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【連載第99回】 あの、おもちゃを徹底レポート




あのベイブレードがラジコンで操作できる! タカラ「RCベイブレード」

「RCベイブレード ドレンシエルV2」 「RCベイブレード ドランザーV2」
発売 タカラ
価格 各3,980円
電源 アルカリ単3電池×2(別売)
発売日 発売中



 玩具店の店頭でこの商品を手にしたとたん、疑問が猛烈に沸いてきた。少年たちに大人気のベイブレードの最新作だ。このアイテムも、今まで同様に品薄になるほどの人気を博していることは知っている。ただ一点不思議に思えるのは、これが「ラジコン」だということだ。今さら説明するまでもないが、ベイブレードはベーゴマを元にしたトイだ。ベーゴマといえば、紐の巻き方や投法を工夫して、いかに強く長く回せるかを競う遊び。いうなれば、手のひらからコマを解き放つまでが勝負どころ。ベーゴマが回転し始めたら、あとはただその行方を見守るだけとなる。

 しかし。このアイテムは、ベーゴマが回転をはじめたらコントローラで操作をするというのだ。「そんなのコマじゃないじゃん!」という読者のツッコミが聞こえてくるようだ。筆者もそう思う。が、パッケージを見つめていると、「そんなことは百も承知。面白ければいい!」というパワーが放たれているのを感じもする。それは子供向けのホビーにおいては、真理。とにかく遊んでみよう!

ドレンシエルV2の本体と専用コントローラ



1台ごとに周波数が割り当てられ、充電時間はわずか80秒

 ベイブレードの醍醐味は、やはり対戦にあるので、「RCベイブレード ドレンシエルV2」と「RCベイブレード ドランザーV2」の2台を購入した。

 ベイブレードは1種類ごとに、旋回方向や戦術が異なっている。パッケージをチェックすると、「RCベイブレード ドレンシエルV2」は「右回転」。そして「バランス」型であることがわかった。片や「RCベイブレード ドランザーV2」は同じく「右回転」でありながら、バトルスタイルは「攻撃」型であった。またそれぞれには、「27MHz」や「45MHz」などと対応する周波数が書かれている。周波数が異なるもの同士であれば、同じ空間でそれぞれの操作を行なうことができるので、対戦が可能になる、というわけだ。

ドランザーV2の本体と専用コントローラ NEOドラゴンワインダー。昔のベーゴマでいえば、紐にあたる


 パッケージには、ベイブレード本体をはじめ、充電と操作を行なうコントロールシューター、そしてベイブレードを回転させるNEOドラゴンワインダーが入っている。

 組み立ての必要はないが、ベイブレードとコントロールシューターにシールを貼る必要がある。このシール、合計で30点程度あり、その量に一瞬“ウヘッ”となりかけるが、ハタと思い直した。そうだ、子供の頃は、シールを貼るのが大好きだった。こんな場合は、いかに美しく貼れるか、夢中になって取り組んだものだった。そんな思い出が懐かしくも蘇ってくると、シールを貼るのがとたんに楽しく感じられた。

シールは、色数が多く、いかにも少年たちに受けそうだ 素の状態にシールを貼ると、こんなにもイメージが変わる


 充電はコントロールシューターで行なう。シューターのフロントカバーを開けると、充電口があり、ここにベイブレードをセットする。

 ベイブレードを発射する仕組みは、これまでのアイテムと同じだ。NEOドラゴンワインダーをコントロールシューターに挿入したあと、ベイブレードもセット。ベイブレードを床に向けて、NEOドラゴンワインダーを引き抜くと、ベイブレードが発射され、急速に回転をはじめる。

コントローラの先端にある充電口にベイブレードをセットすると、アルカリ電池の電力が供給される セッティング第1段階。シューターにベイブレードを取り付ける 第2段階。今度はNEOドラゴンワインダーを差し込む



