「信長の野望 Online ~新星の章~」体験プレイ&インタビュー
「松島」のボス「大黒天」戦を紹介! チャプター2では有名武将が多数登場


3月18日収録

会場:コーエー ジェミニビル


コーエーの「信On」開発プロデューサーの渡辺知宏氏(右)と開発ディレクターの今村一太氏(左)

 コーエーがサービスを行なっている戦国時代MMORPG「信長の野望 Online(以下、信On)」の4つめの拡張パック「新星の章」が3月24日に発売された。同時に、これまで7つだったワールドが4つに統合され、「信On」はこれまでのシステムや世界を一新して生まれ変わることになる。

 「信On」は2003年6月にサービスを開始して、今年で7年目の老舗MMORPGだ。戦国時代を舞台に、実在の武将も登場する中で国ごとに分かれたプレーヤーが天下統一を目指して合戦を繰り広げる。「新星の章」では、今まで以上に天下統一を達成しやすくなる「天下人システム」が導入され、国勢の変化がこれまで以上にスピーディーになる。また、「独眼竜の野望」という新しい侵攻式ダンジョンが加わる。

 「新星の章」は「大航海時代 Online」などと同じチャプター制を導入しており、3月24日には第1陣「天下への夜明け」が実装される。今後は3~4カ月程度で新しいチャプターが実装されていく予定だ。

 発売を間近に控えた3月18日に一足早く「独眼竜の野望」を体験するチャンスを得た。また、同時に開発プロデューサーの渡辺知宏氏と、開発ディレクターの今村一太氏に話を聞くことができた。既に「独眼竜の野望」をプレイしているユーザーもいるだろうが、すぐには到達できない松島のボスなども紹介しているので、是非ご一読いただきたい。




■ 「独眼竜の野望」では、インスタンスダンジョンとパブリックダンジョンの良さを融合

実際に撮影してきた画像をもとに作ったという風光明媚な「松島」
ソロで入場した後、中で徒党を組むこともできる

 「独眼竜の野望」は「新星の章」で追加される新しい大規模コンテンツだ。時代設定が合わずこれまで登場していなかった人気武将、伊達政宗の天下統一の野望を描くというストーリー仕立てで、侵攻型のインスタンスダンジョンで敵を倒していくことで物語が進行していく。

 今回は「独眼竜の野望」のプロローグに当たる「鬼門比叡山」と、「松島」の2つのダンジョンが実装される。時間を飛び越えて伊達政宗に会いに行く、その前の段階の物語という位置づけだ。各ダンジョン内は行く手を阻む障壁でいくつかの段階に仕切られていて、「試練」というクエストをクリアすることで次のエリアに入れるようになる。

 「試練」には下で紹介している「塩釜の試練」のように名前がついていて、いずれも強いボスと戦うクエストが揃う。「独眼竜の野望」のメインコンテンツとなる部分だ。ダンジョン内には他にも、狩り用の雑魚敵や、「試練」に使うアイテムを落とすミニボスが徘徊している。

 「新星の章」に先立ち、12月のアップデートでギルドにあたる「一門」が導入されたが、「独眼竜の野望」はこの「一門」単位で進めていくことになる。といっても、「一門」専用という訳ではない。むしろ「独眼竜の野望」はソロから徒党まで誰でも気軽に遊べるダンジョンなのだ。

 今回、体験したのは「鬼門比叡山」に続くダンジョン「松島」。開発者が実際に宮城県松島へ行って撮りまくってきたという写真をもとに作られた風光明媚なダンジョンだ。入場するには、「堺」にいるNPCからもらえる「参加証」というアイテムを持って「馬借」から移動する。料金は全国一律50貫。

 これまでずっと東国から安くはない料金を払って西に通っていたプレーヤーにとっては、「また堺か」という思いがしなくもない。新規コンテンツの入り口を堺にするのは、勢力によって堺まで掛かる費用が異なることや、堺ばかりに人が集まることなど懸念点も多い。堺を入り口にする必然性はないので、そろそろ他の入り口を用意してもいいのではないかと思う。

 さて、今回は体験プレイ用に作った「新星」という「一門」プラス、助力してくれるプレ―ヤーという設定で、一門に入っているプレーヤーも全員がソロで参加した。インスタンスは「一門」単位なので、例えば「新星」という「一門」の誰かがインスタンスを作ると、後から入る「新星」のメンバーは全員が同じダンジョンに飛ばされる。

