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「カービィのエアライダー」おためしライド体験レポート。身体は「シティトライアル」を求める

【カービィのエアライダー】
11月20日 発売予定
価格:
ダウンロード版 7,980円(税込)
パッケージ版 8,980円(税込)

 11月20日に発売予定のNintendo Switch 2用アクションレースゲーム「カービィのエアライダー」。本作は「星のカービィ」シリーズのレースゲームとして開発された「カービィのエアライド」の続編として、22年ぶりに発売されるタイトルだ。

 「星のカービィ」シリーズを手掛けた桜井政博氏がディレクターを務め、桜井氏が代表を務めるソラとバンダイナムコスタジオの共同開発となっている。

 「カービィのエアライド」から22年ぶりの続編ということもあり、4月2日に配信された「Nintendo Direct」にて発表された時から、シリーズのファンはもちろんのこと、ファンの熱い反応を見たシリーズ未プレイの人たちまでもを巻き込み、大きな期待が寄せられている作品だ。

 そんな本作のオンライン体験会となる「おためしライド」が11月8日~11月10日に開催された。

 本稿では、この「おためしライド」のプレイレビューをお届けする。

【カービィのエアライダー Direct 2025.8.19】

まずは「教習所」へアクセスしよう

 「おためしライド」では、体験会開催前から「教習所」が解放されている。この教習所で基本の操作についてひと通りのことを学べるので、まずはこちらからプレイしていこう。

 まずは基本編。コースに敷かれたラインの上を走ってみる、カーブを曲がってみる、マシンのブレーキのかけ方(プッシュ)、チャージダッシュの仕方など、操作の本当に初歩の初歩から学べる。

最初は初歩的なところからスタートするので、ひとつずつゆっくりクリアしていこう
プレイ前に動画できちんと説明が入るのでわかりやすい
まずは基本編をクリア!

 シティトライアル編では、コンテナを壊してアイテムを手に入れる方法、空きマシンに乗り換える方法、ライバルを吹き飛ばしてマシンを奪う方法などを学ぶ。

コンテナはLスティックを左右にガチャガチャすることでマシンがスピンするので、そのスピンを当てて壊す。最初のうちはマシンの自動走行に左右されてなかなか上手くいかなかったりするが、コツをつかんでくれば2~3回スピンを当てて壊せるようになってくる
マシンの乗り降りは、空車に近づいてロックオンしてYボタン
弱っているライバルのマシンもYボタンでロックオンすれば、ライバルを吹き飛ばしてマシンを奪うことができる
耐久力が高いマシンは奪えないので、攻撃して弱らせる必要がある

 コピー能力編では、近接コピー、射撃コピー、ためるコピーについて学べる。様々な攻撃手段についてはこの項目で学ぼう。

近接コピーは「ソード」などがある。敵に近づくだけで自動的に攻撃してくれるので、特に攻撃ボタンなどはない
ためるコピーではボムなどを投げて敵を攻撃できる。ただし爆風に自分も巻き込まれるので、注意が必要だ

 さらなる細かい操作が学べる応用編も用意されており、教習所をプレイすれば本作の基本はすべて押さえられる。

敵を倒すと小さな星が出るので、それを取ることで加速ができる
ライバルが走った跡には星の軌跡が残されるので、その上をなぞるように走るとマシンが加速する
ドリフトよりもさらに深く曲がることができるポンピングというテクニック。Bボタンを連打してプッシュしながら曲がる方法で、減速を抑えつつ、より深いカーブを曲がることができる
強いブレーキをかけたいときは、Lスティックを下に入れつつプッシュ。Lスティックを上に入れつつプッシュすると弱いブレーキがかかる。敵の攻撃を避けたい時などに使っていこう

今回は「シティトライアル」と「エアライド」を体験

 「おためしライド」で体験できた主なコンテンツは、オフラインで遊べる「エアライド」と、オンラインで遊べる「シティトライアル」、そして「パドック」の3つだ。パドックはフレンドなどと集まってコミュニケーションを取れるコンテンツのため、今回は割愛する。

