先行レビュー

パズル+シューティングの爽快感がクセになる! 「プラグマタ」先行プレイレポート

2ジャンルが見事に融合。テンポ良く、ずっと楽しいプレイ感に

【プラグマタ】
2026年 発売予定
価格:未定

 カプコンから新作「プラグマタ」の初報があったのは、2020年のこと。最新ハードのプレイステーション 5やXbox Series X|S、そしてPCにカプコン内製の完全新規IPが登場するということでゲームファンから大きな注目を集めた。

 その後は発売の延期によって長い期間情報が途絶えていたが、今年の6月についに沈黙を破り、ゲームの世界観やバトルシステムなどの新情報公開と共に、2026年発売とアナウンスされた。

 最新トレーラーでは、これまでにない新しいバトルシステムを採用しているということも明らかになっている。そして今回、さらに期待が高まっている「プラグマタ」のプレイステーション5版を実際にプレイすることができた。アクションとパズルが掛け合わさった戦闘とはどのようなものになっているのかプレイ感をお伝えしたいと思う。

【PRAGMATA - First Contact Trailer】

ハッキングシステムで攻略がテンポ良く進む

 本作は、近未来の世界の月面を舞台にしたSFアクションアドベンチャー。月面施設の調査に派遣されたシステム監査員の主人公「ヒュー・ウィリアムズ」は、月震(月面での地震)による事故で重傷を負ってしまう。

冒頭からかなり危険な状態の主人公・ヒュー

 命の危険が迫っている状態であったが、アンドロイドの少女「ディアナ」に助けられ一命をとりとめる。このディアナと手を組み、敵となるAIが支配する月面施設から脱出するのが目的となる。

いわゆるアンドロイドであるディアナ。なぜ月面施設に1人で居たのかは不明

 体験は、ディアナに助けられて、ヒューの意識が回復した場面からスタートする。2人で行動を共にしていくのだが、ディアナはヒューの背中におぶさって行動しているのがなんとも可愛らしい。ゲームの舞台は人の気配が一切無い無機質で不気味な空間だが、ディアナの存在のお陰で薄暗い空気を感じさせないのも良い。

背中にくっついているディアナの姿が、暗い空気を和ませてくれる

 また、基本となるアクションも近未来らしさが出ている。ダッシュやジャンプのほか、宙に浮きながら移動ができるホバーなど、最新鋭スーツの性能を駆使した機動性の高いスラスターアクションを行うことができる。

回避行動やホバーなどの行動は、すべてスラスターゲージを消費する
辺りの重要な情報をキャッチできるスキャン機能も搭載している

 月面施設を探索して進んでいくのだが、施設内は至るところにロックが掛けられており簡単に進むことはできない。そこで本作のキーとなる「ハッキング」の出番。施設の設備などにディアナの能力であるハッキングを行うことで扉のロックの解除や足場を出現させるなど、進行ルートを切り拓くことができるのだ。

 ハッキングにはさまざまなパズル要素があり、パズルを解くことでハッキング成功となる。たとえば「バイオハザード」シリーズなら、先へ進めない場所に遭遇したら、進行に必要なアイテムを探し回らなければならないが、本作ではそういった場面はすべてパズルで解決していくようなイメージ。そのためテンポが良く、攻略の楽しさがずっと継続するような面白さを味わうことができた。

 パズルは画面右側に表示されるミニゲーム的なものとなるが、種類はひとつだけではない。中にはじっくり考えるものや時間制限が設けられているものがあり、ミスをするとダメージを受けてしまうといったペナルティもあるので、緊張感のあるプレイが楽しめる。

いろいろな種類のパズルが用意されているので、飽きることなくハッキングが楽しめる

パズルとアクションを同時に行う、唯一無二の爽快バトル

 ここからは「プラグマタ」という作品の核となる戦闘について触れていこう。本作の戦闘は“ハッキング×アクション”という新しい戦闘システムを採用している。

 ヒューたちに襲い掛かる「ボット」は固い装甲に覆われていて、ただ銃火器で攻撃するだけではまともにダメージを与えることができない。そんな強固なボットを倒すには、施設内の探索でも使ってきたハッキングが活躍する。

 武器の照準を敵に向けるとディアナがハッキングを開始し、画面右上にはハッキングパネルが表示される。パネル上に表示されたカーソルを一筆書きの要領で上下左右に動かして、ゴールとなる緑色のマスに到達すればハッキング成功というシンプルなルール。

