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ヨーロッパでも名作のリバイバルがブームに。傑作ストラテジー「Commandos 2」にHD Remasterが登場!

2019年第4四半期リリース予定

 今ゲーム業界では、往年の名作のリバイバルが一大ムーブメントとなっているが、それはヨーロッパでも同じだ。THQ Nordicの隠し球は「コマンチ」だったし、Kalypsoは交易シミュレーションゲーム「ポートロイヤル」シリーズの久々の新作「ポートロイヤル4」を発表した。

 そうした中で個人的に「オッ」と思ったのは「Commandos 2 HD Remaster」だ。2001年にスペインのデベロッパーPyro Studiosよりリリースされたときには、ストラテジー好きのヨーロッパのゲームらしい緻密なバードビューの視点から、コマンドーたちを1人ずつ操作してミッションをクリアしていくという未だかつて体験したことのないゲーム性と、そのミニチュアのような世界観に衝撃を受けたものだ。シナリオも1からパワーアップして太平洋戦線も舞台となり、太平洋の孤島をモチーフにしたミッションなども用意され、日本のPCゲームファンの間でも高い評価を集めた作品だ。その名作が18年振りにHDリマスターとなって復活するのだ。

【Commandos 2: Men of Courage】
懐かしの「Commandos 2」

【Commandos 2 HD Remastered - Gamescom Trailer (US)】

 発表そのものはE3で行なわれたが、実機を使って開発者に直接話が聞けたのは今回が初めて。「トロピコ6」の取材で訪れたKalypsoビジネスブースで、「Commandos2 HD Remaster」の実機デモも行なわれていることを知ると、その場で担当者に頼み込んで、デモに混ぜて貰った。デモの参加者は見事に中年ばかりで、昔話に花を咲かせているというなかなか楽しい空間だった。

 さっそく話を聞かせて貰った。基本的なストーリーやゲームデザインはそのままに、新たにUnityを採用して、グラフィックスのHD化を果たすと共に、PC以外のマルチプラットフォーム展開も行なう。UIは現代風に改良し、なおかつ誰でも遊べるようにチュートリアルを作り直している。発売プラットフォームは、PC、PS4、Xbox Oneに加えて、タッチ操作で遊べるスマートデバイス版も用意。

 ゲームメニューはVGA(640×480)、ゲームシーンはXGA(1,024×768)だったのをすべてフルHD(1,920×1,080)に引き上げ、引き上げても粗が目立たないように、2Dベースのマップの解像度も、キャラクターのポリゴン数も218ポリゴンから700ポリゴンに大きく引き上げている。

【そんなに変わってない!?】
なんかあまり変わっていないような気がするのだが……

 とはいえ、最初に実機映像を観たときは「あれ? あまり変わらないな」と思ったのだが、担当者に「そんなことはないぞ」と原作とリマスターでキャラクターのモデルの違いや、マップの描き込みの違いを見せられると、「むしろ、当時はこんなに汚かったのか」と驚かされた。人間の思い出補正とはやっかいな代物だと思わされる。ムキムキに綺麗になっている。

【めちゃめちゃ進化していた】
当時はこんなにローポリだったのである
上が原作、下がリマスター。ぜひ拡大して見比べてみて欲しい
上が原作、下がリマスター

 ただ、今回はあくまでリマスターであって、リメイクではないため、4Kでプレイしたり、さらに視点を引き上げて、マップ全体を1画面に映したままプレイするといった遊び方はできないし、オンラインマルチプレイにも対応していない。当時の不満がそのまま残されているところがユニークだが、リマスターされたことで、当時の感動が蘇り、再び遊び込みたい気持ちに駆られてしまった。

 ちなみに原作がリリースされた頃は、Eidos Interactiveの日本法人が存在し、日本語版も存在したが、当時は開発側でローカライズまで行なわず、日本法人側でデータを用意し、開発側に組み込んで貰うという工程を経て作られていたため、日本語版のデータが残っておらず、日本語版の予定はないという。もっとも、ボイスやテキストは限られ、直感的に理解できるゲームデザインになっているため、英語版のままでも問題なく遊べると思う。このHDリマスターがヒットしたら「4」の開発に乗り出したいと語っていたが、果たしてどうなるのか発売後の反応が楽しみだ。

【スクリーンショット】