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日本テレビ、eスポーツ事業に本格参入。プロチームと地上波番組を同時展開
DAIGOさん「正直、ESH（eスポーツハンパない）」、生駒里奈さん「プロの技術の高さにビックリ！」
2018年6月29日 20:28
- 6月29日発表
日本テレビは6月29日、日テレホールにて記者発表会を開催し、eスポーツ事業に本格参入することを明らかにした。概要については速報でお伝えした通りで、日本テレビ自らプロeスポーツチームを設立し、同時に7月19日より日本初となる地上波でのeスポーツ番組をスタートさせる。本稿では、発表会およびその後に行なわれた囲み取材から、日本テレビの狙いをレポートしたい。
日本テレビが今回発表した内容は2つだ。1つは、プロeスポーツチーム「AXIZ」の設立。もう1つはeスポーツ専門番組「eGG（エッグ）」のスタート。発表会には、「AXIZ」の運営を手がける日本テレビ100％子会社のアックスエンターテインメント代表取締役社長の小林大祐氏、「AXIZ」チームプロデューサーの佐々木まりな氏のほか、「AXIZ」のサポートリーダー兼「eGG」番組MCを務めるDAIGOさん、同じくMCの生駒里奈さん、eスポーツキャスターの岸大河さん、NTVアナウンサー佐藤梨那さんが出演し、eスポーツ事業および新番組の魅力について語った。
そもそもの出発点は、日本テレビの社内公募制度「NTVIP」に、小林氏がeスポーツ事業について提案したことに端を発する。提案者は小林氏だけでなく18名もいて、その後に行なわれたeスポーツに関する社内勉強会には100名以上が集まり、社内的にも“今しかない”という気運の高まりを受けて発足したという。
まず、プロeスポーツチーム「AXIZ」は、アックスエンターテインメントを母体として運営される複数のタイトルのプロ選手を擁するマルチゲーミングチームを想定したチーム。第1弾としてカードゲーム部門を設立し、Cygamesのオンラインカードゲーム「シャドウバース」のプロリーグである「RAGE主催『シャドウバースプロリーグ』」に参戦する。
AXIZの由来は、英語の軸（axis）から取っており、eスポーツシーンの軸、中心的な存在でありたいという願いがこもっており、チームロゴはイッカクから取っており、伸びる牙に力強く頂点を目指すイメージを持たせている。eスポーツ事業サポートリーダーに就任したDAIGOさんは、感想を聞かれて「正直な所、BTH（僕もチームに入りたい）ですね」とDAI語でアピール。
DAIGOさんにもAXIZへの参加資格があることが判明し、佐々木さんより参加の意思について尋ねられたDAIGOさんは、ちょっと言葉を詰まらせて「でも、ちょっと色んなお仕事で忙しかったりするので」と正直に回答して会場を沸かせた後、「練習とかも大変だと思うので、僕はサポーターとしてしっかり応援したいと思います」とサポートリーダーとして宣言した。
なお、AXIZの選手はチームの買収や引き抜きによって揃えるのではなく、一から公募で集める方針。7月7日に渋谷エクセルホテル東急にてプロeスポーツチーム「AXIZ」に関する説明会を開催し、7月7日より27日まで募集を行ない、プロに相応しい実力を備えた4人を選出する。「AXIZ」の選手に選出されたメンバーには、RAGEの既定により月額30万円の報酬が与えられ、「AXIZ」所属選手としてプロリーグに参戦し、高額賞金の獲得を目指していくだけでなく、プロ選手として日々の練習内容を配信したり、後述するeスポーツ専門番組「eGG」に出演し、プロeスポーツの普及に努めていく役割を担う。
小林氏によれば、すでに2社の大手スポンサーが内定しており、スポンサー料と番組出演料で会社として回せる体制でスタートさせる方針で、最終的には既存のプロeスポーツチームと肩を並べる存在に成長させていく。スポンサーの1社はオールアバウトナビで、同社のショート動画メディア「チルテレ」を通じてAXIZ所属選手に関する情報をはじめとした、各種eスポーツ情報を配信していく。スポンサー2社目は、一見意外な取り合わせとなる総合スポーツジムを展開するティップネス。小林氏によれば、eスポーツはフィジカルも重要ということで、AXIZ所属選手に対して、専属トレーナーによる「運動」、「食事」、「回復」のサポートを施していく。
気になる2種目目の発表時期、タイトルについては明らかにしなかったが、eスポーツ事業を主導する小林氏によれば、すでに他のタイトルについても準備を進めており、大会やリーグの設立に備えてタイムリーに発表していくという。
