KONAMI、「ZONE OF THE ENDERS HD(はいだら)-NIGHT 宇宙最速~ReBOOT Preview~」

「ZONE OF THE ENDERS HD EDITION」発売日決定!
新プロジェクト「ENDERS PROJECT」スタート!


5月25日 開催

【ZONE OF THE ENDERS HD EDITION】

価格:3,980円(パッケージ版)
   3,480円(DL版)

【ZONE OF THE ENDERS HD EDITION PREMIUM PACKAGE】

価格:8,980円



カフェ オアゼにて「Z.O.E HD」が試遊可能となっていた

 株式会社コナミデジタルエンタテインメントは、かつてプレイステーション 2でリリースされたハイスピードロボットアクション「ZONE OF THE ENDERS Z.O.E」(2001年発売)、「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS」(2003年発売)の2タイトルをまとめて収録、HD(720P)、かつ60fpsに対応、音声もサラウンド化するなどしたプレイステーション 3/Xbox 360「ZONE OF THE ENDERS HD EDITION」(Z.O.E HD)を初めてお披露目するイベント「ZONE OF THE ENDERS HD(はいだら)-NIGHT 宇宙最速~ReBOOT Preview~」を新宿・バルト9にて開催した。

 この中でいくつか発表があったので、まずはそれをまとめておこう。


【ZONE OF THE ENDERS Z.O.E】【ANUBIS ZONE OF THE ENDERS】
【Z.O.E HDのオリジナルとの違い】
フォントや2Dグラフィックスは新規描き起こしワイド画面へと比率が変わり、720Pに対応
秒間60フレームに対応したことで、オリジナルの倍のフレームレートにエフェクトもきれいに。さらにサウンドもサラウンドに対応しパワーアップ

■ 「Z.O.E HD」関連

 本作の発売日は10月25日、価格が3,980円(パッケージ版)/3,480円(ダウンロード版)と発表された。

 同時に、大ボリュームの特製ブックレットや音楽CDをセットにした「ZONE OF THE ENDERS HD EDITION PREMIUM PACKAGE」(Z.O.E HD PREMIUM PACKAGE)も発売される。価格はPS3/Xbox 360とも8,980円。

 さらに、同社のオンラインショッピングサイト「コナミスタイル」にて「PREMIUM PACKAGE」のコナミスタイル特別版が同日発売される。価格はPS3/Xbox 360とも9,980円。

【通常版】
PS3版Xbox 360版

● 「Z.O.E HD PREMIUM PACKAGE」の追加同梱物

・ 「CHRONICLE BOOK(歴史の書)」
 「Z.O.E」&「ANUBIS」発売当時の限定版に同梱された各ブックレットの内容を合本して再収録したもの(A4版)。

・ 「ReBOOT BOOK(再起動の書)」
 「Z.O.E HD」再起動までの軌跡を語った小島秀夫監督&新川洋司アートディレクターのスペシャル対談など、本作の新要素メイキングも含む、限定版だけの豪華スペシャルブックレット(A4版)。

・ CD「ZONE OF THE ENDERS ReBOOT EDITION」
 「Z.O.E」&「ANUBIS」のメインテーマを中心に、リミックス曲なども収録した、限定版だけの音楽CD。

【Z.O.E HD PREMIUM PACKAGE】
PS3版Xbox 360版

●「Z.O.E HD PREMIUM PACKAGE」コナミスタイル特別版の追加同梱物

・ 「ZONE OF THE ENDERS Z.O.E 2167 IDOLO」(Blu-Ray)
 2001年、「Z.O.E」と同日に発売された、オリジナルビデオアニメーション「Z.O.E 2167 IDOLO」のBlu-Rayディスクに、新川洋司氏描き下ろし「IDOLO」イラスト エジプシャンゴールドスリーブが付属する。

 なお、「ZONE OF THE ENDERS Z.O.E 2167 IDOLO」は単体でも5,040円で同日発売される。

【コナミスタイル特別版】
「ZONE OF THE ENDERS Z.O.E 2167 IDOLO」のBDに新川洋司氏の描き下ろし「IDOLO」イラストが描かれたエジプシャンゴールドスリーブが付属する

■ 「Z.O.E」の新作となる「ENDERS PROJECT」始動!

