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【訃報】漫画「カムイ伝」の白土三平氏と作画担当・岡本鉄二氏が逝去

歴史要素、群像劇などを盛り込み、漫画に重厚な世界をもたらした先駆者

10月26日 発表

 「カムイ伝」、「忍者武芸帳」などで知られる漫画家の白土三平氏が10月8日に亡くなった。享年89歳。また、同氏の弟である漫画家・岡本鉄二氏も10月12日に亡くなった。享年88歳。小学館広報室は訃報として遺族の岡本春子氏とビッグコミック編集部の言葉を添えて各メディアに告知した。故人の生前の希望により、葬儀は両名とも親族のみで行なったという。

 白戸氏は1959年、貸本漫画の時代に戦国時代を生き抜く壮大な忍者活劇「忍者武芸帳 影丸伝」で多くの読者を獲得、その後、群像劇、独自の歴史の視点を描くという手法をさらに推し進め「カムイ伝」を執筆した。

 また、「カムイ外伝」、「サスケ」、「ワタリ」といったエンターテイメント方向に舵を切った忍者ものでも大きな人気を獲得。魔法のような荒唐無稽な忍術ではなく、様々な考察を加えた忍者描写は多くの作品に影響を及ぼした。「カムイ外伝」、「カムイ伝」はよりリアルな作風で続編も執筆されている。

 岡本鉄二氏は白土三平作品を制作、宣伝するための組織「赤目プロダクション」で作画を担当。編集プロダクションの銀杏社を立ちあげた。