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【必見! エンタメ特報】「珍遊記」松山ケンイチのおしりがすべてを象徴

漫☆画太郎ファン集まれ! 小学生マインドを持つ男子必見のギャグ映画

2月27日 公開

玄奘役の倉科カナ(左)とノリノリで山田太郎を演じる松山ケンイチ(右)。2人ともある意味被害者です

 「ち○こ……ですか?」。玄奘役の倉科カナさんが、映画「珍遊記」の一発目で喋るセリフがこれ(実際はピー音もなし)である。あまりにいきなりなので実際見ていて吹き出してしまったのだが、本作、この冒頭だけですでに見に行く価値がある。

 2月27日に公開される「珍遊記」は、まあはっきり言ってしまうと終始こんな内容である。この「ち○こ」をはじめ、映画全体が「小学生男子が面白いと思うものランキング」を上位から攻めていったような感じなので、この時点で面白いと思えば本作を堪能できるし、引き気味なら最後まで肌に合わないだろう。

 ……本当はこれで紹介を終えたいくらいなのだが、いつまでも小学生マインドを忘れず、うんちやオナラが大好きであり、おしりや裸を見ると笑い転げるような一部の読者の方々に向けて、もう少し本作をご紹介していきたい。

【映画『珍遊記』予告編】

漫☆画太郎っぽいこのスケール感。左がピエール瀧演じる変身前の山田太郎
ラーメン屋の場面もある

 映画「珍遊記」は、正体不明かつ孤高の漫画家、漫☆画太郎氏による同名漫画を実写映画化した作品である。

 とてつもない妖力を持ち、極悪非道を尽くす不良少年、山田太郎(ピエール瀧)の更生を、偶然立ち寄ったじじいとばばあの家で頼まれた坊主の玄奘(倉科カナ)。玄奘は法力でなんとか妖力を封印するが、それでも性格までは変わらなかった。玄奘は妖力をなくしてすっかり姿が変わった山田太郎(松山ケンイチ)を引き取り、天竺を目指す旅を始めることになる……。

 漫☆画太郎氏原作の実写映画では、過去に「地獄甲子園」や「漫・画太郎SHOW ババアゾーン(他)」があるが、今回の「珍遊記」も含めて、いずれの映画も山口雄大氏が監督を務めている。「地獄甲子園」は2002年、「漫・画太郎SHOW ババアゾーン(他)」は2004年の公開なので、実に14年ぶりに山口監督による漫☆画太郎映画が帰ってくるというわけだ。

 今回特に注目なのは、そのキャストの豪華さ。まず何と言っても目立つのは主演の松山ケンイチだろう。「デスノート」のLや「デトロイト・メタル・シティ」の根岸崇一など、漫画キャラクター役はこれまでにもこなしているが、今回は粗暴な山田太郎ということで、清々しいまでのケツ出し演技を披露している。何しろ中盤で服を着るまでずっと裸なので、松山くんの裸体とケツを見たい女性ファンにもオススメである。

原作の場面、世界観を再現したシーンもある
松山さんは本当にノリノリで裸なのが面白い

ねっとりしたラブシーンを披露するじじいとばばあ……もとい、じじいとじじい。ややこしいなおい!

 また原作では男性だった玄奘は女性となり、記事の最初にも述べたとおり倉科さんが演じている。朗らかであり、どちらかというと清純なイメージの倉科さんが漫☆画太郎ワールド内でお下劣ワードを連呼するとそのギャップにドキドキしてしまうが、これもまたギャグになっていて、最後まで真面目に玄奘を演じている倉科さんに非常に好感が持てた。

 さらに脇を固めるのは、山田太郎に恨みを持つ龍翔役に溝端淳平がおり、また田山涼成や笹野高史などベテラン役者も参加している。特に田山さんと笹野さんはそれぞれじじい、ばばあ役で出演しており、こってりとした2人のラブシーンまである(笑)。実際はじじいとじじいのカラミなので気色悪いことこの上ないが(演技が上手いので妙に生々しい)、それ自体がギャグになっている必見の場面である。

 ストーリーについては、原作を再現しているところもあればオリジナルの部分もあり、映画として整えられているように思う。ただし連載が始まったと思ったら打ち切りに向かって一直線の漫☆画太郎的な味わいも再現されているので、そこらへんは真面目に見ないほうが良いだろう。

 そういう注意点を差っ引けば、あとはおならとうんちと裸体とどうしようもないナンセンスストーリーを楽しむだけである。そういう意味で本作は、松山ケンイチのおしりがすべてを物語っている。見終わって、3秒後にさっぱり忘れるくらいが本作との正しい付き合い方かと思われるので、漫☆画太郎ファンはぜひともチェックしていただきたい。

溝端淳平さん、板尾創路さん、元キングオブコメディの今野浩喜さん、温水洋一さんなど、ゲストも豪華。今回温水さんは超おいしい役で出ています

(安田俊亮)