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巨大な交通ジオラマを眺める楽しさ。「Transport Fever 3」試遊&デモレポート【TGS2026】

馬車から飛行機、ヘリまでも。交通網を整備し発展させる輸送シミュレーション

【Transport Fever 3】
9月29日 発売予定
価格:6,990円より

 Urban Gamesが開発する輸送シミュレーション「Transport Fever 3」が、PC、プレイステーション 5、Xbox Series X|S向けに9月29日に発売される。価格はSteam版が6,990円、PS5版が7,920円、Xbox Series X|S版が7,000円。

 本作は、道路や線路、駅などを建設して人や貨物を運び、都市や産業を発展させていく「Transport Fever」シリーズの最新作だ。収録車両は275種類以上。馬車や蒸気機関車が活躍する時代から、高速鉄道、飛行機、ヘリコプターなどが行き交う現代まで、125年以上にわたる交通の歴史を楽しめる。

 東京ゲームショウ2026の会期中に行なわれたメディア向け試遊では、PC版をマウスとキーボードで約30分体験した。ニューオーリンズを舞台とするキャンペーン序盤を自分で操作したほか、すでに発展したサンドボックスを開発者の説明とともに見学した。

 本稿では、実際に道路を敷き、車両を走らせるまでの流れと、さまざまな乗り物が同じマップで動く本作の魅力を紹介する。

【Transport Fever 3 - Tycoon Gameplay Overview】

ストーリー仕立てのキャンペーンで、道路と馬車の扱いを学ぶ

 「Transport Fever 3」には、キャンペーン、タイクーン、サンドボックスの3モードが用意されている。今回最初にプレイしたのは、ニューオーリンズを舞台とするキャンペーンの冒頭部分だ。その土地と時代に合わせた物語を進めながら、道路の敷設や施設の設置、車両の購入といった基本操作を順番に覚えられる内容になっていた。

 序盤の目的は、建設中のホテルへ必要な物資を届けること。まず道路を敷き、馬車を購入するための車庫を建て、目的地まで物資を運ぶ。操作する場所は画面上で強調され、次に何をすればよいのかも文章で案内されるため、シリーズ未経験でも作業の流れを追いやすかった。

馬車が行き交うニューオーリンズの街。建物や住民、車両のデザインも時代に合わせて変化する

 道路の建設は、始点と終点を指定して経路を引く分かりやすい方式。ただし、車両を走らせるには停留所だけでなく、車庫の建設や路線への車両の割り当ても必要になる。本作ならではの手順があるため、チュートリアルを飛ばして自由度の高いサンドボックスから始めると、最初は迷うかもしれない。キャンペーンは、ストーリーを進めながら遊び方を覚えるのに向いていそうだ。

公式プレス素材では、ニューオーリンズを象徴するマルディグラの様子も確認できる

自分で作った路線を車両が走り始める。その瞬間が素直にうれしい

 キャンペーンの後は、ある程度開発されたサンドボックスを使ったデモへ移った。こちらでは、停留所と車庫を設置して車両を購入し、路線へ割り当てるところまで操作した。購入候補となる車両には定員や価格などの違いがあり、同じ道路輸送でも、予算や需要に応じて何を走らせるかを選ぶ必要がある。

 準備を終えると、車庫から出てきた車両が設定した経路を走り、停留所では住民が乗り降りする。今回作ったのは小さな街の中を走る小規模な路線だったが、それでも自分で引いた道路や置いた施設がつながり、そこを車両が走り始めるのは素直にうれしかった。自分が作った路線によって人や物が動き始める様子を見られることが、本作の気持ちよさにつながっている。

 また、走行中の車両を選ぶと、運転席付近から前方を眺める視点にも切り替えられる。右クリックしながらマウスを動かせば周囲を見渡すこともでき、上から見ているだけでは分かりにくい建物の高さや街並みの密度も伝わってきた。自分が街の中を実際に走っているような感覚で景色を眺められるのも面白い。

