インタビュー

「FFXIV: 紅蓮のリベレーター」プロデューサー吉田直樹氏ミニインタビュー

「FFX」のブリッツボールを制作中! クロスワールド間のFCやフレンドも可能に

2月18日 開催(現地時間)

会場:Festhalle(フランクフルト)

 「ファイナルファンタジーXIV」のオフラインイベント「FINAL FANTASY XIV FANFESTIVAL 2017 FRANKFURT」の初日終了後、ファンフェス恒例となっている囲み取材が行なわれた。

 グローバルから参加している全メディア合同で、多数の国を擁するヨーロッパのファンフェスだけあって100人ぐらいが参加する大規模な合同インタビューとなった。「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田氏に直接質問できる機会ということで、質問内容は、ついに全貌が明らかになった「紅蓮のリベレーター」ばかりでなく、「FFXIV」が月額制を採用している理由や、PS VRへの対応の可能性についてなど、多岐にわたる質問が飛びだした。

 またGAME Watchでは、「FINAL FANTASY XIV FANFESTIVAL 2017 FRANKFURT」の基調講演で発表された内容について、あらためてインタビューをお届けする予定なので、「紅蓮のリベレーター」の突っ込んだ内容についてはそちらをお待ちいただきたい。

ひんがしの国のモチーフ、泳ぎシステムの発展系で「ブリッツボール」も開発中!

会見の冒頭、スクウェア・エニックス代表取締役社長松田洋祐氏が登壇し、挨拶を行なった
侍の格好のままインタビューに応じる吉田直樹氏
新ジョブ「侍」
初公開されたひんがしの国の港町「クガネ」。様々な要素を織り交ぜたオリエンタルな雰囲気となっている
ドマの国は確かに大陸側にある

――ファンフェスを通じて世界中のプレーヤーとふれあってどのような印象を受けましたか?

吉田氏: まずはプレーヤーの皆さん、楽しんでいただくことが第一ですが、それと同時に開発チームのモチベーション、テンションの維持も大事で、大きな目的のひとつになっています。ファンフェスで皆さんの顔を見て直接お会いすることができて、開発を続けていくエネルギーを貰えていると思います。このヨーロッパのファンの皆さんも北米や日本に負けないパワーで、僕らの背中を押してくれていると思っています。

――新しい舞台は、日本を初めとした極東のカルチャーを強く取り入れている印象を受けたが、ひんがしの国では東洋文化をどのように重要視していますか?

吉田氏: 今回、ひんがしの国、ドマを舞台にする時に、当然日本を意識しなかったわけではありません。ただ、日本という国も非常に歴史が古くて、皆さんが一般的に想像する日本は、江戸時代の方もいれば、幕末の人もいたり、もしくはもっと昔の戦国時代かもしれませんが、時代によってビジュアルも変わってきます。ですので、ひんがしの国のクガネをビジュアルで作っていくときに意識したのは純和風というよりは、エオルゼアの世界の様々な文化が融合した“和” であると定義して、色の使い方、オブジェクトの使い方をひとつひとつ、開発チームとディスカッションしながら作って行ったものです。ぜひ6月のローンチ時に、我々開発チームがどのように作って行ったのかを自分の目で確かめて欲しいと思います。

 ちなみにひとつだけ補足しておくとドマの国はひんがしの国ではなく、大陸側、現実世界の中国やモンゴルのような位置にある国で、クガネとはまったく異なる文化がドマを旅する上で観られるとおもうので、ユニークなテイストになっているのでそこもぜひご注目下さい。

――「紅蓮のリベレーター」では新ジョブは2つということですが、過去に2.xシリーズの途中で新ジョブ忍者が追加されましたが、4.xでも途中で新ジョブが追加される可能性はありますか?

吉田氏: 今のところその予定はありません。新ジョブを期待するのは僕もプレーヤーのひとりとしてよくわかりますが、ただバランスの取れないジョブを足してもプレーヤーの皆さんのストレスになるので、バトルシステムの変更も入るので、まずはジョブバランスを徹底的にとって、どのジョブを選んでも皆さんが楽しめるというのが最大目標です。それが達成できた後に、開発チームの中でそういう声が大きければ検討していきたいですが、現時点では新ジョブを追加する予定はありません。

――今後もクロスワールドに対応したフィーチャーは増えますか。たとえば、リンクシェル、フレンドリストも対応しますか?

吉田氏: フレンドリストの対応はすでに始まっています。4.0はちょっと間に合いませんが、ワールドを超えたフレンドリストの準備は始まっています。フリーカンパニーとリンクシェルに関しても仕様の策定が始まっており、あと時間がどれぐらい掛かるかわかりませんが、いずれ実現しようと考えています。

――今、吉田さんが着ている装備は、着心地はいいですか? 今後、スタッフをやる気付けるために会社で着るつもりはありますか?

