★ PCゲームレビュー★


対戦ゲームはここまで進化した!!
傑作RTSの拡張版が満を持して登場!!

Warcraft III:The Frozen Throne

  • ジャンル:リアルタイムストラテジー
  • 開発元:Blizzard Entertainment
  • 発売元:カプコン
  • 価格:5,800円
  • 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP
  • 発売日:発売中(日本語版は年内発売予定)


 まったく妥協することのないバランス調整のため、発売スケジュール通りに進行しないことで有名な米Blizzard Entertainment。そのBlizzardが今回は珍しく、良い意味で期待を裏切ってくれた。「WarcraftIII:Reign of Chaos」の拡張版「WarcraftⅢ:The Frozen Throne」(以下、FT)について、βテストをプレイしてわかった新要素をお伝えしよう。


■ RTSの可能性を押し広げたWarcraft III

登場するすべてのユニットは、個性豊かなアビリティを所持している。これらのアビリティを使用する駆け引きは、従来のRTSでは絶対に味わえない
 まるでRPGのプレイキャラクタのように成長する“ヒーローユニット”、自分と同程度の実力を持つ対戦相手を瞬時に検出する“マッチメイキングシステム”、どれも個性的だが総合的な実力はきっちりと均衡している4種族等々。「WarcraftIII:Reign of Chaos」(以下、Warcraft3 Classic = W3C)は、いくつもの画期的な新要素を、奇跡ともいえるゲームバランスで整えた傑作RTSである。

 W3Cは発売から1年を経過しているが、人気の衰えはまったく感じられない。むしろ、幾度かのパッチによってシステムは熟成を極め、何度プレイしても飽きることがない。同Blizzardの「Starcraft」やMicrosoftの「Age of Empire」シリーズと同様、RTSのスタンダードとして揺るぎない地位を確立しつつある。また、World Cyber Games 2003の正式種目に選ばれたことも、読者の記憶に新しいだろう。

 W3CはジャンルでいうとRTSに相当するが、筆者としては、あまりそのような括りに閉じこめたくない。というのもW3Cは従来のRTSタイトルと比べて、ユニットの総量が少なく、内政面を簡略化している。その結果、プレイ開始後数分からヒーローを軸とした熱い戦闘が、ゲーム終了まで間断なく続くのだ。

 もちろん、戦場を大局的に見ることを求められるのは他RTSタイトルと同じだが、アクション要素も含んだW3Cの局地戦における熱さは筆舌に尽くしがたい。今からでも決して遅くはない。ネットワーク対戦に興味を持つすべてのゲーマーに、W3Cを一度はプレイしてもらいたいと思っている。

 今回は拡張版タイトルという性質上、どちらかというとW3Cの経験者向けの記事となっている点を最初にことわっておきたい。それと製品発売直後はパッチによるバランス調整が行なわれる可能性が高く、新ユニットのヒットポイント等といった数値データは、あえて掲載しないことにした。

敵味方のヒーローが、画面中を所狭しと暴れ回る。3Dで描画されたキャラクタは、画面を近づけると生きているかのような躍動感がある 単なる勧善懲悪ではないキャンペーンシナリオも人気が高い。画面の拡大縮小を駆使したカメラワークは、まるで良質の映画を見ているかのようだ



■ FT新要素1:中立ヒーローと建築物Traven

Travenでは、中立を含む全ての死亡したヒーローを復活できる。これは戦術上大きなポイントとなりそうだ
 FTでは、どの種族のプレーヤーも“中立ヒーロー”を雇用できるようになった。雇用できる中立ヒーローは全部で5種類あり、外見はもちろんのこと、アビリティもまったく新しいものが用意されている。

 中立ヒーローを雇用する際のシステムは、通常のユニット雇用とは少々異なるので説明しよう。中立ヒーローは、マップ中に配置されたTravenという建築物で雇用できる。そして、”ヒーロー以外のどのユニットでも近づけば雇用できる”、”Travenの周囲にはクリープが居ない”の2点に注目してほしい。つまり、ゲーム開始直後に作業用ユニットをTravenに連れてゆき、いきなり中立ヒーローを雇うことも可能なのだ。それと、仮にヒーローが死亡した場合、Travenでは”瞬時に”復活できることも覚えておこう。

