インタビュー

「VALAKAS」アップデート順次実装開始!「リネージュ」プロデューサー川南巌氏インタビュー

【「VALAKAS」アップデート】

7月26日~ 順次実装

 エヌシージャパンは、Windows用MMORPG「リネージュ」において7月26日よりSeason4 Episode2「VALAKAS」アップデートを順次実装している。

 今回のアップデートではレイドボスの「アンタラス」、「パプリオン」、「リンドビオル」のリニューアル、そして最強のドラゴン「ヴァラカス」の実装を含む「Advent of Dragon」を控え、まずは目標レベルの引き上げを含むシステムアップデート「For the Future」が実装された。

 今回、一連のアップデートに先駆けて「リネージュ」プロデューサーを務める川南巌氏にインタビューすることができた。システム、レイドボスのリニューアルや新規実装とその報酬についてはもちろん、今後の「リネージュ」についての展望も聞くことができたので、その様子をお届けしたい。

システムアップデートを先行実装。新たなレベル目標を88に据え、強力な「サモンモンスター」が使用可能に!

――本日はよろしくお願いします。早速アップデートについてお伺いしたいと思います。今回のアップデートは分割して実装するということですが、何故でしょうか。

川南氏:分割アップデートになった理由として、まずアップデートの全体量が非常に多かったということがあります。また、内容がレイドという多人数用のコンテンツなので、まとめて実装してそれぞれのレイドに人数が分散してしまうことを避けるため、1週間おきのアップデートといたしました。まずはアンタラス、次はパプリオンというように、レイドを1つ1つ集中的に攻略してもらうことを意図しています。

 また、システムのアップデートは分散して実装するよりも、まとめて実装したうえでレイドに挑戦して欲しいと思っています。そのため、変化を待ち望んでいるプレーヤーの声に応える意味でもシステムのアップデートは1番最初に実装しました。

――システム的なアップデートはどのような内容になるのでしょうか。

川南氏:システム面では「For the Future」というタイトルで7月26日にアップデートが適用されておりまして、今までは85レベルがレベルとしての最終目標だったところを、新たに88レベルまで引き上げております。

――それにあわせて新たな変身が追加されるのでしょうか。

川南氏:現在はまだ実装されていないのですが、追って実装します。ウィザードの魔法である「サモンモンスター」のほうは88レベルまでものが同時に実装されています。

――今後実装される86、88変身の仕様はもう決まっているのでしょうか。

川南氏:実は新たな変身は7月12日に韓国の「リネージュ」で発表されておりまして、ちょうど今海外情報を熱心に見ているようなヘビーユーザーの方は「これはすごい」と盛り上がってくださっているようです。韓国での実装後に様子を見て、あちらの最終版がこちらに来るという感じで捉えていただければと思います。

――最終版を待つということになりますと、国内の実装時期としてはいつ頃になりますか。

川南氏:韓国で何度も手直しが入るようであればその分遅れてしまうでしょうし、正直まだなんとも言えないのですが、やはり楽しみにしてくださるプレーヤーが多いので、できるだけ早く入れたいなとは思っています。

――では新たに実装された86、88レベルの「サモンモンスター」に関して、既存のものとはどのような違いがあるのでしょう。

川南氏:単純に、強さがかなり違いますね。「サモンモンスター」は4、5年ぶりのアップデートになっておりまして、かつてのアップデートから現在までのユーザーさんのキャラクターレベルの上昇についていけていない部分がありました。そのためちょっと物足りないくらいの戦力になってしまっていたのですが、86、88レベルのモンスターは普通のプレーヤーキャラクター並みの強さでかなり強力な設定になっています。流石に一流のプレーヤーには及びませんが(笑)。

