カプコン、「モンスターハンターフェスタ'09」決勝大会開催
「arties」チームが最速ハンターの証「狩王ベルト」を獲得


10月25日 開催

会場:東京「ラフォーレミュージアム六本木」


オープニングで姿を見せたお馴染みの開発陣(左から順に、藤岡氏、木下氏、一瀬氏、小嶋氏)……と思いきや、辻本氏がいない?遅刻?

 株式会社カプコンは、同社の代表作「モンスターハンター」(モンハン)シリーズのイベント「モンスターハンターフェスタ'09」(モンハンフェスタ'09)の決勝大会を、東京「ラフォーレミュージアム六本木」で10月25日に開催した。

 「モンハンフェスタ'09」は、今年で3回目を迎えるイベント。8月1日に発売されたWii用「モンスターハンター3(トライ)」(MH3)の公式大会「MH3(tri-)狩王決定戦」をはじめ、「モンハン」シリーズのグッズを販売する「モンスターハンターグッズ販売コーナー」や「ボルボロス」の討伐に挑む「チャレンジクエスト」コーナーなどの、お馴染みの催し物が展開された。

 また会場内のステージでは、公式大会「MH3(tri-)狩王決定戦」の決勝大会のほか、「モンハン」シリーズ関連の最新情報の発表やオレたちモンハン部のメンバーによるイベントを実施。第2回イラストコンテストの各部門の最優秀作品も発表された。

 モンハン部のイベントでは、次長課長の井上聡さん、麒麟の川島明さん、ネゴシックス、ハローバイバイの金成公信さん、ニブンノゴ!の森本英樹さん、コンマニセンチの堀内貴司さん、アッハー小泉さん、レイザーラモン RGさんの8人が登場。「ジャギィ掃討作戦」というクエストに挑むも、中盤に突然現われた「イビルジョー」に逆に掃討され、残念ながらクリアできなかった。

物販コーナーは相変わらず大盛況チャレンジクエストコーナーにも、多くの人が集まっていた


■ 「モンハン」シリーズ関連の最新情報を発表
  アイルーが主役のゲームがPSPで登場!!

今回公開された、タイトル画面らしき映像

 「モンハン」シリーズ関連の最新情報として、「モンハンフェスタ'09」で最大のサプライズの発表となったのが、PSP用ソフト「モンハン日記 ぽかぽか アイルー村」の開発が明らかにされたこと。ステージのモニターにタイトルが映し出された瞬間に、場内から歓声が沸き起こった。

 辻本氏によると本作は、「モンハン」ファンの「アイルーが主役のゲームを作って欲しい」という要望が多かったから開発が決定したという。今回は、プラットフォームがPSPということとアイルーが主人公ということのみの公開となったが、詳細については今後順次明らかにされる。

 また、「モンハン」の楽曲を集めた「モンスターハンターメドレー」が、12月中旬に稼動開始予定のアーケード用「太鼓の達人13」(バンダイナムコゲームス)に収録されることも公開。ゲームでは、「モンハン」の人気キャラ「アイルー」や「チャチャ」などが、ゲームの盛り上げ役として登場する。なおイベント当日には、会場入り口に「太鼓の達人13」の筐体が2台設置され、来場者たちが行列を作ってプレイしていた。

 このほか、モンハン部の新コンテンツとして、携帯用コミック「モンスターハンター短編漫画『モンスターハンター エピソード』」が、11月12日より毎月、第1、第3木曜日(第1話のみ前後編のため第2、第3木曜日に配信)の2回配信される。ページ数は、1話につき32~48ページの予定。

【太鼓の達人13とのコラボ】
バンダイナムコゲームスの人気シリーズ「太鼓の達人」とのコラボが実現。「モンハン」シリーズで使用された楽曲のメドレーが「太鼓の達人13」に収録される。ちなみに、冒頭の挨拶にいつもいるはずの辻本氏の姿がなかったのは、一足お先にコラボ曲を体験していたからだ

【モンスターハンター エピソード】
「モンハン」公式ファンクラブ「モンハン部」の新コンテンツ。原作は、エンターブレインの小説で、作画は「モンスターハンター絵物語」の作画を手がけた布施龍太氏が担当


■ MH3(tri-)狩王決定戦 決勝大会
  狩王ベルトは「arties」チームの手に!!

決勝戦進出決定戦に駒を進めた8チーム

 決勝大会の模様をお伝えする前に、まずは当日に実施された最終代表選抜予選会の結果を発表する。

 最終代表選抜予選会は、残り2つの決勝大会への参加枠を賭けて参加者たちが雌雄を決する予選会で、地区大会と同様に、「クルペッコ討伐」と「ラギアクルス討伐」を実施。「クルペッコ討伐」でのクリアタイムの上位8チームが決勝戦進出決定戦(ラギアクルス討伐)に駒を進め、決勝戦進出決定戦でのクリアタイムの上位2チームが狩王決定戦に進出する。

 最終代表選抜予選会に参加したのは、合計で53組106名のハンターたち。地区大会で涙を呑んだチームや本大会の常連といえる強豪チームも数多く参加し、地区大会に勝るとも劣らないハイレベルな争いが展開された。

