コーエー、「信長の野望 Online ~新星の章~」開発者インタビュー
「天下人システム」と「拠点戦」が生み出す新たな戦国時代の幕開け

2月26日収録

会場:コーエー本社


 株式会社コーエーが開発、運営を行なっているPS2/Windows用MMORPG「信長の野望 Online(以下、『信On』)」の4つめの拡張パックとなる「新星の章」がいよいよ3月24日からスタートする。

 「信On」は、2010年6月にサービス7年目を迎える老舗のMMORPG。昨年12月のアップデートで、新たなギルドシステム「一門」が実装されたが、「新星の章」ではこの「一門」を軸に据えた各種コンテンツが新たに追加される。

 いよいよ発売まで1カ月を切り、本日3月4日からは「新星の章」の一部コンテンツがテストサーバーへ実装され、「拠点戦」や新技能を一足早く体験できる。その実装準備に追われる「信On」開発チームを訪ね、開発プロデューサーの渡辺知宏氏と開発ディレクターの今村一太氏に話を聞いてきた。

 以前のインタビューではまだ概要しかお伝えできなかったが、今回はさらに細かい部分まで話を聞くことができた。「天下人システム」で生まれ変わる「信On」の姿を、インタビューから想像しつつ「新星の章」を楽しみに待ってほしい。



■ 「天下人システム」でスピーディーに生まれ変わる外交システム

「信On」開発プロデューサー渡辺知宏氏
開発ディレクター今村一太氏
新しくなった全国図。「天下人システム」の合戦は地図にある領土を取り合う形で進行する

GAME Watch編集部: 「新星の章」の開発は順調に進んでいますか?

渡辺知宏氏: もちろんです。今はテスト段階で、主に調整を行なっています

編: 「新星の章」の見どころを教えてもらえますか?

渡辺氏: やはり1番は「天下人システム」です。今まで思っていた戦国時代の勢力の変動というものが眼に見える形になります。戦った結果が1週間で反映されることになりますから。そういったコンテンツを遊んで行く中でもキャラクターを成長させていけますから、今まで以上にいろいろな選択肢や生き方が選べるようになります。今までは対人戦をやっていなかった方にもぜひやっていただきたいですし、合戦に魅力を感じ切れなかった方たちも「拠点戦」を楽しんでいただきたいです。ログインしたらすぐにいくつもの「拠点戦」が開催されているという感じなので、どこかに入って45分間遊んでもいいし、今日は徒党を集めて狩りに行こうでもいい。さらには徒党集めの合間に「拠点戦」で遊ぶこともできます。遊びの幅が広がりますね。

編: 当初あった、こんなものが作りたいという目標は達成できましたか?

渡辺氏: そうですね、ここまでやったかというくらい大幅な変更になっていて、全体として本当に生まれ変わった感じです。「天下人システム」で、皆さんの想像以上に変わっているのではないかと思います。今までの不満点だった勢力の変動が少ないという部分が刷新され、よりダイナミックに変動する勢力図の中でプレイできるようになったのが大きいですね。

編: 今までよりもスピーディーな展開になるのですか?

今村一太氏: そうですね、日々行なう「拠点戦」や「評定」によって、勢力がダイナミックに変化していきます。また、それによって勢力のために行動しているんだという意識が強まるのではないかと思います。勢力争いのカギとなる「拠点戦」には、やりたい時に参加できますし、勝つともちろん大きなメリットがありますが、負けてもデメリットはほとんどない形にしていますので、今までは対人戦はちょっとね、という理由で合戦に参加していなかったような方でも気軽に参加していただければと思います。

編: よりカジュアルなゲームに変わったということですか?

渡辺氏: カジュアルというよりも、より幅を広げることで、硬直していた今までの合戦をもう少し色々な人に遊んでもらおうというコンセプトです。

今村氏: それともう1つは、そのほうがより戦国らしいということです。状態が膠着してしまうと、どうしても領土は放っておいて個人レベルの強さを求めるという方向に傾きがちだったのですが、「新星の章」で戦国の動乱が再現されるようになったのではないかと思います。

編: 今までの合戦は参加しづらいコンテンツだったということですか?