――オマケで連れて歩くというようなものではなく、ちゃんと戦力になってくれるのですね。

川南氏:そうですね、88のほうが当然強いですが、86でも結構強いですね。なので是非まずは86を目指していただければと思います

――そもそもこのタイミングでのレベル目標の引き上げにはどのような意図があるのでしょう。

川南氏:意図としては高難易度コンテンツを実装していきたいということが根底にあります。次の「Advent of Dragon」の話になりますが、今回のアップデートにしても85レベルだと少し足りないくらいのかなり強い設定になっていますので、ここから88、90といったいわゆる"超ハイレベル"を目標として、皆さんに育成を楽しんで頂きたいなという想いがありますね。

――なにか目標があるとモチベーションも上がりますよね。

川南氏:ここからレベルを上げても変身は増えないし85レベルでいいや、というようなところから、今後は86、88変身が増えるからもう少しレベリングしてみようかな、と思っていただければと。「リネージュ」自体のレベル上限はあってないようなもので、全世界で見てもレベル上限に達しているユーザーがまだいないのです。

――高レベルになるにつれて必要な経験値がどんどん増えていきますものね。

川南氏:ですからレベリングにかかる時間を逆算して自分のプレイ時間だとこのくらいが限界だな、と自分のレベル上限を決めているプレーヤーも多かったと思います。もうちょっと頑張って上のレベルを目指したいな、というモチベーションが向上するような目的が85レベル以降に不足していたので、システム側でも85以上のレベリングに対して目的を付与する方向に進んでいます。

レイドに挑む新たなモチベーションとなるか。「力を失ったアイテム」が実装

――他にはどのような変化があるのでしょう。

川南氏:今回の変更は、まずプレーヤーの平均レベルが上がってきたので、それに合わせて目標となるレベルをさらに上に設定したというのが1つ。もう1つが、既存コンテンツの中であまり利用されていなかったものに変化を加えて"リサイクル"することで、もっと利用されるような内容にしています。この2点が今回のアップデートのポイントです。

――"リサイクル"といいますと。

川南氏:代表的なのが「転生の宝石」というシステムです。今まで「宝石」という既存のアイテムは一部の製作の材料になっていたのですが、その製作のシステムの中の極一部だけが宝石を使うような形で、材料としてそれほど利用価値がなかったのです。

 ですので今まではNPC商店に販売してゲーム内通貨に換えてしまうというのが主な役割になっていたのですが、今回は「転生の宝石」という既存の宝石を合成して作る新しい宝石が実装されますので、製作のレシピがガラッと変わり、製作システムの中心材料として再設定されています。新規の装備もほぼ「転生の宝石」を材料として必要とする形になっています。

――今まで利用価値のなかったものを、新たに必要素材に組み込んだのですね。市場にも変化がありそうです。

川南氏:そうですね。すでに相場にも動きがあるようです。

――他にも変化はありますか。

川南氏:あとは、「生命の葉」というアイテムと、それに付随するシステムが新たに実装されました。「リネージュ」では、ボスを倒すとそのボスの固有レア、いわゆる「ネームドレア」の現物がドロップするというようにレアアイテムも基本は現物ドロップだったのですが、今回は新たに「力を失ったアイテム」というものがドロップテーブルに追加されます。

――現物のレアドロップに加えて新たなアイテムが実装されるのですね。どのようなシステムなのでしょうか。

川南氏:これらのアイテムはそのままだと使用できず、これに「生命の葉」というものを使用して力を取り戻させるという過程が必要です。力を取り戻すことに成功すると、今まで通り現物のアイテムとして使用できるようになります。

 現物のレアアイテムはレアというだけあって非常に入手確率が低く設定されているので、せっかくボスを倒してもいつ出るかわかったものではないし――というところがあったのですが、この「力を失ったアイテム」は力を取り戻すという一手間が必要なだけあって、通常のレアよりも高い確率でドロップします。なので、今まではボスを倒した時にあまり現物を出さなかったけれど、力を失ったアイテムは比較的よく見るようになったね、というふうになるのが狙いのアップデートになります。

――そういったチャンスがあるとレイドに挑むモチベーションというか、楽しみが生まれますね。

川南氏:そうですね。やはり低確率のアイテムには貴重なアイテムが多いのですが、獲得するためには何度も何度も倒さなくてはなりませんでした。そんな0か10かだったところに、ある程度のリターンは得られる可能性が高くなりました。

――力を取り戻すための「生命の葉」はどうやって手に入れるのでしょうか?