吉田氏: まず、着心地はとてもいいです。実はもともと基調講演でしか着る予定がなかったんですけど、あまりに着心地がいいので、最後まで着て、今ここにいます(笑)。僕としてはこの侍のコスチュームは非常に気に入ったので、日本に持って帰りたいのですが、ドイツチームが「一生懸命クラフトするチームと一緒に作ったのでドイツに置いていけ」と言われたので、残念ながら日本に持って帰ることができません(笑)。ただし、僕が持って帰って着ていったら、彼らに喜ぶどころか「吉田遊んでいるんじゃない」と怒られると思うので、しっかり仕事を頑張ろうと思います。

――グランドカンパニー小隊について、今後ダンジョンを一緒にこなせるようになりますか?

吉田氏: すでに仕様の策定は完了していて、彼らがダンジョンで戦うためのAIの制作が始まっている。ただ、今は「紅蓮のリベレーター」の準備を進めているので、実装はリリースの後になると思いますが、準備は着々と進んでいます。

――今回のドイツでのファンフェスティバルの経験は、何か次に活かせることはありますか?

吉田氏: ドイツのファンフェスはまだ明日もあります(笑)。ただ、今回、ドイツで1日目を終わってみて、テクニカルの皆さんや、エンジニアの皆さんに柔軟に対応していただいて、質の高いファンフェスが行なえたと思っています。2日目もプレーヤーの皆さんに最高の笑顔になって帰って貰おうというのが現時点での目標です。次の最大の目標は、さきほどご挨拶したCEOの松田に「次のファンフェスやってもいいよ」と言って貰うことです(笑)。

――今回、新しいエリアが発表され、プレーヤーの注目がアラミゴから、ドマ、ひんがしの国に移ってしまった印象がありますが、アラミゴが忘れられる心配はありませんか?

吉田氏: アラミゴも結構フィールドを紹介していて、アラミゴの冒険も結構大きいですよ。基本的に半分がアラミゴで、半分がドマ側だと思って貰えればいいと思います。。それ以上はシナリオに触れてしまうのでお答えできませんが。

――PS3のサポートが終わり、今後はよりハイスペックな方向にフォーカスできる環境が整ったと言えますが、PS4 Proへの対応や、Nintendo Switchの移植の可能性はありますか?

吉田氏: PS4 Proのマシンパワーは、単純に4Kみたいな解像度を高めるより、パフォーマンスアップに使いたいと思っています。正直、テストはもう始まっていますので、近いうちに正式なアナウンスが出せるのではないかと思います。それからNintendo Switchに関しても、以前から質問されているXboxについてもそうですが、できるだけ多くのプラットフォームに対応したいと考えていますが、クロスサーバー、クロスマッチングで、どのハードで遊んでもすべてのひとが同じ世界にログインできることを目指しているので、そこが解決されれば可能性はありますが、現時点でこれ以上言えることはないです。

――今回、泳ぎ、潜りのシステムが入りますが、それに合わせてブリッツボールも可能になりますか?

吉田氏: 正直に言うと、企画はしています。ただ、ちょっと難航しているのも事実で、おそらく「FFX」のブリッツボールをそのまま実装して欲しいと思っていると思いますが、1回遊んだらあんまりプレイしなくなるんじゃないかという懸念があります。そこで逆にMMOならではのブリッツボールを作ろうというアイデアもありますが、それは果たして想い出の中にあるブリッツボールなのか、という問題もあって、どういった形で「FFXIV」の中にブリッツボールを実装するのがベストなのかというところで、企画としてはそこまでで止めてあります。ただ、せっかく水の中に冒険が広がるので、いずれ実現したいとは考えています。

――ジャンピングポーションのその後の進捗状況について教えて下さい。

吉田氏: 今開発チームで最終の議論をしているところで、決まり次第アナウンスさせていただく予定です。最終調整中なので現時点ではハッキリしたことは言えませんが、決まったらプロデューサーレターライブ等でお話しさせていただく予定です。

――4.0で行なわれるバトルシステムの改良ですが、現時点で言えることはありますか?

