あの「e-kara」がゲーム機に進化!? タカラ 「e-pitch マイクスターターセット」
タカラ「e-pitch マイクスターターセット」 |
発売 |
タカラ |
価格 |
7,980円 |
電源 |
アルカリ単3電池×4(別売) |
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発売日 |
発売中 |
今回取り上げるのは、少女コミック誌「なかよし」で連載され、テレビ東京系でアニメも放映されている「ぴちぴちピッチ」のキャラクターグッズ「e-pitch マイクスターターセット」だ。「e-Toyなのに……GAME Watchなのに、少女マンガのキャラクタグッズゥ!」と驚かれた方も多いと思うが、ちょっと待ってほしい。このアイテム、実に興味深いプロフィールを持っているのだから。
「ぴちぴちピッチ」の主人公である“るちあ”は劇中で敵と戦うときに歌を歌うのだが、このとき手にするマイクが、かの「e-kara(イーカラ)」なのだ。
「e-kara」とは、タカラが2001年に発売した家庭用のカラオケ機。マイク型の本体には曲の選択機能をはじめ、ボリュームやピッチの調整機能が内蔵され、AVケーブルでテレビと接続すれば、本格的なカラオケが楽しめるという優れモノ。楽曲はカートリッジ形式で供給され、現在も新作が発売されるほどの人気を集めている。
カンの鋭い方ならすでにお気づきだろうが、「ぴちぴちピッチ」に登場するマイクは、「e-kara」とのタイアップから生まれている。そして、この「e-pitch マイクスターターセット」は、「e-kara」を元に作られている。それだけなら、まあよくあること。この連載でわざわざ取り上げることもない。だが、この「e-pitch マイクスターターセット」がスゴイのは、単なるタイアップに終わるのではなく、「e-kara」にゲーム機能をプラスしている、という点なのだ。
前置きがずいぶん長くなってしまったが、ゲームができる「e-kara」の姿を知りたかった、というわけだ。
■ 方向キーを彷彿とさせるボタンが追加
箱を開けて驚いた。この手の商品に不可欠な取扱説明書が封入されていないのだ。パッケージの背面に簡単な説明は書かれてはいるが、くわしい説明書を入れないのは、このアイテムのわかりやすさに相当の自信があることの表れだろう。これはなかなかできないことだ。
本体は「e-kara」のものを踏襲しているが、ボタンの種類と配置は随分異なっている。「e-kara」に合ったエフェクトやエコーボタンは無くなり、その代わりに上下左右に配置された方向キーを思わせる、4つのボタンが加えられている。これを使ってゲームを操作するのだ。
本体に電池を入れて、付属のカートリッジをセット。AVケーブルでテレビに接続。わずか3ステップで、遊びはじめることができる。
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パッケージには本体、カートリッジ、AVケーブルが同梱 |
上下左右のボタンを使って、キャラクターを操作する |
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楽曲データの入ったカートリッジは、本体の背面にセットする |
「e-kara」との比較。ボタンの配列が大きく異なっている |
ソフトは、「カラオケモード」と「ゲームモード」に分かれている。まずは「カラオケモード」から遊んでみよう。収録されているのは、アニメ「ぴちぴちピッチ」の主題歌4曲。どの曲も筆者が知っているわけはないのだが、歌ってみよう。
曲に合わせて、歌詞と静止画が表示されていく。試しに声を出してみると、おおッ~絶妙なエコーのかけ具合。画面に映し出されるビジュアルと相まって、カラオケ屋で歌っているみたいだ。なんとも豪華な気分にさせてくれる。歌いながら、キーを変更したり、ボリュームを調整することもできる。採点機能もあり、主旋律に合わせて歌えると、どんどん点が加算されていく。ちなみに筆者の得点は、たったの29点。だって、肝心の歌を知らないんだもん。
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カラオケでは、歌詞と背景のビジュアルが表示され、気分が出る |
採点機能もある。筆者の最高記録は、29点 |
■ 町を周回しながら、さまざまなゲームにチャレンジ!