 一度のゲームで選択できるヒーローが最大3体という点は一緒である。FTには合計21種類もの多彩なヒーローが登場するが、どのヒーローを選択するかがより悩ましく、そして面白くなったといえよう。それでは、5体の中立ヒーローについて紹介しよう。

Naga Sea Witch(間接攻撃タイプ)
 上半身が人間、下半身が蛇という弓兵タイプ。間接攻撃タイプのヒーローは、最前線へ出さなくても活躍できるため、敵からの集中攻撃を受けることが比較的少ない。しかもNaga Sea Witchは使用時にタイミングを重視するタイプのアビリティが少なく、初級者にとって扱いやすい中立ヒーローだろう。言い換えると、操作する手間が少ないため、複数のヒーローを同時に操作するゲーム展開でも対応しやすいということだ。

アビリティ一覧
・Forked Lightning 複数の敵に電撃を放ちダメージを与える
・Frost Arrows 鈍化効果の矢を放つ
・Mana Shield 被攻撃時にマナを使って防御する
・Tornado 巨大な竜巻を呼び起こし、ダメージ及び鈍化効果

Dark Ranger(間接攻撃タイプ)
 習得できるアビリティがどれも非常に強力で、通常ヒーローの出番を食ってしまう可能性を感じさせる。中でもSilenceはレジスト判定を行なわないのが特筆すべき点で、キャスターを軸にした編成のプレーヤーに対し圧倒的に優位に立てる。またBlack Arrowは消費マナが少なく、自動使用が可能という点も素晴らしい。どの種族編成とも相性が良いため、FT発売直後は人気が集中すると思われる。

アビリティ一覧
・Dark Ranger Silence 範囲内の敵を呪文詠唱不可能にする
・Black Arrow 呪いの矢を放ち、倒した敵からスケルトンを召喚する
・Life Drain 敵単体のHPを一定時間吸い取り続ける
・Charm 敵単体を自分のユニットとして操る

Pit Lord(直接攻撃タイプ)  W3Cのシングルキャンペーンでは、Mannorothという名前で登場したボス。もし中立ヒーローがFTのキャンペーンに登場するのであれば、どのように絡んでくるか興味深い。ヒットポイントが中立ヒーローの中ではもっとも高く、アビリティ関連も混戦時に威力を発揮するタイプが揃っている。Tauren Chieftain(Orc)のような豪快な戦い方を求めるプレーヤーにはうってつけだ。

アビリティ一覧
・Rain of Fire 範囲内に炎の雨を降らせ継続ダメージを与える
・Howl of Terror 周囲にいる敵の攻撃力を減退させる
・Cleaving Attack 攻撃時に、対象の周囲にいるユニットにもダメージを与える
・Doom 敵単体を呪い殺し、死体からデーモンを出現させる

Beastmaster(直接攻撃タイプ)
 アビリティが完全に召喚系に特化しており、直接攻撃、間接攻撃、策敵用という3種類のペットを使いこなす。その習得アビリティの性質上、対召喚物用のユニットにはめっぽう弱いと思われる。ペットの強さ次第でBeastmasterの評価は大きく変わりそうだが、少なくとも一騎当千タイプのヒーローではない。だが、策敵が不得意なHumanにとっては、Summon Hawkは積極的に使ってもよさそうだ。

アビリティ一覧
・Summon Bear 直接攻撃タイプの熊を召還する
・Summon Quilbeast 間接攻撃タイプのヤマアラシを召喚する
・Summon Hawk 攻撃能力を持たない、策敵用の鷹を召喚する
・Stampede サンダーリザードの大群を召還する

Pandaren Brewmaster(直接攻撃タイプ)
 右手に酒樽、左手に長刀、そして華服。Pandaren Brewmasterは、シリアスな世界観の中で一際異彩を放っている中立ヒーローだ。酒を口に含んで火を吹いたり、敵に無理矢理酒を飲ませて酔っぱらわせるといった、醸造主の名に恥じない(?)アビリティを主に習得する。β版時点ではどのアビリティも突出した点は見られなかった。しかし、その外見だけで一部のプレーヤーからは熱狂的に支持されるだろう。

アビリティ一覧
・Breath of Fire 炎を放射状に吹き出し、一定時間ダメージを与える
・Drunken Haze 敵に酒を飲ませ、移動速度と命中率を減少させる
・Drunken Brawler 攻撃回避率及び、クリティカルヒット発生率を増大する
・Storm, Earth, and Fire Pandarenを3体の戦士へ変化させて戦う