 前回の拡張パック「争覇の章」で問題視された、進行度が違うプレーヤーが一緒に遊べないという部分を解消するために、進行度は「一門」の攻略度合いに準じることになった。また「助力」で参加するプレーヤーは自分の「一門」の進行度とは関係なく参加することができる。「独眼竜の野望」には「一門試練クエスト」のような制限はないので、1人か知り合い数人で狩りをしにいき、その場で募集して人を集めてからボスにいくといったプレイの選択の自由度が高い。

 また、これまでのダンジョンでは入り口にいる敵から7体のフル徒党を組んでいることが多く、ソロでの狩りは非常に困難だったが、「独眼竜の野望」のダンジョンは、入り口近くにいるのは1体~3体構成と少ないので、職によってはソロでも倒すことができる。これは「他のメンバーが来るのを待つ間、1人や少人数で狩りができるようにしました」(今村氏)。ただし、ずっと狩り続けていると、敵の数はだんだんと増えてくるため、ずっと1人で狩り続けられるわけではないようだ。

 「新星の章」では、「独眼竜の野望」をはじめすべてのコンテンツに「気軽に短時間でも遊べる」という思想が活かされている。これまで「信On」最大の問題点の1つだった“徒党がそろわなければ何もできない”という部分が大きく改善されている。また敵を叩いたプレーヤーしか敵のセリフを読むことができず、他のプレーヤーがストーリーを把握できないという部分も、敵のセリフを黄色フォントでメッセージウインドウに表示することで全員が読めるように改善された。

 「1人で遊べたフィールド(パブリックダンジョン)の良さと、侵攻型ダンジョン(インスタンスダンジョン)の良さを融合したい」(渡辺氏)という言葉通り、1人でも複数でも遊べる新しいコンセプトのダンジョンになっている。




■ クエスト「塩釜の試練」では、タイムアタックバトルに挑戦

洞くつの祠で「塩釜の欠片」を使うと「塩釜の震坊」が現われる
「塩釜の冷水」をかけて弱体化させるも、時間が足りず逃げられてしまった

 「松島」には4つの試練がある。「塩釜の試練」という試練は、タイムアタック要素がある中ボスのクエストだ。戦うには雑魚敵を倒していると現われるミニボスのドロップが必要となる。洞窟の奥に入ってアイテムを使うと、「塩釜の震坊」というボスが護衛の「陸奥の百目鬼」を3体連れて現われる。「塩釜の震坊」は海に向かって進んでいくので、逃げられる前に倒さなければならないのだが、戦うには「陸奥の百目鬼」をすべて倒したあと「塩釜の冷水」というアイテムを2回使って弱体化させておかなくてはいけない。

 ソロで入っていたので、まずは徒党を組んで「塩釜の震坊」を呼び出す。海へのルートはかなり短くて、初回にはのんびり「塩釜の冷水」を受け取っていると、タイムアップで海に逃げられてしまった。仕方なく次はアイテムを持っている人に使ってもらう。なんとか戦闘には入れたが、かなり体力がある上に強い。

 ただ、「独眼竜の野望」ボスは「九州三国志」のように特定の攻略方法でなければ勝てないわけではないし、「凶変イザナミ宮」ほど時限式の特殊技を多用してはこない。雰囲気的には、「黄泉」や「陸・海・空」のボスに似ている。体力は多くて力が強いが、徒党の強さや作戦次第で倒せなくはないというレベルで、攻略方法も複数ありそうだ。「これまでに慣れ親しんできた戦闘をベースにして、もう少しこうした方がいいのでは、という要素を入れています」(今村氏)という言葉通り、ある種懐かしさを感じた。

 「陸奥の百目鬼」は7体の敵で、1徒党ですべてを倒したり、徒党を分けて少人数で倒すことも不可能ではないだろうが、制限時間の中で「塩釜の震坊」までたどり着くためには複数の徒党で攻略をした方がよさそうに見えた。渡辺氏と今村氏によると、他のボスにも「いろいろと仕掛けがある」とのことだ。ギミックについては、入り口にいるNPCが詳しく教えてくれる。

 ちなみに「塩釜の震坊」には、「塩釜の蛇女」を倒してから5分以内に倒すというクエストもある。このように、通常よりも高い難易度でこなす試練を「オプション試練」という。オプション試練には各種バリエーションがあり、クリアすることでいいものがもらえるらしい。神秘石のようなものもあるということで、自信のあるプレーヤーはどんどん挑戦してもらいたい。




