セガ、3DS「初音ミク and Future Stars Project mirai」発売記念イベントを開催
「ミクフリック」も試遊可能なセガ 東京ドームシティでの特別体験会の模様もお届け!
「初音ミク and Future Stars Project mirai」発売記念イベント 3月8日 開催 「初音ミク and Future Stars Project mirai」「ミクフリック」特別体験会 3月8~9日 開催 |
秋葉原のイベントでは8台の試遊台を用意。それぞれにヘッドフォンが用意されており集中してプレイ可能となっていた |
株式会社セガは3月8日、3DS用リズムアクション「初音ミク and Future Stars Project mirai」(以下、「Project mirai」)の発売を記念するイベントを、東京・秋葉原にあるソフマップ秋葉原 アミューズメント館8F イベントスペースにおいて開催した。
本イベントはいよいよ発売日を迎えた「Project mirai」の体験プレイができ、体験プレイ後には「Project mirai」特製ポストカードなどの関連グッズがもらえるというもの。取材を行なった11時過ぎにはすでに体験プレイ待ちの列が階段まで続く人気ぶりとなっていた。
会場にはさらに「Project mirai」の特徴的な機能であるARモードの体験コーナーや、これまで数々のイベントに登場してきた初音ミクの2頭身着ぐるみも登場するなど、「Project mirai」の魅力を存分に味わえるイベントとなっていた。
また、3月8日、3月9日に「ミクの日大感謝祭」が行なわれている、東京・水道橋のTOKYO DOME CITY HALそばにあるセガのアミューズメント施設「セガ 東京ドームシティ」では、「Project mirai」に加えて、3月9日から配信が開始されたiOS用リズムアクション「ミクフリック」が体験できる、特別体験会が開催されている。こちらも取材を行なった12時ごろには、「Project mirai」と「ミクフリック」合わせて100人以上の行列となる人気ぶりとなっていた。
こちらの特別体験会は、3月9日も11時から18時の間で行なわれるので、興味があるファンの方は参加してみてはいかがだろうか。
特別体験会には「Project mirai」と「ミクフリック」をそれぞれ6台ずつ用意されていたが、どちらも体験プレイ待ちの人が絶えない人気となっていた | こちらは「ミクフリック」をプレイした人にもれなく配布されていた、「ミクフリック」特製ステッカー | 限定先行販売されていた「Project mirai」のジッパーチャーム。体験プレイ前後に記念に買う参加者が多く見受けられた |
■ いよいよ発売を迎え新たな情報も飛び出した
開発プロデューサー・ディレクターへのミニインタビュー
着ぐるみの初音ミクとともに、フォトセッションに応える「Project mirai」のプロデューサー、株式会社セガの大崎誠氏 |
「Project mirai」発売イベント会場には、「Project mirai」のプロデューサーである株式会社セガの大崎誠氏とディレクターの髙部元志氏も訪れており、プレス向けに囲み取材を行なう機会が設けられた。いよいよ発売を迎えての率直な感想から、これまでに公開されていない「Project mirai」の機能についての情報も飛び出したので、合わせて紹介していこう。
――まずは発売日を迎えての気持ちをお願いします
大崎誠氏(以下、大崎氏): 最初作っていたころは、「本当に出るのかな?」と思っていたので、感慨深いですね。ゲーム自体のマスターアップは1月中旬頃にしていたのを中の人がTwitterでつぶやいていたので、みんな知っていると思うのですけれど……。僕もこの業界に入って19年目なのですけれど、こんなに来ていただけるタイトルは滅多にないので、やっぱりミクさんはすごいなと。ミクさんのおかげです(笑)! 一生がんばれる限りがんばります! という感じでございます。
これもやっぱりミクさんを応援してくださる皆さんの応援もあってのことだと思うので、ユーザーの皆さんにも感謝しています。
――先ほど「本当に出るのかな?と思った」というお話がありましたが、企画が難航したのでしょうか?