吉田氏: まず、作り直しではありません。バトルシステムの改修は大きく2つの目的があります。1つは3.xシリーズになって各ジョブのスキルローテーションが難しくなりすぎてしまって、トップユーザーとカジュアルユーザーのDPSの格差が大きくなりすぎたことです。テクニカルになりすぎているので、改修によってカジュアルな人でもある程度使いこなせて、トップだとさらに一段伸びるという、あまりにも難しくなっているところを一段楽にするという全体調整がひとつ入ります。

 もう1つは、「FFXIV」はゲームパッドでプレイされている方が非常に多いのですが、あまりにもアクションが多くなりすぎて、使いこなすのが難しくなっていることです。今回、レベルキャップが70になり新しいアクションが増えますが、今と同じ数のアクション数に収まるように、使いづらい、使ってないアクションは統廃合して、よりジョブが使いやすくなるように調整していきます。

 また、あまりにもバフアイコンをみなければならないシチュエーションが増えたので、4.0からはジョブ毎に専用のインジケーターを追加して、バフを見て遊ぶのではなく、ジョブにあったUIを見ながら戦って行くという風に全体を調整しています。これらは開発チームがギリギリまで調整して、最後まで見やすく調整していきますので、おそらくこれ以上の詳細は、実際のゲーム画面が必要になってくると思いますので、それは5月中旬から下旬ぐらいになるかもしれません。ギリギリにはなってしまいますが、ちゃんと事前にお伝えするタイミングは作ろうと思います。

――ドマという街がオサード小大陸にあるということですが、アラミゴはまだ何も発表されていませんが、アラミゴという街に入れるようになりますか?

吉田氏: さあ、どうでしょうねぇ(笑)。その答えは皆さんが、ドマやアラミゴを奪還した先にあるお話だと思います。当然今は帝国に支配されている街なので、入ることすら一苦労で、帝国軍を追い払う必要があります。プレーヤーは解放者になるということを念頭に置いてプレイをしていただきたいと思っています。また、MMOらしからぬ仕掛けを考えています。MMOでありながらストーリーをどっぷり楽しめるように現在開発中です。

――MMOには複数のビジネスモデルが存在するが、なぜFFXIVはFree to Playではなく月額モデルを選んだのでしょうか?

吉田氏: その質問にまともにお答えすると1時間ぐらい掛かるのと、すでに過去に何度か明確な回答をしているので、PRチームから必ず回答させます。

――侍はDPSにした理由を改めて教えて欲しい?

吉田氏: もともと近接DPSを足すために侍にしたわけではなく、僕の中で侍はタンクではなくDPSだったというだけです。僕の中で戦国時代の将軍たちはタンクだと思いますが、幕末の侍はどちらかというとDPSというイメージでした。なので理由は単純に参考にしている日本の時代が皆さんが違うということですね。良い例を思い出しましたが、今開発チームで考えている侍は、黒澤明監督の「7人の侍」なんです。だからタンクではなくDPSなんです。

――他のMMORPGと比較して、「FFXIV」の一番の特徴は何だと思いますか?

吉田氏: 色々ありますが、メジャーアップデートのスピードとボリューム、それから定期的にエクスパンションを出して、ファンフェスをやっているところが、他のタイトルと比較して優れているところなのかなと思います。

――フィールドモンスターのバトルが長く感じますが、バトルアップデートでフィールドモンスターのバトル時間は短くなりますか?

吉田氏: どうでしょう(笑)。3.xシリーズはちょっとやり過ぎたと思っていますので、今よりは多少短くなると思います。

――「FFXIV」のコミュニティは活発で、全世界のファンが一緒になってゲームをプレイしている感があって、色んな国の人がゲーム内で出会って、ファンフェス等で実際に出会って友情が芽生えて友達になったりするが、たとえば今後モバイルアプリやインゲームフィーチャーで、色んな人とコミュニケーションをやりやすくする仕組みはありますか?

吉田氏: ゲーム内のフリーカンパニーやリンクシェル、フレンドとのコミュニケーションをエオルゼアの外で取るためのアプリの開発は進めています。4.0には間に合いませんが、そんなに遠くないタイミングのパッチでリリースできるのではないかと思います。

――PS VRへの展開について何か進展はありますか?

吉田氏: テストはしましたが、やっぱりまずVRの場合は最低でも60fps、できれば120FPSないと酔ってしまうという大きな問題があります。そうなってくると専用のコンテンツを作らないと遊べませんが、それをやってしまうとPS VR持ってないと楽しめないということになります。そこには多くのコストが投入されるので、それを作るぐらいならみんなが遊べるコンテンツを作ってくれと思うだろうし、そのお金は誰が払ってくれるんだという問題があります。

 以前、いくつかのメディアのインタビューで何度か語ったことですが、どこかの建物の中に、カッコイイミコッテと可愛いミコッテが沢山いて、そのミコッテたちと仲良くなれるミコッテパラダイスみたいなVRコンテンツがあって、その部屋に入るためには5,000円ぐらい払わないといけない、そういうのだったらできるかも、という話はしたことがあります。この話は開発チームにもしてるが、手を挙げる奴が出てこないので、そういうスタッフが出てくることを祈りたいですね(笑)。