「サドンアタック」公式全国大会にてクランNabDが2連覇を達成!
“ゲームヤロウ祭り”と化した秋葉原PCゲームフェスタの模様をレポート
ベルサール秋葉原 |
PCショップ「ドスパラ」を展開する株式会社サードウェーブは、4月29日よりベルサール秋葉原にて「秋葉原PCゲームフェスタ」を開催中だ。会期5日目となった5月3日、イベント会場のメインホールではゲームヤロウがサービスするオンラインゲーム「鉄鬼」と「サドンアタック」のイベントが行なわれ、超満員の来場者で賑わった。
この日行なわれたメインのステージイベントは、「サドンアタック オフィシャルマスタートーナメント(SAOMT) シーズン3」の決勝大会。「SAOMT」は「サドンアタック」の日本最強チームを決める年間イベントのひとつで、毎年末に開催される「サドンアタック クランリーグトーナメント(SACTL)」と並ぶ、プレーヤーのための大イベントだ。今回もオンライン予選を勝ち上がった4チームが出場し、会場で白熱の戦いを繰り広げた。
またこの日、オンラインメカニカルアクションゲーム「鉄鬼」のエキシビジョン大会も行なわれている。こちらは、まだサービスが始まって日の浅いタイトルということで、集まったプレーヤーは抽選で選ばれた4チームとなっている。今後「サドンアタック」のような本格的な大会を行なう日に向けたテスト大会という位置づけだ。
「鉄鬼」、「サドンアタック」ともにオンラインで大きな人気を集めるゲームであるだけに、この日の会場は歩くスペースもないほどにまで、人で埋め尽くされていた。この両タイトルにとっては、およそ500名が入れるベルサール秋葉原のメインホールという会場もまだまだ手狭なようだ。
【会場の様子】 | ||
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「鉄鬼」、「サドンアタック」という人気オンラインタイトルのユーザーで会場は満員御礼。メインステージではゲームヤロウが展開するこの2タイトルの関連イベントが開催された |
■ 「SAOMT シーズン 3」。全国768チーム中、最強の4チームが出場!
「SAOMT シーズン3」開会式の様子 |
コイントスで先攻チームを決める |
試合の様子は、各選手毎の小モニターと、中央の大モニターに映し出された |
あまりにも多くの人々が集まったため、メイン会場があっという間に満員となったベルサール秋葉原。午前中にはもう入場規制が始まっていたという状況が、「鉄鬼」、「サドンアタック」という2タイトルの人気ぶりを象徴しているように思える。
特に「サドンアタック」の人気ぶりは驚くべきもので、入場規制が敷かれたのにも関わらず、会場はメインステージが良く見えないはずの最後部まで、立ち見で臨む人々で埋め尽くされた。一寸の隙間もなく、歩くスペースが全くないほどだ。
「サドンアタック」の大会ではおなじみの、ガチャガチャを回してゲーム内アイテムを当てる「サドンガチャ」も、前回の数倍という数を用意したのにも関わらず、あっという間に売り切れとなってしまった模様である。
そんな盛り上がりを見せた「サドンアタック」のメインステージでは、今回の大会「SAOMT シーズン3」にエントリーした768チームから、オンライン予選を戦って選抜された最強の4チームが一同に会した。それぞれのチーム名は「NabD」、「Ride_the_wave」、「iZoNe」、「Respect」。
前回大会「SACTL 2009」(弊誌関連記事)の優勝チーム「NabD」以外は、今回が初の決勝大会出場となったようだ。
「NabD」は、クランリーダーであるMatcha選手を中心に腕利きの有名プレーヤーを揃えたチームで、「サドンアタック」の公式インストラクターを勤めるKeNNy選手も所属している。今回も本命と目されており、ステージに登場した際の会場の反応は、やはり一番大きなものだった。とはいえ、他の3チームも、768チームによる予選を突破した強豪であり、どんな波乱が生じても驚くにはあたらない。おそらく「SAOMT」は、今、日本で一番レベルの高いFPS大会のひとつと言えるだろう。
ゲームルールは公式クラン戦共通のもので、各チームは攻撃側REDチーム、守備側BLUEチームに分かれて5ラウンド先取制の「爆破モード」を対戦する。どちらかが5ラウンド勝利すると攻守交替して後半戦を行なう。そして、前後半の総取得ラウンド数で勝敗を決める。
全ラウンドを消化する前に勝敗が決まった場合、消化ラウンドは行なわず、その時点でゲームを終了する(例えば前半を5-1で折り返した場合、勝ち側のチームが後半に2ラウンドとった時点で負け側チームは挽回が不可能になるため、その時点で終了)。この4チームによる決勝トーナメントの組み合わせは以下の通り。