 また、イベントの後半では「Z.O.E」シリーズの新作に関して発表された。「ENDERS PROJECT」と名づけられた新たなプロジェクトがすでに始動しており、小島プロダクションの鳥山亮介氏がプロデューサーを務めることも明らかにされた。

 ここで小島監督が「アニメテイストの『Z.O.E』の正統派の続編、『Z.O.E』のモチーフを使った世界観の違うものと方向性がいくつかある」と話を切り出し、鳥山氏によって、「百聞は一見にしかず」ということで、新川氏とともに制作したイラスト、そして粘土による立体物をキャプチャし取り込み、3Dポリゴンモデルを生成した映像が公開された。「あくまでまだ、監督と話をし、新川さんと話をし、イメージを出してみようということでつくったもの」だという。

 現在、小島プロダクションの次世代ゲームエンジン「Fox Engine」にこのモデルを乗せる実験をしているところだそうだ。ファンタジーテイストではあるが、「メタトロン」などのキーワードは出てくる世界の予定だという。

 「僕らも手探りなので、この方向性でどうか?」ということで、「ぜひみなさんのご意見を伺いたい」と鳥山氏。Twitterにて「ハッシュタグ「#endersproject」をつけてつぶやいてもらえれば」とのことだ。

小島プロダクション プロデューサーである鳥山亮介氏が登壇小島監督、新川氏、鳥山氏が着ていたTシャツは、他の出演者とは違うプリントが……
【ENDERS PROJECTとは?】
粘土で作成された原型をキャプチャし、3DCGに変換したもの。ジェフティと思われるが……
新川氏、鳥山氏によって制作された「検討用イメージモデル」が新宿バルト9の10階のカフェ オアゼにて展示されていた。
新川氏の手によるイメージイラストが多数公開された。こちらもカフェ オアゼに展示されている

■ 「Z.O.E」、「ANUBIS」を振り返るトークステージ!

左より小島監督、新川氏、西村氏、岡村氏、村田氏。それぞれが呼び込みの際に「はいだらー!」とあいさつするのがこのイベントらしかった

 独立型戦闘支援ユニット「ADA」(エイダ)のイベントオリジナル映像が上映された後、「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS」のオープニング映像でイベントはスタート。主題歌「Beyond The Bounds」に乗って流される、ボリュームのある映像は、内容的にはPS2版と同じだが、HD画質にアップコンバートされていた。


ADAによる映画館マナー映像が流されたHD画質にアップコンバートされた「ANUBIS」のOP

 続いて、「Z.O.E」シリーズ開発スタッフによるトークステージが行なわれた。

【登壇者】
小島秀夫氏(プロデューサー /「Z.O.E」「ANUBIS」「Z.O.E HD EDITION」)
新川洋司氏 (メカニックデザイン / 「Z.O.E」「ANUBIS」)
岡村憲明氏 (脚本・ディレクター / 「Z.O.E」)
村田周陽氏 (脚本・ディレクター / 「ANUBIS」)
西村誠芳氏 (キャラクターデザイン・作画監督 / 「Z.O.E」「ANUBIS」)

・「Z.O.E」誕生編

 まず、「Z.O.E」の誕生のきっかけからトークがスタート。岡村氏がオリジナル作品を作りたいと始めた「Z.O.E」は1年ぐらい試行錯誤があり、「ときめきメモリアル」のドラマCDを手がけていた岡村氏によって“平安巫女”もののストーリーなどが制作されたものの、ゲームの内容はまったく決まっていなかったという。

 小島監督に呼び出しを食らった岡村氏は「本当はロボットアニメが作りたい」と打ち明け、次に「アトランティス」というロボットもののシナリオ、デザインなどを立ち上げる。イラストは西村氏が担当、レオの原型(元気なキャラクターでレオとは違っていたそうだが)などができあがっていった。そしてこのデザインでゲーム映像も制作されており、それを体験した新川氏が大学時代に書いていたラフイラストを元に「もっと浮遊感を出したい」という提案を行なった(これが『メガドライバー』)。アヌビス神をイメージしたイラストも当時からあったそうで、「これでゲームの進むべき道が見つかった。それまではロボットなのにビルの陰に隠れるといったものが作られていた」(岡村氏)、「隣で『メタルギア ソリッド2(MGS2)』を作ってましたんで、隠れなあかんと思ったんでしょうか(小島氏)」と会場の笑いを誘っていた。

