ネクソン、オンラインFPS「シャドウカンパニー」体験会を開催

役割に応じてスキルをカスタマイズ、最大4チームで対戦可能な新世代FPS


2012年7月取材

会場:ネクソン本社



 株式会社ネクソンは、Windows用オンラインFPS「シャドウカンパニー」を2012年中にサービスする。7月9日にはティザーサイトがオープンし、クローズドβテストの募集が開始されている。今後オープンβテスト、基本プレイ無料、アイテム課金の正式サービスを行なっていく予定だ。

 クローズドβテストの募集期間は7月9日~7月18日の12時まで、応募にはNEXON IDが必要となる。テスターの人数は公開されていないが、7月18日の当選メールによって結果が告知される。クローズドβテストの実施は7月20日15時から7月23日15時までを予定している。

 本作の開発は韓国Doobic Games Studios。今回はネクソン社内で行なわれた体験会で見ることができたゲーム要素を紹介したい。体験会では、サドンアタックの強豪クランのクランマスターを務めるKaminage氏と、Matcha氏が参加し、他のゲームとの感触の違いなどを語ってくれた。

 弊誌では、4月にDoobic Games Studiosでの体験会もレポートしており、今回が2度目となる。基本的なゲーム要素に関しては、こちらの記事を参照して欲しい。今回は日本語版クライアントで体験することができ、より細かい要素を紹介していきたい。





■ “キャラクターをどう強くするか、プレイスタイルに合わせたスキル選択

サドンアタックの強豪クランのクランマスターを務めるKaminage氏(左)と、Matcha氏
今回は複数のメディアが参加し、いくつかのゲームモードを体験できた

 「シャドウカンパニー」は近未来を舞台にしており、プレーヤー達は巨大企業が雇う傭兵となって、戦いを繰り広げて行く。グラフィックスエンジンに「Unreal Engine 3」を使用しており、リアルなグラフィックスがセールスポイントとなっている。

 本作の大きな特徴はキャラクターのカスタマイズ性にある。「シャドウカンパニー」でのキャラクターは、レベルアップすることでスキルポイントを獲得し、これを消費することで様々なスキルを獲得する。スキルには「個人戦術」、「武器運用」、「戦術要請」の3つのカテゴリーがある。

 個人戦術は様々な戦闘系スキルだ。ダッシュできる距離が伸びる「マラソナー」、スライディングしながら射撃が可能となる「強行突破」、スプリントの移動速度が上がる「全力疾走」などがある。この他にもダメージを一定量回復できる「応急処置」や、倒されてから数秒間反撃できる「ダイハード」、死んだときに手榴弾をまく「デストラップ」といったスキルがある。

 武器運用はキャラクターの性能を底上げする、パッシブ要素の強いスキルが集まっている。リロード速度を上げる「クイック装填」、射撃の精度を上げる「指向性射撃術」照準姿勢に切り替える速度が上がる「照準射撃術」、狙撃時の照準のブレを抑えられる時間をのばす「狙撃術」などがある。他にも所持弾薬を増やしたり、格闘攻撃を強化するなど、プレイスタイルに合わせた強化が可能だ。

 戦術要請は、ゲージが溜まると使用できる特殊スキルだ。スキルによってゲージが溜まる時間は変わる。敵を待ちぶせできる「ターレット」、ヘリを呼び空中から攻撃を加える「ハンターチョッパー」、一定時間姿が消せる「ゴースト」、敵の位置を補足する「無人偵察機」、そしてそれに対抗する「ECM」など、強力なものが揃っている。

 これらのスキルはレベルがあり、最大3レベルまで強化できる。スキルの習得はいくつでもできるが、ゲーム中使用できるのは各カテゴリーで1つのみだ。どのスキルを使用するかでも戦い方が変わってくるだろう。また、スキルは“クラン戦”などメンバーでの連携が重要な状況では、どのスキルを取っていくかが重要になってくる。切り込み隊長は強行突破によるスライディング射撃、援護する狙撃手には狙撃術というように、メンバーの戦い方で、より有効なスキルの組み合わせが見えてくるだろう。

 もちろん、武器や装備も様々なものが用意される。装備はゲーム内マネーや課金アイテムで買える。メイン武器はアサルトライフルや、スナイパーライフル、ロケットランチャーなどがある。ショットガンは拳銃と同じサブ武器のカテゴリーだ。この他に投擲武器や特殊武器がある。特殊武器はガスをまくグレネードや、戦術要請での飛行機やヘリを破壊できる「スティンガー」などもある。この他、外見を変えるアイテムなどもある。

 そして、「シャドウカンパニー」ならではの要素として“ヒーローキャラクター”がある。本作では様々なヒーローキャラクターが登場する。プレーヤーはヒーローキャラクターを使うことで、大きく外見を変えることができる。ヒーローキャラクターはアバター要素だけでなく、専用のスキルなども用意される予定だという。ヒーローキャラクターの入手はプレーヤーの大きなモチベーションとなるという。

 「シャドウカンパニー」は、スキル使用を前提としたマップ構成が面白い。マップによってターレットが有効だったり、屋根があるためにクラスター爆弾の威力が活かせない場合もある。また、スライディングで越えられるルートや、「タンブリング」というスキルを持っていれば通れるようになるところもある。他の対戦型シューティングとひと味違う、スキルを使った駆け引きがたっぷり楽しめる作品となるようだ。