 ハッキング成功で敵の装甲を一時的に解除され、解除中は銃撃によるダメージがしっかりと入る。まずはパズルを成功させてからヒューが攻撃し、ボットを倒していくというのが一連の流れだ。

固い装甲をまとうボット。ヒューたちを排除しようと襲いかかってくる
ハッキングパネルの左上からスタートし、緑のゴールを目指す。もちろん盤面はハッキングの度に変化する

 今回試遊したプレイステーション 5版に則ると、ハッキングパネルのカーソルの移動は「□△×〇」の4ボタンで行う。△ボタンで上、×ボタンが下、□ボタンが左で〇ボタンが右に移動と、緊張感高まる戦闘中でも直感的に遊べるものとなっていた。

カーソルの移動は一筆書きルールとなっているので、一度通った道を戻ったり再び通過することはできない

 このパズルは、ただひたすらに緑色のマスを目指して直進してゴールすればいいという訳ではない。ゴール以外にも様々な効果のパネルが配置されており、それらを通過することで攻撃力アップや敵の防御力ダウンなど、戦いを有利に進めることができる。

 なので、基本的には極力たくさんのパネルを経由してからゴールするのが理想である。しかし、当然ながら多くのパネルを経由すればするほどゴールする難易度は上がり、時間もかかる。それに加え、プレーヤーが真剣にパズルを解いている最中であってもボットは容赦なくこちらに攻撃を仕掛けてくるので一瞬の油断も許されない。

たくさんのパネルを通過すればするほど有利になるので、可能な限り狙っていきたい

 これだけを見ると“パズル要素がストレス”になりそうなところだが、この“簡単に理想的なゴールができないもどかしさ”こそが本作の戦闘の魅力をより一層加速させている。

 ハッキングの途中で敵が攻撃モーションに入ったら途中で中断し、回避行動で間合いをとってからまた再開するといった、パズルとアクションをどの瞬間に切り替えるかの駆け引き。そして、敵の残り体力によっては、わざわざ多くのパネルを経由しないですぐにゴールを目指すといったことも有効になる。この戦略の奥深さも、非常に面白いポイントだ。

 さらに言えば、プラスのパネルを経由してゴールするルートがすぐに導き出せた瞬間や、敵の猛攻をしのぎながらゴールした瞬間は、他のゲームでは体験できないほど爽快だった。これは、恐ろしいほどの中毒性がある!

敵が迫ってくる中、どこまでハッキングを続けるか――この葛藤も本作のバトルの面白い部分だ

 試遊のクライマックスでは巨大なボットとのボス戦も体験できた。ザコ敵のボットの場合は、パズルという要素を考慮してか攻撃の手は従来のアクションゲームよりもやや緩めに感じていたが、ボス戦では広範囲のミサイル攻撃や猛スピードの突進など本気でプレーヤーを殺しに来ており、ザコ戦よりもアクション要素の強いゲームバランスになっていた。

ザコ戦はハッキングに集中できるくらいには攻撃が甘かったが、ボスの攻撃は容赦がない

 ザコ戦ではあまり必要ではなかったが、ボスともなると通常の武器だけではなく、高火力のショックウェーブガンや敵を一定時間拘束するステイサスネットなどの武器を適時使い分けが重要になる。

試遊では3種類の武器を使用できたが、まだ他にもありそうな様子であった

 また、ハッキングを成功させるとハッキングゲージが溜まっていく。満杯になって使用できるのが、ディアナの能力「オーバードライブ」だ。使用すると周囲の敵の装甲を開き、動作を一時停止させるというもので、戦況を一変させるほどの強力な能力だ。いざというときに活躍しそうだ。

 ボス戦では多彩なアクションを駆使した緊張感のある戦いを味わうことができ、アクションの部分だけを切り取ってもクオリティの高さが伺えた。

パズルという要素がある分、アクション部分はやや薄味になるかもと思っていたがそんなことはなく、しっかりとした仕上がりのアクションであった

 プレイ前はパズルとアクションという相反するジャンルが融合して果たして面白いゲームになるのかが気になっていたが、実際にプレイしたら非常に2つのジャンルの相性が良く、逆に、パズル要素が加わらなかったらここまでの面白さは実現していなかったと思う。

 他のタイトルでは替えのきかない、まさに唯一無二のゲーム体験であった。発売は2026年と少し先だが、続きがプレイしたくて仕方がない。