川南氏:これは既存のアイテムを合成して作ることになりますが、それほど入手難易度は高くないアイテムです。合成も100%成功しますし、おそらく価格的にいうと15万アデナ程度なので。そこまで高額なアイテムではないですね。気軽に使えるタイプのアイテムです。

――となると現物をそのまま買うか、「力を失ったアイテム」を購入して生命の葉を使用するか悩ましいところですね。ちなみに生命の葉の成功確率はどれくらいでしょうか?

川南氏:成功確率は公表していないのですが、概ね1桁%くらいという感じで、少数以下の確率ではないです。「力を失ったアイテム」は、力を注入するのに失敗するとアイテム自体がなくなってしまうので、なかなか踏ん切りがつかないところはあるかもしれないですが、よし今日は10個貯まったからやってみよう、といった感じでチャレンジしてもらいたいです。

ドラゴンレイドのシステムが変更。挑戦は容易に、討伐は困難に

アンタラス
パプリオン
リンドビオル

――では次にドラゴンレイドについてお聞きします。基本システムが大きく変わるということですが。

川南氏:そうですね、基本的にはドラゴンが新しいスキルを使えるようになるとかテコ入れされているという感じではなくて、レイドの進行システムそのものに調整が入って、レイドに挑戦するハードル自体は下がる代わりに難易度が上方修正されるような形になります。

――挑戦のハードルが下がるといいますと?

川南氏:これまでのレイドは参加上限が32名までだったのですが、やはりレイドの運営というかチーム作り、編成のところで32人というのはかなりネックになるというか、30人規模のチーム編成をするのは時間的にもかなり大変だったのです。

 そこで、今回は参加上限を32人から16人までに減少しました。これによって比較的少人数の血盟であっても、16人ならうちでも挑戦できるかもなと思っていただければ幸いですね。

 あともう1つ大きな変更として、これまでは1回レイドに挑戦するとステップ1、ステップ2、ステップ3といった感じで3回ドラゴンを倒さなくてはならなかったのですが、1回倒すだけで討伐成功ということになりました。レイドの攻略に必要な時間を短くする方向で調整されています。

――全体にかかる時間が削減されて、人数も少なくてすむようになると。

川南氏:参加障壁の部分を緩和するのが狙いです。その代わりというわけではないですが、32人で攻略していたものを半分の16人で攻略しなければならなくなるので、やはり攻略難易度は上昇します。難易度も以前は「一般難易度」と「闇の難易度」の2つがあったのですが、「一般難易度」がなくなって、今後は「闇の難易度」相当のドラゴンが1種類だけになります。

――半分の人数で攻略するとなると、かなり難易度が上昇するのではないかと思われます。しかも闇の難易度しかなくなるということで……。

川南氏:ドラゴンレイドが実装されたのは何年も前になりますので、当時から現在までの間に装備の水準であるとか、キャラクターの強さの水準は大きく上昇しています。そのため以前の仕様の32人レイドだとチーム編成がしっかりしていればさほど苦労せずに倒せてしまうので、一種の作業のようになっていました。

 今回はしっかり攻略したり、ドラゴンのスキル対策をしっかりやっていかないと、討伐のための火力が不足してしまったり、回復が間に合わないとかいう場面が発生してくるくらいの難易度になっていますね。

「ドラゴンの心臓」がより多くの用途に!