フレンドがいない悲しい筆者はパドックを使っても意味がないので使わなかったというのが正しい

 「エアライド」は、最大6人のライダーたちと戦って1位を競うレースゲーム。様々なキャラクターとマシンとの組み合わせで、さまざまな走り方と戦い方ができるようになっている。ちなみに全キャラと全マシンで196通りの組み合わせになる(編集部調べ)。

 今回のおためしライドで選べたコースは、フラリア、ダグウォータ、フォーリスの3つ。

 キャラクターはカービィ、デデデ大王、メタナイト、バンダナワドルディ、ワドルドゥ、コックカワサキ、ナックルジョー、リック、グーイ、キャピィ、スカーフィ、スターマン、マホロア、スージーの14名から選べた。

今回選択可能だったキャラクター。製品版ではワドルディ、ロッキー、ロロロ&ラララ、マルク、ドロッチェ、タランザと、さらに6名増える

 マシンはワープスター、ウィングスター、デビルスター、ワゴンスター、ヘビースター、ターボスター、ジェットスター、ウィリーバイク、レックスウィリー、ウィリースクーター、ペーパースター、チャリオット、タンクスター、バトルチャリオットの14種となっている。

今回選択可能だったマシン。製品版ではスリックスター、ロケットスター、ルインズスター、フォーミュラスター、ホップスター、ヘンシンスター、ブルタンクとさらに7種増える

 これらを自由に組み合わせてコースを走るのが、「エアライド」だ。

 一方の「シティトライアル」は空島「スカイア」を舞台に、予測不能なバトルを繰り広げる箱庭型のコンテンツ。

 5分という制限時間内にスカイアを自由に駆け回りながらアイテムを集め、マシンを強化する。詳細は後述するが、最後には育てたマシンで挑む頂上決戦が待ち受けている。こちらは最大16人でのオンライン対戦ができた。

おためしライドではオンライン専用だった「シティトライアル」

レースを楽しむ「エアライド」モード!

 「エアライド」のコースはフラリア、ダグウォータ、フォーリスの3つのみだったが、どのコースも素晴らしく美しくて、走っているだけで楽しかった。

コースはダグウォータ
景色を見ているだけでも充分楽しめるのだが……
やっぱり1位はとりたい!

 「エアライド」でも逐一画面の右上にチュートリアル的なヒントが表示されるので、初心者でもプレイに困ることはほぼないと感じた。

慣れないうちは右上のチュートリアルを気にしておこう

 ただ、レースゲームでスティックを上に入れてしまう癖がある筆者。レース中に上スティックを入れるとその都度このチュートリアルが画面上に表示されるのは少々気になった。

わかっていてもスティックを上に入れてしまうんです……癖なんです……

 また、コースの視認性も少し気になった。エフェクトは非常に可愛くカービィの世界観を表しているものの、コースが見えにくくなってしまっていた。とはいえマシンは基本的に自走するし、コーナリングはコースを覚えるものと思えば、少しくらい情報過多でも問題ないのだろう。

 ちなみにコースとマシンの相性はかなりある。コースとマシン、自分のプレイスタイルなどがかみ合うと、下手なりに1位を取ることもできたので、このあたりをうまく模索しながらプレイしていくと良さそうだ。

ポンピングを駆使して、フォーリスでついに1位を取れた筆者。やっぱり嬉しい1位

「シティトライアル」はわちゃわちゃバトルロワイヤル!

 「シティトライアル」は今回オンライン専用だったということもあって、オフラインにはない「どこの誰がどんなことをしでかしてくるかわからない」というおもしろさがあった。

 前述の通り、「シティトライアル」では5分という制限時間内にスカイアを自由に駆け回りながらアイテムを集めてマシンを強化するのだが、なんというかとにかくフリーダムなバトルロワイヤルモードというところだろうか。

 ゲーム開始時は全員共通でワープスターから始まる。他のマシンに乗りたい場合は、ステージに落ちているマシンに乗り換えるか他のプレーヤーが乗っているマシンを奪うことになる。

アイテムがいっぱいすぎて情報過多すぎる!