■ FT新要素2:アイテムショップが建築可能に

アイテムショップは、タウンホールの一段階目から建築できる。定期的にヒーローを本陣へ戻しアイテムを補充することは、基本テクニックとなるだろう
 建築物に関しては、アイテムショップを自分で好きな場所に建てられるようになった。タウンホールをアップグレードさせる度に、品揃えの数は増える仕組みだ。また、陳列される品揃えは種族によって大きく異なっている。これらのアイテムの中には、種族の弱点を補うような効果を持つものもあるので、一通り調べておこう。

 FTではアイテムショップが追加されたことにより、ヒットポイントやマナを回復させるポーション等を、ヒーローがより手軽に購入できるようになっている。そのため、ゲームにおけるヒーローの重要度がより高まったといえよう。また本陣での攻防戦もさらに熱くなり、アイテムショップのおかげで劣勢から逆転といった展開も大いにあり得る。

 アイテム関連で気になったのだが、FTでは全てのショップにてWand of Negation(補助魔法を消去するアイテム)が購入できない。パッチでの変更が入る可能性はあるが、もしかするとFTでのプレイスタイルに大きな影響を及ぼすかもしれない。

ショップにて購入できるアイテムの例
Human
・Mechanical Critter 策敵用の小動物を召還。敵に発見されても自動攻撃を受けない
・Ivory Tower 指定した場所に短時間でScout Towerを建てる
・Orb of Fire 攻撃時のダメージが増大し、ヒーローが遠距離攻撃可能になる

Orc
・Scroll of Speed 短時間、周囲にいるユニットの移動速度を速める
・Orb of Lightning 攻撃時のダメージを増大し、ヒーローが遠距離攻撃可能になる
・Tiny Great Hall 指定した場所に短時間でGreat Hallを建てる

NightElf
・Moonstone ゲーム内の時間を夜にし、NightElfにとって有利に働きかける
・Staff of Preservation 味方ユニット単体をタウンホールへテレポートする
・Orb of Venom 攻撃時のダメージが増大し、ヒーローが遠距離攻撃可能になる

Undead
・Sacrificial Skull 指定した場所の土地を腐らせ、Acolyteが建築を可能にする
・Rod of Necromancy 死体からスケルトンを2体召還する
・Orb of Corruption 攻撃時のダメージが増大し、ヒーローが遠距離攻撃可能になる


■ FT新要素3:Battle.netにクランとトーナメントが導入

プレーヤー名の右側に、所属クランが表示されている。クラン設立時には9名のプレーヤーによる署名が必要となる
チャット画面に表示されるアイコンは、条件さえ満たせば自分で好きなものを選べる。なお右列のアイコンは、トーナメント戦の勝ち数によって選択できるものだ
 Battle.net上における目玉機能は、クランシステムとトーナメント戦の導入である。β版ではこの2機能に関して完全には機能していなかったものの、わかった範囲で紹介しよう。

 クランとは気の合った仲間同志による集団である。クランに所属したプレーヤーがBattle.net上でゲームを行なうと、その勝敗結果が自分の戦績だけでなく、クラン全体の戦績に影響を及ぼす。そして、クラン単位のラダーも算出されるのだ。マップ毎による勝率や、苦手な敵種族、今までチームを組んだ仲間等々、W3C(FT)は驚くべきほどの多彩な戦績情報を記録している。クランに所属することで、プレーヤーのモチベーションはさらに高まることだろう。

 もうひとつの新機能であるトーナメントは、Battle.net上で定期的に行なわれるイベントである。参加表明を表したプレーヤーは、その後約半日をかけてトーナメント戦を勝ち抜くというわけだ。自宅に居ながらにして、定期的にイベントに参加できるというのは、対戦ゲームとしては初の試みだろう。このトーナメントの運営進行は、Battle.net上で自動的に行なわれる点に注目してほしい。決勝戦などのリプレイファイルをBattle.net上で自動的に保存してくれれば、トーナメントに参加できなかった全プレーヤーにとって有益となるはずだ。

 また、ゲームの基本システムに関する変更は、W3C経験者にとって気になるところだろう。これらの変更点について、軽く紹介していこう。

・味方ユニットを追尾(Followモード)しているユニットは、状況に応じて自動的に適切な行動を行なう。例えば味方ヒーローにユニットのラリーポイントを設定しておくだけで、それらのユニットは敵が近づいたら攻撃を行なってくれるのだ。特に初心者にとっては、操作が大幅に楽になるだろう。

