テーブルトークRPGの世界、フォーゴットン・レルムを舞台にした「Neverwinter Nights 日本語版」は、ボリュームのあるシングルプレイモード、手軽にオリジナルシナリオを作成できるツール、そして自作シナリオを最大64人でプレイできるマルチプレイモードを標準で備え、これらの豊富なゲームモードによって様々な遊び方が提供されているRPGだ。これまでにも同様の世界観で「Baldur's Gate」シリーズなどの人気作品を作ってきたBioWareによって製作されており、濃厚なゲーム世界と自由殿高いオンラインマルチプレイを堪能できる。
■ シングルとマルチ、まったく異なる楽しみがある本格派RPG 「ネヴァーウィンター・ナイツ」はテーブルトークRPG「Dungeons & Dragons」のフォーゴットン・レルムと呼ばれるキャンペーンセッティングをモチーフにしたPCゲームである。北方の都市「ネヴァーウィンター」を舞台にした正統派の中世ファンタジーRPGで、隙のない美しい3Dグラフィックと遊びやすいインタフェースによって軽快にプレイできる。 シングルプレイではボリュームのあるオーソドックスなRPGを、マルチプレイでは自作や他のプレーヤーが作成したシナリオを多人数でプレイするというテーブルトークRPG風の楽しさを満喫できるよう工夫されている。日本語版では完全日本語化の看板に偽りなく自作ツール類まで丁寧に日本語化されており、ライトなRPGプレーヤーからテーブルトークRPGも愛するコアなファンまで幅広い層が楽しめる一本となっている。 「Baldur's Gate」シリーズをはじめフォーゴットン・レルムを題材にした、いわゆる「D&D」シリーズはおしなべてどれもボリュームたっぷりだが、「ネヴァーウィンター・ナイツ」もそのセオリーにたがわず、非常に遊び甲斐のある内容と充実度である。ゲーム内容を大きく分けると以下の3点が挙げられる。
・ボリュームのあるシングルプレイ
・シングルプレイのシナリオを利用したマルチプレイ
・プレーヤー自作のシナリオを利用したマルチプレイ
自分のオリジナルシナリオで仲間と遊ぶもよし、他のプレーヤーの世界に飛び入り参加するもよし、配布されているできのいいシナリオをダウンロードしてきて仲間と遊ぶもよしと楽しみの幅も広い。ツールセットは、オリジナルシナリオ作成というより、「Neverwinter Nights」のゲームエンジンを利用して素人でも簡単にゲームを作れるようにしたものという感じなので、ちょっとしたダンジョン探検ものから、アリーナ風のPvPゲーム、本格的な長編RPGシナリオまでかなり自由にゲームを作成することができる。
■ ボリュームがあるのに軽快な怒涛のシングルプレイ まずはシングルプレイモードの内容と共に、ゲームの基本的なインターフェイスやプレイ感を紹介していこう。シングルプレイにおいてプレーヤーが操作するのは基本的にひとりのキャラクターのみで、最初から6人でスタートできる「Baldur's Gate」シリーズや「Icewind Dale」とはこの点が大きく異なっている。
・豊富なクエストとストーリー 冒険の最初の舞台となる「ネヴァーウィンター」という都市は、未曾有の疫病に襲われて大混乱しており、特効薬を作る材料は何者かに奪われてしまった。それらを探し、様々な出来事に出会いながら事件の背後を探っていくのがプレーヤーの役目なのである。 ストーリーは章仕立てになっていて、ストーリー的にはほぼ一方通行なのだが、各章の舞台となる街の中でのクエストは自由な順番で取り掛かることができる。ひとつの章の中の重要な事件をすべて解決することで次の章と物語に進むというシステムになっている。
各章につめこまれた物語はかなりのボリュームがあり、出会う人々との会話、各クエストにまつわる話や人間関係、意外性のある結末などで夢中にさせてくれる。勧善懲悪の奇麗事でない物語がたくさん詰め込まれているだけに、章を進める都度、大きな流れをひとつ終えられたという充実感を味わえるのも嬉しい。
・仲間となるコンピュータキャラクタ シングルプレイモードでは、プレーヤーはひとりだけ、コンピュータキャラクタを仲間にすることができる。街などでゲーム中に出会えるソーサラーやローグ、モンクなどである彼らと契約し、プレーヤーキャラクタの足りないところを補いあってゲームを進められる。 仲間キャラクタの装備を変更したりやプレーヤーキャラクタ同様の細かな移動指示などは基本的にできないのだが、プレーヤーキャラクタとの距離を指示したり、ついてこさせたり、遠距離攻撃、近距離攻撃の指定を事前にしておくことはできる。また彼らは死んでしまっても神殿などに復活するので、それほど神経質にならずにプレイすることができる。
・成長させればさせるほど楽しいキャラクタ プレーヤーキャラクタは、キャラクタメインキングによって自由に種族やクラス(職業)を設定し、それに見合った技能をつけ、戦闘などによって経験値を得て成長していく。キャラクタのステータスや技能を左右するのは種族やクラスで、ドワーフやヒューマンといったクラスに対して能力的な向き不向きがある各種種族と、ファイターやドルイド、バーバリアンといったいかにも中世ファンタジーなクラスが用意されている。クラスはレベルアップごとにどのクラスレベルを成長させられるかが選べるので、マルチクラスにして複数のクラスの特徴を持ったキャラクタへと育てることもできる。 レベルアップによって成長させられる技能や特技には、魔法関連、肉弾戦関連、罠の解除や特殊攻撃への抵抗などなど、クラスに特化したものから、どのクラスのキャラクタでも習得できるものなど様々なものが用意されている。キャラクタのレベルアップごとに成長ポイントを与えられ、それを好きに割り振って自分が使いたいと思うものを成長させていけるのがポイントだ。膨大な選択肢のうち、何を選んでいいのかライトなRPGに慣れた人間には中々わかりづらいのだが、親切なことに「推奨」というボタンが用意されており、これを押せば、現在のクラスに見合った技能を自動的に選んでもらえる。 キャラクタが成長して強くなるとステータスや特技などがプレイにダイレクトに影響するので、夢中になってゲームを進めてしまい、ボリュームのあるシナリオを進めていくのが苦にならない。次はどんな出来事が待っていて、得た経験値でどういうふうにキャラクタを成長させようかと常にワクワクできるのだ。「ネヴァーウィンター・ナイツ」は、RPGの大事な部分であるキャラクタを成長させる喜びに満ちている。