渡辺氏: ユーザーの方のプレイスタイルによってかなり幅があるな、とは思っていました。報酬も勢力に貢献するというところだけを強調するような形になっていましたから、ダンジョンにいって自分を強くするか、合戦で勢力のために戦うかの二択になってしまう所がありました。そういう部分の改善は「争覇の章」から取り組んできていましたが、さらに解消されているのではないかと思います。

「遊びの選択の幅が大きく広がります」と渡辺氏
「信On」が戦国時代らしい、動乱の時代になる

編: 「天下人システム」の合戦は、従来の合戦とどこが変わるのでしょうか?

渡辺氏: 外交関係のシステムにいろいろな修正が入ります。こちらもシステムを新しくしています。今までは、例えば同盟を組むために申し込んで、受理される手順に2週間必要でした。それが「新星の章」からは、申請と受理が同じ週でできるようになりますので、1週間で外交関係を変化させることができるようになります。そういったように、今まで時間のかかっていた勢力同士のやりとりをすべて短縮しています。援軍も、同じくその週の中でいくかどうかを決めることができるようになります。

今村氏: あとは、援軍を頼むために「拠点戦」で得る「軍事物資」が必要になります。「軍事物資」には「軍資金」、「兵糧」、「軍用馬」、「軍用船」がありますが、援軍は「兵糧」を出して要請する形になります。勢力が拡大して「天下人ランキング」が上がるほど、援軍に来てもらうために必要な「兵糧」が多くなるので、たくさん「拠点戦」をやって「軍事物資」を貯めていく必要があります。

 また、同盟国を経由した遠征については、今までは遠征をする側にメリットはあっても、デメリットがほとんどなかったことが結構大きな問題だったと思うのです。そこで、「新星の章」からは、遠征する側も大敗すると足がかりになっていた国の領土が奪われるようにしました。遠征させてもいいかどうかを同盟国側で決めることができるようにしています。信頼関係があって、勝つ算段があり、援軍もだしてしっかりサポートしていくよ、という関係でなければなかなか攻め込めないということになります。

編: 以前に遠征が導入されたのは、合戦の起こりにくさを解消するためでしたが、新しい仕組みを入れることでまた合戦が起こりにくい状態になる可能性はありませんか?

今村氏: それは心配していません。攻め込んで勝利をすることで得られるメリットがとても大きいですし、何より天下人に近づくためには攻め込んで領土を広げる必要がありますから。また遠征を導入したのは、必ずしも合戦の起こりにくさの解消だけではなく、同じ相手とばかり合戦を繰り返すことを防ぐためでもあります。敢えて今は合戦をせずに内政に力をいれようという時期もあるかもしれませんが、合戦がまったく起きないということはないと考えています。

渡辺氏: 「天下人システム」の基本方針は、個人の利益と勢力や「一門」の利益のバランスを上手くとって、合戦の中でキャラクターを成長させていこうというものですから、合戦は活性化していく流れになると思っています。

編: 個人にはどういったメリットがあるのですか?

渡辺氏: 「拠点戦」を行なうと「領国銀」という勢力単位で統一された通貨が手に入ります。これを武器や防具、「神秘石」に交換することができます。

編: それを目当てに「拠点戦」に参加する人が多そうですね

渡辺氏: 「拠点戦」はいつでも開いていて、走ってそこまで行かなければいけないということもありませんから、どこにでも手軽に参加してみんなでワイワイ集まってプレイしようというコンテンツです。

編: 1つ心配なのですが、例えば自分の別アカウントのキャラクターを敵国に入れて、1人だけで拠点戦を発生させて「軍事物資」や「領国銀」を稼ぎまくるといったプレイができてしまいますね

渡辺氏: 基本的にはそういったプレイをするメリットがないものを目指していきたいです。

今村氏: そういった場合の予防策もしっかりと考慮しています。ただ「拠点戦」に勝つと合戦の準備が整いやすくはなりますが、肝心の合戦に負けてしまうと意味がありませんから。

編: いよいよ「天下統一」ができるようになりますが、その最後の関門である「天下分け目の大合戦」について教えてください

渡辺氏: まだ詳しいことは言えませんが、他の合戦のように1つの「陣取り戦」にたくさんの人が入って戦うというものではなく、より大きなレベルで日本全国を巻き込んだような合戦になると思います。

編: 通常の合戦とは違うものになるのですか?