――ドラゴン装備の強化システムなどにも変更が入るとのことですが。

川南氏:今までは、ドラゴンの1番の討伐の目玉アイテムとして「ドラゴンの心臓」というものがありまして、これを使って基本的にアーマー部位では最終目標となるような強さの各種ドラゴンのアーマーが作成できたのです。

 「リネージュ」の装備エンチャントでは、安全圏以降は装備が消滅してしまう危険性を伴いながらエンチャントに挑戦していかないと性能が上がらなかったのですが、ドラゴンアーマーそのものが消滅する心配はないけれど、チャレンジ自体に労力を伴うという新しいタイプのエンチャントが実装されます。

――素材によって装備の向上もできますし、取引にも使えると市場もまた動きそうですね。

川南氏:そうですね。用途が増えることで取引価格も上昇して、レイドを運営しているチームは高い値段で心臓を売ることもできるしということで、積極的にレイドに参加したくなるようなサイクルが形成できればと思っています。

――素材はやはりレアなのでしょうか。

川南氏:レアですね。1回討伐に行って1個出るか出ないかという形なので。

――もし強化に失敗すると、装備本体は消滅しないけれど、そのレアな心臓は消えてしまうということでしょうか。

川南氏:そうですね。失敗してしまうと心臓はなくなってしまいます。やはり鎧の作成にも心臓を使いますので、心臓そのものも貴重ではあるのですが、鎧は無くならないので、安全圏以上の強化に挑戦しやすくなっています。

――心臓を得ることに今以上意味を持たせて、レイドの活性化を図るということでしょうか。

川南氏:やはりレイドに参加して欲しいという意図をありありと感じる変更になっていると思います。

ドラゴン制覇の証「ドラゴンスレイヤー」。強化方法は「レジェンド武器」に引き継がれる。

――「ドラゴンスレイヤー」もリニューアルされるとのことですが。

川南氏:今までは3匹のドラゴンしかいなかったのですが、今回ヴァラカスが実装されることで、4属性のドラゴンすべてがそろうことになりました。この4属性のドラゴンの心臓を集めて作成にチャレンジできるようになったので、これが「ドラゴンスレイヤー」という武器の解放になります。4大竜を倒すことで「ドラゴンスレイヤー」を入手する証(あかし)を得た、というフレーバーになります。

――どのような武器になるのでしょうか。

川南氏:「ドラゴンスレイヤー」は両手剣という武器カテゴリーの中でも最強クラスの性能を持っております。また、これまでのレジェンド武器というものには、俗にいう"安全強化圏"が+0に設定されていて、+1強化から消滅する危険性があるので普通は強化しないアイテムだったのですが、「ドラゴンスレイヤー」は入手して終わりではなくて、先ほどの「ドラゴンアーマー」と同じように、素材を使ってNPCで強化に挑戦するというタイプの強化方法が採用されています。

 その後の強化を前提とした性能になっているので、自分のキャラクターとともに育てていくような捉え方をしていただければと思っています。

 ただ、残念なことに韓国では「ドラゴンスレイヤー」は「真冥王の執行剣」という既存のレジェンド武器と差し替えが行なわれておりまして、「ドラゴンスレイヤー」という武器はもう存在しません。その代わり、自分で育てていくという強化要素は既存のレジェンド武器すべてに適用されて、レジェンド武器というカテゴリ自体が「ドラゴンの心臓」を用いて強化していく武器になります。

――「ドラゴンスレイヤー」と同じような強化方法が、レジェンド武器全てに適用されるということですか。

川南氏:そうなります。

――基本性能を引き下げる代わりに強化が楽に――楽ではないのでしょうが、素材さえあれば武器を無くすリスクを恐れず強化できるようになるのですね。

川南氏:そうですね。あわせて既存のレジェンド武器は+0前提で作っている武器なので、強化システム変更の際に性能が少し下がって、それで強化システムが導入されるという流れになります。

