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まさに吉田のための大会と言っても過言ではない、「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON2 TGS特別大会」優勝者はヨダソウマ選手!

ぷよぷよのプロたちがしのぎを削る大会で、その凄さを目の当たりにした!

9月15日 開催

会場:幕張メッセ

 東京ゲームショウ2019最終日の9月15日。連日行なわれていたeスポーツ大会はこの日も朝から開催されていた。大型eスポーツ専用ステージのe-Sports X BLUE STAGEでは行なわれていた「ぷよぷよ」のプロ大会、「ぷよぷよチャンピ オンシップ SEASON2 TGS特別大会」がかなりの盛り上がりを見せていた。

 正直をいうと、筆者はパズルゲームの試合などはほぼほぼ見たことがなく、どういったところが盛り上がりのポイントなのかなどまったくわからないでいた。eスポーツを支持する身として、せっかくの機会なので本大会を観戦することにした。

朝から会場内はほぼ満席状態でかなりの活気があった。観客の層も老若男女さまざま

「ぷよぷよ」の対戦は曲芸であり、全力の殴り合いだった!?

 日本の「ぷよぷよ」のプロゲーマーは現在32名。「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON2 6月大会」でベスト8になったプロの選手と、予選を勝ち抜いて出場権を得た8名、海外特別招待選手である韓国選手代表と台湾選手代表2名を加えた全18名のトーナメント戦となっている本大会。優勝賞金は200万円。国内の大会の賞金としてはなかなかの額である。

 海外特別枠で出場しているのは、韓国最上位の「Nero選手」と、台湾最強の「Acliv選手」。どちらもかなりの強豪プレーヤーのようで、日本のプレーヤーとどんな対戦が繰り広げられるのか注目を集めている。対戦のマッチングはクジ引きで行なわれた。

写真左がNero選手、右がAcliv選手。どちらも国内ではかなりの上位プレーヤーだといわれているが、その実力とは……
誰とぶつかるか、運命の瞬間。祈るようにくじを引く選手の姿も

 解説を聞きながら試合の行方を見ていると、「ぷよぷよ」の対戦は自分が想像していたものとは大きく違っていた。「相手よりもいかに早く積み上げて、先に連鎖で消しまくれば勝てる」というような、言わば“ソロプレイの延長”的なイメージを持っていたが、そんな浅いものではなかった。

 基本動作となる、連鎖を意識してぷよを超高速で落下させながら積んでいく様は、まさに曲芸の域と言えるが、これに加えて相手側の積み具合も常に見ているというのだから驚きだ。相手の状況に応じて、軽い連鎖で「おじゃまぷよ」を飛ばして積みを妨害したり、大きな連鎖で揺さぶりをかけて、積み途中の物を崩させる状況に持っていくなど、一見積んで消しているだけのように見えていたが、そこには高度な心理戦が行なわれていた。

 相手に先に大きな連鎖を打たせて、それを超える連鎖数で迎え打ち、パワーでねじ伏せて倒すという場面は、格闘ゲームの殴り合いに通ずるものを感じた。「ぷよぷよ」の対戦は全体的に展開が速く、1発の攻撃で勝負がつくことも多い。この痛快さとわかりやすさが幅広い層で楽しめる理由なのだと思えた。

殴り合いともいえる大連鎖と大連鎖の応酬は、かなりの見応えがある

異様な選手の活躍で、大会は異様な面白さを見せた!

 注目されていた韓国と台湾の選手を日本人プレーヤーが難なく圧倒していたり、前大会優勝者で、今大会でも優勝有力候補であった「delta選手」が準決勝で敗れるなど、本大会では様々な見所があり、会場を盛り上げていた。

 そんななか、話題を独り占めする選手がいた。その人物は「本名は吉田」という自己紹介のような異名を持つヨダソウマ選手。準決勝まで勝ち進んだ際に、「このメンツの中にヨダソウマがいるというのは異様な光景だと思うんですよ。ここまで来たら優勝して異様な大会にしてやります」と自らダークホース宣言。このマイクパフォーマンスに、会場と配信動画のコメントでは吉田コールが飛び交っていた。

ユーモアのあるヨダソウマ選手。お弁当が支給された際に、先輩より先には絶対食べないという真面目な一面を実況者に暴露された

 危ない場面がありながらも、決勝戦まで見事登りつめたヨダソウマ選手。対するは思い切りのよい攻めに定評があるマッキー選手。試合はマッキー選手が流れを握り、一気にマッチポイントまで持っていく。崖っぷちのヨダソウマ選手だったが、怒涛の追い上げでなんとマッキー選手を撃破し、宣言通り優勝に輝き、異様な大会となった。優勝したヨダソウマ選手は、「吉田イケますよ!」と謎のコメントを残し、大会は大盛り上がりのなか終了した。

勝負が決まった瞬間、「吉田のための大会だった!」と実況が叫ぶ

 今回「ぷよぷよ」の大会を初めて生で観戦して、プレーヤーの腕前の凄さはもちろんのこと、試合中の心理戦や大連鎖を打ち合う攻防などの熱い場面の連続であった。パズルゲームの対戦がここまで白熱するものとは正直思っていなかった。大会は終始盛り上がれ、筆者的にはとても良い体験ができた。