渡辺氏: ある意味で違います。でもこれはまだ少し先の話なので、今はまだお楽しみにということで。今までにない形で、全員が参加する合戦になりますね。



■ 「拠点戦」は好きな時間に1人からでも遊べるお手軽簡単な新合戦

拠点戦の新システム「巻き込み戦闘」。NPCも含めた敵と味方が最大10人で戦う新しい戦闘スタイルだ
「拠点戦」の合戦場マップはすべて新マップ

編: 「拠点戦」はどういう条件で発生するのですか?

今村氏: 「拠点戦」が発生する条件は、2つの勢力の関係が中立以下で、お互いに合戦状態になっていない時、領土と領土の間で発生します。合戦をしている週は合戦に集中していただき、「拠点戦」は合戦を行なうための「軍事物資」を得るためのものなので、並行しては行なえないということです。

編: 例えば、上杉家と武田家の合戦が起こっている時には、その2国とは拠点戦ができないのですか?

今村氏: その場合、上杉家と武田家の間ではできません。ただ同盟国の拠点戦には参加できますから、武田家と北条家が同盟を結んでいるとすると、武田家と北条家の拠点間で起きる「拠点戦」に武田家のプレーヤーも参加することはできます。

編: そうなると「拠点戦」と合戦が同じ週の中で同時発生し得ることになりますが、「拠点戦」の方が報酬がいいとみんな「拠点戦」に行ってしまいませんか?

今村氏: 「拠点戦」では個人への報酬よりも、合戦の準備に必要な「軍事物資」の方が多く入るようになっています。もちろん「軍事物資」を手に入れると優位に立つことはできますが、肝心の合戦に負けてしまうと領土を取られてしまいますから、合戦をやっている時にはなるべく合戦に参加して欲しいと思います。

編: 「拠点戦」のマップはすべて新しいものですか?

渡辺氏: そうです。遊び方がぜんぜん違いますから、専用のマップでしか遊べないものになっています。30対30という人数にぴったり合う形です。以前のマップでは広すぎたり、起伏が足りなかったりしますから。

今村氏: 広さは従来のものに比べてそれほど広いわけではありませんが、マップの端から端まで使っているので、狭さは感じないと思います。起伏に富ませて、まっすぐにはいけない構造になっていますから、端から端までの移動距離は結構あると思います。

編: 「巻き込み戦闘」のためにある程度密集させようということですか?

今村氏: そこは作戦によると思いますが、戦闘の頻度はかなり高くなると想定しています。

編: 開始時間のタイムテーブルはどうなっていますか?

今村氏: 今のところ、毎時0分にスタートして45分間です。事前に参加予約をして、0分ちょうどに始まります。今は1時間に1回で考えていますが、ピークタイムとそうでない時間帯には人数の開きがあるので、ピークタイム以外は2時間に1回くらいに調整するかもしれません。

編: 途中参加はできるのですか?

今村氏: 今の所はできます。ただ勝負がつきかけた時にぱっと入って報酬だけを獲得する、といったプレイはできないように検討している所です。

編: 参加人数が30対1になったりと大きな差がついてしまう場合には何か補正があるのでしょうか?

今村氏: 今のところはそれに関しては1人の側を有利にしたりといったことは考えていません。ただ基本的にはあまりそういった形にはならないのではないかと思っています。相手が0人の場合は基本的に「拠点戦」は開きません。

渡辺氏: 拠点戦は、資源を取るための戦いなので、そこでの勝敗が相手国にダメージを与えることはありません。ですから、人数のバランスが悪くなっても、勢力にはそれほどデメリットはないという形になっています。

編: しかし、0人では始まらないのであれば、所属しているプレーヤーが少ない勢力との「拠点戦」は起こりにくくなりませんか?

今村氏: 1人も参加しない状態だと今は開かないのですが、そうすると意図的に参加しないことによって相手に「軍事物資」を渡さないという作戦ができてしまうので、そこは調整をしている所です。例えば相手側が1人も参加しない場合は、不戦勝扱いにして、不戦勝側は「軍事物資」は得られるけれども、個人報酬は獲得できないようにするのも1つの方法かなと考えています。ただ「拠点戦」は勢力を超えた形で参加することを想定していますから、人数が少ない勢力だと発生しないということはないと考えています。

上杉家の豪傑武将「鬼小島弥太郎」も「拠点戦」に参戦。プレーヤーを苦しめた固有技も頼りになる技になる?
状況次第で大名が援軍にくる。名同士の夢の対決に参加できるかも?

