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【連載第87回】 あの、おもちゃを徹底レポート




インターネットから曲をダウンロードできるハンディカラオケ
バンダイ「カラオケステーション」

バンダイ「カラオケステーション」
発売 バンダイ
価格 9,800円 (1曲/125円、10曲/1,000円)
電源 アルカリ単3電池×4
対応OS Windows 98SE/ME/2000/XP
発売日 発売中



インターネットで曲データを購入する

 タカラの「e-kara (イ-カラ)」が独占しているハンディカラオケ市場に、バンダイが切り込んだ! これはトイファンとしては興味をそそられるトピックスだ。

 念のために説明しておくと、ハンディカラオケとは、新感覚の家庭用カラオケ機器のこと。マイク大の本体にCPUを内蔵。AVケーブルでテレビと接続すれば、音楽と映像が再生され、カラオケを楽しむことができる、というものだ。カラオケボックスの雰囲気を家庭でも味わうことができるようにしたところが受けに受け、ヒットを記録しているのだ。

 タカラの「e-kara」は、新曲をカセットメディアで販売するという方法を選択したが、後発となるバンダイの「カラオケステーション」はインターネットで供給する手段をとった。利用するためにはパソコンが必要となるため、カセットメディアを使用した場合よりも敷居がググッと上がるが、便利なのはインターネットの方だろう。カラオケボックスの再限度、そして使い勝手を中心にチェックしてみよう。

本体の高さは23センチ、重量は280g 操作パネルはゲーム機のスタイルなので、マニュアルは不要



本体はゲーム機風のインターフェース

 本体の第一印象は、シルバーに統一され、なかなかクール。マイクと音声、映像再生機能、そして操作パネルと、さまざまな機能を兼ねているにも関わらず、意外と小さい。手のひらで握ると、大き目の電気シェーバーのようだ。手のひらで握る箇所には、滑り止め防止のグリップが設けられ、手にしっくりとなじむ。

 本体の中央には、曲の詮索などの各種操作を行なう操作キー、そして決定ボタンがある。右側面には電源とボリュームのダイヤルがあり、親指で操作できるようになっている。

 本体の底面は、4種類の端子が付いている。ひとつはACアダプター用の端子。ふたつめはデュエット用のマイクを接続する端子。これは今後別売される予定で、最大5台までの増設が可能、だという。TVと書かれた端子には、付属のAVケーブルを差し込み、本体とテレビを接続する。4つめのUSB端子は、本体とPCを接続し、ダウンロード購入した曲データを本体に送る役目を担っている。

 気になる曲データの価格は、1曲125円。初期費用や月額利用料は一切かからない。ちなみに10曲では少しディスカウントされ1,000円となる。

専用ソフトで曲のダウンロードと転送を行なう 公式サイト。人気曲ランキングなどの企画もある



ADSLなら1曲のダウンロードがたったの1秒!

 本体とPCを接続する方法は、ドライバーをインストールし、本体をPCに認識させて……と、USB機器をセッティングするのとまったく同じ手順。「本当にカラオケなのかな?」と違和感を少し感じる。専用ソフトを起動して、公式サイトにアクセス。これで準備は完了だ。

 公式サイトでは、まず目当ての曲を検索する。ジャンルは「J-POP」、「演歌」、「アニメ」、「CM ドラマ 映画」、「デュエット」、「洋楽」があり、ジャンルわけの方法も並び順もいかにもカラオケ……という感じがする。発売年や歌手名での検索も可能だ。現在は約4,000曲がストックされており、2003年3月末には10,000曲になる予定だという。

 ポール・マッカトニーの東京ドーム公演にいたく感動させられたこともあり、筆者は「ビートルズ」で検索。お気に入りの曲、数タイトルにチェックを入れて、買い物カゴで確認。あとは決済……という流れは、著名なショッピングサイトとほぼ同じ。ネットショッピングがはじめての人でも、そうそう迷うことはなさそうだ。決済は、クレジットカードとウェブマネーの2通りが用意されている。クレジットカードを持たないユーザーや持てないユーザーへの配慮も感じられ好印象だ。

 曲のダウンロードにかかる時間は、ほんの一瞬。一瞬というのは少々大げさだとしても、10秒はかかっていない。「ADSLなら1曲1秒程度」と公式リリースにも堂々とうたわれているほどなので、その速さがおわかりいただけると思う。「これなら次の曲も買ってみよう」と、思わせる手軽さだ。

曲の数は4000種類。もっと増えてほしい 購入手順はオーソドックスなスタイル



カラオケボックスさながらの雰囲気に酔える!

 本体とテレビをAVケーブルで接続し、双方の電源をオンにする。「カラオケステーション」という起動ロゴが表示されたあと、曲の選択画面が表示される。歌いたい曲にカーソルを合わせて、本体のENTERボタンを押せば、再生開始だ。

 「ほほっ~」と思わず感心の声が上がる。音楽の再生と同時に、テレビに映像が映し出されるのだが、これがカラオケボックスのまんま。バックの静止画の雰囲気、使用されているフォント(文字の種類)、歌詞が表示されるタイミングなど、すべてがそっくりに見えるのだ。これは豪華な気分になれる。難を言えば、バックに映し出されるのが映像ではなく、静止画であるところが気になる程度か。

 音質は、テレビとカラオケ施設のものではスピーカーの性能に大きな格差があるため、なんとも判断しかねるが、テレビに内蔵されているもののグレードが高ければ、かなり近い音になるのでは? と想像できる。

 ボイス機能も充実している。歌を歌いながら、以下の機能が利用可能になっている。

  • デュエット……ひとりの声をふたり分の声に増幅
  • メロディ……主旋律演奏をオン/オフできる。オンにすればあまりくわしくない歌でも歌える
  • エコー……お風呂、ホール、スタジオなどさまざまなエコーをかけることができる
  • ボイスチェンジ……歌声をリアルタイムに男性/女性/アヒルの声に変える
  • アシスト……音程を外しても自動的に調整してくれる

 ほかにもキーやテンポの調整、あるいは採点など、カラオケに「付き物」の機能はすべて用意されている。

起動ロゴ。本体には約50曲分のデータをストックできる 曲の選択。最初からJ-POPの3曲が収録されている
バックは静止画だが、あるとないとでは雰囲気がまるで違う (間奏)の表示もそのまんま!


 正直にいえば、筆者はこの「カラオケステーション」を遊ぶ前までは、「家でカラオケをして楽しいのだろうか?」といぶかしんでいた。カラオケボックスやスナックの方が、大きな音を出せるし、大勢と楽しむことができるではないか! と。ところがそれがカラオケの楽しみの一部にしかすぎないことをいたく実感させられた。

 ひとりで歌うのも楽しいものなのですね。何しろ、他人が聞いているという緊張感がないから、気楽にのびのびと歌える。選曲に凝る必要もない。キーが合わなかったりして、選ぶのにためらいを感じていたような歌でも、チャレンジできる。「これは仕事なのだから」と自分に言い聞かせていたのもつかの間。どんどん気持ちよくなってきて、曲数を重ねて、あげくのはてには冷蔵庫からビールを取り出してしまいました。いやあ、楽しいものです。

 今後も「デュエットマイク」をはじめ、100曲分のデータを記録できる「フラッシュカートリッジ」やACアダプター、さらには専用の歌本など、多数の関連商品の発売が予定されている。

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□「カラオケステーション」のホームページ
http://www.karaokestation.net/


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(2002年11月14日)

[Reported by 元宮秀介]


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