ちなみに小林氏と佐々木氏は共にゲーマーで、小林氏は「League of Legends」、佐々木氏は「PUBG」や「レインボーシックス シージ」を好んでプレイしているということで、これらのタイトルの部門を設立する可能性は高そうだ。
eスポーツ事業のターゲットは、eスポーツが正式種目に決定している2022年のアジア大会、およびeスポーツが正式種目になるかもしれない2024年のパリオリンピック。“日本がeスポーツ後進国”という伸びしろの大きさを武器に活動を続けていきたいとしている。
なお、日本テレビeスポーツ事業の2本の柱である「AXIZ」と「eGG」については、あくまで別の事業であり、一定の距離感を保つという。「eGG」には、日本で活躍する様々なeスポーツチームに参加して貰うことを検討しており、AXIZはあくまでその中の1チームという扱いになるようだ。
次にeスポーツ専門番組「eGG」については、国内初となる地上波番組で、7月19日24時59分より50分間、月刊サイクルで放送していく。レギュラー出演者は、DAIGOさん、生駒里奈さん、eスポーツキャスターの岸大河さん、NTVアナウンサーの佐藤梨那さんの4人で、そのほかに毎回タイトルを変え、毎回異なるプロチームを招いて、DAIGOさんや生駒里奈さんと共にプレイしていくという。
発表会ではDAIGOさんに紹介される形で生駒さん、岸さんも登場。佐藤さんに「eGG」の意味を問われると「いやー、どうなんでしょう、イイネゴーゴーみたいな？ シンプルに」とボケをかますと、佐々木氏は「ちょっと惜しいです」とフォローし、「eスポーツ グッド ゲームの略で、eスポーツでは良いプレイをするとグッドゲーム、略してggと挨拶することが一般的となっていますけが、そこから取りました」と説明。
続いて生駒さんが「『エッグ』というとタマゴみたいなイメージがありますけど、ちょっと違ったんですね」と感想を述べると、佐藤氏は「その意味もある」と応じ、eスポーツは世界的に盛り上がっているが、日本ではまだまだこれからでタマゴのような状態であり、タマゴから成長して行ければという想いと、いつか殻を破っていきたいなという想いを込めています」と抱負を語った。
7月19日の第1回放送では、「eスポーツのeってなに？」という基本からスタート。ゲームタイトルは「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」で、「PUBG」のプロチームを招いてプロの技を披露する。
DAIGOさんや生駒さんがプレイするシーンもあるそうで、生駒さんは第1回の収録を終えた感想として、「初回の収録で『PUBG』というゲームをやらせていただいたんですけど、凄く難しくて。ゲームって趣味の世界というイメージがあったんですけど、プロの方って本当に違うんだなと。その技術の高さにビックリしました。神業が一杯ありました」とコメント。
その2人のサポートとしてレギュラー出演するのが、eスポーツキャスターとしてお馴染みの岸大河さん。eスポーツの専門家として番組について尋ねられると、「eスポーツという言葉を聞いたことがあっても、どういうシーンなのか想像が付かないという人も多いと思うが、今回、生駒さんやDAIGOさんに『PUBG』をプレイして頂いて、プロシーンで活躍する選手達も交えて、eスポーツの良いところをわかりやすく伝えていければいいなと思っている」と挨拶。
これを受けてDAIGOさんも、「正直な話、ESH（eスポーツハンパない）だなと思いました」とコメント。場内が大ウケしたところで「ちょっと（ワールドカップのネタに）乗っかりつつですけど（笑）」と照れながら、「本当におもしろいし、実況が付くとスポーツ感覚で、グッと楽しさや臨場感が増して、僕知らなかったので新しいなと思いました」と熱っぽく語り、eスポーツを知らない人でも楽しめる番組になっていることがアピールされた。
ちなみにDAIGOさんと生駒さんは、PCゲーム初体験だったということで、2人のプレイを見ていた岸さんは「PCゲームは操作性が難しいところもあるんですけど、すぐに1回目から慣れて、2人で戦うシーンもあるんでぜひ番組をご覧頂きたい」とアピールすると、DAIGOさんも「正直、1回目から5時間特番行けるなっていうぐらい凄く濃厚な取れ高だったんですがギュッとまとめて放送したいなと思います。生駒ちゃんも凄く楽しんでプレイしているので」と応じ、生駒さんも「自分はゲームが苦手な代表ですけど、そんな人でも楽しめるかという不安はあったんですけど、全然大丈夫でした。下手くそでもどんどん挑戦して巧くなりたいという気持ちになれたので今後の収録も楽しみです」と綺麗にまとめていた。
eスポーツ専門番組「eGG」は、7月19日より日本テレビの地上波で月に1回のペースで、50分枠で放送される。地上波での放送後は、CS「日テレプラス」やBS日テレでも再放送される。