■ やはり強い「NabD」、追いすがる「iZoNe」、トップ2チームの戦いに熱視線
プレイに集中するNabDのメンバー |
互いにスキルが高いため、撃ち合いが一瞬で決着する、メリハリのある戦いが見られた |
第1試合、NabD対Ride_the_waveは、前半は接戦だったものの、後半戦で差がつく結果となった。まずNabDは、前半戦3ラウンドを立て続けに勝利。しかしRide_the_waveが巻き返して続く2ラウンドを取得。その後はシーソーゲームとなり、前半は5-4というスコアでNabDが僅差でリードして折り返す。
4ラウンドを取ったことで勝利の目があるかのように見えたRide_the_Waveだが、後半戦ではMatcha選手、Yuki選手、KeNNy選手の活躍により、ほぼ完全に沈黙させられてしまった。とにかく、NabDが勝つラウンドは圧勝が多いが、Ride_the_waveが勝つラウンドは接戦の結果が多いという風景だ。結果、5-2というスコアでNabDが後半戦を制し、トータル10-6でNabDが決勝進出を決めた。
第2試合、iZoNe対Respectは、さらに差の付く内容となった。前半、防衛側でスタートしたiZoneは、最初のラウンドこそ落としたものの、2ラウンド目から立て続けに5ラウンドを取得。5-1というスコアで折り返して臨んだ後半戦でも、Respect側に付け入る隙を与えず、立て続けに2ラウンドを取得した。
この試合で特に活躍したのは、iZoNeのziNov1f(ジノヴィフ)選手。4連続でヘッドショットを決めるといった見せ場を作り、大いに観客を湧かせていた。こうした実力の差もあり、結果としてトータル7-1という圧倒劇でiZoNeが決勝進出を果たした。
そして迎えた決勝戦、NabD対iZoNeでは、3つのマップで対戦し、2勝した方が優勝という長丁場のルールが採用された。使用マップは「シティキャット」、「オールドタウン」、「プロバンス」。 いずれも「サドンアタック」の大会ではよく使われてきたマップで、勝敗を左右するのは単なる個人スキルのみではなく、マップに対する知識も要求されるという組み合わせだ。
【決勝戦使用3マップ】 | ||
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集中するiZoNeのメンバー |
試合後、NabDとiZoNeの両チームが健闘を讃え合った |
「シティキャット」を用いて行なわれた第1戦では、両チームの性格の差が如実に現れた。個人技に重きを置く動きを見せるNabDは、ラッシュをかける、誰かが裏をとるといった機動性で上回り、攻防ともにまとまりのある動きを見せるiZoNe側は、より守備的なゲームの流れに入ると強さを見せる。そんな中で、両チームともいったんラウンドを取得すると、次のラウンドも取る確率が非常に高いという傾向が見られた。流れを掴んだ側が、その流れをいかに持続させるかで決まるという戦いだ。
この点では、狭いマップである「シティキャット」では、ラッシュの破壊力に勝るNabDに流れがあったようだ。第1戦をトータル9-5で勝利したNabDは、しかし、次のマップ「オールドタウン」で足元を掬われてしまう。「オールドタウン」は最も古いクラン戦マップのひとつで、グレネードの届かせかたや、壁抜きショットが狙える場所など、非常に多くのノウハウが蓄積されているマップだ。そのためかNabDはやけに慎重な入り方をし、攻防ともに冴えない。iZoNe側の適切な対応で、第2戦は9-6でiZoNeが勝利した。
こうして勝敗の決定は、「プロバンス」で戦われる第3戦にもつれこんだ。ここはKeNNy選手が予選で優秀なスコアを記録したマップであるそうで、俄然、注目が集まる。しかし、決定的な役割を演じたのはNabDのリーダーであるMatcha選手だった。Matcha選手はチーム全体を指揮する立場でありながら、自ら積極的に動き回り、iZoNeが守備する手薄なルートを繰り返し打ち破り、度々裏をとることに成功。これにより混乱したiZoNeは前半戦を2ラウンドしか取得できず、後半持ち直しかけたものの、その差を埋めることはできなかった。
こうして第3戦は8-4というスコア差でNabDが勝利。これにより、NabDの優勝と、昨年末に行なわれた「SACTL 2009」に続く全国大会2連覇の偉業が達成された。