RC操作で、多彩で高度な戦術が生まれる

 ここでRC操作の仕組みを解説しておこう。ベイブレードを支える軸足は、内蔵されている小型モーターに直結している。つまり、コントロールシューターから発せられた命令を受けて、軸足が回転するのだ。通常の回転とこの小型モーターによる回転が合わることで、通常以上の高速回転を可能にしている。また小型モーターは、逆回転もできる。通常のベイブレードでは、回転する方向は常に一定なのだが、このルールを打ち破る斬新な仕掛けといえる。「ここで勝負!」というタイミングでベイブレードを高速回転させて一気に攻め込んだり、逆回転をさせて相手を弾き飛ばしたり……と多彩な戦い方が楽しめる。

 すべてのセッティングを終えたコントロールシューターから一気にNEOドラゴンワインダーを引き抜く。すかさずベイブレードが発射され、右方向にギュンギュンと猛回転をはじめる。

 コントロールシューターの引き金を引く。これが加速の操作だ。ベイブレードは回転速度をさらに上げ、安定度を増していく。今度は引き金を反対方向に押し上げる。これが逆回転の操作だ。抵抗がかかるため、回転速度は少し落ちるが、瞬時に左回転に切り替わった。

ベイブレードの回転軸。これがさらに回転し、加速や逆回転を生み出す ベイブレードが下にくるように、シューターを構えて、NEOドラゴンワインダーを引くと、急速な回転と共にベイブレードが発射される



専用スタジアムもゲットして、いざ対戦プレイ!

「専用ベイワイドスタジアム」。約30センチの大きさを有している
 対戦を十二分に楽しむべく、別売の「専用ベイワイドスタジアム」も購入した。このスタジアムは、ベイブレードが飛び出すのを防ぐために、透明の保護ガードで囲んで使用する。事務所のスタッフと、それぞれ1台ずつベイブレードを分け合って、対戦にトライしてみた。

 実は筆者、ベイブレードはこれまで何度も遊んだことはあるのだけれど、公式のスタジアムを使うのは今回がはじめて。スタジアムを使うと、難易度と展開が大きく変わることに気づいた。まず、ベイブレードを発射する場合、スタジアムの中に正確に落とすことが必要となる。手元が狂うと、斜めに落下して回転速度が落ちたり、スタジアムの外に落下したり、勝負にならないのだ。

 また、エリアが限定されるので、ベイブレード同士が衝突する確率が増え、大変熱いバトルがくり広げられる。高速回転のまま激突して、片方がスタジアムから飛び出すなんていう激しい攻防もザラに起きる。

 苦笑させれられたのが、シールだ。ベイブレード同士が激突する衝撃で、はがれてしまうのだ。貼るときによく本体に押し付けておくなどの工夫をしておけば、この現象は起きないようだが、ベイブレードのパワーにあらためて驚かされた次第だ。

【ムービー】
1.36MB
RCベイブレードの発射から加速、逆回転まで
【ムービー】
1.08MB
RCベイブレード同士の対戦


 対戦を重ねていくうちに、ベイブレードのRC化は必然だった、と実感できた。RC操作を行なうことで、さまざまなテクニックが生み出されるのだ。急回転、逆回転はもちろんのこと、コントロールシューターから放たれる前からベイブレードを急回転させて一気に勝負に出たり、小刻みに加速をくり返すことでベイブレードを大回りさせて持久戦に持ち込んだり、あるいは加速から逆回転、また加速と操作をチェンジすることでベイレードを8の字に移動させたり、多彩かつ複雑な戦術が可能になるのだ。

 「感想は?」と聞かれたら、「面白い」とひと言だけ答えたい。今回のアイテムがそうであるように、さらなる面白さを求めて進化していくのなら、ベイブレードの人気はまだまだ続くだろう。

(C)青木たかお・BB2プロジェクト・テレビ東京
(C)TAKARA 2002

□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□「ベイブレード」のページ
http://www.takaratoys.co.jp/bey/


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(2003年2月6日)

[Reported by 元宮秀介]


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