車両が設定したルートを走っていくのを見るだけでも面白い

街の成長とともに、公害や渋滞への対処も必要になる

街が成長すれば交通量も増加するという。道路や交差点をどのように設計するかが重要になりそうだ

 本作では人を目的地へ運ぶだけでなく、産業が求める貨物を届けることでも街が成長していく。今回の短い試遊では都市が大きく変化するところまでは確認できなかったが、プレーヤーが手を加えていない場所に、新たな産業施設が建ったことを知らせる通知が表示された。新しい施設ができれば、必要な物資を運ぶために道路や路線を伸ばすことになるようだ。

 一方で、交通施設は便利なだけではない。車庫などは公害の発生源にもなり、住民が多い地域に置くと満足度が下がるという。そのため、住宅地から離れた場所へ建てるなど、街のどこに置くかも考える必要がある。

 開発者の説明によれば、都市が成長するにつれて渋滞、騒音、公害、住民の満足度など、考えなければならないことも増えていく。道路には複数の種類があり、騒音を抑える防音壁付きの道路や高速道路など、速度や交通量に応じた選択肢が用意されている。

 線路も架線のあるものとないものがあり、値段だけでなく、走らせられる列車も変わってくる。そのため、どこでも同じ設備を使えばよいわけではない。限られた資金の中で街への影響や輸送量を見ながら、どの道路や線路を使うか決めていくことが、本作の楽しさのひとつになりそうだ。

 なお、公式サイトによると、本作には35種類以上の産業が登場し、倉庫や貨物に特化したターミナル、積み込みと荷下ろしを細かく設定する仕組みも用意されている。今回は貨物網を自分で作るところまで進めなかったものの、どの物資をどこへ運ぶか、ほかの路線を邪魔しないようにどうつなぐかも、ゲームが進むほど大切になりそうだ。

貨物輸送に対応したトラム。人だけでなく、さまざまな物資の流れを整えることも重要となる

馬車から飛行機まで、同じ世界を行き交う乗り物を眺めたい

飛行機やヘリコプターに加え、空港の背後には鉄道も確認できる

 デモで特に印象に残ったのは、カメラを引いて発展したマップ全体を眺めたときの光景だった。道路では自動車やバスが行き交い、線路を列車が走り、その上空を飛行機やヘリコプターが横切る。さらに水上では船が航行しており、これだけ多くの乗り物が同じマップで同時に動いていた。

 その様子には、鉄道模型やジオラマを眺めるような楽しさがあった。しかも、目の前にある路線や施設は、最終的には自分で配置し、組み合わせるものだ。どうつなげば効率よく人や物を運べるのかを考えつつ、完成した街をじっくり眺められる。この両方を楽しめるのが、本作の魅力だろう。

新たな気候帯として亜寒帯も登場。地形や産業に合わせて輸送網を作っていく

 また、輸送手段や街の姿は年代に合わせて変わっていく。序盤は馬車などが中心となるが、時代が進めば現代的な空港や高速鉄道も作れるようになる。ひとつのマップを長く遊びながら、街と乗り物が少しずつ変わっていく様子を見るのも楽しそうだ。

 ゲーム内にはMODブラウザもあり、ユーザーが制作した車両、建物、インフラなどを追加できる。デモでは日本で見覚えのあるデザインの車両も確認できた。時代や地域をそろえて現実に近い街を作るだけでなく、世界各地の乗り物を混ぜた自分好みの街も作れそうだ。

雨に包まれた街。天候や時間帯によって、自分で発展させた都市の表情も変化する

限られた試遊でも見えた、輸送に特化して街を育てる面白さ

 今回はキャンペーン序盤の試遊と、開発済みのサンドボックスを使ったデモの見学が中心だったため、収支の管理や渋滞の解消、入り組んだ貨物路線の調整といった中盤以降の遊びまでは体験できなかった。それでも、道路と停留所を置き、自分で作った路線を車両が走るという基本的な面白さは味わえた。

 次にじっくり遊ぶなら、馬車が主役となる時代から始め、新しい乗り物や設備を増やしながら、街がどのように変わっていくのかを見届けたい。本作の基本となるのは、建物をひとつずつ置いて街を作るのではなく、人と物を運ぶことで街の成長を促す遊びだ。自分で作った路線が、街の発展にどのような影響を与えるのかも気になるところだ。

 街づくりゲームが好きな人はもちろん、自分で路線を考え、そこを乗り物が走る様子を眺めたい人にも注目してほしい作品だ。