するDLC的な形で、様々な名シーンをVRで楽しめるような形が期待される。作中のキャラクターたちをとてつもなく身近に感じられるPS VR。ファンにはたまらない体験になりそうだ。
気鋭のVR-FPS「FARPOINT」
本作はVR専門のゲーム開発スタジオImpulse Gearが開発する、気鋭のVRーFPSだ。アフターパーティで披露されたデモプレイでは、専用の銃型コントローラーを使ったプレイを見ることができた。
このコントローラーでは直感的な照準と射撃ができるだけでなく、アナログスティックが装備されており、移動操作も平行して行なえるというのがポイントだ。つまり本作はFPSの移動・射撃という操作をフルスペックで、体感型VRで実現するというものになっている。VR内で自由に移動しつつ戦うというのは、どうしてもVR酔いの問題が出てくるため、ゲームデザイン的に避けられがち。本作はそこに敢えて正面から挑んでいるのが面白い。
ゲーム内容としては、未知の惑星上を探索しながら、襲い来るクリーチャーを掃討していくというもの。基本的には正面に向かっての移動や射撃がメインとなるマップ構成だ。左右をキョロキョロと見なくてもきちんとプレイできるので、VR酔いは起きにくい。とはいえ、移動が強制されるレールシューターとは違って、プレーヤーの思い通りに前後左右の平行移動ができる。FPS的な自由度と、VR的な快適さと、没入感のトータルバランス。VR-FPSの先駆けとして、PS VRを手に入れたらぜひじっくりとプレイしてみたい1本だ。
「BATMAN: Arkham VR」
人気キャラクターのバットマンがPS VRにやってくる。今回披露されたE3向けのデモでは、バットマンになりきれる「BE THE BATMAN」、バットマンの探偵能力を追体験する「World's Greatest Detective」という2つのエクスペリエンスを収録していた。
「BE THE BATMAN」では鏡に映る自分の姿がバットマンそのものという体験が可能で、もしも自分がスーパーヒーローだったら……という妄想に、形から入るというVR的な手段を提供してくれる。「World's Greatest Detective」のほうでは、事件現場にて証拠品を掴み、事件当時の映像を再現して決定的瞬間を捉えるという、また全く違った遊びとなっていた。
「Star Wars Battlefront X-Wing VR Mission」
かの「Star Wars」も、PS VRで堂々のゲーム化だ。本作は昨年末にElectoronic Artsから発売された対戦型FPS「Star Wars Battlefront」をベースとして、X-Wingによるドッグファイト体験をVR専用に抽出したスピンオフ作品となる。
VRといえばコックピットタイプのゲームプレイに最適で、世界で1番人気のあるコックピットといえばX-Wingの操縦席に相違ない。どう考えてもこれは燃える。特に北米は「Star Wars」ファンが膨大に存在するだけに、PS VRの普及にも大きな影響を与えそう?