大崎氏: 最初どのようなゲームを作ったらいいのか、まったくわからなかったんですね。理由は、「初音ミク -Project DIVA-」(以下、「Project DIVA」)があったからです。まったく同じゲームを作っても、「Project DIVA」でいいじゃん! という話になるので、「Project mirai」はどんなゲームで行くべきか? というのは、結構長い間悩みました。
髙部元志氏(以下、髙部氏): 最初、もっといろいろな層の人に遊んでほしい、ミクを知ってほしい、というところがありました。任天堂というプラットフォームにベストマッチした低年齢層から、ちょっと恵比寿でカフェに寄っちゃうよ! みたいな女性まで拾えればな、というところも含めて、選曲やゲーム性をチューニングしてきました。ただ、それだけだと今まで「Project DIVA」をやってきた方が「あれ? これ違うんじゃないの?」という風になってしまうと、それはそれでまずいので、そういうところもフォローしつつ……体験版はちょっとオシャレ層を向きすぎたかな? という反省もありますが(笑)、製品版をやっていただければ「あ、ちゃんと仕込んでいるんだな」というのがわかる内容になったと思います。
大崎氏: ミクさんは“電子の歌姫”ということで「電子的にはすごいことやりたいよね!」という願望があったので、3DSには3Dという機能からいろいろあるので、当然そのあたりはフィーチャーしなくてはいけない。ただ「フィーチャーしただけで大丈夫かな?」というのもあって。どうフィーチャーするかを意外と長い間試行錯誤しました。
髙部氏: ミク=未来というキーワードがピン! と来てからは結構早かったです。未来ガジェットでパッケージするっていう。
大崎氏: クリプトンさんも名前の由来についてそうやって言っていたので。未来にしたときから、絵の雰囲気とかガジェット的なところをするのがまとまりました。それがまとまるまでは、「本当にこれ大丈夫かしら? 俺らちょっと調子に乗っちゃった?」みたいなのが最初にありましたけどね。かなり苦しい時間が長かったです。
最初PSPのモデルを出して、でもそれでは「違う」と感じたので、だんだん頭身を下げていったら、ねんどろいどになった。ただ、ねんどろいどにするだけじゃなくて、3DSはハードウェアシェーダーが使えるのに、質感の面でも「パッと見てねんどろいどに見える」ところまでは、最初はなかなかならなかった。「造形はねんどろいどだけど、ねんどろいどっぽくないよね」という期間が長かったのですが、デザイナーが結構がんばってくれて、ねんどろいどっぽさが見えた瞬間に、「あ、このミクさんをこういう風に動かしたいよね」が出てきたので、絵が最初にできたのも大きかったかなと思います。
髙部氏: 生々し過ぎず、プラスチッキー過ぎずの中間の質感というところですね。あとプログラマーからしても、いろいろな機能が満載でいじりたくなるハードなんですよね。これを使わない手はない! ということで、任天堂の岩田社長にも「3DSの技術ショウケースみたいな側面を持ったところがありますね」と言われたのですが、まさにその狙いで作っていたので。
大崎氏: ウチは開発が適当なので(笑)、意外とプログラム側が好きにやっているんですよ。プログラマーが「新しいライブラリがアップデートされたので触ってみました」、「あ、いいじゃん!」みたいなことがあったり。結構昔から音声認識とか触ってきているのですが、まともに動いた経験がなかったんですね。でも今回のはちょっと感動的で、顔認識とかもできて、プログラマーが勝手にやってくれるという(笑)。
やっぱりプログラマーが実装してくれないと、最終的にゲームってできないので、やっぱりプログラマーが遊んでくれたというか、チャレンジしてくれたというのは結構大きかったかなと思いますね。
――ポリゴン数はどれくらい使われているんですか?
大崎氏: ポリゴン数は意外と出るよね。
髙部氏: 具体的な数字は出さないですけれど、3DSとしてはメインキャラにはわりと使っている方だと思います。もちろんLoD(Level of Detail)的な背景モデルとの差というのはありますけれど、それでもメインキャラには「え? こんなに使ってたの?」とプログラマーの人が「お前もう少し減らせ。これじゃ動かない」くらいに最初は使っていたので、そういう数字からも愛が表われているという(笑)。
大崎氏: ウチのデザイナーはすごく(ポリゴンを)突っ込むんですよ。それで後で削るというのをやる。ベストを目指してから「どこまでいけるの!?」みたいなせめぎ合いがステージもキャラもありましたね。
――さきほど顔認識の話がありましたが、製品版にも入っているのでしょうか?
髙部氏: ご購入していただいた方はもう楽しんでいると思うのですけれども、まずルームでカメラモードが3つあって、アナログスライダーで普通に動かせるのですけれど、オプションで切り替えるとフェイストラックというモードがあるんですよ。そうすると、プレーヤーのいる位置をカメラで追ってきますので、カメラアングルだけじゃなくて、ミクさんたちの視線もプレーヤーをギロっとにらんでくれると。だからちょっと上から見ると「上目づかいの挑戦的な目つきがたまらない!」みたいな、そのスジの方にも満足していただける内容になっていると思います(笑)。
――音声認識はどのような使い方がありますか?
大崎氏: 音声認識は特に楽曲セレクトだよね?
髙部氏: そうですね。まず、メインメニューでモード遷移に使えます。「リズムゲーム」と言えば、リズムゲームにポーンと飛ぶと。ただ、やっぱり1番便利なのは、選曲ですね。やっぱり何十曲も増えてくると「あの曲はどこにあったっけ?」ということがよく起きてくる。特に180度裏側ぐらいでクルクル回っていると、1発で出せなくてやきもきすることがあるので、そのときに特に長いやつ、例えば「トリコロール・エアライン」とか言っていただくと、カーンと回ってくれます。これは非常に便利かなと思います。リズムゲームだけではなくてPV視聴のときにも使えますので。
大崎氏: すごい勢いで“カララララッ!”と回るので、ちょっと驚きますよ(笑)。ぜひ試していただきたいですね。
髙部氏: ARよりも最初はちょっと未来感を感じるかもしれない。
大崎氏: 未来感をすごく感じたね。精度がすごく高いので、正直ちょっと驚きました。
――今回の「Project mirai」で3DSのガジェットの機能をいろいろと使われたかと思いますが、「これはよくできたな!」という、お気に入りの機能があったら教えていただけますか?