・「ANUBIS」誕生編

 村田氏は「ANUBIS」を制作するにあたり、小島監督から「アヌビスを倒せ」ということと、「Z.O.E」をプレイしたユーザーの意見を真摯に受け止め、反映させろというミッションを言い渡された。「MGS2」を担当したスタッフも加わり、映像面でも大きくパワーアップした「ANUBIS」は、小島監督いわく「最後のほうは野放し」だったそうだが、「MGS3」の制作には、「ANUBIS」で培った技術も多くフィードバックされていたという。

・ユーザーアンケート編

・小島監督へ「『Z.O.E』は最初はDreamcast向けだった」そうですが、PS2で「Z.O.E」が誕生するまでの苦労話などお伺いしたいです」

 「『MGS』が終わって、もう1ラインということで「アトランティス」はDreamcastで制作していたんですが、かなり遊べるところまで来ていましたが、PS2にするとマップももう少し広くできるということで、変更しました」

・新川氏へ「オービタルフレームなどのデザインで心がけた点はなんですか?」

 「ロボットアクションということで、ロボットのギミックをいろいろ用意していたんですね。今のゲームのキャラクターやロボットのデザインの仕方は、大枠を設定してデザインしたものを仮でポリゴンで作って動かして検証して、『ここは間接が干渉するから直そう』とか、『ゲーム的にこんな武器が欲しいから後でデザインお願いします』といったちょっとちょっとづつの積み重ねで作るんですけれども、『Z.O.E』のときは趣味だったんで、好きな武装というか、こんなイメージでという装備とかアクションを用意していたんですけれども、『Z.O.E』では全部は実現できなかった。その後『ANUBIS』で用意していたものを全部盛り込みました」

・西村氏へ「『ANUBIS』のレオはなぜハチマキをしているんでしょうか?」

 「なぜでしょうね? 原案の段階では実はハチマキがあって、『Z.O.E』の頃よりも大人らしくなっている表現のために描いたものということらしいのですが、『ソリッド・スネーク』とかぶっちゃうので1回やめたら、監督から『つけていたほうが良かった』といわれて戻したという話を聞いています。たしかにハチマキは感情表現などに使いやすくていいんですが、ずっとコクピットに乗っている(笑)ということで、男らしさの表現以外に何も使えなかった」


■ 出演声優陣による「生アテレココーナー」

 シリーズで活躍した出演声優陣による「生アテレココーナー」では、井上和彦さん(ディンゴ・イーグリット役)、雪野五月さん(ケン・マリネリス役)、鈴村健一さん(レオ・ステンバック役)、芳野美樹さん(エイダ役)が登壇。

 このコーナーでは、事前に募集したアンケートの集計結果が発表され、そして好きなセリフを映像とともに生でアテレコ。観客からは大きな歓声が起こっていた。

好きなキャラクターではケンがランクインしていなかったが「僅差です」とのこと「ビックバイパーはOFじゃない」と出演陣からすかさず突っ込みが入っていた(笑)
【生アテレココーナー】

■ 「Z.O.E」と「ANUBIS」をつなぐ新たなアニメーションも初公開

近藤氏(左)と山地氏(右)

 「Z.O.E HD」では、「Z.O.E」と「ANUBIS」をつなぐ5分長の新作アニメーションが制作された。サンライズの協力によるこの新作アニメを手がけた監督・近藤信宏氏と演出の山地光人氏もイベントに登場。

 劇中の印象的なシーンがアニメーションとCGを駆使した映像で再現されており、「Z.O.E」と「ANUBIS」の流れが見える、オリジナルとはまた違った映像美、そしてキレのある効果音など、見所の多い映像となっている。

 映像を手がけたのは、株式会社ブリッジ。サンライズ第6スタジオのスタッフが独立して設立した会社で、TVアニメ「Z.O.E Dolores,i」を手がけたスタッフによるもので、サンライズによるコーディネートで実現したコラボレーションとなっている。

 西村氏による絵コンテを学生時代に「Z.O.E」シリーズに触れた経験を活かした山地氏がサポートする形で作られたそうだ。

【新作OPアニメーション】

 その後、第2部ということで、DJ YOLO氏と、木村真紀さんが登場。シリーズのサウンドトラックREMIXと「ANUBIS」の主題歌「Beyond The Bounds」が演奏された。

【第2部】

(C)Konami Digital Entertainment

(2012年 5月 26日)

[Reported by 佐伯憲司]