ゲームモードは、ストーリー仕立て。主人公のるちあは、片思いの相手である“海斗”とラブラブになりたい、と占い師のタキに相談。すると「ねがいのユビワ」を探し出せばよい、と告げられる。「ねがいのユビワ」は、歌で多くの人を感動させると手に入る。そのためには、大勢を収容できるスペースを作る必要がある。るちあはホテルを改築してコンサートホールを作るために、パール(お金)を増やす旅に出る……。これがゲームのあらましだ。
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主人公のるちあは人魚。正体を知られるとアワになってしまう |
町のさまざまな場所を訪れながら、ゲームを進めていく |
ゲームの基本画面は、すごろくを思わせる構成。学校や海、森、路地やお店を回りながら、そこで起きるイベントをクリアして、パールを稼いでいく。
学校を訪れると、先生が敵に襲われていた! ここでは歌を上手に歌って、敵を撃退する、というゲームに突入。ご存知の通り、筆者はロクすっぽ歌えず、敵に爆笑される始末(歌を知っていても、オンチの子はどうなるのだろう……?)。
海へ行くと、横スクロールのアクションゲームがはじまった。人魚姿のるちあを操って、海の中に散らばるパールを集めていく。ときどき、珍しい貝殻やダイヤモンドなどのアイテムが出現し、これを取ると大量のパールと交換できる。なるほど、ここが稼ぎどき、というわけか。ハリセンボンやタツノオトシゴに触れたらアウト。操作は、ゲーム機ほどの快適さはないけれど、問題なく遊べる。はじめは単調だな……と思っていたけれど、パールの配列が絶妙で、がんばればほとんどすべてを取れることに気づいたときから、妙に熱くなってしまった。
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敵とは歌で戦う。このあとカラオケの画面になる |
障害物を避けながら、パールとアイテムを集める |
路地に行けば、るちあの友人たちと遭遇する。彼らからお願いごとをされる場合もあり、これに応えると高価なアイテムが手に入る。
お店はアイテムを売買できる場所。ここで、特定のパスワードを入力すると、レアなアイテムが手に入る。パスワードは玩具店舗で配布されている情報誌「ぴちぴちピッチマガジンVol.1」と、アニメの主題歌CD、公式サイトで随時発表される、という凝った仕掛けになっている。
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路地では、さまざまなイベントが待ち受けている |
お店では、自分の部屋を飾るたくさんのアイテムを買える |
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森のゲーム。虫食いのリンゴは取るとダメージを受けてしまう |
操作に慣れると、ゲーム機のコントローラと同じように扱える |
森は、海と同様の横スクロールのアクションゲーム。虫食いのあるリンゴを避けながら、料理の材料を集めいていく。料理は、パール集めと同じくらいに重要で、ホテルの拡大に大きく関わっている。
こんなふうにパールやアイテム、料理の材料を集めるために、マップを何度も周っていく。単調かと思いきやさにあらず。次から次へと新しいイベントが起きるし、ふたつのゲームも徐々に難易度が上がって、手ごたえが増していく。それになにしろホテルを拡大するために必要なパールの数が多くて、楽をしていられないのだ。
飽きさせない工夫は、ほかにもある。集めたアイテムでるちあの服装をチェンジしたり、るちあの部屋を飾り立てたりすることができる。原作を知らない筆者ですら感心したくらいだから、ファンの子にとってはたまらなく楽しいトイなのではないだろうか。ちなみにカセットは従来のe-karaでもプレイすることができる。ただキー配置からちょっとプレイしにくいかなという感じだ。逆にカラオケ機能の充実度から考えると従来のe-karaのほうが優れている。そこらへんは目的に合わせて選ぶことになるだろう。
(C)講談社・ウィーヴ・テレビ愛知/ぴちぴちピッチ製作委員会 創作・著作 (C)TAKARA.,LTD. 2003 (C)2003 SSD CO.,LTD.
□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□「e-pitch マイクスターターセット」のページ
http://www.takaratoys.co.jp/pitch/
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(2003年5月22日)
[Reported by 元宮秀介]
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