 そんな中、見事決勝大会への切符を手にしたのは、「Paris Wizards」と「ぶるぁーズ」の2チーム。いずれも、「もうあとがない」という強烈なプレッシャーの中、3分20秒台でラギアクルスを撃破して、決勝大会への残り2枠をもぎ取った。ちなみにラギアクルス討伐では、参加した全チームが「太刀×2」の組み合わせでタイムアタックに挑んでいた。

決勝戦進出決定戦の組み合わせ決勝戦進出決定戦のルールは、4チーム同時にタイムアタックすること以外、地区予選の時と同じ地区予選の最速タイムには届かなかったが、独特の緊張感の中でこのタイムを記録するのは驚異的

 「モンハン3」の最速ハンターを決める「MH3(tri-)狩王決定戦 決勝大会」では、地区予選、当日最終予選を勝ち抜いた全16チームによってタイムアタックを実施。まず、全16チームで「ロアルドロス討伐」(1回戦)をプレイし、上位4チームが次のラウンドへ進む。

 次に、勝ち上がった4チームで「ウラガンキン討伐」(準決勝)に挑戦し、上位2チームへと絞られる。そして「闘技王の大連続狩猟」(決勝)で、勝ち上がった2チームが「狩王ベルト」を賭けて争う。

ロアルドロス討伐のルールウラガンキン討伐討伐のルール闘技王の大連続狩猟のルール

 決勝大会の1回戦、準決勝、決勝ともに、使用武器の選択基準やモンスターの攻略法は、これまでと同様。モンスターの動きを制限できるアイテムや属性(麻痺など)があり、さらにモンスターの体力を一気に奪える攻撃力を持っている武器を選ぶ。そして、狩猟が始まったらアイテムを使ってモンスターの動きを制限し、その隙に弱点である部位を徹底的に攻撃し続ける。

 上記のように、規定クエストのタイムアタックではもはやお約束と言っても過言ではない戦略を、決勝大会の出場者たちは、「ロアルドロス討伐」、「ウラガンキン討伐」、「闘技王の大連続狩猟」での各モンスターの狩猟において、まるで精密機械のような動きで実践していた。

準決勝に駒を進めた4チーム

・ロアルドロス討伐

 「ロアルドロス討伐」では、全チームが「大剣+ハンマー」という組み合わせを選択。戦術面では大差ないので、単純に立ち回りの巧みさで、タイムに差が付く争いが展開された。少しのミスが致命傷となる1秒を争う激戦を制したのは、NAMAZONE、L.O.L、arties、こえびの4チームとなった。

「arties」と「L.O.L」が決勝に進出

・ウラガンキン討伐

 続く「ウラガンキン討伐」では、4チーム中2チームが「太刀+片手剣」を、残りの2チームが「太刀+ボウガン」を使用武器として選択。どちらの組み合わせも、麻痺属性を持つ太刀でウラガンキンを足止めするのは同じ。このあと、パートナーが片手剣のチームは2人でひたすら腹部や脚部を攻撃していた。

 一方、パートナーがボウガンのチームは、ボウガンを持っているほうがある程度距離をとって行動する必要がある。そのため、太刀でウラガンキンをひきつける戦法をとり、ボウガンを持っているほうはウラガンキンの体をできる限り長く貫通するように角度を調整して、貫通属性を持つ弾を使って効率良くダメージを与えていた。

・闘技王の大連続狩猟

 「闘技王の大連続狩猟」では、ボルボロス、ベリオロス、リオレウスの3体のモンスターの連続狩猟に挑む。使用武器は、artiesが「大剣+ランス」で、L.O.Lが「ランス×2」となった。

 最初のボルボロスでは、L.O.Lがミスの少ない立ち回りを見せ、大差をつけて2頭目のベリオロス討伐へ。正確な時間は計っていないが、見るからにartiesが遅れてベリオロス討伐に入ったため、この時点ではほとんどの来場者がL.O.Lが勝つと思ったのではないだろうか(筆者もそう思った)。

 ところが、ベリオロス討伐ではartiesが、目の肥えた観客も思わずどよめくほどの芸術的な立ち回りを見せる。麻痺投げナイフなどのアイテムを使ってベリオロスの動きを制限している間に、大剣を持つプレーヤーが頭部に溜め攻撃を当ててめまいを誘発。

 さらに、溜め攻撃で頭部を徹底的に叩き続けるという戦法が見事にハマり、目立ったミスもなくあっという間にベリオロスを撃破。逆に、L.O.Lに大差をつける。これで勢いに乗ったartiesが、ベリオロス討伐での差を保ったまま最後のリオレウスを大きなミスもなく討伐して「狩王ベルト」を獲得した。

 最後の総括では、藤岡氏が「連続狩猟では、チームごとに戦略が違うし、今回のように大逆転劇も起こる可能性があるので、見ていて楽しい」とコメント。続いて木下氏が「もう芸術ですね。2チームとも、モンスターの動きを研究し尽くし、武器の特性を活かした完璧な立ち回りでした。本当にいいものを見せてもらいました」とハイレベルな狩猟テクニックを賞賛した。

勝敗を分けたベリオロス討伐。筆者が見た限りでは、L.O.Lもミスなく立ち回っていたように感じたが、それ以上にartiesの狩りが見事だった結果的には2分以上の大差をつけてartiesの勝利開発陣に「狩王ベルト」を腰に巻いてもらい、満面の笑顔で喜びをあらわにするartiesの2人


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(2009年10月26日)

[Reported by 中野信二 ]