・ユニットの総量に反比例してGoldの収入が減るUpkeepシステム。Upkeepが変化するユニット数は、「0~50/51~80/81~100」に変化した(W3Cは「0~40/41~70/71~100」)。この変更によって、戦力全体の規模が若干増えると思われる。

・マップ中に固定配置されているクリープは、存在の有無がマップ中に記されるようになった。クリープの強さによって印の色は異なるため、慣れないマップを攻略する際の目安となるだろう。

・ヒーローと周囲のユニットをタウンホールへと移動させる最重要アイテム“Town Portal”。これを使用してから実際にテレポートするまで、5秒間の遅延が設けられた。この5秒間はヒーローだけは無敵(行動不能)になるが、通常のユニットは敵の猛攻を耐えねばならない。

Battle.netで対戦中の模様。FTの導入により、戦闘はより派手に、奥深くなった


■ FT新要素4:4種族に追加されるヒーロー及びユニット

 FTで追加される新ユニットは中立ヒーローだけではない。プレーヤーが操る4種族にも、各1体のヒーローと各2体の通常ユニットが追加されているのだ。ここでは、戦術を大きく変えることになるこれらの新ユニットを一挙に掲載しよう。新ユニットを把握する要点としては、これまでの種族における不備を補う能力、もうひとつは対スペルキャスター用のアンチユニット。この2点を念頭に置くとよいだろう。

●Human

Blood Mage(遠距離攻撃タイプ)
 邪悪な雰囲気を漂わせた、歩行系のスペルキャスター。これまでHumanは、法と秩序に基づいた善の印象を強く受けたが、Blood Mageはそれらから大きく逸脱している。FT用のキャンペーンにおいて、どういった形で登場するのか、今から楽しみでならない。能力面に関しては、Humanには既に同タイプのヒーローArchmageが存在するが、Blood Mageのアビリティの方が局地的な戦闘用に特化している。

アビリティ一覧
・Flame Strike 範囲内に火柱を発生させダメージを与える
・Banish 敵または味方単体を戦場から一時的に隔離する
・Siphon Mana 一定時間、敵単体からマナを吸い取り続ける
・Phoenix フェニックスを召還して使役する

Spell Breaker(間接攻撃タイプ:Arcane Sanctum)
 歩兵タイプの間接攻撃ユニット。敵の補助魔法を奪い取るSpell Stealは、今まで無かったタイプのアビリティである。これは自動使用可能なのが大きなポイントで、膨大なShaman(Orc)のBloodlustやPriest(Human)のInner Fireでも、全て吸い尽くしてくれるのだ。もうひとつ、通常ユニットであるにも関わらず、Spell Imuneを持っている点にも注目してほしい。これはキャスター系の敵に対する最強のアンチユニットである。

アビリティ一覧
・Spell Steal 敵の補助魔法を奪い取り味方に与える
・Control Magic 敵の召還ユニットを奪い取る
・Spell Immunity 魔法に対する完全防御
・Feedback 攻撃する際、敵のマナにダメージを与える

Dragonhawk Rider(間接攻撃タイプ:Griphon Aviary)
 生産する建築物がGriphon Aviaryということもあり、基本的な使い勝手はGriphon Riderとの大きな違いがない。だが、2つの習得アビリティは特定の状況下において非常に役立つ。Cloudを活用すれば、飛行ユニットの天敵であるタワーの迎撃能力を無効化できるのだ。それによって数体のDragonhawk Riderだけでも敵本拠地を攻撃できるため、別働隊での奇襲は高い効果を発揮するだろう。

アビリティ一覧
・Aerial Shackles 飛行ユニットを移動不可にして、継続ダメージを与える
・Cloud 妨害用の雲を発生させ、建築物の攻撃能力を停止させる

●Orc

Shadow Hunter(遠距離攻撃タイプ)
 仮面を被った狩猟者。今までの弱点を補うコンセプトのFT新ヒーローだが、このShadow Hunterを見れば一目瞭然だ。Chain Lightning(Far Seer)のように次々と味方を回復するHealing Waveは、序盤~中盤の回復手段に乏しかったOrcにとって待望のアビリティである。Healing Ward(Troll Witch Doctor)に頼らない幅広いユニット構成を実現させる、最重要ユニットのひとつとして活躍するだろう。