――ある程度の強化で以前の性能の+0に並ぶということでしょうか。

川南氏:というよりもある程度強化すれば、既存のレジェンド武器の性能を超える性能になります。

――アップデートはいつごろ実装されるのでしょうか。

川南氏:先ほどお話した86、88レベル変身の前、もしくは同時くらいに実装になると思います。

――「ドラゴンスレイヤー」の差し替えは日本でも行なわれますか。

川南氏:もちろんです。

最後のドラゴン、ヴァラカス実装!討伐には今までの経験が生きる

ヴァラカス
登場演出
ヴァラカス「黒化」

――遂にヴァラカスが実装されるということですが、どのようなボスになるのでしょうか。

川南氏:ヴァラカスは見たこともないような新しい攻撃をしてくる――というレイドボスではありません。もちろん新スキルもあるのですが、基本的にはこれまでのレイドドラゴンの集大成に近いような内容になっています。

 アンタラスの多重広範囲の連続スキル攻撃や、大ダメージ、スタンや連続攻撃ですとか、パブリオンのように取り巻きを召喚して、その取り巻きを処理するようなギミックも持っていますし、リンドビオルのように非常に高い威力で攻撃してきたりというのもあります。既存のドラゴンレイドの総復習、集大成のようなボスになっていますので、これまでのレイド経験はヴァラカスに挑戦する際に生きてくると思います。

――先ほど85レベルでは討伐は難しいかもしれないというお話をされていましたが、現状のレベル帯やレイドパーティを見ていて、攻略はできそうでしょうか。

川南氏:「リネージュ」はレベルが1つ上がると確かにステータスも上がりますが、1レベルの上昇で2倍も3倍も強くなるようなゲームではありません。レベル1つ1つの積み重ねと経験が、自分の強さになっていくようなゲームなので、挑戦レベルが目安として設定はされていますが、それよりもキャラクターの動きであったり、スキルに対する対策の習熟度、戦術理解度ではないですが、そういった知識や経験のほうが重要になるのではないかと思います。

 なので、センスのいいレイドチームがあったら、もしかするとすぐに撃破されてしまうかもしれないし、なかなか対策が見つからなくてかなり長引いてしまうようなこともあると思います。

――装備とレベルだけでどうにかなるようなボスではないということですね。

川南氏:そうですね。おそらく装備とレベルでどうにかしようとすると、相当高い水準のものをそろえていかなくてはならないのではないかと思います。

――それこそ全員88じゃないとクリアできないような(笑)。

川南氏:もう、しばらく止めようかみたいな(笑)。韓国では結構倒されるまでに時間がかかったようなのですが、日本のプレーヤーは攻略について熱心にやっていただける傾向があるので、もしかしたら割とすぐ撃破してくれるのではないかという期待もあります。

――討伐できればヴァラカスのアーマーも作れるのですか?

川南氏:そうですね。既存のドラゴンアーマーは基本的なアーマーなので、性能的には防御的なものが多かったのですが、ヴァラカスのアーマーはひと味違っていまして、攻撃面を重視した性能のアーマーになっています。今後、自分のキャラクターの火力を上げたいというプレーヤーはヴァラカスのアーマーを使っていくのではないかと思います。

――攻撃寄りのアーマーというのは珍しいですね。

川南氏:基本的にはアーマー部位に攻撃性能がつくのは珍しいですね。あえていえば魔法の攻撃力が上がるようなローブくらいで、これまでは前衛クラスが求めるような追加ダメージなどが付いているものはあまりありませんでした。

 ステータス面が強化されるようなものはこれまでもありましたが、ここまでクリティカルダメージ発生オプションというような火力に寄せたようなアーマーはありませんでした。なので、少しでも火力を求めるようなタイプの方は是非入手していただきたいと思います。

