先に発売されたPS2版が200万本という絶大な販売本数を記録した、スケートボードゲームのシリーズ最新作「Tony Hawk's Pro Skater3」。日本でも街中でスケートボードの練習をしている人を見かけることはあるが、スケボーのゲームが馬鹿売れしているという話は聞いたことがない。アメリカの人々を虜にしているこのシリーズには、どんな魅力が隠されているのだろうか? |
■ プロスケーターとなって滑るアクションゲーム
「Tony Hawk Pro Skater3」は、オリジナルスケーターや実在の有名プロスケーターを操作して、スケートボードで様々なステージを疾走するスポーツゲームだ。ジャンプしたりレールの上をバランスをとりながら滑ったりと、各種のアクションをタイミングよく繰り出す事で、トリックを決めながらステージ内のありとあらゆるところを滑っていけるという爽快感あふれるアクションゲームである。
ステージ内を滑りながら高得点を得たり、隠されていたシークレットアイテムを取ったり、「どこそこの場所を通り抜けろ」といったようなステージクリア条件を満たして新しいステージに進むのがゲームの目的となる。ステージクリア条件を満たせば満たすほど新しいステージが増えていき、コンピュータキャラクタとの試合に挑んだり、隠しムービーや隠しキャラなども見つけられるようになる。
プレーヤーは、ジャンプやグラインド、グラブなどのアクションボタンと移動キーを組み合わせて押す事で色々なトリック(技)が出せ、連続してトリックを出せばコンボが決まって高得点を得ることができる。たとえば、ジャンプで飛んでいる最中に←+グラブボタンを同時に押すと“Melon”というトリックが、→+キックで“Heelflip”というトリックが炸裂し、得点が入る。また、壁に沿って走りながらオーリー(ジャンプ)ボタンを押し、すかさずグラインドボタンを押すと“Wall Ride”という壁面を走るトリックになる。こういった数々の単発のトリックを、自分が好きなように素早く続けて行なう事でコンボが発生し高得点が得られるのだ。
「ジャンプを押してすかさず↑グラブボタン、滑り降りたら間髪いれずにジャンプで手すりの上に乗ってグラインド」といったコマンド入力での忙しさと、プレーヤーの視界が前へ前へと進んでいくスピード感、自分が決めたトリックの鮮やかさ、そして制限時間内にクリア条件を満たそうとする焦りがゲームに引き込まれるポイントになっている。コンシューマライクにゲームパッドで遊ぶと、プレイする手の動きとそして画面内の動きが一体となって、素晴らしいプレイ感を得られるので、ぜひともパッドを使ってほしい。
ロサンゼルスステージを駆け抜ける。街中には跳んだり引っ掛けたりできるポイントが満載 | 時には空港がステージになる事も。動く歩道の真ん中を突っ走るのが痛快だ | 街中では、停まっている車だって利用できる。走行中の車はぶつかるのでさすがに危険 |
オリジナルキャラ以外にも、実在のプロスケーターを操作できる。画面はSteve Caballero | 見よ! このジャンプ。空中で一瞬止まった時の浮遊感がたまらない | マニュアルには技表がないので、自分でトリックを探る楽しみもある |
ゲーム中で使用するオリジナルスケーターを作れる。外見はシャツから靴下まで自由自在 | ゲームが進めば、お遊びたっぷりの隠しキャラや隠しステージが明らかになる | ステージ内に隠されているデッキ(スケートボードの板)を手に入れると、自分で使用できるようになる |
■ 基本となる4つのアクション
ゲームには基本となるアクションが4つあり、このアクションボタンと上下左右を組み合わせる事で、様々なトリックができるようになっている。トリックは難易度によって得点が異なり、ステージ内の特定のポイントではボーナスがつくこともある。
・ジャンプ/オーリー Jump/Ollie デッキ(スケートボードの板)ごとジャンプする他、平らな場所からレールや塀などにジャンプして上がる時や障害物を越えるときなどにも使う。また、ランプ(樽の内側のような曲面がある場所)などでは、一番高いとこまで上がる直前にジャンプボタンを押す事で、さらに高い位置まで飛べる |
・グラインド Grind レールや塀などのそばでジャンプした後にグラインドボタンを押すと、その上にデッキを引っ掛けて滑れる。また、リップ(ランプのへり)でリップトリックを決める事ができる。グラインドボタンを使ったトリックではバランスメーターが表示され、上下左右キーでリアルタイムに調整しなくてはならない |
・グラブ Grab デッキを手でつかむアクション。キックも同様だが、グラブを使ったトリックを連続でする場合は高いジャンプが必要だ。ランプなどで、ぐいーんとジャンプした瞬間に上下左右キーのどれかとグラブボタンを押すと、さまざまなトリックを決められる |
・グラブ Grab デッキの前か後ろを蹴るアクション。グラブボタンと対を成している。こちらもジャンプした瞬間に上下左右キーのどれかと組み合わせる事で様々なトリックに発展する。初期キャラクタではジャンプ力が足らず、平らな場所では決めにくい |
■ キャリアモードで続々と新しいステージにチャレンジする