アビリティ一覧
・Healing Wave 複数の味方ユニットのHPを回復する
・Hex 敵を一定時間小動物に変化させる
・Serpent Ward 周囲の敵を自動的に攻撃するワンドを設置する
・Big Bad Voodoo 周囲の味方ユニットが無敵になる

Troll Batrider(間接攻撃タイプ:Beastiary)
 巨大なコウモリの上にTrollがあぐらをかいてるという、いかにもBlizzardらしいコミカルなユニット。飛行系の敵に対して自爆攻撃を仕掛けるUnstable Cococtionは、まるでGoblin Sapperの空中版だ。飛行系ユニットは総じて生産コストが高いため、うまく道連れにできれば戦局は大きく有利になるだろう。敵プレーヤーに対してだけでなく、ドラゴン系のクリープのいるマップではピンポイントで生産するのも有効だ。

アビリティ一覧
・Unstable Concoction 自爆攻撃を行ない、敵飛行ユニットに大ダメージを与える
・Liquid Fire 周囲の建築物に火を付けダメージを与える

Spirit Walker(攻撃不能/間接攻撃タイプ:Spirit Lodge)
 Ethereal FormとCorporeal Formの2形態の姿をもつユニット。Ethereal Form時は、自分自身に攻撃能力がない代わりに、魔法属性以外の方法ではダメージを受けない。Corporeal Form時は間接攻撃を行なえるが、通常ユニット同様にダメージを受ける。それと、被ダメージを分散するSpirit Linkにも注目してほしい。例えば戦闘開始直後に、味方ヒーローが集中攻撃を受けて倒される危険性が大幅に減るはずだ。

アビリティ一覧
・Spirit Link 味方ユニット間でHPを共有し、被ダメージを分散させる
・Disenchant 範囲内の魔法効果を消し去る
・Ancestral Spirit 死亡したTauren一体を完全に復活させる
・Form Change Ethereal/Corporealの形態を変化させる

●Night Elf

Warden(直接攻撃タイプ)
 犯罪者を誅殺する監視人。Wardenを操作していると、FTというタイトルが本当にRTSなのか不安になる。Blinkによって戦場を縦横無尽にテレポートしながらヒット&アウェイを繰り返すその姿は、思わず「DiabloⅡ」のSorceressを連想する人も多いだろう。元々Night Elfは、敵の作業用ユニットを狙った妨害工作が得意な種族だが、Wardenの追加によってより強力になった。

アビリティ一覧
・Fan of Knives 周囲にいる敵ユニットにダメージを与える
・Blink 画面内の指定した場所へWardenを瞬間移動させる
・Shadow Strike 敵単体に、毒による強烈な一撃を与える
・Vengeance 精霊を召還して攻撃。味方の死体が多いほど強くなる

Mountain Giant(直接攻撃タイプ:Ancient of Lore)
 Druid of the Clawを大幅に超えるだけでなく、全ユニットを含めた中でも最強クラスの壁役ユニット。アップグレードを最大まで行なうと、なんと最大ヒットポイントは1650、防御力は10まで上昇するのだ。それと、敵の攻撃を引きつけるTauntは、MMORPGではなくRTSのシステム上で実現しているのが面白い。複数のMountain GiantがTauntを交互に使えば、敵をピンポンのように操ることも可能である。

アビリティ一覧
Taunt 周囲にいる敵の攻撃対象を自分へと向ける
War Club 木を引き抜いて武器として用いる
Hardened Skin 物理攻撃による被ダメージを減少させる
Resistant Skin 魔法攻撃による被ダメージを減少させる

Faerie Dragon(間接攻撃タイプ:Ancient of Wind)
 敵のキャスター系ユニットに対する強力なアンチユニット。戦闘開始時にMana Flareを使用すれば、今後敵は魔法を唱える度にダメージを受けることになる。敵にとって、アビリティの自動使用設定は自殺行為に等しいだろう。Faerie Dragonは自発的な攻撃手段に乏しく主力にはなり得ないユニットだが、部隊の中に1~2体混ぜておくと、敵に対する牽制効果は抜群である。