編: 「拠点戦」の戦闘はどういったものになるのですか?

今村氏: マップの両端にお互いの本陣がありまして、それ以外に7つの陣があります。この陣は最初中立なので、そこを奪い合うことから始まります。中立の時には、味方のNPCを連れて陣に入りさえすれば、自軍の陣になります。相手の陣を奪うには、NPCを連れていって陣の中に1分間とどまっている必要があります。「共闘の誓紙」というアイテムを使うとNPCを誘導することができます。もちろんその最中に妨害に遭う可能性もあります。

編: PCが連れている武将を襲えるのですか?

今村氏: はい。その場合、周囲のPCを巻き込んでの戦闘になります。「巻き込み戦闘」はスピーディーに戦闘を終わらせるために5人という制限があります。

編: 「巻き込み戦闘」の範囲はどのくらいなのですか?

今村氏: テストワールドのものは、戦闘を仕掛けた人から半径15mにいる距離の近い人から巻き込まれます。15mというとそれなりにあるように思えますが、意外と狭いです。見えない場所から巻き込まれても困りますし、そこは今調整が難しい部分です。

渡辺氏: テストワールドの意見を十分反映したいと思っています。

編: NPC武将はどんなラインナップですか?

今村氏: 先陣、中陣、後詰と、四天王から1人、それと軍師および小荷駄です。あとは武将以外に足軽がスタート時点で15人と、旗大将というNPCが2名います。NPCにはポイントが設定されていて、武将は10ポイント、足軽は2ポイントです。陣を奪うためには10ポイント必要なので、足軽は5人連れていって5人がそろった状態で1分経過しなければなりません。

編: 大名とも一緒に戦うチャンスがあるのですか?

今村氏: ある条件を満たすとイベント的に、一定の確率で登場します。条件については、お楽しみということで。最初からいるわけではなく、途中で助太刀にくるといった感じです。

編: 強い軍師を連れていく方が陣を奪いやすそうですが、足軽を連れていくメリットはなんですか?

今村氏: 軍師が強いなら、こちらは軍師と四天王を連れていって2人がかりで戦うという方法もあります。足軽は最初15人ですが、旗大将には足軽を呼び出せる機能がありまして、1分間に2名ずつ追加されていきます。それを貯めていって一気に制圧するという作戦も取れます。さらに武将は1度撃退されると再出陣できませんが、足軽は何度でも復活できるというメリットがあります。

編: 一緒に戦うNPCに指示はできるのですか?

今村氏: そこはあえて、指示できないようにしています。

編: 回復して欲しいのに、殴りにいったりすることもあるわけですね

渡辺氏: それはありえます。基本的にはもともとのNPCアルゴリズムをもとに動きます。職業ごとにアルゴリズムは違うので、技を使用するバランスも違ってきます。

編: 例えば味方を全回復する「魔の祝福・参」のような強力な技能を使うこともあるのですか?

渡辺氏: 武将の技能はある程度制限された形になりますので、あまりにも強い技能を使ってくることはありません。

「巻き込み戦闘は、開発内でも好評です」と今村氏

今村氏: 軍師を置いておけば大丈夫という形にならないよう、プレーヤーが工夫をすれば倒せるようにしてあります。基本的に周囲の敵のNPCやプレーヤーがいない状態で叩けば、相手は1人になります。例えば武将の周りには必ず足軽を4人置いておくなどのバリエーションを考えていってもらえばと思います。

渡辺氏: どの武将を守って、どこに力を配分するかがカギを握る戦いになると思います。リアルタイムストラテジーのように兵を作りだして配置するという楽しみ方ができます。今までにない、新しい合戦ですね。

編: とても面白そうですね。

今村氏: 今開発内でもテストをしていますが、スタッフも「巻き込み戦闘」はかなり新鮮だと言っています。



■ 1度のターンで複数の攻撃を仕掛ける新技能で、選択肢の幅を増やす

新技能は、1度に複数への攻撃ができるものや、属性を低下させつつ戦うものが多い

編: 新しく追加される技能は、どのようなコンセプトで開発しているのですか?