ゲームのメインとなっているのは“キャリア”モードで、プレーヤーがプロスケーターとなって様々なステージをクリアしていくというもの。キャリアモードには、様々なクリア条件が設定された通常ステージと、点数の高さ(つまりトリックやコンボ)を競う試合ステージの2種類がある。
通常ステージでは、制限時間内に「3万点を取る」とか「ステージ内に浮かんでいるSKATEの文字を集める」といったクリア条件をこなすことになり、繰り返しステージを遊んでいくつかの条件を達成していけば、次のステージをプレイできるようになる。ステージ内にはクリア条件に必要なもの以外にも、隠しデッキやキャラクタのステータスアップアイテムがあり、これらを集めるのにも夢中になってしまう。
・工場 溶鉱炉が危険な工場内部 |
・カナダ 雪が残るカナダステージ。コンクリートのパークと木や水に囲まれた自然いっぱいのパークで構成されている |
・リオ 海沿いの街の風景がさわやかなリオ。ステージをぐるりと取り巻く道路とガードレールでコンボを出しやすい |
・郊外住宅地 ちょっとオシャレな住宅から、やや雑然としたエリアまである郊外住宅地。人の家にも滑り込める |
・空港 人もまばらな朝の空港を、セキュリティチェックもなんのその、やりたい放題に滑れる気持ちのいいステージ |
・スケーターアイランド 設備の整ったパークでのコンペティションステージ。まんべんなくトリックが決められないと高得点は難しい |
・ロサンゼルス なぜかビルの合間にハリウッドの文字がある謎のロサンゼルス。ダウンタウンを滑りぬけられる |
・トーキョー 狙っているかのような“勘違い日本”満載の異空間。かなり難易度の高いステージになっている |
・豪華客船 これまでとはうって変わったすがすがしいステージ。一歩間違えれば海に落ちてしまうスリルが味わえる |
■ ゲームとして抜群に楽しめるスポーツアクションゲーム
とにかく、前へ前へとどんどん進むデッキに乗って滑りまくるのが気持ちのいいゲームだ。広々としたステージ内をジャンプやグラインドなどを駆使して縦横無尽に滑っていく間、画面内の風景も前へ前へ進んでいき、その滑走感と気持ちよさがたまらない。ついつい無心になって滑ってしまった。また、コマンドを入力して決める各種トリックだが、そこでポーズをとって停止するのではなく、いずれも動的なためプレイ中は常に体が動いているような感覚を覚えた。
プレイする前にちょっと不安だったのは、スケートボードのことを何も知らない人間でも楽しめるのかということ。結論から言うと全く問題なかった。アクションゲームとして夢中になれたのはもちろん、スケートボード自体にも興味がわいてしまうくらい、爽快なプレイを楽しめた。気になる専門用語などもチュートリアルがあるので、これまた問題なし。チュートリアルではスケートボードの基本的なトリック(技)やゲームを進める上で必要なテクニックなどがきちんと学べ、用語も何一つ知らない状態の人間でもすんなりとスケートボードゲームの世界に入る事ができる。
唯一、気になったのは、これまでどんなFPSだろうが3Dアクションだろうが3D酔いをしたことがない筆者が、このゲームを根を詰めて1時間プレイしたところ、かなり気分が悪くなってしまったこと。FPSには酔わないが車には酔うといった三半規管にやや自信のない人は、こまめに休憩を取りながらプレイすることをお勧めしておきたい。だが、酔いやすいということは、それだけこのゲームのビュンビュンなスピード感と、跳び上がった時の爽快感、浮遊感が素晴らしいということ。自分まで画面の中を疾走している気にさせてくれるアクションゲームだ。
ステージ内の特殊な場所でトリックが決まった場合は青字で場所の名前が表示される | コンボがうまく決まった瞬間は心の中でガッツポーズ。高得点にはコンボ連発が必要 | 3回滑った結果で順位が決まるコンペティション。中々、強敵ぞろいだ |
スケートパークを自作するツールもメニューに用意されている。もちろん自分でも滑れる | チュートリアルでは、基本的なトリックを項目別に丁寧に学習できる | キャリアモードのステージ選択画面。ステージクリア条件を満たすと、次のステージのロックが解除される |
遊び心がいっぱいのため、こんなおふざけ要素もあり。特にキャラ作成ではかなり奇天烈な見た目にできる |
(c)1999-2002 Activision, Inc. and it's affiliates. Pubilished and distributed by Activision Publishing, Inc. Activision is a registerd trademark and Activision O2 , Tony Hawk's Pro Skater and Pro Sketer are trademarks of Activision, Inc. and it's affiliates. All rights reserved. Tony Hwak is a trademark of Tony Hwak. Developed by Gearbox Software, L.L.C. All oter trademarks and trade names are the property of their respective owners Legal.