PTでもソロでも楽しめる新規マップ「支配の結界」

――新しいマップも実装されると言うことですが、こちらはどのようなマップなのでしょうか。

川南氏:マップは「支配の結界」というもので、ここでは目玉アイテムとしてヴァラカスの心臓を入手できる可能性があります。既存のドラゴン、例えばアンタラスの心臓などはこれまでのレイドで得たものがあると思いますが、ヴァラカスの心臓はこれから産出されることになりますので、それがレイドでしか出ないのでは普及するまでに時間がかかるのではないかということで、新マップで獲得できるようになっています。レイドの時以外はここに足繁く通っていただければと。

――心臓が普段の狩りで入手できるのですね。

川南氏:はい、是非ここで狩りをしてヴァラカスの心臓をゲットしていただければと思います。

――狩場としてはいかがでしょうか。

川南氏:経験値が高く設定されているのでレベリングに向いています。今の最上位の狩り場は「忘れられた島」ですが、そこはパーティー向けに設定されているのでソロの人は中々行きづらかったと思いますが、その点「支配の結界」は場所さえ選べばソロでも狩りができます。もちろんパーティで行くのもいいと思います。

――ソロでも比較的美味しく回れるという感じですか。

川南氏:そうですね。場所によっては、ちょっと難しいような所もあるんですが、あまり敵がポップしないような場所ならキャラクタースペック次第で1人でも十分狩りができると思います。

――ここにはボスなどはいるのでしょうか。

川南氏:ここには「バルログ」というボスがポップします。「バルログ」はこれまで「欲望の洞窟」という別のマップにいたのですが、この度のアップデートで「支配の結界」の新しいボスモンスターとして設定されます。

――「バルログ」はレイドボスのような形で戦うのでしょうか。

川南氏:インスタンスではなくて共有の場所にポップするので、現地である程度の人数が必要な設定にはなっています。ポップする時間も決まっていますし、結構強いので、挑むときにはソロでなくてパーティ単位で赴き、何パーティーか合同の形でやってもらうといいと思います。

55レベル以降、80レベルまでのサポート

――英雄パッケージが発売されましたが、こちらはどのようなものですか。

川南氏:英雄パッケージを使用するとウィークリークエストの報酬経験値が上乗せされたり、装備のサポートが受けられたり、消耗品が毎日貰えたりします。現状序盤のチュートリアルで到達できるのが概ね55レベルになっておりまして、そこから先の80レベルを目指していただく上で、便利なパッケージになっております。

――55レベルから80レベルって相当な時間がかかりますよね。

川南氏:そうですね。普通にあげると。なのでヴァラカスをはじめドラゴンレイドなどのエンドコンテンツを盛り上げるには、もう少しレベルの底上げをしないといけないなという状況がありました。

 新規、休眠プレーヤーと既に高レベル帯に辿り着いている既存プレーヤーとの間で格差がありすぎて、エンドコンテンツを楽しむ前に断念して辞めてしまうような状況が想定されましたので、今1番人口の多いパーティーマップ「忘れられた島」に入場できる80レベルを1つの目標として、運営からもサポートしていかないといけないなということで力を入れて取り組んだ部分になります。

――「忘れられた島」まで行ければPTプレイも楽しめるということですね。

川南氏:パーティープレイをしないと、特にMMOはモチベーションが続かない部分があると思いますので。下の方のレベル帯でのパーティー狩りもできなくはないのですが、やはり「忘れられた島」が一番美味しいので皆さんそこに行ってしまって、レベル制限で入れないプレーヤーは「暇だなあ」という風になってしまいかねません。それはゲーム環境として良くないので、みんなで一緒に遊べるようにしたいな、と。ドラゴンレイドに関しても入場自体は、レベル70からでもできるのですが、70だとちょっと厳しすぎる部分があるので、80は要るかなと思います。

――80レベルでエンドコンテンツを楽しめる入り口に立てるという感じでしょうか。
川南氏:そうですね。後衛に関してはクラスにもよりますけど80レベルほどあればエンドコンテンツに参加はできると思います。もう少し欲しいかな、というところではありますが(笑)。

今後のアップデートでチュートリアルゾーンのリニューアルを実施!