渡辺氏: もちろん基本的なコンセプトは戦いの幅を広げるというものです。具体的には、複数のターゲットに対して、1回のコマンドの中で行動ができる新機能を多く入れています。例えば1度に2人以上の味方をピンポイントで回復するなど、ターゲットを変えながら行なえるので、そのぶん使い勝手が良くなります。今までは1回のコマンドで1回のことしかできないので、失敗すると非常にリスキーでした。複数のことができるようになることで、リスクを分散できるようになるのではないかと考えています。

編: 例えば「武士」の新奥義「威風堂々」は3体の敵に対する挑発ですが、敵全部を挑発する奥義「鬼相咆哮」とはどう使いわけを考えていますか?

今村氏: こいつは釣りたくない、という場合、そういう選択ができます。後は攻撃技能なら、3回攻撃ができますが、2回はこいつを殴って1回は別の奴を殴るとか、3回とも同じ敵を殴るといった選択の幅が広がります。

編: 属性に関する技能も多いですね

渡辺氏: 今回は属性関連について、より意味を持たせるようにしています。属性を下げながら戦うという形をクローズアップした技能の追加を行なっています。攻撃をしつつ、相手の属性を下げることで自分を有利にしていくことができます。

編: 今まで徒党に誘われにくかった職へのフォローはどうなっているのですか?

渡辺氏: 「忍術」などは攻撃力の点で厳しいものがあったので、アタッカーとしてのポジションがとれるように単体への攻撃術で攻撃力の高いものが入っています。


「暗殺」の新奥義「裏太刀・影抜」。敵単体に非常に強力な近接攻撃を行なう「仙論」の新技能「煉気飛刀」。敵単体に無属性の強力な術を放つ



■ 「独眼竜の野望」は「一門」専用という位置づけではない

新しい侵攻型ダンジョン「独眼竜の野望」
「独眼竜の野望は野良でもいけるけど、一門でいくことで攻略情報を共有したりとより楽しめます」と渡辺氏

編: 今回実装される「天下への夜明け」はプロローグということですが、どの程度のボリュームのものが入るのですか?

渡辺氏: それは、プレイしてからのお楽しみということでお願いします。

編: 「独眼竜の野望」は「一門ダンジョン」と銘打ってありますが、「一門」に入っていなけれは遊べないのですか?

渡辺氏: 「一門」が単体で戦うようなものは想定していません。確かに「一門」で開くダンジョンなのですが、お手伝いで入ったり、複数の「一門」で入ったりするようなイメージなので、ソロの人でも楽しめる空間になっていると思います。

編: 最大何人まで入れるのですか?

渡辺氏: 30人です。そのくらいの人数が必要になりますが、今までのように連携を取って常に同時にやらなければいけないという縛りはありません。どちらかというと、にぎやかに楽しんでもらう空間という感じです。

編: 「独眼竜の野望」には「一門試練クエスト」にあるような縛りはないのですか?

渡辺氏: 基本的にはありません。

編: では「一門」に所属しているプレーヤーがいれば、その他は今までの侵攻型ダンジョンと変わらないということですか?

今村氏: 今は「一門」のメンバーが助力を頼む形で、「一門」でない人に参加してもらうようなプレイを想定しています。

渡辺氏: おそらく1つの「一門」だけで進めるところはそれほど多くはないと思います。基本は複数の「一門」で多人数で遊ぶことを想定しています。「一門」に入っていれば、「一門ポイント」が入りますが、「一門」だけのコンテンツではないので、あまり過度に「一門」に入っている人だけが得をするという形にはなっていません。

今村氏: ネーミングが先行している部分があるのですが、実際には「一門」以外の人も十分に楽しめる形になっています。

編: 「一門」は現在レベル10がキャップですが、「新星の章」でこのキャップは外れるのでしょうか?

渡辺氏: レベルキャップは開放します。人数についても、ワールドの合併がありますし、新しいプレーヤーの皆さんが入るスペースが必要だろうということで、若干の増加を検討しています。そこは一律に底上げをして、初期状態で入れる人数を増やす形で対応する予定です。

編: 「一門」についてプレーヤーの評判はどうですか?