 他のプレーヤーを攻撃してアイテムを奪うこともできるため、積極的に妨害するプレーヤーもいる。筆者はあまり他のプレーヤーを攻撃せず、基本的には細々とアイテム集めに勤しんでいたのだが、何度も倒されてしまった。自分を攻撃してきた相手にはリベンジマークがつく。「やられたらやり返せ」の精神で、リベンジを果たすとアイテムをたくさんもらえる仕様になっているのはとても良いと素直に感じた。

リベンジマークが視界に入っても、どうしてもやり返す気になれず……でも「シティトライアル」のわちゃわちゃ感は大好き!

 しかし、攻撃ばかりしていると自分のマシンの強化が疎かになる。細々とアイテム集めに勤しんでいた筆者でもそこそこマシンを強化できる。

5分後のマシン。取ったアイテムによって様々なステータスが伸びている

 完成後のマシンで挑むのは、最終決戦「スタジアム」。ランダムに選ばれた4つのステージの中から参加したいものを選択し、その種目を選んだプレーヤー同士で競うことになる。

 スタジアムには、直線のコースで速さを競う「ゼロヨンアタック」や、どれだけ遠くまで飛べるかを競う「エアグライダー」、ライバルを倒しまくる「デスマッチ」など多種多様なコンテンツが用意されている。最初の5分で育てたマシンの性能に見合ったスタジアムを選ぶのがいいだろう。

頂上決戦ではランダムに4つのステージが選ばれる
今回の「おためしライド」でいくつ最終決戦があったのかは不明だが、様々な頂上決戦を楽しむことができた
飛行テクニックに自信のある人はこんな決戦もいいだろう。ちなみに筆者は全然ダメでした
参加者で力をあわせて戦うメカデデデ戦などもある

やっぱり身体は「シティトライアル」を求める

 今回の「おためしライド」でしみじみと感じたのは、やはり「シティトライアル」が抜群におもしろいということだ。

 今回初めて「シティトライアル」に触れた人は、最初は何をすればいいのかもわからないまま5分間を走り回ったことだと思うが、これに触れてしまい、オンライン体験会も第1回が終了してしまった今、多くのプレーヤーは「シティトライアル」ロスに陥っているのではないだろうか。

 ちなみに筆者は自分のマシンが壊されないように逃げ回りつつアイテムを拾っていくプレイに徹していたが、「おためしライド」の序盤(土曜日)はそこまで殺意に満ちたプレーヤーには出会わなかった。

 しかし「おためしライド」の開催が進むにつれて、ライバルを攻撃する性能に長けた、ライダー「リック」とマシン「バトルチャリオット」の組み合わせにたびたびやられるようになってしまった。この調整は製品版までに少し入ると嬉しいなと思いつつ、プレーヤーの皆さんが、この短い体験会の間にあっという間に「シティトライアル」の攻略法を見つけてくるところは、素直にすごいと感嘆した。

 でもそんなプレーヤーから一生懸命逃げ回るのが筆者の「シティトライアル」の楽しみ方なのだ。リックとバトルチャリオットの組み合わせが強いとわかっていようと、好きなキャラクターと好きなマシンでプレイすれば良いだろう。

 なお、次回の「おためしライド」は、11月15日17時~23時、11月16日9時~15時、11月17日0時~6時となっているので、「シティトライアル」ロスに陥っている人はあと数日だけ我慢しよう。そして前回の「おためしライド」に参加しなかった人たちは、ぜひ「シティトライアル」の魔力に取りつかれてほしい。

 ちなみに、シティトライアルなどでカメラを手動で動かす場面もあり、カメラのリバースがなく操作に少々てこずったので、製品版ではカメラのリバースに対応しているといいなぁ(切実なぼやき)。