■ 「松島」の大ボス「大黒天」は、穏和な顔とは裏腹に容赦ない強さ

「大黒天」の背後には時空の扉らしきものが
「大黒天」の徒党にいるのは、痛い攻撃をしてくる強敵ばかりだ
獲得「覚醒値」が上昇する「五大明王の覚醒」を受けた状態で敵を倒すと、1体でもかなりの量の「覚醒値」がもらえる

 「松島」の最後のボスは、打出の小槌を持った神様「大黒天」だ。見た目は非常に穏和そうな好々爺だが、攻撃は極悪なほどに強烈だ。戦闘開始と同時に「風神」と「雷神」が護衛に現われる。そのため攻略には3徒党必要になる。「高千穂」のように同時に倒さなくてはならないといった縛りはないが、「大黒天」の徒党が負けるとやり直しになる。

 「大黒天」の徒党にいるのはいずれも強力な敵ばかり。特に「夢喰い」や「天竺僧岸航」あたりは早めに倒さなければ苦労することになりそうだ。体験プレイでは、レベル65、最新装備のフル徒党で挑んだにもかかわらず、2戦やって、2戦とも全滅だった。今回は「薬師」と「僧」の回復2で挑んだが、それでも全体回復系だけでは回復速度が間に合わなかった。術攻撃も強烈なので回復が少ない場合には、術軽減職がいたほうがよさそうだ。筆者の徒党は最短2ターンで旗折れしてしまった。「黒雷」や「国之狭霧」などかつての強敵と初めて戦った時に、なすすべもなく倒されたことを思い出す展開だ。

 少々弱気になって、「これ倒せるのですか?」と聞いてみたところ、「『凶変イザナミ宮』の『イザナミ』級のボスですので、かなり強い徒党が新技能と新装備を使えば倒せる想定です」との答えをいただいた。一筋縄ではいかなさそうだ。「戦闘のルールはユーザーの方が戸惑いすぎないよう、なるべくシンプルでありつつも、やりごたえがあるよう調整しました」と今村氏。

 ちなみに「独眼竜の野望」のダンジョンで死ぬと拠点に飛ばされる。ダンジョンに入るためのアイテムは、堺のNPCからまたもらえるが、他のインスタンスダンジョンのように入り口から走って死に戻りはできない。

 新ダンジョンが追加されたことで、またしても「独眼竜の野望」にばかり集中してしまい、旧来のダンジョンへの募集がなくなってしまうのではと危惧している人もいるだろう。そのための方策も講じてある。「独眼竜の野望」ダンジョンでは、モンスターを倒すと獲得できる「覚醒値」が上昇するクエストを受けることができる。このクエストを受諾していれば、一定回数までの狩りでは通常よりも多い「覚醒値」が入る。このクエストは1週間に1度のみの更新となる。だからもし水曜の段階で、回数を使い切ってしまうと後の6日間は通常の「覚醒値」を獲得することになる。「独眼竜の野望」ダンジョンではNPCが強めで通常の状態では「覚醒値」目当ての狩りは効率が悪いので、もっとたくさんもらえる場所へ行こう、と狩り場を替える人も出るだろう。

 「独眼竜の野望」を「一門」に入った状態で遊ぶと、「一門」の成長に使う「一門殊勲」が手に入る。「一門試練クエスト」では「一門」の人間が何人以上いる場合といった制限があったが、「独眼竜の野望」では1人で別の「一門」の助力をした場合でも、「一門殊勲」を獲得できる。

 1時間程度遊んだ感触では「独眼竜の野望」ダンジョンの敵は、とても楽しそうに見えた。時間とお金のかかるボスキャラ攻略は、できれば楽しく遊びたいとプレーヤーなら誰でも思うのではないだろうか? 「独眼竜の野望」は個々のプレーヤーが常にボスを倒さなければ先へ進めないダンジョンではない。ソロや徒党での狩りにも使えて、ストーリー以外にも、オプション試練などチャレンジブルな要素もある。たくさんの要素が以前のダンジョンよりも格段に、自由なプレイスタイルで遊ぶことが可能になっている楽しいダンジョンだ。