渡辺氏: やはり「一門」で動くのが大変だという意見と、ログインしないと報酬が受け取れないということについてのご意見はありますね。ただ「一門試練クエスト」は新鮮味があって楽しい。

「一門」については、プレーヤーからの要望も寄せられていて、これからさらに改善を重ねて、より多くのプレーヤーに楽しんでもらいたいという認識だ。

編: ログインとログアウトのログが記録として残ることに抵抗感がある人もいるようですね

今村氏: 今回、ギルドを新しい要素として入れるにあたって、できるだけ縛りを緩やかにして、ユーザーの皆さんに受け入れてもらおうと考えていました。それでもやはり「一門」に入ると色々な制約ができるのではないかと抵抗を感じる方がいて、それが嫌で「一門」には入らないでおこうと思われる方もいらっしゃるという認識はしています。これからさらに敷居を下げて、より入りやすくすることで、メリットはあるけれどデメリットはないという形をなるべく浸透させ、皆さんが楽しめるような「一門」のシステムを作り上げていきたいと思っています。ですから、いまあるものが完成形ではないと思っています。

編: 実際の加入率はどうなのですか?

今村氏: かなり入っている方が増えてはいます。人数も上限に近くなっているので、そこの緩和は考えています。

編: 「一門試練クエスト」が大変という声をよく聞くのですが

渡辺氏: 「一門試練クエスト」は今ようやく上から下まで難易度が出揃った所で、まだ縦の方向に伸ばすことしかやっていないのです。これからは、どちらかというと横に伸ばしていって、その「一門」に合ったクエストを増やしていきたいと思っています。いまクリアできない「一門」でも、今後追加していく中にクリアしやすいものが出てくると思います。



■ サーバーを一新して新章への準備は完了。気になるPS3版の発売時期は?

編: 「新星の章」と同時にワールド統合が行なわれますが、今回ワールドを4つにするときめた理由は?

渡辺氏: どのくらいの人数が1番いいのかなということを色々検討はしました。世界が一気に変わりすぎる可能性もありますので、ある程度、ちょうどいいくらいの人数で全体のバランスがとれるような形にしました。

編: 統合で、「天翔記」サーバーだけは統合されませんね。

渡辺氏: 「天翔記」サーバーはもともと人数が1番多いサーバーなので、これからも中の人を増やす方向で考えていきたいと思っています。

編: 統合されるサーバーの国勢は、事前に発表されるのですか?

今村氏: そこは今ルールを決めている所です。なるべく公平にいこうと考えています。

渡辺氏: 「新星の章」に切り替える直前の情勢が反映されるので、どういう情勢になるかは開けてみてのお楽しみです。我々にもまだわからない所です。

ようやく開発の大きな山を越えて、両氏の表情にも余裕が感じられた

編: PS3の開発はいまどのような状況ですか?

渡辺氏: グラフィックスの面から進めています。

編: グラフィックスは刷新されるのですか?

渡辺氏: そうです。すでに刷新されたものが動いています。いまはデータの方のブラッシュアップも進めている所です。

編: 発売時期は決まりましたか?

渡辺氏: まだ未定です。「新星の章」の発表の時に、2010年内予定だと言いましたけど、その時以来、年内に出すことを目標に頑張っています。年内には絶対に出します。

編: 最後に読者にメッセージをお願いします

今村氏: 「新星の章」ではまさに戦国の息吹を感じてもらえるようにしたいと思っています。テストワールドでも「拠点戦」や「技能」をいろいろと試していただいて、そこでいただいたご意見をなるべく反映させていきたいと思っています。本サーバーへの実装を楽しみにしつつ、テストワールドでもプレイしていただければと思っています。

渡辺氏: いよいよあと1カ月です。テストができるようになるまで長い時間がかかって、本当にできるのかなと思うような時期もあったのですが、実際完成して、開発の中でも面白そうと言えるようなものになったと思います。今までの外交システムもまったく新しく作り直しています。天下統一には何が必要なのだろうと考えて、プレーヤーの皆さんがそこへたどり着けるようなシステムになればいいなと思っています。「新星の章」でぜひ大勢の皆さんに集まってもらいたいと思っています。よろしくお願いします。

編: ありがとうございました

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(2010年 3月 4日)

[Reported by 石井聡 ]