――少し気が早いかもしれませんが、今後のアップデート予定は?

川南氏:今回のアップデートでも傾向が如実に表れていますが、今後のアップデートでも高レベル向けの要素を中心に追加していくことになると思います。

――ハイエンド向けのコンテンツも増やしつつ、今回の英雄パッケージのような形で初心者、あるいは中レベル層もサポートしていくのでしょうか。

川南氏:序盤のレベリングが厳しいというのはこちらとしても把握しておりまして、レベル55で終わるチュートリアルゾーン「クラウディア」をクリアした後、ゲームとして難易度が上がってしまう状態です。数字にも表れているのですが、ここでプレイを辞めてしまっている人が非常に沢山いらっしゃるというのが現状ですので、そこは運営側としてもサポートしていく必要性を感じています。

――先ほどの「英雄パッケージ」以外に、具体的にはどのようなサポートを。

川南氏:それに関しては去年から開発元とは話をしていまして、なんとか日本独自仕様でもいいからそのレベル帯をサポートするようなシステムを入れたいという要望をずっと伝えていたのです。ただ、独自要素として入れるとのは難しいということで、なんとかグローバル単位で改善する方法を探っていたのですが、最近韓国ではチュートリアルゾーンのリニューアルが行なわれました。

 こちらに関しては日本から要請した内容も入っておりまして、安価に使えるチュートリアルの消耗品が今までより高いレベルまで使用できたり、出費を減らすことができたりします。また、「クラウディア」がなくなり「話せる島」自体がチュートリアルエリアとして使われるようになることで、シームレスにチュートリアルからゲームに入り込めるような改善が行なわれています。これは早く日本にも実装して、現状を改善したいと思っています。

――韓国での反応はいかがでしょうか。

川南氏:まだ実装から日が浅いこともありますし、韓国のプレーヤーも高レベルコンテンツの方に集まっていて、初心者ゾーンに関しては正直あまり反応がないようで、開発側としても意見の集約に苦労している部分があるようです。

――それはなぜでしょうか。サブキャラの育成などにも便利そうですが。

川南氏:やはりひたすらメインキャラのレベルを上げるというのが韓国のプレーヤーのメインストリームなので。レベルキャップがあるゲームであれば、レベリングが終わると違うタイプのサブキャラを育ててみようかな、となるかと思うんですが「リネージュ」にはレベルキャップがありませんので、そのようなスタイルになっていると思われます。

――韓国ではPvPが盛んだから、ということなのでしょうか?

川南氏:韓国ではPvPがメインで、血盟同士、血盟連合同士の争いや、対人戦がゲームのメインとして扱われている部分があります。日本だと狩りを楽しんでいるプレーヤーも多いので、例えばパーティーを組む時に少し回復薄いから「じゃあ、ちょっと回復役育ててみようかな」とったサブキャラ需要が発生しやすい状況です。もちろんサブキャラもそうですが、まずは初心者にとって厳しいという所を早く改善していきたいです。

プレーヤーへのメッセージ

――最後にプレーヤーに一言お願いします。

川南氏:「リネージュ」をご愛顧いただき誠にありがとうございます。今回のアップデートはドラゴンレイドなど高レベル帯を対象としたものが多いのですが、よく利用される「傲慢の塔」などに精鋭モンスターが追加されるなど、狩りのアクセントになる要素もございます。今後日本で企画されるイベントでは、高レベル対象だけではなく、育ちきっていないキャラクターでも楽しんでいただけるような幅の広いイベントを実施させていただければと思っています。

 特に6月後半から、休眠、新規のプレーヤーを対象としてレベルアップサポートを実施させていただいておりますので、是非この機会にまずレベル80を達成していただいて、ゆくゆくは最強のドラゴン「ヴァラカス」を討伐していただければと思っています。