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■ 今週の気になる直輸入ソフト
今週は待ちに待った「Dungeon Siege」、「Might&Magic IX」と、「Heroes of Might&Magic IV」といったビッグタイトルが店頭に並んでいた。ファン待望の拡張セット「Tom Clancy's Ghost Recon: Desert Siege(3,750円)」は各店舗でやや品薄状態だった他、OVER TOPではラグナロックオンラインの原作漫画が9巻のうち5巻が抜けた状態で1セット7,620円で販売されていた。
その他のタイトルでは、第2次世界大戦を舞台にしたフライトコンバット「Jane's Attack Squadron(7,980円)」、ドワーフ達に色々な行動を教え込みながらゲームを進めるRTS「Diggles(6981円~7750円)」、様々な武器を使ってミミズ同士が殺しあうアクション対戦ゲームの最新作「Worms Blast(5,130円)」、3月15日に発売された三国志RTS「フェイトオブドラゴン~赤壁の戦い」の英語版「Dragon Throne(4,972円)」、フル3Dで描かれた派手なRTS「Dark Planet(7,600円)」などが並んでいた。
自キャラや仲間のNPCを操りながら、広大な王国を旅するRPG。全てがフル3Dで描かれた美しい世界が特徴で、キャラクタの育成が思う存分楽しめ、大量にアイテムの種類がありながらも初心者でも遊びやすいゲームシステムとが嬉しいRPGだ。マルチプレイにも対応しており、5月17日には完全日本語版も発売される。
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シングルプレイ専用の人気RPGシリーズ「Might&Magic」の最新作。6、7、8と代わり映えがなかったゲームエンジンだったが、今回はグラフィックともども一新されている。やりこみがいのあるクエスト満載のゲームシステムとキャラクタの成長が楽しめるクラスチェンジシステムが、またRPGファンを楽しませてくれそうだ。
(c) 2002 The 3DO Company. All Rights Reserved. 3DO, Might and Magic, New World Computing, and their respective logos, are trademarks or registered trademarks of The 3DO Company in the U.S. and other countries. All other trademarks belong to their respective owners. New World Computing is a division of The 3DO Company.
ヒーロー率いる小部隊を操作して、フィールド内の資源を手に入れながら敵勢力と戦っていく、ターン制のファンタジーストラテジー。とっつきにくかったゲームシステムについては、チュートリアルがついたりと初めてHoMMシリーズに触れる人でも遊びやすいように工夫されている。フィールドや戦闘画面は斜め見下ろしの3Dになっている。
(c) 2001 The 3DO Company. All Rights Reserved.
スピンオフ作品の「Soul Reaver」シリーズを生んだ、吸血鬼ケインを主人公としたRPGの最新作。ケインは力のある吸血鬼であり、善側での主人公になることが多い既存のRPGとはかなり雰囲気が異なる世界観だ。前作とはがらりと変わって三人称視点のアクションRPGとなり、よりSoul Reaverシリーズに近づいている。
(c)2002 Crystal Dynamics, Inc. Blood Omen, Crystal Dynamics and the Crystal Dynamics logo are trademarks of Crystal Dynamics, Inc. Eidos, Eidos Interactive and the Eidos Interactive logo are trademarks of the Eidos groupe of companies. All rights reserved.
(2001年4月10日)
[Reported by 西尾ゆき]
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