多彩なスキルが本作の大きな特徴だ。プレイスタイル、役割に合わせて選択していきたい
武器は課金やゲーム内マネーで購入する形だ。特殊武器のスティンガーはヘリなども落とせる
ヒーローキャラクター。今回は確認できなかったが、独自スキルなども持つという
左から戦術要請の「ターレット」、「スペクターガンシップ」、「クラスター爆弾」




■ スキルの活用で広がる戦術。4つどもえの混戦が楽しい「ブラックマネー」

スコープで敵を狙う。狙撃は難しめのバランスだという
クリアすることでボーナスを得られるX-File。ゲームでの目的となる
味方は緑色のランプが肩に点灯しており、間違えにくい

 「シャドウカンパニー」では、2チームにわかれて戦う「チームデスマッチ」と、4チームが入り交じる「バトルスクァード」という2つのゲームモードがあり、そこからさらに様々なモードが用意されている。

 現在明らかになっているゲームモードが、今回体験できた、2チームで撃ち合う「チームデスマッチ」、2チームにわかれて爆弾を設置する「爆破ミッション」、4チームで金の入ったバックを奪いあう「ブラックマネー」だ。これらは、4月の体験会でも体験している。爆破ミッションは「Counter-Strike」を発祥として、以後ほとんどのゲームが取り入れているメジャーな対戦モードだ。

 今回改めて「シャドウカンパニー」を触ってみて、“当てやすい”ゲームだと感じた。スキルの指向性射撃術を取っていたためか、集弾率が高く敵を捉えやすかった。応急処置を取っていたため、撃たれてもすぐ逃げて体力回復を図ることもできた。また、味方には緑のランプがついているため、敵と味方がわかりやすいのもありがたかった。前回も感じたが、カジュアルよりのバランスだと感じた。

 「ブラックマネー」は本来は各チームが6人、24人が入り乱れお金を取り合うゲームモードだこのモードではキャラクターはすぐに死なず、撃たれても一定時間倒れている。この時仲間に助けてもらえれば復活できる。一方敵に踏みつぶされると死んでしまう。このため、倒された仲間や敵に近付くときが独特の駆け引きを生んでいた。

 4チームが入り乱れるため、どこから攻撃されるか予測がつかないのも楽しかった。ただ、今回は10人での対戦だったため、このモードが本来持つ多人数ならではの戦いを体験したとは言いがたかった。このモードは特に、多くのプレーヤーが参加する状況で体験してみたい。

 今回はさらに、「練習モード」も体験できた。このモードは標的を置くことができ、戦術要請も使い放題で、スキルや武器の組み合わせに最適だ。そしてマップを細かくチェックできるのもプレーヤーには嬉しい点だろう。今回はこのモードで様々な戦術支援を使ってみた。

 Kaminage氏と、Matcha氏に本作の印象を聞いてみたが、Matcha氏は特にアサルトライフルのAK-47の集弾率の悪さが気になったという。前回触ったときより下方修正されていると感じ、他のゲームのAK-47と同じ感じで使って戸惑ったという。また、「ブラックマネー」での踏みつける要素や、4チームの対戦などは、シビアな駆け引きを求められるハードコアなFPSに比べ間口が広く、他のゲームをプレイしている人も楽しくプレイできるのではないか、ということだ。観戦も楽しいという感じだ。

 Kaminage氏は「ブラックマネー」での踏みつぶしの駆け引きが、「踏むと気持ちいいし、踏まれると悔しい」ということで、感情移入の楽しさを指摘した。Kaminage氏は狙撃を好むプレイスタイルだが、「シャドウカンパニー」は狙撃時の呼吸による照準のブレが大きく、かなり狙撃手に不利なバランスというところがちょっと不満だという。「狙撃術」を使えば呼吸を止めてブレが発生するまでの時間を延ばせるが、それでも他のゲームよりは狙撃が弱く感じたとのこと。

 Matcha氏は本作がカジュアルよりでありながら、攻略・やりこみ要素の高さも指摘する。チームでの組み合わせや、マップでの有効性、戦術もスキルで大きくふくらむ。戦術支援も有効に使うことでかなり戦いの駆け引きも変わる。スキルの組み合わせが、本作では大きな意味を持つ。Kaminage氏は「タレットは設置されまくったら、かなりウザいんじゃないか」と語った。今後ユーザー達がどんな戦いを生み出していくか、どんな戦場が生まれるか、楽しみだ。


2チームで戦うチームデスマッチ。最も基本的なゲームモードだ
攻撃側と防御側で戦う「爆破ミッション」。マップの把握が勝利の鍵となる
金の入ったバックを奪いあう「ブラックマネー」。4チームが入り乱れるゲームモードで、撃たれても即死せず、この状態で助けてもらうことができる。とどめを刺される場合も

Copyright (C) 2012 DOOBIC Co., Ltd. All Rights Reserved.
Copyright (C) 2012 NEXON Co., Ltd. All Rights Reserved.

(2012年 7月 13日)

[Reported by 勝田哲也]