■ 渡辺P&今村Dインタビュー「瓦番や評定クエストでも覚醒値が貯まるように検討中」

コーエーの「信On」開発プロデューサーの渡辺知宏氏
コーエーの「信On」開発ディレクターの今村一太氏

 体験プレイの後「新星の章」のことや、少々気が早いが、次のチャプターについても開発プロデューサーの渡辺知宏氏と、開発ディレクターの今村一太氏から話を聞いてきた。インタビューでは、スタートを間近に控えた「新星の章」への思いや期待感について語ってもらった。合戦のシステム刷新やワールド統合など、「信On」始まって以来の大きな変革となるだけに、開発側の意気込みも大きい。

 また、夏頃の予定だという次回以降のチャプターについても、どんなものになるのかを一足早く聞かせてもらった。PS3版の開発も順調なようで、今年はファンにとっては、今迄になく充実した年になるかもしれない。

編集部: いよいよ「新星の章」がスタートしますが、今の気持ちを教えてください。

渡辺知宏氏: 「新星の章」がスタートして、天下統一へ向けて動き出すことになり、開発した側としてもどうなっていくのかドキドキしています。テストワールドでの「拠点戦」も好評でしたし、2年間面白くするためのシステムを考えてきて、ようやくその成果を皆さんにお見せできるのを非常に嬉しく思っています。

今村一太氏: 今、最後のチェック段階に入っているところです。「新星の章」と同時にワールド統合がありますので、皆さんが安心してゲームを進められるようにミスがないよう何度もチェックを繰り返しています。プレーヤーの皆様の不安は我々が考えている以上のものだと思いますから、名前やキャラ削除などそういったところでミスがないようにしたいです。「新星の章」の完成度を高めて、面白いものをお届けするのは当然のことなのですが、「新星の章」以外のところでも皆さんに安心して遊んでいただけるようにがんばっています。

渡辺氏: 2年間の中でいただいたいろいろなご意見に応えるためには、ある程度大きなコンテンツの追加がどうしても必要でした。その間にあったアップデートでもいろいろと提供させていただいていましたが、「新星の章」では、今までのご要望に対する答えをきっちり出すことができたかなと思っています。

編: 今までユーザーから来た要望を「新星の章」で実現しているのですか?

「大黒天」への道をふさぐ障壁を守る「堕天修羅鬼」
徒党の中にいる「松島の時守り」は弓使いの強敵。生命も多くやっかいだ

渡辺氏: そうですね。先ほど体験していただいた「独眼竜の野望」もそうです。今までは狩り場が欲しいという意見と、攻略していく楽しみが欲しいという2つの要素を、どちらかというとそれぞれに応える形でコンテンツを追加してきました。「独眼竜の野望」では両方に応えて、しかもみんなでワイワイ言いながら遊べるように、今まで以上にキャパシティの広いコンテンツ作り、という考えがありました。ですから今回は報酬にも、大勢でもらって嬉しいものと、個人がもらえて嬉しいものそれぞれをきっちりもらえるようになっています。

編: ワールド統合でどのくらいのプレーヤーがワールドを移動しているのか把握しているのですか?

渡辺氏: 現状はそれほど激しく動いている印象はありません。やはり皆さん自分の住み慣れたワールドでと思っていらっしゃるのでしょう。集団で移るような意図的な動きは見えませんでした。

編: 新サーバーの名前はどういう理由で決めたのですか?

渡辺氏: 色の名前にしたのは、色だとイメージカラーみたいな感じで、このワールドはこういうカラーだと想像しやすいということ。「信On」が新しいスタートを切るということで、今までにないキーワードということを重視して決めました。

編: これからは「上覧武術大会」もこの4つのワールドで戦うことになるのですね

渡辺氏: 「上覧武術大会」には、ワールドごとにイメージカラーに応じたかっこいいビジュアルを作って行こうと思っています。そうすることで、愛着が沸いてくるのではないかと思っています。



「鬼門比叡山」は序章という位置づけ

編: 今回の「独眼竜の野望」には、まだ伊達政宗が出てきませんね。

今村氏: 最初の「鬼門比叡山」は序章扱いなので、「松島」からが本編の始まりということになります。次元を超えて伊達政宗に会いに行けるかどうかという時点ですね。そこからは次回の話になります。今回は本当に第1話という感じです。

編: 以前に聞いたお話では、夏頃に次のチャプターを出していくということでしたが?