優勝したNabDのメンバーによると、前大会から無敵の強さを発揮したこの5人のメンバーで大会に参戦するのは、今回が最後になるという。メンバーの入れ替えにより、NabDそのものは存続するものの、このメンバーで最後となる戦いに勝利できたことを、口々に「本当に嬉しい」と話していた。夏に行なわれる予定の「SAOMT シーズン4」及び、年末に行なわれる予定の「SACTL 2010」にて、新たなNabDがどのような戦いを見せるか、あるいは別のチームが頭角を表すのか、「サドンアタック」のファンの皆さんはしばらく目が離せないことだろう。
【入賞チーム】 | ||
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3位:Ride_the_wave | 2位:iZoNe | 優勝:NabD |
【「サドンアタック」アップデート情報】 | ||
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ステージでは「サドンアタック」が6月に予定している大型アップデートの情報も紹介された。主要武器の3Dモデルが一新されるほか、新マップの導入、爆破モードのルール改変などがその柱となる。また、「セーラー服キャラ」と呼ばれる新キャラクターの容貌が会場限定で一瞬だけ公開された |
■ 「鉄鬼」初のオフライン大会に好感触。ウェブマネー主催のミニゲーム大会も
「鉄鬼」初の公式オフライン対戦会 |
抽選で選ばれた4チームが対戦 |
爆発が派手な「鉄鬼」。後衛型メカの役割が地味だがとても重要だ |
超満員で大いに盛り上がった「サドンアタック」の大会以外にも、会場ではいくつかの催しが行なわれていた。注目したいのは、メインステージイベントのひとつである「鉄鬼」の公式大会だ。
この大会は「サドンアタック」のものとは異なり、予選を伴わないエキシビジョンマッチだ。出場したのは事前の応募に答えて抽選で選ばれた4チーム。「鉄鬼」は昨年末にサービスが開始されて日が浅いタイトルであるだけに、まずこのような形でオフラインイベントの感触をユーザーの皆さんに知ってもらおうという考え方だろう。
出場したのは「Perfect Win」、「のりこねダッシュ」、「醤油」、「GAxAlliance」の4チーム。予選を経ず、抽選で選ばれたチームではあるが、やはりチームを作って真剣に「鉄鬼」をプレイしていることは確かなようで、対戦の内容はなかなかハイレベルなものとなっていた。
対戦ルールは、FPS系タイトルではチームデスマッチにあたる「サドンデス」ルール。1チーム5名のプレーヤーが、ラウンド中に倒されたら終わりという形式で撃破数を競うものだ。決勝戦に上がってきた「Perfect Wins」、「醤油」の2チームは「Holytown」という、比較的ロングレンジの多いマップで対戦。
「鉄鬼」には、「サドンアタック」の対戦とは大きく異なる点がある。それは、機体の耐久力が高いため、比較的、打ち合いが長く続くこと。一撃必殺の攻撃もあるにはあるが、弾数が限られている。ダメージを受けても「修理型機体」のサポートにより再度全快状態で戦いに臨めるため、より「戦線」と「後方支援」を意識した戦いが繰り広げられるのだ。
これは、毎回熱い銃撃戦が繰り広げられるというプレーヤーサイドのメリット以外にも、観戦者サイドにもゲームの流れがわかりやすいという形で有効に作用している。ヘッドショットのようなものがなく、打ち合いが一瞬で決着しないため、駆け引きがより可視化されやすいのだ。こういった点で、「鉄鬼」は、異なるタイプの対戦ゲームとして、「サドンアタック」のようなオフラインイベントで成功する可能性が高いように思える。
こうした感触もあり、ゲームヤロウ関係者に話を聞いたところ、現時点で既に「本格的な大会を開きたいと考えています」と非常に前向きな状況であるようだ。「鉄鬼」ユーザーの皆さんは、今後ゲームヤロウからの公式情報に注目しつつ、是非クラン戦に取り組んでみてはいかがだろうか。
【ウェブマネー ミニゲーム大会】 | ||
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試合の合間には株式会社ウェブマネー提供のミニゲーム大会も開かれた。「御芸巫女(オンゲー巫女)」という巫女さん2人組が登場し、来場者と風船を使ったロシアンルーレットなど簡単なゲームを行ない、運の良い来場者にはウェブマネーからのプレゼントが贈呈されていた |
http://www.aqi.co.jp/
□ゲームヤロウのホームページ
http://www.gameyarou.jp/
□「サドンアタック」公式サイト
http://suddenattack.gameyarou.jp/
□「鉄鬼」公式サイト
http://tekki.gameyarou.jp/
(2010年 5月 3日)