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プラットフォーマーからパブリッシャーへ。韓国独自の展開を見せるDeNA Seoul

ドッポギ屋を運営する「国代トッポッキ」や「パズ億」、「アイマス」の韓国語版などを展開

11月20日~23日開催



会場:韓国釜山BEXCO

 DeNAの韓国法人DeNA Seoulは、今年、G-STARのBtoCゾーンには出展せず、BtoBゾーンにブースを出展し、プラットフォーマーではなく、いちパブリッシャーとしてビジネスミーティングを行なっていた。

今回取材に協力頂いたディー・エヌ・エーの林昌伸氏。DeNAが注力する3つの地域の1つ、中国市場を担当している

 同社は現在、グローバル展開において、日本、ウェスト(欧米)、そして中国の3地域に重点的にリソースを割くという選択と集中を行なっている。その意味では、韓国法人は、成長戦略の構想から外れているが、DeNA SeoulブースはDeNA Chinaの応援もあって意外にも活況で、韓国、そして中国での取り組みについて取材することができたのでまとめておきたい。

 DeNAの韓国展開は、2012年のDAUMとの協業によって誕生したプラットフォーム「Daum Mobage」から本格スタートしているが、韓国でのプラットフォーム展開はうまくいかず、2013年に改めて仕切り直している。

 現在のDeNA Seoulでは「Daum Mobage」の存在を前面に押し出さずに、自社タイトルやパートナーからタイトルを預かって展開するパブリッシャーに業態を変えている。ブースにはMobageの文字もなく、日本と同じDeNAのロゴがあるだけだ。

 現在売り出し中のタイトルは、韓国のデベロッパーNURIJOYに外部委託して開発したレストラン経営シミュレーションゲーム「国代トッポッキ for Kakao」と、DeNA内製のパズルゲーム「パズ億」の韓国ローカライズ版「百万長者のパズル旅行 for Kakao」の2タイトルで、現在事前登録受付中のタイトルとして、「アイドルマスター シンデレラガールズ」の韓国語版。以上3タイトルとなる。

 「国代トッポッキ for Kakao」は、オーソドックスなレストラン経営シムで、韓国のゲームらしくトッポギ屋なのが特徴となる。実在のトッポギレストラン国代トッポッキと提携し、クロスプロモーションを展開している。DeNA Seoulでは、このタイトル以外にも複数、現地開発を進めており、来年にかけてサービスしていくという。

【「国代トッポッキ for Kakao」トレーラー】

【「国代トッポッキ for Kakao」スクリーンショット】

 「百万長者のパズル旅行 for Kakao」は、日本の「パズ億」をベースに、韓国のデベロッパーPNIX Gamesがローカライズを行なったタイトル。円マークはウォンマークに、福澤諭吉は5万ウォン札の申師任堂を模したキャラクターに変更。韓国専用のステージもあるという。こうしたカルチャライズを行なった結果、ローンチのタイミングでGoogle Playのランキング1位を獲得するほどの人気を集めたという、この背景にはKakaoの集客力や、TVCMに歌手のソ・イングクを起用したことなどもプラスに作用したものを思われるが、モバイルアプリの分野でも日本のタイトルが韓国で成功できるということを実証した数少ないタイトルとなる。

【「百万長者のパズル旅行 for Kakao」TVCM】

事前登録がスタートしている「アイドルマスター シンデレラガールズ」

 最後の「アイドルマスター シンデレラガールズ」は、現在韓国で事前登録を行なっているタイトルで、今回ブースでもロングバージョンのトレーラーを流すなど、DeNA Seoulの“新しい顔”としてもっともアピールしていたタイトルとなる。

 ローカライズはテキストは韓国語、キモとなる音声は日本語のままで、日本でも人気の楽曲がそのまま楽しめる。日本語の楽曲は、韓国では抵抗があるユーザーも多いのかと思いきやまったくそんなことはなく、むしろそれを楽しみにしているユーザーが多いという。「アイドルマスター」シリーズが韓国語化されるのは意外にも今回が初ということで、韓国にも隠れファンが多いと言われる「アイマス」だけに、どのような反応があるのか注目されるところだ。

【「アイドルマスター シンデレラガールズ」韓国版トレーラー】

(中村聖司)