「Neverwinter Nights」のメニューには「ラジアルメニュー」と呼ばれるリング状のものがある。キャラクタや宝箱、アイテム、敵キャラクタなどを右クリックすると自動的に各種アイコンがリング状に表示され、その中から任意の項目をクリックできるという優れものなのだ。これによって、ありとあらゆるものに対してのアクションを手軽に指示できるようになっている。 また、画面下にあるクイックバーで装備の変更や魔法などへのショートカットを設定することができるため、ラジアルメニューと併用することで、ゲームがとても進めやすい。魔法や特殊攻撃、遠距離近距離攻撃など、戦闘時には様々な行動がとれるゲームなのだが、これらのインタフェースのおかげで煩雑さなしにプレイし続けることができる。
・美しい3Dグラフィック
■ プレーヤー作成のシナリオを遊べるマルチプレイ
また、「ネヴァーウィンター・ナイツ」にはゲームの素材を利用して一からRPGを作成できるツール「オーロラツールセット」が付属しており、これで作成したものでプレーヤー同士が電子版TRPG風にプレイできるというものなのだ。日本語版ではこのツールが完全に日本語化されており、手軽にシナリオ作成にチャレンジできる。 オーロラツールセットはゲーム作成の知識が全くなくとも、それなりなものが作れてしまえるツールだ。モジュール・ウィザードに従っていけば、床タイルや柱などのオブジェクトがすでにセットになっているフィールドを利用して、それなりに見えるものをすぐに作れて楽しい。
モンスターと宝箱のある部屋と通路を繋ぎ合わせていけば簡易ダンジョンが出来上がるし、それを街フィールドとつなげていけば、といった具合にちょっとしたシナリオを手軽に作れる。たとえ開発関係の専門知識がなくとも、ゲームが好きなユーザーであればなんとなくでもシナリオ作成ができるのだ。
「ネヴァーウィンター・ナイツ」は、ユーザー作成のシナリオを多人数で手軽に遊べるマルチプレイ、ボリュームたっぷりのシングルプレイ、そして、自分でゲームが作れるオーロラツールセットによって、一度で三回美味しい内容となっている。 テーブルトークRPGは「どうもルールや数字がとっつきにくくて」といったプレーヤーであっても、ゲーム側が面倒な計算などを肩代わりしてくれるので手軽にTRPG気分を味わえるし、シングルプレイモード自体も、それ単独で発売されても高い評価を受けうる質の高さと内容の濃さだ。なお、英語版では5つの新クラスなどを含む拡張セット「Neverwinter Nights: Shadows of Undrentide」の予定も発表されており、こちらの日本語化にも期待したいところだ。
NEVERWINTER NIGHTS Developed by BioWare Corp. (c) 2002 Infogrames Entertainment, S.A. All Rights Reserved. Manufactured and marketed by Infogrames, Inc., New York, NY. Portions (c) 2002 Bioware Corp. BioWare Aurora Engine copyright 1997-2002 BioWare Corp. All Rights Reserved. BioWare, the BioWare Aurora Engine, and the BioWare Logo are trademarks of BioWare Corp. All Rights Reserved. Neverwinter Nights, Forgotten Realms, the Forgotten Realms logo, Dungeons & Dragons logo, Dungeon Master, D&D, and the Wizards of the Coast logo are trademarks owned by Wizards of the Coast, Inc., a subsidiary of Hasbro, Inc. and are used by Infogrames Entertainment, S.A. under license. All Rights Reserved. Windows and Windows 95/98/2000 are registered trademarks of Microsoft Corporation. All Rights Reserved. The ratings icon is a trademark of the Interactive Digital Software Association. All other trademarks and copyrights are the property of their respective owners.
□セガのホームページ http://sega.jp/ □「Neverwinter Nights 日本語版」の公式ページ http://sega.jp/pc/nwn/ □関連情報 【2002年2月12日】セガ、「Neverwinter Nights 日本語版」先行体験会を開催 開発中のβ版をプレイアブルで出展 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030212/seganwn.htm 【2002年2月12日】セガ、「Neverwinter Nights 日本語版」先行体験会を開催 開発中のβ版をプレイアブルで出展 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030212/seganwn.htm 【2002年1月24日】セガ、「Neverwinter Nights 日本語版」を3月20日に発売 豪華特典満載のコンプリートエディションも同時発売 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030124/nwn.htm 【2002年7月3日】西尾ゆきの海外ゲームレポート「Neverwinter Nights」 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020703/yuki30.htm 【2002年11月5日】セガ、「Neverwinter Nights 日本語版」をAMC 2002で初公開 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20021105/nwn.htm 【2002年12月9日】「Neverwinter Nights」Playable Demo http://game.watch.impress.co.jp/docs/20021209/demo1209.htm (2003年3月19日)
[Reported by 西尾ゆき]
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