髙部氏: お気に入りというわけではないのですが、先ほどお話しした3つのカメラモードのもう1つがジャイロセンサーを使っているんですよ。これを使うと、自分が左右を向くとカメラのアングルも変わるんですけれど、唯一このモードのときだけは強引に縦置きにもできるので、新鮮な気持ちでマイルームを眺めることができる、というのがあります。
大崎氏: そうですね。こう縦に置いてずっと見てるという。ジャイロは持って遊ぶと面白いよね。
髙部氏: 背景のほうにいろいろ仕込んだりしているのもありまして……ジャイロというか加速度センサーですね。マイルームで本体をちょっと揺らすと、ミクさんが「おっとっと」とするモーションが出てくれたりとか、何回も「おっとっと」させているとしまいには怒られたりといった、ちょっとしたコミュニケーションがあります。ほかにも背景のオブジェクトで、(本体を)揺らすと揺れるものとかというのも仕込んであります。
大崎氏: ほかに、時間で出てくるものもあります。この間もひな祭りのやつとかがあって……残念ながら発売に間に合っていませんが(笑)、見るだけじゃなくて揺らしてみるとちょっとした面白いことがあったりしますので、長く遊んでいただければと思います。
髙部氏: 今日誕生日のユーザーさんがいると、ちょっと面白いことが起きているかもですね。
――日付に関係するイベントは結構入っているのですか?
大崎氏: そうですね。日付イベントについては和洋あるかと思いますけれど、日本のものは押さえてあります。
――次のイベントは何になりますか?
髙部氏: そうですね……、やっぱり入学のシーズンということで、華やかな色が4月になると……。
大崎氏: 大体、毎月あるかな。
髙部氏: 部屋によってもいろいろな演出になっていたりするので、いろいろ部屋にチェンジして楽しんでいただければと思います。
――それでは最後にファンに向けてメッセージをお願いします
大崎氏: やっぱりミクさんのゲームを作る上で1番やらなければいけないのは、PSPの「Project DIVA」の開発スタッフも言っているんですけれど、「可愛くないとどうしようもないな」というのがあるんですね。そこは間違いなく可愛いです。
ゲームのほうも簡単なところから、意外とやり応えがあるところまで、結構最後でババッと変えて入れたところが面白くなっていると思います。ゲームのほうは、“いつかやっていればうまくなる”系なんですね。「もう、これ絶対無理!」はないので、結構上達が感じられるゲームになっていると思うので、そこはぜひやっていただければなと思います。
あとはやっぱり3DのPVですね。普通にニコニコ動画で見ることができる動画も入っているのですが、あれが3Dになるとね。普通に「LOL -lots of laugh-」(Music by KeN / Lyrics by エンドケイプ)じゃん、「PIANO*GIRL」(Music and Lyrics by by OSTER project)じゃんと思っているのが3Dになると、「ああ、なるほどね」となる。デザインデータをいただいて、こっちでちゃんと深度をつけ直したりとか、結構細かくやった部分なので、ニコニコ動画のPVも感動的な状況になっていると思います。
当然3Dのほうもいいキャプチャーをしています。いろいろ本当に細かいネタもあって、例えば曲ひも付きのコスチュームがない「ファインダー(DSLR remix - re:edit)」(Music and Lyrics by by kz)とかでも、ちゃんと「あ、これアレか!」ってわかるような、ファンならわかっていただけるネタも結構入っているので、ぜひ探していただければと思います。やっぱり3Dは見てナンボなんで、買ってください(笑)。
髙部氏: 買ってすぐは、曲を解禁するためにみんなガリガリゲームだけをしていくと思うんですけれど……そういう風に僕らが作ってしまったので、申し訳ないのですが(笑)、やっぱり今申し上げたPVの部分というのもかなり力を入れていて、AM2研が初のコンテから起こして作っているものも多いですから、そちらのほうもじっくり長く楽しめるように、3DPVクリップ集としても楽しめるつくりにしたつもりですので、味わっていただきたいと思います。
あとはすれ違い通信で(PVにつける)コメントとかも編集できますので、ぜひ外に持ち出して、ほかのプレーヤーとすれ違って、自分の弾幕を作り上げていただければと思っております。末永くご愛顧のほどよろしくお願いします。
――ありがとうございました
「初音ミク and Future Stars Project mirai」
(C) SEGA / (C) Crypton Future Media, Inc.
デザイン協力:ねんどろいど
「ミクフリック」
(C) SEGA
(C) Crypton Future Media, Inc.
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□「初音ミク and Future Stars Project mirai」のページ
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(2012年 3月 9日)