先行レビュー

関西の龍、ついにSwitch2に降臨。「龍が如く 極2」インプレッション

最新ハードで、「龍が如く」シリーズの物語を体験できる

【Switch2版「龍が如く 極2」】
11月13日 発売予定
価格:3,990円

 “堂島の龍”桐生一馬と“関西の龍”郷田龍司が任天堂の最新ハードでついに相まみえる。

 桐生一馬の物語の幕開けである「龍が如く0 誓いの場所 Director's Cut」、「龍が如く 極」に続く、「龍が如く 極2」がNintendo Switch 2で11月13日に発売される。これにより、Switch2でついに「龍が如く」シリーズの「0→1→2」の3作が揃うこととなった。

 桐生の若いころの物語を一気に体験できるこの流れは、2026年2月12日にNintendo Switch 2/プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/PC(Steam)で発売を予定している「龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties」へと繋がっていく。

 また、本作でプレイできる“真島吾朗の真実”(以下、真島編)は、「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii」を通じて真島吾朗の魅力に触れたプレイヤーにとっても見逃せない一作だ。「龍が如く 極2」に収録された真島編は、彼というキャラクターの“人間味”をより深く知ることができる特別編である。プレイすることでシリーズ作をより濃く味わえることは間違いない。

 この意義深い作品である「龍が如く 極2」のSwitch2版を先行してプレイできた。本稿ではそのインプレッションをお届けしていく。

【Nintendo Switch 2『龍が如く 極2』アナウンストレーラー【2025年11月13日発売】】

関西の龍・郷田龍司とぶつかる「龍が如く 極2」

 「龍が如く 極2」は、2006年にプレイステーション 2で発売された「龍が如く2」を、「ドラゴンエンジン」を使い“極”化した作品だ。

 ストーリーの舞台は、東京・神室町と、シリーズ初登場となる大阪・蒼天堀。主人公・桐生一馬と「関西の龍」こと郷田龍司との激突を軸に、東西の極道社会をまたぐ壮大な物語が展開される。

 “極”化にあたって、グラフィックスや演出の刷新だけでなく、バトルシステムやアクティビティも変更、追加されている。また、ドラゴンエンジンの導入により、街歩きからシームレスに戦闘へ突入できるようになった。

大阪・蒼天堀で「関西の龍」こと郷田龍司と衝突する

 あわせて、シリーズの人気キャラクター・真島吾朗が主人公となる追加シナリオ「真島編」も収録されている。

 「龍が如く0 誓いの場所」で描かれたマキムラマコトとの関係性を軸に、真島という男の過去と心情を深く掘り下げた物語は、彼の魅力を深く体感するうえで欠かせないエピソードだ。

 もしプレイしたことがない人は、ぜひ「極2」で追加された真島編を通して、彼の生き様を改めて感じてほしい。

Switch2版を実際にプレイして感じた手応え

 筆者は今回、Switch2版の試遊機で本編と、真島編のストーリーの一部と、いくつかのプレイスポットを体験した。

 本編では、郷田龍司との初対面のシーンと、バッティングセンターなど街中のプレイスポットをプレイ。「カラオケ」や「グラビア撮影スタジオ」、「新・水商売アイランド(キャバクラ経営)」といった多彩な要素も健在で、シリーズならではの“大人の遊び”をしっかりと楽しむことができた。

 特に印象的だったのは、Switch2でも演出の臨場感が一切失われていなかった点だ。グラフィック面では、Switch2版でもネオンや水に反射する光の表現、質感の表現が非常に丁寧に作り込まれており、神室町を歩いている感覚が蘇ってくる。

 また、ドラゴンエンジンによる街並みの表現もSwitch2でしっかり再現されている。今回は据え置きモードのみのプレイだったが、フレームレートは非常に安定していた。

 PS4版やSteam版と比較しても、簡略化された演出やカットは見られず、変わらない体験ができた。Switch2で骨太なアクションゲームや、ハードな物語を遊びたい人にはもってこいだ。

神室町の妖艶な魅力はSwitch2版でも健在だ
街の美しさは真島編も同様だ
「カラオケ」や「グラビア撮影スタジオ」などのプレイスポットももちろん楽しめる
「ゴルフ」や「おいちょかぶ」もプレイしてきた

今こそ、改めて“0→1→2”を遊びたい

 「龍が如く」シリーズの作品は単体でも十分に楽しめるが、シリーズを通して遊ぶことで物語の深みは格段に増す。

 「0」で描かれた、若き日の桐生と兄弟分の錦の物語、「極」での錦との再会と決着、そして「極2」ではもう1人の龍である郷田龍司との対峙。桐生一馬というキャラクターが紡ぐ「龍が如く」の物語は1本の糸で繋がっているのだ。

 この3作をSwitch2上で一気にプレイできることは、シリーズ初心者にとって最高の入口であり、長年のファンにとっては再会の機会とも言える。

 それだけではない。繰り返しになるが、この3作は2026年2月12日に発売される「龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties」と繋がっていくのだ。

 「龍が如く 極3」では沖縄が登場し、桐生一馬の新たな生活、そしてシリーズでも高い人気のキャラクター峯義孝との出会いが描かれる。そして外伝ではその峯の物語をたっぷりと楽しめる。

 その物語をより深く味わうためにも、今「0」「1」「2」をSwitch2で遊び直す価値は大きい。

桐生と真島。その両者の物語を楽しむことで、この先の作品の魅力がより増していく
【『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』アナウンストレーラー【2026年2月12日発売】】

Switch2版は新しい入口であり、再会の場所でもある

 Switch2版「龍が如く 極2」は、丁寧な移植により、高い完成度を誇っている。グラフィック、操作性、演出のどれも、Switch2でしっかりと体験できる。シリーズファンも新規プレイヤーも満足できる仕上がりになっていた。

 もし「龍が如く」をこれから始めるなら、Switch2版「龍が如く0 誓いの場所 Director's Cut」、「龍が如く 極」、そして今回発売される「龍が如く 極2」、この3作を順番にプレイしていくのが個人的には理想的だ。

 桐生一馬の生き様を、手のひらの中でも追体験できる時代がついにやって来たのだ。ぜひ、この物語をじっくりと楽しんでいただきたい。