渡辺氏: チャプター制を導入したことで、規模の大きなコンテンツを用意することができるようになりました。最終的には今までにないボリュームになります。皆さんには、少しずつ密度濃く遊んでいただけると思います。

今村氏: プレーヤーの皆様が分散してしまう心配もありませんし。

渡辺氏: 「九州三国志」のときには色々な侵攻ルートがあったことで、遊び場が分散してしまい、一緒に遊ぶにはこれをクリアしていなければならないということがありました。

今村氏: 進行度は「一門」で共有される形になっています。「助力」では、「助力」する「一門」の進行度に合わせる形になります。ですから、自分の「一門」の攻略がそれほど進んでいなくても、他の「一門」のダンジョンに「助力」で入れば先に行ける形にはなっています。

編: それは便利そうですね。

渡辺氏: それぞれの「一門」同士で助け合ったり、「一門」に所属していない人もお手伝いをすることで、色々な状態のところに遊びに行けるので、毎日変化のあるプレイができることになります。

編: ダンジョン内に「一門試練クエスト」は追加されるのですか?

今村氏: 「独眼竜の野望」ダンジョンでは、「一門」の縛りがあまりない形で遊び場を提供させてもらっていますので、そこに縛りのきつい「一門試練クエスト」を入れることは逆効果だろうと考え、今回は増やしていません。「一門試練クエスト」は、とりあえず「一門」を作って入ってもらって、そこでなにかをやっていただきたいということで入れたという経緯があります。そのため「一門」での縛りが多少きつくなってしまって、そのせいで抵抗感を持っていらっしゃるユーザーの方の声もありました。今後「一門試練クエスト」を増やしていくにしても、縛りと感じられないような形で入れていこうと考えています。

「鬼門比叡山」にもソロ用の敵がたくさん配置されている

渡辺氏: 「一門試練クエスト」はどちらかというと、初めて作って、まだ人数が少なめの「一門」で遊んでもらうためのコンテンツでした。今回は「一門」がどんどん大きくなっていく中で、もっと大きな枠組みで楽しめるものということで「独眼竜の野望」を入れています。「一門試練クエスト」の延長ではなく、みんなでワイワイ楽しめ、人数の制限がメンバーの負担にならないようなものにしています。

編: 敵が非常に強かったですが、レベル65のキャラクターでなければ厳しいですか?

今村氏: そこまでではありませんが、新技能を使うことを前提とした調整はしています。

渡辺氏: 今回の新技能は、今までとは違ってソロプレイで入手できる手軽さがあります。ですから技能がないから遊びにいけないということはありません。

編: 「覚醒値」が多く入るボーナスで、いわゆる覚醒狩りにも使えそうですね。

渡辺氏: 「覚醒値」に関しては、今回は色々な貯め方が追加されていて、成長させる場所が複数あるという設計方針になっています。今後はさらに「瓦番クエスト」や「拠点戦」、「評定クエスト」でも「覚醒値」を貯めることができるように検討しています。

今村氏: 今回は“いつでも”がコンセプトになっています。「拠点戦」もそうですし、今回のダンジョンでも「一門」に入ってさえいればいつでも1人で入れるという形にしています。



テストサーバーでの「拠点戦」は大変好感触だったと両氏

編: テストサーバーで「拠点戦」のテストがありましたが、反応はどうでしたか?

渡辺氏: コールで面白いという意見が届いたのは大変嬉しいことでした。コールは普段なら不具合や要望のために使われるものなので、そこでお褒めをいただけて、手応えを感じました。開発当初に社内でテストしたときにも好印象だったのですが、ユーザーの方にもそう感じていただけて大変励みになりました。

編: 武田側で参加してみたのですが、劣勢になると大名が出てきましたね。

渡辺氏: 最初の「拠点戦」を見ていたら、突然信玄と謙信が戦い出したのです。川中島じゃないかと。こんな名シーンが見られてしまうなんてラッキーだなと、一生懸命スクリーンショットを撮りました(笑)。開発側でもなかなか狙って見られるものではないので。

編: 巻き込み戦闘も面白いという声が多かったですね。

渡辺氏: フィールドと中の戦闘が相互に絡み合った方が面白くなるだろうと考えていたので、ずっとやりたかったことだったのです。でも、戦闘システムを変更すると、遊び方がガラリと変ってしまうため今までは難しかったのです。「拠点戦」では全く新しい戦闘スタイルを楽しんでいただきたいと思います。

今村氏: 合戦にあまり参加していなかった人も気軽に参加していただいて、対人の面白さを感じていただいて、改めて「大決戦」などにも参加してもらえるといいなと思います。

渡辺氏: 「拠点戦」はごちゃまぜ感というか、ワイワイ楽しむことができるので、真剣に参加しつつも、ある種の気軽さを併せ持ったスタイルで楽しめると思います。

編: テストサーバーのプレイの結果、直す部分はありますか?