アビリティ一覧
Phase Shift 被攻撃時に、一瞬消え去りターゲットから外れる
Mana Flare 一定時間、敵ユニットが詠唱する際自動ダメージを与える
Spell Immunity 魔法に対する完全防御

●Undead

Crypt Lord(直接攻撃タイプ)
 Crypt Fiendの親玉的なヒーロー。間接攻撃タイプだったCrypt Fiendとは大きく異なり、Crypt Lordは最前線で活躍できるユニットである。Undead用ユニットで最大級のヒットポイントを誇り、アビリティを併用することで、壁役の不在という種族弱点を十分に補ってくれる存在だ。味方ユニットを回復できるDeath Coil(Death Knight)でサポートを行なえば、呆れ返るほどの粘り強さを発揮してくれる。

アビリティ一覧
Impale 指定方向にいる敵を突き上げダメージ及びスタン効果
Spiked Carapace 被直接攻撃時に反射ダメージを与える
Carrion Beetles 死体から虫を呼びだして使役する
Locust Swarm 虫の大群を呼び寄せ、周囲の敵にダメージを与える

Obsidian Statue(間接攻撃タイプ:Temple of the Damned)
 台座の上にスフィンクスのような不気味な生物が鎮座した彫像。習得できる2アビリティは、両方ともクールダウンが約1秒と短い。そのためGhoulやSkeletonといった、数で押すタイプのユニット編成と相性が良い。Undeadは実用的なユニットの回復手段に乏しかったため重宝するはずだ。ただしObsidian Statue自身は、Mechanical属性のため、自分自身の回復を行なえない。最前線にはくれぐれも出さないように。

アビリティ一覧
Essence of Blight 周囲にいる味方ユニットのHPを少量回復
Spirit Touch 周囲にいる味方ユニットのマナを少量回復
Morph into Destroyer Obsidian StatueをDestroyer形態に変化させる

Destroyer(間接攻撃タイプ:Temple of the Damned)
 タウンホールをアップグレードさせると、Obsidian Statueから変形できるようになる飛行ユニット。Obsidian Statueとはタイプがまったく異なり、戦闘用ユニットとして申し分のない能力を持っている。しかも、対スペルキャスター用のアンチユニットとしての活躍も期待できるだろう。特にDevour Magicは、Dispellの能力が無かったUndeadにとって涙が出るほど嬉しいアビリティだ。

アビリティ一覧
Devour Magic 範囲内の魔法効果を吸い取り、自身のHPとマナを回復する
Orb of Annihilation 攻撃時に、対象の周囲にいるユニットにもダメージを与える
Spell Immunity 魔法に対する完全防御
Absorb Mana 味方ユニットからマナを完全に吸い取る

(c)2003 Blizzard Entertainment. All rights reserved. The Frozen Throne is a trademark and Blizzard Entertainment, Battle.net, and Warcraft are trademarks or registered trademarks of Blizzard Entertainment in the U.S. and/or other countries. All other trademarks are property of their respective owners.


【Warcraft III:The Frozen Throne】
  • CPU:Pentium III 400MHz以上(Pentium III 600MHz以上を推奨)
  • メモリ:128MB以上(256MB以上を推奨)
  • HDD:700MB以上
  • ビデオカード:VRAM 8MB以上(32MB以上を推奨)


□「Warcraft III:The Frozen Throne」公式ホームページ
http://www.capcom.co.jp/pc/wc3/index.html
□関連情報
【2003年6月23日】カプコン、「Warcraft III: The Frozen Throne」を7月18日に発売
日本語マニュアル付き英語版、価格は5,800円
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030307/bill.htm
【2003年3月7日】Blizzard副社長ビル・ローパー氏インタビュー
ジョークキャラ大抜擢の理由、クランシステムの内容ほか
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030307/bill.htm
【2003年3月6日】Vivendi、「Warcraft III: The Frozen Throne」発表会を開催
ビル・ローパー氏、アドオンの魅力を大いに語る
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030306/warft.htm
【2003年2月17日】Blizzard、「Warcraft III: The Frozen Throne」のβ募集を開始
全世界1万人規模で実施されるBattle.net Beta Test
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030217/bli.htm
【2003年1月23日】Blizzard、「Warcraft III: The Frozen Throne」を発表
最終章の追加、中立のヒーローなど新要素満載
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030123/war3tft.htm

(2003年8月12日)

[Reported by 川崎 政一郎]


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