ニュース
注目の「Battlefield 1」は史上最高に歩兵戦のゲームへ!
64人マルチプレイデモに見る“第1次世界大戦版BF”のカタチ
2016年6月13日 17:18
現地時間の6月12日に開催されたElectronic Artsのプライベートイベント「EA Play」にて、人気FPSシリーズの最新作となる「Battlefield 1」の64人対戦マルチプレイデモが行なわれた。本作は10月21日にPS4/Xbox One/Windowsで発売予定。今夏にはβテストも行なわれる予定だ。
EA DICEが手掛ける本作「Battlefield 1」は、シリーズの長い歴史の中で初となる、第1次世界大戦をモチーフとするチームプレイ・ミリタリーFPS。第1次世界大戦といえば、1914年から4年間にわたって戦われた近代戦のあけぼのであり、戦車や航空機といった搭乗型兵器はまだまだ原始的、戦力の中心は圧倒的に歩兵であった時代だ。
そういった時代背景を反映し、本作は従来のシリーズ作とはかなり違ったプレイフィールを持つ内容に仕上がっている。
時代がかった兵器の数々。歩兵戦がアツいゲームバランスへ!
今回のマルチプレイデモでは、総勢64台のPCを使った32人対32人対戦の模様を確かめることができた。ゲームルールはシリーズ伝統のコンクエストモード。丘に囲まれた小さな町を舞台として、イギリスとドイツ軍の戦いを描くゲーム内容だ。
出撃画面は実際のマップをトップビューで見下ろしたものになり、地形を把握しやすい。ここからプレーヤーは、アサルト、メディック、サポート、スナイパーといった4クラスから1つを選択して出撃できる。
操作感そのものは即座に「Battlefield」とわかる、素直なものだ。プレーヤーのメインウェポンとなるのは、時代がかったライフルやマシンピストル。サブ武器にはハンマー型のグレネードに加えて、白兵戦用の手斧もある。ライフルに着剣すると、素早い動きで突撃する動きが可能になるなど、接近戦の多発を予感させる装備構成である。
実際、各所に点在する塹壕、マップ中央近くに多く存在する建物や廃墟は手狭で入り組んでおり、中距離での撃ち合いや、出会い頭の接近戦が発生しやすい。また天候変化のシステムで、周囲が霧に覆われて視界が悪くなることも。この状態で敵を目視できるのは、もう目と鼻の先という距離だ。勢い、遠距離でチクチクと撃ちあうよりも、近距離で動き回りながらスピーディに撃ち合うシチュエーションが多くなる。この“歩兵同士での殴り合い”感は、かなり歩兵メインのゲームだった「Battlefield Hardline」よりも濃厚かもしれない。
もちろん、多彩な搭乗兵器も存在する。例えば戦車。現代戦車に比べればオモチャのような存在だが、歩兵キラーとしての存在感は相変わらずだ。大型の多砲塔戦車などは全方位に砲撃を仕掛けてくる上、そのシルエットに異様な威圧感がある。味方の歩兵にとっては弾除けとしても優秀で、前線の押し上げの要となる感じである。
しかし全体的にその動きは遅く、歩兵のダッシュで追いつける程度のスピードでしかない。特に大型戦車は旋回も非常に遅いため、随伴歩兵がない状態では簡単にグレネードの餌食になる次第。従来のBFシリーズでの戦車は機動力を活かして遊撃戦を展開する性格が濃かったが、本作では味方歩兵の盾となりながら一緒に前線を押し上げていく、歩兵戦車としての運用がメインになってきそうだ。このあたりまさに第1次世界大戦という感じである。
そして空の戦いの要となるのが、全長数十メートルはあろうかという超巨大な飛行船。その下部には複数の銃座がついており、飛び交う複葉機を、地上の歩兵を、同時多発的に攻撃できる。いわば空飛ぶ要塞である。これが撃墜されると巨大な炎の弾となり、落下地点は広範囲の爆発と炎上で大惨事。しかも墜落した骨組みがそのまま残って地形が変わってしまうという始末で、戦場のダイナミックさに拍車をかけてくれる。従来のBFシリーズでは見られなかった新鮮な光景で、戦いに変化を与える要素としても非常に面白い。
そして全体的にいえることとして、便利な誘導兵器が全く無いというのはけっこう重要なポイントだ。あらゆる状況で敵の動きを見極めて、しっかり狙って、撃つ。核となるプレイ感覚は極めてクラシカルで、スポーツ的なFPSとしても筋の良さを感じる。
今回触れられた範囲では本作の“さわり”しか知ることができなかったが、第一次世界大戦というのがBFシリーズにとって非常に面白い題材であることは間違いない。今夏に予定されているβテストで、より深く本作のプレイフィールを確認できることを楽しみにしておきたい。