今村氏: NPC武将に関して、強すぎるという声も多少は見られたので、若干調整が入る部分もありますが、基本的には「新星の章」で成長した装備なり技能なりでバランスを考えているので、それほど弱くはしません。武将の存在感もありますし。

編: 武将のレベルは上がるのですか?

今村氏: 倒せるか倒せないかギリギリのラインが1番良くて、倒せなくても、簡単に倒せても面白くない。そういったラインを目指して調整はかけていきます。

渡辺氏: プレーヤーの皆様と一緒に武将も成長していますから。



「次回は今回とは趣向の違うダンジョンが登場します」と渡辺氏

編: 「独眼竜の野望」は今後のチャプターでどういった展開になっていくのですか?

渡辺氏: これから伊達政宗に会ったりと、色々あると思います。「時を超えて、どんな人たちに会うのだろう」と楽しみにしていただきたいです。伊達政宗が少し早く生まれていれば、みたいな歴史IFを考えていただいて、どんな人たちと出会うのか想像していただきたいと思います。今回とはまた少し雰囲気の違うダンジョンが楽しめます。

編: 「独眼竜の野望」以外にも、新しいコンテンツは入るのですか?

渡辺氏: システムの追加も当然行なっていきます。遊び方をいろいろ追加して、遊び方のバリエーションを増やしていきます。それに今後は調整も細かく行なっていきたいと考えています。技能のバランス調整も、今まで以上に細かくケアしていくつもりです。

今村氏: 技能の調整はチャプターの区切りのタイミングだけではなく随時行なっていきます。今までの「刻」と銘打った大型アップデートでは、内容は追加していきましたが、ユーザーの声に迅速に対応していくということがなかなかできていなかったのです。今後は「陣」と「陣」の間のアップデートでも、調整の必要があるものに関してはしっかりと対応していこうと思います。

編: PS3用「信On」の開発状況はいかがですか?

渡辺氏: 順調です。プレーヤーの皆様も、PS3ということでグラフィックスに期待されている部分も大きいと思いますが、それに応えられる内容にしていくつもりです。2010年内に発売するということを「新星の章」発表会でお伝えしましたが、その約束を守るべく開発は進んでいます。

編: 「新星の章」への抱負を教えてください。

渡辺氏: 今まで皆さんにいただいた要望にきっちりと応える内容を、自信を持ってお届けしたいと思っています。ご意見や要望はテストワールドでもいただきまして、そういったところもフィードバックした部分もあります。これからも「新星の章」の展開に乞うご期待ください。

今村氏: とにかく早くプレイしていただきたいという気持ちです。プレイしていただければ、満足してもらえるものには仕上げたと自負しています。この記事が出る頃にはすでにプレイされている方もいると思います。この後も「新星の章」の面白い展開を考えていますので、先を楽しみにしつつプレイしていただければと思っています。

渡辺氏: これからチャプターの規模がどのくらい大きくなっていくのが、心配な部分もあるくらい気合いが入っています。チャプターには皆さんのご意見をフィードバックしながら出していくつもりです。プレーヤーの皆様と一緒に「信On」を作っていけるのがとてもいいことだと思っています。ですから、これまで以上に要望に応えられるような体制でがんばっていきます。

編: 最後に読者へのメッセージをお願いします

渡辺氏: いつも「信On」をプレイしていただいて、ありがとうございます。長い間一緒に歩んできたコンテンツをこれからも大切にしていきたいと思っています。これからもよろしくお願いします。

今村氏: 「新星の章」の発表会で、スタッフは正月も土日もなくがんばると言いましたが、本当に言葉通りがんばっています。とにかく早く遊んで欲しいです。一度は「信On」を離れた方も、この機会にぜひプレイをしていただければと思います。

編: ありがとうございました。


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(2010年 3月 25日)

[Reported by 石井聡]