「サイコブレイク」、3本のDLCレビュー
サイコブレイク
2017年9月4日 19:43
大怪物対決! キーパーとなって戦う「ザ・エクセキューショナー」
「ザ・エクセキューショナー」
2015年4月22日配信
価格:1,000円(税別)
「ザ・エクセキューショナー」は本編とも、先行の2つのDLCとも全く異なるコンテンツ。「サイコブレイク」で人気の高かった金庫の頭をした怪物「キーパー」となって、他のクリーチャーどもをその金槌で粉々にすることができるコンテンツである。
物語は「サイコブレイク2」までの空白期間で展開する。メビウスはSTEMでの研究を繰り返していた。実験中、被験者達の精神がSTEMから戻らなくなってしまった。主人公である“男”は娘の精神を救い出すため、他の被験者達を殺さなくてはならないというのだ。他の被験者はすでにSTEMによって怪物になってしまっている。男もまた、キーパーとなって他の被験者と戦いを繰り広げていくのだ。
ゲームはステージ制といえる構造になっており、1人のボスを倒すと次のボスへのルートが開放されるという形だ。本作ではキーパーとしての能力、金槌を使っての攻撃や、有刺鉄線をばらまくトラップを活用し敵と戦っていくこととなる。敵も本編で登場した怪物達だ。「サイコブレイク」ファンにはグッとくる、「怪物vs怪物」の戦いが展開していくこととなる。
キーパーであるプレーヤーにとって一般的な敵「ホーンテッド」はザコである。金槌で滅多打ちにしてふらふらになったところをフィニッシュ攻撃を決めたり、掴んで他の敵に投げつけるなどやりたい放題だ。フィニッシュ攻撃は視点が変わり、キーパーがホーンテッドの頭を踏みつけたり、ズタ袋でたたきつぶしたり、壁に叩きつけたり……。これまでの鬱憤を晴らすかのような無慈悲な攻撃で葬ることができる。
ボスは強力である。最初の敵からチェーンソーを使う「サディスト」である。正面から殴って力押しだけでは勝てない。敵の攻撃をかわすなど工夫が必要だ。ボスはどんどん強力になってくる。どう戦うかを工夫していく必要がある。
敵を倒すことでキーパーは「コイン」を入手できる。このコインを使うことでキーパーの能力をアップグレードできる。攻撃力を上げたり、体力を増やすだけでなく、敵の武器を使うことも出来るようになる。コインを稼ぐためにずっと敵と戦えるステージも用意されているので、パワーアップをくり返し充実した戦力で次に向かうことが可能だ。
強力なボス達。怪物vs怪物の戦いを繰り広げろ!
「ザ・エクセキューショナー」のボスは強敵揃いだ。本編でも敵となってしまうセバスチャンの部下「ジョセフ」は本作でも敵として登場する。素早い動きで攻撃してくる上火炎瓶まで持っている。
彼にはトラップが有効だ。キーパーならではの踏むと有刺鉄線が飛び出し敵に絡みつき動きを封じるトラップ。このトラップにかかると敵は身動きがとれなくなってしまう。もがいてる敵にガッツン、ガッツン金槌を振り下ろすのは独特の爽快感がある。
巨大な体躯を持つ「ツェーン」は、モリを連続発射するガトリングガンのような武器で立ち向かう。ステージにいくつか設置されているのだが、ホーンテッドが際限なく沸いてくるのでうまく使うのが難しい。しかも次弾装填にはかなりの時間がかかるのだ。
ツェーンは足が遅いが、ホーンテッドと戦っていると近づかれてしまうこともしばしば。彼が振り回す棍棒は非常に強力で、当たるとかなりの体力が削られてしまう。一方でうまくモリを当てることができればツェーンは片膝をつく。この時は大ダメージを与えるチャンスなのだ。怪物同士の激しい戦いを満喫できるバトルである。
「ザ・エクセキューショナー」は怪物になりきれるDLCである。「サイコブレイク」はSTEMに取り込まれ、狂気と怨念から怪物化した存在からひたすら逃げ、そして戦う作品だ。しかし、本作では怪物となり他の怪物と戦いを繰り広げていく。本編もSTEMの狂気の世界に取り込まれそうな怖さのある作品だったが、「ザ・エクセキューショナー」はそこから一歩進んで、自分が怪物になりそうな恐怖を感じる。
……そして、娘は無事なのだろうか?この狂気の世界で娘が正気を保てるとは思えない。物語の果てにどんな結末が待っているのか、ぜひ確かめて欲しい。そして、「娘を救うためにSTEMに入る」、というテーマは「サイコブレイク2」と同じテーマである。セバスチャンのたどる物語に、本DLCがどのように影響するかも気になるところだ。
「ザ・アサインメント」、「ザ・コンセクエンス」、「ザ・エクセキューショナー」。3本のDLCは「サイコブレイク」と「サイコブレイク2」を繋ぐ物語である。もちろんこれらをプレイしなくても「サイコブレイク2」は楽しめると思うが、足の先から頭のてっぺんまで、この世界に浸りたい、という人にはやはり強くオススメしたいコンテンツである。難易度を上げよりゲームとして楽しむ方向ももちろんアリだ。「サイコブレイク2」発売までおよそ1カ月半、それまでの“飢え”をこれらのコンテンツで癒やすのはどうだろうか?
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